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2026年3月29日日曜日

模型の収納箱

 イベントなどで展示する模型は数年使うことが考えられるので模型そのものの堅牢性も重要ながら輸送保管用の収納箱も丈夫な必要がある。また、輸送中の振動や誤ってぶつけたり落としたりすることも考慮し、衝撃を吸収するクッション材も必要だ。

最近作っていた模型3種類のうち、1つは壊れてしまった模型の修理だった。残念ながらどこかで落としてかなりの衝撃が加わったようで模型が台座から外れて一部のパーツが割れてしまっていた。当初の模型箱は電車での移動も可能なように箱をなるべく小さくするため、クッション材が十分ではなかった。もちろん輸送の振動で壊れないようにはしてあったが、落下しても大丈夫とは言えなかった。今回やはり不可抗力で落としてしまうこともあるということを考慮して箱をひとまわり大きくして発泡ウレタンを厚く全面に敷き、大きな衝撃にも耐えられるように箱の改良を行った。

作り替えた収納箱


私の作る模型の収納箱はダンボール製である。厚さが1.5センチあるダンボール板を業者に注文し、この板を加工して箱を作っている。このダンボールはとても強く頑丈な箱を作ることができるのだが、その分加工は大変で、模型用の箱づくりはだいたい丸2日から3日かかる。材料も高価で3’×6’(180センチ×90センチ)で1枚7千円ほどである。これを箱の大きさにもよるが通常2枚は使う。

模型箱用のダンボール

箱の中に入れるクッション材は発泡ウレタンで1枚1万円強、1つの箱にほぼ1枚使う。収納箱の製作にはこのほか、箱のベルトや金具、フタのかみ合わせ用のベニヤ板、注意書き用のシール、保護フィルム、組立用の接着剤などが必要で、材料費の合計は3万円くらいだろうか。接着剤なんて微々たるものと思ったら大間違いで木工用ボンド180g入りを丸2本は使う。

かと言って労務費と材料費を合わせて請求なんてできないので模型のオマケとして作ることにしている。

以前、箱だけどうしても作ってくれないか、という依頼があり3万5千で受けたことがあるが全く商売にはならなかった。

ではもうちょっと手間や材料のかからない箱にすればよいものだが、そこはこだわりがあって妥協はしたくないのである。

商売なので利益の出ないことにこだわるのはダメなことは分かっている。だがこだわって作った模型をテキトーな箱には入れたくないのだ。まあもう少し合理化する方法は考えた方が良いのかもしれないが、模型そのものの受注が少ないので、今はこれでいいと思っている。

さて、そんな収納箱だが、製作するときはまず図面を描く。模型サイズ+クッション材で箱の外形が決まる。仮に模型が一辺40センチのキューブだとすると、模型は通常台(ベース)に乗っている。このベースが模型より少し大きいのでベースのサイズを考慮し、これにクッション材とダンボールの厚みを加えると、箱の外形はだいたい一辺60センチとなる。つまり元の模型の2回りくらい大きい箱になると言うことである。

箱の図面

模型サイズはまちまちなので毎回上記を加味した箱を設計するのだが、各面の大きさが決まったらダンボールの繊維方向(強軸-弱軸)も考慮し板取り検討も行う。

次に図面に沿ってカットするのだが、重要なのがダンボールの貼り合わせ部と小口の処理で、じつはここが最も手間がかかる作業なのである。ダンボールを単純に直角に貼り合わせてもコーナーの強度が出ないので特別な処理をしている。

板取り図に沿ってカットしたダンボール板


カットしたダンボール板に加工のマーキングをする



心材も取り除き表目のクラフト紙のみ残す



この表面材を接着する別のダンボール板に巻き込みながら箱を接着することで強度のある箱になるのである。

クランプなので押さえながら接着して箱にする



この接着に木工用ボンドを大量に使う。ボンドの多くはダンボールの波板のすき間に入り込むのでかなりたっぷり付ける必要があるためだ。180g入った木工用ボンドがあっという間に空になるのはそのためだ。

だがこうして苦労して作った箱は丈夫さは折り紙付きで、人が上に座っても大丈夫なほど頑丈になる。中に入れた50ミリ厚のスポンジと合わせてこれなら模型が輸送時に壊れる心配もまずない。
完成した箱にベルトを付け、注意書きを貼り、小さな箱の場合輸送用のバッグを作り、大きい場合は箱に持ち手を付けて完成となる。

完成



この模型もクライアントへ提出が終わり、模型の仕事はすべて完了となった。だが新規の仕事がいくつか入ってきたので、のんびりお休みはおしまい。





2026年3月13日金曜日

模型製作環境を良くしたい

今日は以前担当した仕事の食事会に呼ばれて日比谷まで出かけた。本来、私はイメージ制作の一外注業者なのでこういった会に呼んでいただくことはなく、今回もご招待いただいたが、お礼を言って辞退させて頂こうと思ったのだが、主催の方から是非にということで出席することになった。ありがたいことである。料理はビュッフェであまり多くなく立席だったがかえって出席された人たちといろいろ話ができてよかった。あまりおなかも空いていなかったので乾杯のあとウーロン茶を飲み料理には手をつけなかった。家に帰ってから何か作って食べればいいかな、と思ったからだ。7時半に散会となり地下鉄でのんびり帰る。さて夕食何にしようかな、と考えながら。さすがに少しおなかも空いた。あまり手間のかかる料理は遅くなってしまうので、手っ取り早くぱっぱっと作れるものがいい。家の近くのスーパーマーケットに寄って、いい肉があったらステーキとパスタ、そうでなかったらきつねうどんかな、とそんなことを考えながらウトウトしながら帰る。

