イベントなどで展示する模型は数年使うことが考えられるので模型そのものの堅牢性も重要ながら輸送保管用の収納箱も丈夫な必要がある。また、輸送中の振動や誤ってぶつけたり落としたりすることも考慮し、衝撃を吸収するクッション材も必要だ。
最近作っていた模型3種類のうち、1つは壊れてしまった模型の修理だった。残念ながらどこかで落としてかなりの衝撃が加わったようで模型が台座から外れて一部のパーツが割れてしまっていた。当初の模型箱は電車での移動も可能なように箱をなるべく小さくするため、クッション材が十分ではなかった。もちろん輸送の振動で壊れないようにはしてあったが、落下しても大丈夫とは言えなかった。今回やはり不可抗力で落としてしまうこともあるということを考慮して箱をひとまわり大きくして発泡ウレタンを厚く全面に敷き、大きな衝撃にも耐えられるように箱の改良を行った。
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| 作り替えた収納箱 |
私の作る模型の収納箱はダンボール製である。厚さが1.5センチあるダンボール板を業者に注文し、この板を加工して箱を作っている。このダンボールはとても強く頑丈な箱を作ることができるのだが、その分加工は大変で、模型用の箱づくりはだいたい丸2日から3日かかる。材料も高価で3’×6’(180センチ×90センチ)で1枚7千円ほどである。これを箱の大きさにもよるが通常2枚は使う。
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| 模型箱用のダンボール |
箱の中に入れるクッション材は発泡ウレタンで1枚1万円強、1つの箱にほぼ1枚使う。収納箱の製作にはこのほか、箱のベルトや金具、フタのかみ合わせ用のベニヤ板、注意書き用のシール、保護フィルム、組立用の接着剤などが必要で、材料費の合計は3万円くらいだろうか。接着剤なんて微々たるものと思ったら大間違いで木工用ボンド180g入りを丸2本は使う。
かと言って労務費と材料費を合わせて請求なんてできないので模型のオマケとして作ることにしている。
以前、箱だけどうしても作ってくれないか、という依頼があり3万5千で受けたことがあるが全く商売にはならなかった。
ではもうちょっと手間や材料のかからない箱にすればよいものだが、そこはこだわりがあって妥協はしたくないのである。
商売なので利益の出ないことにこだわるのはダメなことは分かっている。だがこだわって作った模型をテキトーな箱には入れたくないのだ。まあもう少し合理化する方法は考えた方が良いのかもしれないが、模型そのものの受注が少ないので、今はこれでいいと思っている。
さて、そんな収納箱だが、製作するときはまず図面を描く。模型サイズ+クッション材で箱の外形が決まる。仮に模型が一辺40センチのキューブだとすると、模型は通常台(ベース)に乗っている。このベースが模型より少し大きいのでベースのサイズを考慮し、これにクッション材とダンボールの厚みを加えると、箱の外形はだいたい一辺60センチとなる。つまり元の模型の2回りくらい大きい箱になると言うことである。
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| 箱の図面 |
模型サイズはまちまちなので毎回上記を加味した箱を設計するのだが、各面の大きさが決まったらダンボールの繊維方向(強軸-弱軸)も考慮し板取り検討も行う。
次に図面に沿ってカットするのだが、重要なのがダンボールの貼り合わせ部と小口の処理で、じつはここが最も手間がかかる作業なのである。ダンボールを単純に直角に貼り合わせてもコーナーの強度が出ないので特別な処理をしている。
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| 板取り図に沿ってカットしたダンボール板 |
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| カットしたダンボール板に加工のマーキングをする |
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| 心材も取り除き表目のクラフト紙のみ残す |
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| クランプなので押さえながら接着して箱にする |
この接着に木工用ボンドを大量に使う。ボンドの多くはダンボールの波板のすき間に入り込むのでかなりたっぷり付ける必要があるためだ。180g入った木工用ボンドがあっという間に空になるのはそのためだ。
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| 完成 |







