2024年10月24日木曜日

模型製作と交通機関のバリアフリー

完成した模型



ずっと製作中だった模型がほぼ完成し、今日は確認のため日比谷のクライアントのオフィスへ持って行った。模型はたいていベース(台)の大きさで外箱の幅と奥行が決まる。展示の際に安定させるにはベースの大きさがある程度大きい方がよい。特に今回のように少し高さがある場合はなおさらである。それはわかっていたのだが、いざ運ぼうと思うと改めて大きいと感じる。キャリーに乗せてカラカラ引っ張っていく。

朝夕の混雑時を避け空いている昼ごろの電車を使う。駅のエスカレーターは使えなくもないがエレベーターがあればその方が良い。家の近くの駅は問題ないが途中どうしても乗り換えがある。この乗り換え駅のエレベーター事情がよくない。

他線に乗り換えるときエレベーターが使えない、または非常に使いにくい駅は結構多い。どの駅もたいてい乗換えの上下移動はエスカレーターが便利に使える。だがエレベーターはあるにはあるが場所が非常にわかりにくいとか、改札階にはいけるが乗換え階には行かないとか、乗換えとは逆のホームの先にあったりとか必ずしも利便性が高いとは言えない。まあ距離が遠いとか路地をくねくねと何度も曲がってたどり着くくらいは我慢して歩いても、一旦改札を出て違う入口から入り直さないと乗換えもできないなんてのはある意味欠陥ではないだろうか。例えば同じ都営地下鉄への乗り換えでも一旦改札を出て再び入ることになるわけで、運賃が余計にかかる。おそらく駅員に事情を説明すれば大丈夫なのだろうが、それでは不便極まりない。

バリアフリー法ができて1日の昇降客数が5千人以上の駅はエレベーター設置が義務付けられた。つまり少なくとも東京の地下鉄駅は全部である。短期間で対応するために、あればいいのでしょ的に取付けたエレベーターも多い。先の一度改札を出ないとなどはその最たるもので、鉄道事業者側の言い分は明快で、「施工上難しいのでこうなった、あとは駅員が必要に応じて個別にサポートする」ということだ。つまり健常者とは違うルートにはなるが乗り換えまで駅員がサポートしますのでいいでしょ、なのである。馬鹿な話である。車椅子利用者が健常者と同じように自立移動できることがバリアフリーの意味である。それができないなら適応したとは言えない。重要なのは自立利用、自立移動が可能かどうかなのであり、誰かのサポートが不要な社会がバリアフリー社会なのである。もちろんサポートなんて必要がないという意味ではない。例えばみんなよく知らないが白杖を持った人が電車に乗ってくるとたいてい扉近くに立っている。車内を移動すると白杖で他の乗客の足に触れることになり、それを気にしているからである。また同じ理由で席にも座れない。だがもちろん彼らだって座りたい。だから席が空いていれば教えてほしいそうだ。そしてひじを貸してあげて席まで誘導してあげればいい。たいしたことではない。そしてそれは機械や装置ではなかなかできないことなので、人がサポートするのが良い。

だが移動方法に関しては装置でなんとかなるのである。それをその装置を使うために誰かのサポート云々というのは、もう少し考えたらどうよ、と言いたくなるのは私だけだろうか。

以前、障害者団体と会合を持ったことがあるが、彼らはやはり誰かに手助けしてもらうより、できる限り自分の力で、と考えている。例えば一部のエスカレーターで段に少し手を加えて車椅子を昇降できるタイプがあるが、その作業と移動の間、つまり自分のために多くの他の利用者に階段を使うことを余儀なくさせていて申し訳ない、と言っていた。その気持ちはすごくわかる。

バリアフリーの理想は例えば大門での大江戸線から浅草線に乗り換える部分を例に取ると、エスカレーターの横にエスカレーターと同じ並びに斜行エレベーターがあり、エスカレーターのすぐ横をエスカレーターと同じように移動することである。エレベーターのカゴはガラス張りになっていて閉塞感がないことも大切だ。ただし斜行エレベーターの移動速度はエスカレーターの半分でよい。間違ってもエスカレーターより速くしてはいけない。理由は言うまでもない。それが理想だろう。どれだけ工夫し、そして費用をかけるかが課題となる。大門を例に出したのは、あの駅は都営大江戸線から浅草線経由京浜急行で羽田や成田に行くルート上の乗換駅で、大きな旅行カバンを持った乗客が多い。そして長いエスカレーターをコロ付きの旅行カバンを持って乗るわけである。エスカレーターが長い分かなり危険だ。本来バリアフリーは身体的にハンデキャップのある人と妊婦や小さな子供連れが対象だが、荷物を持った人も加えてよいのでは、とこれは私がずっと考えていることだ。

今回、キャリーをカラカラ引っ張りながらそんなことを考えながら打合せに行った。

さて、模型の検査も無事終わり、模型のできにも大変喜んでくれたので、積み残しの最後の仕上げをすませて来週幕張メッセの展示会に持って行く予定である。長く辛くそして楽しい仕事ももう少しで終わる。

その後幕張メッセへの輸送と設置も無事に終わった。輸送にはカミさんと娘も手伝ってくれた。通常はこれで仕事も終わりなのだが今回は少しイレギュラーで今回の展示会終了後模型を一旦引き上げ11月中旬に今度は都内の展示会への持ち込みまでとなっている。

だが製作中の忙しさからは解放される。また他の仕事も今は数が減って比較的のんびりできる。本棚を作り図書室の改造を始めようと思っている。でもその前に少しデータの整理整頓と書斎の片付けもしよう。データは基本的にMacのデスクトップに置きっぱなしはないがそのプロジェクトを始めたときのルールを少し変更する必要があるものをあとからわかりやすいようにすることは時々必要なので。

11月12日に第2の展示会会場へ設置し、この模型の仕事も完了となった。今回は池袋だったので家からタクシーで運んだ。タクシーで運びながら、模型の仕事を頻繁に請け負うなら車があったほうが良いのだろうな、などと考えていた。車だけではない、レーザー加工機や3Dプリンターなども必要なので、設備投資だけで何百万円かかるやら、とそこまで本格的に模型の仕事をしようとは思わないので、ぼーっと考えていたのを両手で払い、やめやめ。ふぅ。


会場に設置した模型2台