ステーキとペペロンチーノ

幸い良い肉があったので予定通りステーキとスパゲッティの夕食となった。ステーキはあまり焼きすぎない方が良いとされているが私は生っぽいのが苦手なので、厚めの肉、3センチくらいの国産牛肉を表面をこんがり焼いて食べるのが好きである。厚みがないと中まで火が通り過ぎてしまうので3センチくらいがいい。いろいろ同時に作ったので料理にかかった時間は15分くらい。人参は電子レンジで火を通し手鍋でパッパッとバターソテーに、同時にお湯を沸かしパスタを茹でる。隣でオリーブオイルに唐辛子とニンニク、そこにベーコンとマッシュルームを加える。そしてその横でステーキを焼く。この程度なら全部同時でも問題ない。ワインでも飲みたいところだが仕事があるのでウーロン茶である。


さて、残っていた最後の模型の納品も終わり、あとはカタログ等の今年度分の仕事の仕上げがいくつか残っているが、それらが終わればひと段落である。3月いっぱいは身動きが取れないが4月になれば時間ができるだろう。

そこで電車に乗っている時やちょっとした待ち時間に製作環境のリノベーションのアイデアを考えている。このブログも地下鉄で書いている。つまり後半を先に書いて前半は帰りの電車と寝る前ということである。

さて、まずは工房である。今後どのくらい模型の仕事が来るかはわからないが、今後の模型製作を効率的に、また快適に行うことができるよう大改造に着手する。おそらく3ヶ月くらいかかるだろう。大きな作業机と工具や材料の十分な収納スペースがほしい。

次に図書室、本棚は完成してよくなったのだが、写真撮影室としてはまだまだ改良の余地が多くある。特に撮影時の照明の設置が問題で、これは1から考え直そうと思っている。

最後に書斎、ここも思うことは多くあるがそれほど急を要してはいないので、まずは工房と図書室を片付けてからゆっくり考えれば良いだろう。

で、工房だが一部壁を撤去し広く使えるように改良する。中央に作業台(机)。ここにソーテーブルを内蔵させる。ソーテーブルは使わない時は天板でフタをする。使う時にその部分の天板を外し、外した天板をカットする材料の延長テーブルとして使う。

課題その1、ソーテーブルを天板のレベルまで上げ下げする機構。上げ下げ幅はキックバック防止用のブレードを含めても10センチ程度だが手で持ち上げるようなことはしたくない。手がかりも付けなくてはならないし無理な姿勢で重い機械を持ち上げるのはよくない。さてどうするか。またソーテーブル用のガイドレールの収まりなどなど、時間があるときに少しずつ考えれば良いだろう。

課題その2、今回模型製作用にどうしても導入したい機械がある。レーザー加工機である。これは使う時ちょいと出して、といった置き方はできない。設置場所を決めて固定となる。また加工の際発生するガスの排気も必要なのでどうしても閉じたブースが必要だ。

課題その3、改修に伴い処分する物が結構たくさんある。これらを早めに処分する必要がある。






2026年2月17日火曜日

模型製作-4

 模型3件のうち1件は2月初旬に納品が完了し、修理の1件も2月中には作業は完了し箱詰めも終わった。あとは納品だけである。

で、手間のかかる残る最後の1件が3月初旬納品を目指して急ピッチで作業中である。模型以外の仕事もあるのでかなり忙しい。

模型その1


模型その2(修理のみ)

さて、先に納品した模型については受注金額と費用を簡単に取りまとめてみた。具体的な数字は書かないが、材料費などが約4分の1、残りが4分の3が制作費となる勘定である。製作にかかった時間で割り戻すとグラフィックデザインの半分くらいの時間単価になったのでやはり模型は商売としてはなかなか厳しい。だが楽しい部分もあるのでやめるつもりは全くない。そうは言っても少し改善すべきところは見直した方がよい。まあ、だから今回費用の検証をした訳で、目標としては材料費はそのままに作業効率を2倍程度高めたいと思っている。そうすれば商売としてもうまみが出てくる。

ではどうやって作業効率を上げるか。方策はいくつかあるが、1つは経験によって効率は黙っていても上がってくるだろう。独立して今の会社で製作した模型は全部で8件、これが倍の15件くらいになれば、はっきりとは言えないが、効率は3割くらい上がってくるだろう。

次に製作ツールの導入で効率は大きく向上するはずだ。レーザー加工機、3Dプリンター、曲げ加工機、穴あけツール、研磨装置など。これらは一度に多くを揃えることは難しいし置き場の確保も必要だ。まずは今年中にレーザー加工機を導入しこれにより作業効率は2割くらい上げたい。その他軽微な加工ツールで1割改善、合わせて3割の向上を目指す。

次が作業スペース。ここが目下最も問題で、現状、まずは作業台が狭い。できれば3’×6‘板くらいの快適な作業台が欲しい。また、棚でよいので仮置き場も必要だ。これらにより効率が2割くらい上がるだろう。この作業スペースというのは業務効率だけでなく快適な作業環境という仕事で私がとても大切にしていることを実現する意味でも重要と言える。また材料や道具が今はわかりにくく探す時間が結構かかっている。どうしても見つからず再度購入したりと無駄も多い。改善されれば1割くらい効率が上がるだろう。

これら全てを実施しても効率2倍とはいかないが、まあどれも皮算用なので数値合わせをしてもあまり意味はない。大切なことはキチンと全て実施することだ。3月中旬までは確実に忙しいので、それ以降になるがまずは工房の大改造の予定である。

さて、最後に残っていた模型も無事完成し、展示会会場への搬入設置も完了した。これで模型の仕事はすべて完了である。

3件目の模型も完成



展示会では会場の設営などメインの仕事は他の会社のベテランのスタッフが対応するので、ウチはあくまでコンテンツ作りの協力である。コンテンツには先の模型の他、説明用のパネルのデータづくりやビデオコンテンツなどがあり、たいてい時間が切迫する中で効率よく仕事をすることが求められる。また、修正や変更などギリギリのタイミングということもある。今回も会場で確認作業をしていたときに問題が発生し、会場から急いで帰って大急ぎで修正データをプリントにまわすこととなった。

展示会は明日から3日間だが、私は最終日に再度行くことになっている。展示した模型の撤収のためである。なので厳密には模型は全て終了とは言えないがまあいいだろう。撤収時、展示してある模型を丁寧に分解し輸送箱に収納し輸送会社に引き渡すまでが私の仕事である。

模型などの展示物は「後入れ・先出し」と言われている。つまり展示会の準備の時はブースなど大工仕事や電気工事などが終わるまで現場で待機、最後に展示台に設置する。撤収時は真っ先に箱に収納しその後業者がブースや展示台の解体にかかるわけだ。なので設置の時は準備ができるまで待ちが長いこともあるし、撤収の時は閉幕と同時にすぐにかからなければならない。これが結構大変なのである。もちろん普通の模型ならわざわざ私が出向く必要はなく、クライアントの担当者に対応してもらう。だが大きな模型など、おまかせにできない場合は私が出向くことになるのである。

というわけでビッグサイト最終日閉会1時間ちょっと前に一般入場で入り、各社のご担当に挨拶をしてその後他社のブースをチラッと見に行く。提案の参考にするためだが、どちらかというと、あー、こうやってもあまり効果的でないし人も集まらないのね。という参考になることの方が多く役に立つ。ひにくれているように聞こえるかもしれないが、大まじめで、実に有用な情報なのである。

さて、今回製作した模型は会期中、電気関係を含め不具合もなく無事に終了、撤収もスムーズに終わった。めでたしめでたし。






2026年1月28日水曜日

模型製作-3

 まだ1月だというのに結構忙しい。1月末現在、カタログやポスターパネルなどの販促用グラフィックの制作の仕事が8件、模型の仕事が3件、そしてアミューズメントパークの仕事が1件と、てんてこ舞いの状態になっている。

このうち模型は十分なワークスペースがないことは以前書いた通りである。そのため書斎の作業机も散らかり放題なのだ。だが、私は元来散らかった部屋では仕事はできない性格なので、これは相当困った問題となっている。今できる対処方法は定期的に片付けることだけで、数日、時に1日で元の木阿弥だが、再び片付けて、とそれのくり返しである。全くもって疲弊することこの上なしである。

やはりなんとか工房を使いやすいように改良したい。すぐは無理だけれど。

今日は少し片付けていつものように写真を撮ってみた。

Macの机

ここはどんなに忙しくてもそれほど散らかることはない。そもそも模型の仕事がどんなに忙しくてもグラフィックの仕事はそれとは関係なくあり、ここはコンスタントに使う。



サイドデスク


ここはさっきまで模型の資料などが山積みだったが片付けてシルビーバルタンのCDを置いてみた。このCD、昨年の11月に四国に旅行に行ったときに高知の宿のヨットに飾ってあった写真続きで何となく買ってみたのだが、まあ音楽は古い60年代70年代のフランスのアイドル歌手なので特に聴きたいとは思ってないが、なんとなくCDを飾ってみるのもよいかも、と考えた。まあこのジャケットもちょっと古くさいがそれがなんとなくいいかも、と思ったのだ。ちなみに曲は一度も聴いていない(笑)。
つまり、この「古くなっても味がある」、というのは結構大事なことで、生活において結構重要な価値判断の要素だと思っている。たとえば、それとは反対のことを考えてみるとわかりやすい。日本の60年代のアイドルなんててオハナシにならないが、日本の70年代、山口百恵とかキャンディーズである。当時は結構人気があったようだが、今となってはどういう形にしても部屋に飾るようなことはまず考えられない。「古くなっても味が出るどころか、垢抜けないどうしようもないもの」になったということで、そしてここが大切なところなのだが、こういう物はその当時から、つまり最初から手を出さないほうがいいと思うのだ。


アンプとプリンターの棚


次にアンプとプリンターの棚、ここも模型の仮置き場となっていて、まあ仕方がないかな。アンプの前に置いてある箱は模型用の電気部品が入っている。こういうのはパーツが小さいのでまとめておかないとすぐに行方不明になる。だが本来電気部品に限らず作りかけの小さなパーツなどは結構あって、いまはそのたびにテキトーに箱を探してきていれているのだが、もう少しシステマチックにしたいと常々思っている。

作業机


工房と並ぶ、模型製作の主戦場がここ。塗装や粉塵の発生するカットや研磨などは工房で、組立てなどは主にこの作業台を使っている。この作業台の問題点も明快で、置き場が少なく部品がすぐにごちゃごちゃになること。工房の整備も必要だが、ここも模型製作が今後も続くようならもう少しも使いやすくなるよう改良する必要がある。
模型は主に材料と道具がある。材料はさらに素材と作りかけの模型のパーツがあり、製作が進むに従って数も増える。道具も結構種類が多い。これらを作業台に置くと前述のようにごちゃごちゃになりやすい。材料と道具を分けて棚などに使いやすく、分かりやすく整頓されていることが理想だ。そう考えてここを眺めると、色鉛筆などを置いてある棚を利用するのが良さそうだ。スケッチの時はここに色鉛筆を持ってきて置いてもいいし。さらにもう少し棚を追加すれば、だいぶ良くなるような気がする。
また、写真を眺めながら思ったのだが、作業台の下のレーザープリンターもここから別の場所に移せば机の下に大きな引き出し家具を置くことができ、道具のスペースとしても使いやすくなりそうだ。

最後におまけ、塗装用ガスマスクについて。
模型の塗装にはラッカー塗料を使うことが多い。9割以上と言ってよい。そして均質な塗装に欠かせないのがエアブラシやスプレー缶で、刷毛塗りはほとんどない。よほど細かなパーツのみだ。で、エアブラシやスプレーではガスマスクをしないと有機溶剤を結構吸い込むことになり、今回の模型製作で以前使っていた3Mのガスマスクが古くなり、まあいいか、とマスクなしで塗装したところアレルギー反応に似た症状で、3日間くしゃみと鼻水が止まらず往生した。そこで古くなった3Mのマスクは捨てて新しいのを買うことにしたのだが、3Mの他に日本製でシゲマツというメーカーがあることを知った。どうやらガスマスク専門の会社のようだ。そこでシゲマツを手伝ってくれる娘用と合わせて2つ購入した。1つ6千円くらいだった。で、使ってみるとすごくよかったので今後はこのガスマスクを必ず使うことにした。エアブラシで吹いているときにこのマスクを付けると全く臭いがしないのである。工房で吹き終わって書斎に戻りマスクを外すとわずかに服に付いたラッカーの臭いを感じる。このガスマスク、優秀である。


シゲマツのガスマスクTW08






2026年1月16日金曜日

模型製作-2

 年末に検討依頼のあった模型製作2件だが年明け早々にプレゼンがあり、用意した試作品が気に入ってもらえたようで2件とも受注となった。正月返上で作業した甲斐があったというものだ。

新規で受注した2件のうち、1件が今月末までの納期で、もう1件が来月末である。この2件とは別に1件修理の依頼があるのでこれを含めると当社初の模型3件同時進行である。

そうなると進め方の計画をしっかり考えておくことが大切だ。むずかしい形状は試作のときに検証済みなので作業の大部分は計画通り進めることができるだろう。模型会社と違いウチはノウハウが少ないのでどう作るかを考える部分も多い。波型や微妙な曲面などは3Dプリンターがあれば造形できるが平板から熱加工で成形するのは結構むずかしい。

なので、文字通り寝ても覚めても製作方法を考えることになり、思いついた方法を次々と試してみる。こうしてようやく満足できる物を作れるようになるのだが、なにしろ時間がかかるのである。そんなわけで前述の通り正月返上となったのだが、逆に試作段階で大きな問題をクリアしておいたことで、本製作では少なくとも、にっちもさっちも・・とはならないのである。

今回、1つめの模型は展示会向けアーチ型建屋の模型

この模型でむずかしいのがアーチ部材の製作で、波状の板をアーチ型に成形している。まずこの「波状の板」がむずかしい。ネット通販何社かでプラスチック製の波板を探した。模型の縮尺と完全に一致しないでもよいことはクライアントの了解済みなので、ある程度許容幅はある。だが実際に探してみると全く合う物がなく、平板を波状に加工する方針に切り替えた。3Dプリンターでもあればいいのだが前回書いたようにウチにはない。

最終的には、厚さ3ミリのアルミ板に2ミリ径のアルミ丸棒を何本か留めた治具を2枚用意し、これを90〜100度まで加熱し塩ビ板を挟み押さえつけることで成形することにした。理論的にはそれでうまく行きそうだが実際にやってみるとなかなか思ったようにはいかず、試行錯誤に1週間ほどかかった。こうして完成した治具がこれ。

波板製作用の治具とアクリル加工ヒーター

アクリル加工ヒーターは以前製作したもので、この上に治具を置き加熱する。アルミは熱伝導率が高い、つまり治具全体に早くまんべんなく伝わるのがよい。だが温度管理が重要なのでヒーター内蔵の温度計と天ぷら用温度計の2つで温度を測りながら加工した。

治具には蝶番を取付け、上下がぴったり合うようにした。なにしろ高温なので素手で持って位置合わせはできない。軍手やミトンを使っても位置合わせはかなりむずかしい。なので蝶番なのだが、当初耐熱接着剤で留めていたが材料を挟み込んで押さえると蝶番の接着が外れてしまうことが何度もあり、ミニビスで留めることにした。アルミ棒も耐熱接着剤だが、これはそれほど簡単には外れなかった。それでも10本の波板を成形する間に2回ほど外れてしまった。そのたびに冷やして接着剤をはがし、再度接着という手間で、やはりこの手の模型は時間がかかる。

こうしてできあがった波板を再度加熱し今度は別の治具でアーチ型に成形する。このときの加熱は80度程度、それ以上加熱するとせっかく作った波型がくずれてしまう。

波板(手前)をアーチ型に曲げ、最後にリブをつける(奥)

アーチに取り付けるリブは瞬間接着剤を使い、マスキングテープで仮留めしながら少しずつ接着してゆく。これも時間がかかる作業だ。このリブ付きアーチを9本ほど製作する。


2台めの模型は展示会向けの設備の模型

この模型で面倒なのは半割りのテーパー管の製作で、これが模型の本体となる。これはクライアントの許可をもらい発泡塩ビで製作することにした。発泡塩ビはアクリルのような強度はないが割れる心配が少ないのと熱加工が容易なことがメリットだ。今月中旬から作業を開始する予定である。この模型はジオラマ風なので修景も作り込みが必要で本体以外でもかなり時間がかかるだろう。またモーターで回転する部分があるためそれにも製作に時間がかかる。今月中に本体をある程度完成させ、修景や回転装置などを来月半月ほどかけて製作の予定である。


3台めの模型は去年納品した模型の修理

模型本体のアクリルが割れ、接着部も外れてしまったらしい。輸送箱の底には落とした時にできたであろう大きなへこみがあった。輸送はジットボックスを使っているので輸送会社が落とすとは考えられない。展示会の会場で落としたかまたは保管場所で移動時に落としたかのどちらかだろう。いずれにせよ弊社に非はない。だが犯人捜しをしても壊れたものは直らないし、まあ私がせっせと直せば誰も困らないので、笑顔で修理である。アクリルの割れ方を見ると大きな衝撃が加わったのがわかる。となると他の部分も心配だ。オーバーホール、つまりヒビなどが入っていないか総チェックしたほうが良さそうだ。一旦各部をバラして確認しながら部品の交換や再接着をする。また外箱を前回よりひと回り大きくし、緩衝材を増やす予定。

と言うわけで、まずはスケジュールを考える。まず1台目の模型は1月中旬までにアーチの形状を作成し、20日頃までに塗装と小物製作。

2台目の模型は1月中旬から形状の製作にかかり、月末までに基本形状は完成、その後塗装と修景製作にかかり2月中旬には大方完了でクライアントチェック、その後引き続き作業で月末までに完成の予定。

3台目の修理に関しては1月末には完了する予定。

3台目修理中の模型、これはベースのプレート

ベースプレートと模型本体の取付部補強

ベースプレート部でプレートと模型本体が外れてしまった。展示会の会場で大慌てで瞬間接着剤で留めたらしい。その対応に問題はないが、瞬間接着剤をアクリルに使うと接着部分とその周囲が白濁してしまう。そこでこの接着部を一旦外し、ヤスリやサンドペーパーで接着剤を完全に落とし、白濁した周囲を含め磨き、塗装がはがれた部分はエアブラシで再度塗装を行った。ただし一昨年に製作した際の色番号が控えてなかったので白いボードに塗装を仮吹きして色の確認が必要だった。これは反省である。何らかのドキュメントに使用色を残しておくようにした方がようだろう。これは今後製作する全ての模型にもである。

次に割れた部材の交換

割れたアクリルと交換用のパーツ

アクリルでできた部品が割れてしまっていたので、部品を新規に製作して取り替える。今回は安全を見て材質をポリカーボネートに変更した。

衝撃で外れた透明部品

模型には内部が見えるように透明アクリルを部分的に使っていたが、これも外れてしまい、現場で瞬間接着剤で対応してあったため、一旦外して磨き、再度接着することにした。

アクリルの磨きはサンドペーパーの水磨きの後にアクリサンデーというクリームで磨く。このとき、アクリサンデーの前にサンドペーパーで丁寧にキズなどをなくしておくことが大切。あまり深い傷は除き、ある程度目立つキズはサンドペーパー400番の水磨きのあと800番の水磨きさらに1500番か2000番で水磨きの後アクリサンデーで磨くのがよい。サンドペーパーが不十分でアクリサンデーでなんとかしようとするとかなり時間がかかり非常に効率が悪い。またアクリサンデーは独特の臭いがあって手が臭くなるので100均で売っている薄手のビニール手袋を使う。ビニール手袋には3種類あり、厚手のトイレ掃除に使うようなものの他、薄手が2種類ある。手にピッタリの手術用のようなものと、ゆるゆるな付けたり外したりが簡単な料理用のもの。

模型製作では塗装の時は料理用を、アクリル磨きでは手にピッタリのものを使う。ウチではこの手にピッタリのタイプのものをベンケーシーと呼んでいる。50年代のアメリカのテレビドラマから来ている。こんな古いものをどうして知ったかは覚えていないが今でもYouTubeで観ることができるようだ。ちなみにゆるゆるの方はトニーローマと呼んでいる。バーベキューリブを食べる時、娘たちが使うからである。

さて、イスに座って音楽でも聴きながらのんびり作業しようかね。







2025年12月27日土曜日

2025年を振り返る

 1月

Mac用の音声などのコントロールボックスを製作した。仕事をしながら聴く音楽は集中したいときや電話がかかってきたときは音を止める必要がある。Macのボリューム調整でミュートにすることもできるし、アンプのリモコンでも調整できるが、入力切替などもできるようにしたいので、コントローラーを作りモニターの下に設置することにした。Mac3台のUSBポートや音声の入力切替も付け、これがたいそう便利でとても気に入っている。

コントロールボックス(モニターの下)


2月

写真撮影用の照明を作り直した。もともとのアンブレラはボロボロになり、しかも光度が足りなかった。また補助照明も同様にアーム部を作り直し、撮影位置のマーキング用レーザーポインターこれは今回新規に制作し、すべてを箱に収納した。おおむね計画通りにはできたのだが、実際に使ってみると改善すべき点もいくつか見えてきた。だが仕事が忙しく、まだ改良に着手できていない。

写真撮影用照明

3月

はじめて遊園地のライドの模型を作った。2月末に着手し3月の頭に完成し納品した。この模型はプレゼン用模型だったので製作範囲も限られ細部も簡略化した。装飾のデザインをクライアントに見せるための模型である。

ウェーブスゥインガーの模型

4月

長年懸案だった図書室のリニューアルがようやく完了した。もともと自作の木製本棚6本と既製のスチールの本棚2本だったのを、スチールの本棚は撤去して木製の本棚6本を追加し合計12本とすることにした。使いやすく収容量も大幅に増え見た目もすっきり、仕事のファイルなども置けるようになった。

図書室の本棚

5月

シーラー台を製作した。ロールフィルムをセット冊子などをパッキングするための台。シーラー本体は昔購入したものがまだ使えるので消耗品を取替え再利用した。これで作業効率が大幅に向上した。

シーラー台

6月
図書室が完成して次は書斎の仕事の環境を少し改善したいと考え、あれこれ計画し始めた。まずは現状の問題点を把握するため、仕事中に手を休め作業環境を写真に撮影し、客観的に眺めることで問題点を明確にした。一度ではなく期間をあけて何度か写真を撮りながら改善方法を考え、すぐにできる改良は実施しながら、進めることにした。
仕事の環境


7月

仕事が結構忙しくなり、休みなく働くことになった。図書室の次は・・・などと考えていたのが一旦すべて中止で仕事に追われる日々が10月中旬まで続いた。せめてもの楽しみとして以前撮影した写真の中から15枚くらいA2サイズでプリントすることにした。1枚ずつ丁寧にデータを確認し、A4サイズのテストプリントのあとA2サイズでプリントする。プリンターから徐々に出てくる写真を眺めながらコーヒー片手に好きな音楽を聴きながら、仕事はひと休み。私にとって忙しい時の休憩としては最高の時間の過ごし方。

写真のプリント

8月

仕事の忙しさが一層高まり、仕事だけの毎日が続く。新規の顧客からの依頼もあり全く自由な時間が取れない。毎日夜遅くまで土日もなしなのである。せめてもと客先との打合せの時少し回り道をして景色を眺めながらリフレッシュした。ジリジリと暑い夏の日差しもあまり出かけない身からすると心地よかった。

打合せのついでに撮った写真

9月

皆既月食があった。前回の月食から2年ぶりくらいだろうか。今回は時刻も遅く、カミさんと娘は体調を崩して寝ていたので、ひとりで家の外で眺めた。

9月8日の皆既月食


10月
ようやく仕事も一段落し、10月中旬以降はかなりヒマになった。そんなとき国分寺に住む娘から机と本棚の相談があり、いっしょに作ることになった。10月末から製作にかかり11月中旬にほぼ完成した。あとは塗料の臭いが収まったら運んで設置して完了の予定。
娘の机と本棚



11月
久しぶりに旅行に行った。四国一周旅行。高松でレンタカーを借りて1週間で四国を一周した。海沿いを気持ちよくドライブできてよかった。カミさんと娘も気持ちよさそうに寝ていた。
四国旅行

12月
今年はこのままヒマな年末になるかな、年が明けていつまでもヒマだったら困るな〜、などと考えていたが、杞憂だった。四国旅行のあと仕事が立て続けに入ってきた。みるみる年末年始も休めない量になった。毎日仕事でかなり忙しい。あと、カミさんが風邪をひいてこれが少し長引いたので毎日うどんの朝食である。毎日同じ、ゴボウのかき揚げうどん。香川で食べたうどんより美味しいと家族の評判も上々である。
ゴボウのかき揚げうどん

これが私の2025年。






2025年12月18日木曜日

模型製作-1

 私のメインの仕事はグラフィックデザインだが、それだけでは食べていけないので他にもいろいろチャンネルを広げている。写真撮影と編集、模型製作などである。

今日はこのうち模型製作について書こうと思う。模型づくりには工房と書斎の作業用机を主に使う。時々図書室のテーブルを仮置き場として使うこともあるが、製作は主にこの2ヶ所。このうち電動工具やヤスリなど粉塵が発生する作業、塗装など有機溶剤の臭いが発生する作業は必ず工房を使う。従って工房の使いやすさが模型づくりでは重要になる。書斎の作業机では主にカッターを使う加工や部材の組立てを行う。

工房

さて、まず模型には用途により3種類ほどある。名付けてAグレード、Bグレード、Cグレードで、Aが最も品質が高い。展示場などで比較的長期にわたり展示に耐える品質が求められる。従って材料はアクリルや金属を主に使う。

展示会向けAグレード模型の例


Bグレードはプレゼン用の模型で長期的な耐久性は求められない。お客様に完成するとこんな感じになります、という説明などに使う。基本的にプレゼンが終われば不要になるので、材料は加工のしやすい発泡塩ビ板をよく使う。発泡塩ビ板はカッターでも比較的簡単にカットできるのと瞬間接着剤で瞬時に強力に接着できるのでスピーディーに作業できる。反面アクリルに比べ強度は1/4程度で表面も爪で押すと跡が残る。なので長期の展示には向かない。

プレゼン用Bグレード模型の例


Cグレードは検討用模型で、Aグレードの模型製作時に先行してイメージ確認のため作る。つまり製作範囲やスケール、色合いなどの確認用である。したがって極端な話、素材は厚紙でも何でもよい。私はスチレンペーパーにレーザープリンターのプリントアウトを貼って作ることが多い。

試作模型Cグレードの例(上のAグレード模型の試作検討)


つまりAグレードの模型は比較的長期に渡り展示施設などで説明するためのものだが、BとCはコンセンサスを得るのが目的なので短期間でその役割は終了する。

Aグレードの模型は基本、実制作は模型製作会社に依頼することが多い。ただし予算の関係で内作するしかない場合や、納期的に外注では間に合わない場合、また模型の機構の検討に時間がかかり内作した方が早い場合などは内作する場合もある。ただしウチでは模型屋さんにできることがすべて可能というわけではない。毎回悩むところでもある。

ただし、Aグレードの内作は年に1件あるかないか程度だったので、正直それほど重きを置いていなかった。「仕方がない、ウチで作るか〜」といった具合だった。その理由、1つには模型は商売としては採算が合わないことが多いからだ。ウチに相談が来る模型は検討項目がとても多く、そのため試作を含め手間が非常にかかる。稼働部分の機構、取外し可能パーツの取付け方法など多い時は10回くらい試作する必要があるからだ。また稼働部分などが無い場合でも例えばH形鋼の2点支持の単純梁でもH形鋼のJIS規格サイズをそのまま模型サイズに縮小はしない。仮にフランジが2ミリ、ウェブが1ミリが縮尺に近い値であってもそのままでは確実に中央がたわんで下がってしまう。ではどうするか。単純に2倍の厚さにすればよいとしよう。だがそうするとフランジが4ミリになり見た目が悪い。H形鋼ですっきりとした外観になるはずがボテっとしてしまう。こういう場合、フランジは2ミリのままウェブを5ミリにするのである。ウェブの厚みはフランジと異なり横からは見えないからだ。そしてボルト位置も不自然に見えないように微調整する。H形鋼を例にとったがこういう検討と試作が結構多いのである。時間が非常にかかるので、どうしても商売的には厳しいのである。もう一つの理由は設備だ。加工のためのレーザーカッターや3Dプリンターがないのでできることに限界がある。こうした機器を自前で導入することもできるがそれなりの設備投資になるし置き場所も大変だ。年に1、2回の模型製作では割が合わない。

こういった理由で今まではあまり積極的に模型の営業はしてこなかった。

だが最近模型の依頼が明らかに増えてきている。理由は色々だが増えている以上それに対応する必要がある。現在の工房は手狭で作業性は良くない。まずはここをなんとかしたい。次に加工機械の購入を検討する必要がある。置き場所の確保も重要だ。つまり作業性の向上と合わせて工房のリニューアルが最優先事項ということだ。カットしたり削ったりするスペース、塗装スペース、スプレーのりのスペース、機器を設置するスペース、途中経過やパーツの仮置きスペースなど。

ウチの工房は広さが6畳しかない。狭いながらもスペースを最大限活かすレイアウトを考えることが肝要だ。ただしリニューアル中に模型の仕事が来たら「できません」というわけにもいかないので工事にも色々工夫が必要だ。まずは年内に図面を描き、施工手順を決めようと思う。

また、模型製作では材料や機械などの保管も地味に重要だ。材料はプラスチック板、金属板、木材だけでもかなり場所を使う。例えばプラスチック板にはアクリル、ABS、ポリカーボネート、塩ビ、発泡塩ビ、スチレンペーパーとあり厚さもいろいろある。これらは模型の基本材料なので常備しておく必要がある。
またモーターや電線、抵抗器などの電気部品、
様々なサイズのボルトやネジ、蝶番やスプリング、ベアリングなどの金属パーツ。
塗料(100種類以上)、接着剤(20種類くらい)、テープ(メンディングテープ10種類、両面テープ10種類、その他テープ10種類程度)サンドペーパー20種類程度、パテなど。
機械類はテーブルソー、丸ノコ盤、アクリル加工機、糸鋸盤、ベルトサンダー、小型電動バイス、ジグソー、トリマー、ハンダ付け設備、エアーブラシなど。
工具はカッター、ノコギリ、カナヅチ、ペンチ、ドライバー、ピンセット、レンチ、クランプ、クリップ、ヤスリ、ヘラ、塗料容器、重しなど。
また、収納箱製作用の強化ダンボール板やスポンジなどのクッション材なども必要だ。
そしてこれらが使いやすく整頓されていることが重要なのだが、今現在は理想とは程遠い状態で、探し物の時間が結構多く、そして塗料や接着剤など在庫の確認もしにくい。必要になってから慌てて購入するようなことも多い。そしてそのような状態で製作するのは効率も悪いし、フラストレーションもたまる。模型製作が増えるならしっかり対応してゆきたい。






2025年11月23日日曜日

机と本棚の製作

 国分寺に住んでいる娘から机と本棚の相談があった。すでに机は安いのをネット通販で買ったのであとは本棚がほしい、という。本棚は倒れると命に関わるのでしっかりとした構造の物を壁にアングル金物とビスで固定することを勧めたが、新築の家なので壁には留めたくないらしい。

説得することもできたが、まあ気持ちも分かるので、それなら地震でも倒れない構造の机と本棚のセットにするしかないけど、市販は難しいので作るのがいいよ、とアドバイスしたら作る気満々になって私が手伝うことになった。通販で買った安物の机はどうするのかな?

さて、手伝うと言っても相手は素人なのでほとんど私が製作することになる。幸い仕事はかなり減って業務管理の黒板の物件数はわずか9件でそのうち急ぐものは1、2件である。

製作の前に娘にどんな構成にしたいのか図を描かせ、それに基づきまずは簡単なスケッチを描いてMacのメッセージアプリで娘のi-phoneに送って基本形状を決定する。

メモ用紙にサラサラっと描いた基本構成のスケッチ

右側の本棚は机と一体なので地震でも絶対倒れない。左側の本棚は単体では倒れるが、右の本棚とボルトで連結するので倒れなくなる。ただし転倒防止のかなめである天板の取り付け方法や本棚同士の連結方法は工夫が必要だ。
天板と本棚の取合部(仮組み時)



デスク天板は本棚の側板を10ミリ溝切りしはめ込むことにした。ここは接着しないので、引抜防止にビス留めすることにする。

さて、この図を元に大きさを決めてゆく。まず本棚の高さ、これはこのスケッチの前に150センチがいいと言われていたのでその寸法を守り残りの寸法を記入しヒヤリング。概ねスケッチ通りで良いが本棚の奥行きは30センチに変更することにした。本棚は通常奥行き25センチから30センチなので、30センチは標準なので問題ない。だがどうしてこのスケッチでは40センチにしていたか。それは引き出しユニットを入れたいと言われたからで、また娘はぬいぐるみをたくさん持っていてそれを本の前に並べるなら40センチくらいあってもよいと考えたからなのだが、結果的には標準的な30センチに落ち着いた。また本来机の奥行きは、いつもの集成材を使うため、50センチとなった。本当はもう少し、あと10センチくらい奥行きがあった方が机としては使いやすいが天板に使える大きいサイズの集成材は結構高いのでこのサイズで妥協することになった。

各部の寸法も決まったので次は図面である。

図面

この図面とあらかじめホームセンターで調べておいた集成材の寸法を元に板取り図を描く。ホームセンターで板取り図を渡し集成材をカットしてもらい軽トラで家に運ぶ。

工房でカットした板材の仕口を加工しビスケットジョイントを入れ木工用ボンドで接着し組立てていく。

治具で固定しながら接着する

接着の後、天板を仮留めし完成形を仮組みし全体感を確認した。

仮組み

その後一旦バラして各部にサンドペーパーがけを行い、塗装。これは気長に2週間ほどかけての作業である。このあたりはそれほど難しくもなく怪我の心配もないので娘がやってきて大部分作業した。

塗装中

娘の作業が一旦終わった後、私が引きつづき塗装を仕上げてゆく。ニスは何度も塗ることで仕上げ面が平滑になり強度も増す。表面がざらつくときはニスが乾いてから目の細かいサンドペーパーをかけ再び塗る。こうすることで表面がすべすべになる。
ニスが乾燥したところで可動棚の受け材を取り付ける。

棚受け金物

この金物はAmazonで購入。値段は安いし品質も良いのだが数が多いのでそれなりに費用がかかる。今回は棚高さの調整ピッチを2.5センチにした。本棚2台合わせて全部で300個くらい使った。この作業も娘といっしょに行った。ドリルでの穴あけは私、穴にボンドを塗って打ち込むのは娘である。棚板の調整ピッチが5センチなら金物も約半分で済むが細かく調整できた方が後で圧倒的に使い勝手が良い。だから費用と手間は惜しまず決めた。また並行して可動棚の棚板も切り出しサンドペーパーをかけてニスを塗った。可動棚は18ミリ厚の集成材にした。
さて、残るは天板と天板のサポート材、つまり本棚の反対側をサポートする側材の取付けである。だが輸送のことを考えるとこれは先方に着いてから接着した方が良さそうだ。なのでほぞ穴をあけ、ホゾ材を片側つまりサポート材の方にのみ接着しておくことにした。
隣り合う本棚の連結はM5ステンレスボルト2本を上下に計4本

机と壁の間のすき間ふさぎは配線通し付き

完成






2025年11月21日金曜日

社印を注文した

 見積書などの書類に押す社印を作ることにした。今までは電子データで社印を作りPDFの押印機能を使って押していたので実際のつまり実物のハンコはなかった。だが書類に直接押す必要が今まではなかったが今後出てくるかもしれない。そんな時「ありません」ではカッコつかない。

もちろん以前検討したこともある。オーダーメイドのゴム印屋さんにいくらかかるか聞いたりもした。そこそこの値段だった。それでまあそのうち・・・とそのままになっていたのだが、ヒマなこの時期、こういう放ったらかしの件を一つずつ片付けていくことにした。で、改めて調べてみるとシヤチハタにXスタンパーというのがあって、朱肉のいらないシャチハタの大型角印バージョンである。これがいい。ということでさっそくオーダーした。また取引先の拡大によって見積りから請求、そして振込の確認、または外注費の支払いなど、「これは済!」とはっきり分かるようにこれも何らかのハンコが欲しい。そこでいろいろ調べたのだが事務用品のハンコはどれもすごくダサくて使う気にならない。「払いましたよ〜」はさておき「入金済み!」というのは仕事の完了という意味もあるが、お金が入ってきたという特別なことで、つまりうれしいことである。あのハンコはないよなーなのである。

こんな感じのばっかり

この手のハンコは何十年も前からデザイン的には全く変わっていない。完成されたデザインが長く続くのは好ましいが、「どうにもなぁ」が長くそのままなのは作り手側も使い手側もその心理を私には全く理解できない、会社の経理の人というのは「これはこういうものだ」と考えているのだろうか、オツキアイしたくないとすら感じる。

そうそう「コレってこんなもの」的に全く進化していない困りものに路線バスがある。バリアフリーで乗り降りの際、油圧サスで少し床が下がったりし始めたのはもう何年前だろうか、それ以降完全に進化が止まっているのである。オレンジ色のぐにょぐにょデザインの手すりはバスと一体でデザインする気はさらさらなく、常に後付けであのありさまである。イスのでデザインも何十年も前から全く変わっていない。窓の横桟の高さも悪いし、車内に貼られた注意書きなどは事務屋のおじさんがマイクロソフトでつくったような文章とレイアウトだ。もうバスの製造会社はやる気もお金も全くないのだろう。公共交通機関のデザインはその国のレベルを測る一つの尺度であると言える。それがこのありさまなのである。最近では中国製BYDのバスなどに負けたりしていて、恥ずかしいとは思わないのだろうか?BYDバスなど絶対導入すべきではないと私は考えているが、国産より確実にレベルが高い部分もある。この事務ハンコと同じく、バスなんてこんなものでしょ、事務ハンコなんてこんなものでしょ、という発想なのだろう。

私は昔から、「そいうもんだ」とか「そんなもんじゃない」的なことを言うのが大嫌いで、そういうことを言う人も絶対信用しなかった。今でもそうだ。

という訳で少し脱線したが、ダサくないハンコを探すことにした。で見つけたのがこれ。字体は隷書体に近くあまり芸がないがアヒルがかわいい。もっとありそうな気もするがこれ以上時間もかけたくない。で先の社印とともに購入。

ハンコ2種

両方ともスタンプ台や朱肉が不要なタイプであるところがポイントが高い。日に何度もハンコを押すような仕事をしていればスタンプ台が机の上にいつも置いてあって、となるだろうが私の場合このハンコを押すのは月に数回、多くても10回くらいだろう。だからいちいちスタンプ台なんて使う必要がないだけでもかなりうれしい。「済」の方は入金済みと支払い済みに使うが入出金を分ける必要はない。書類をちらっと見ただけで分かるからだ。ただし日付を記入しておく必要があるものも多い。そんな時はデスクペン(朱)で日付だけ記入する。日付つきのハンコもいいかな、と考えたがその日の日付に合わせるより手書きのほうが何倍もはやい。日に何度も何度も押すような仕事をしている人なら日付印も便利だろうが、私は前述のとおりそうではない。だからこのハンコで十分なのである。

これってインクが切れたら補充できると思うけどやり方はどこかにかいてあるのかな、まあいい、今調べても忘れてしまうだろうから。その時になったら調べてみよう。ちなみにオーダーメードの社印は4千円くらい、アヒルの済み印は600円ちょっとだった。

ハンコとは別に、娘の本棚・デスクと同時に作っていたFAX台が完成した。ニスの臭いも飛んだのでFAX機をセットしサイドデスクの下に設置した。まあここなら目立たないからいいかな。FAX台の上には麦茶のポットやこれから寒くなると使う紅茶のポットや茶葉の缶などを置けるようにした。

FAX台兼紅茶セット台