5月中旬になり少しずつ仕事が来るようになった。そんな中、使っているソフトのユーザーインタビュー取材の依頼が来た。もう少し早ければヒマだったので良かったが、このタイミングなので月末でどうですか、と返事を返しておいた。もう一つ、5月前半は前にも書いたがヒマだったので図書室、工房、そして書斎の改良をはじめることにした。
左足のつま先の関節を痛めてあまり無理はできないので、やりかけの図書室と工房はかなり手間がかかるので一旦延期することにし、書斎のレイアウト変更に着手した。こちらはのんびり作業しても1週間程度で終わるだろうから足の負担を考え休み休みできる。それに書斎は仕事場所なので忙しくなるとレイアウト変更なんてまずできない。
そんな訳で始めたがおかげで今は書斎がめちゃくちゃになっている。この状態では取材はちょっと受けれそうもない。よって月末にお願いしたわけだが、仕事も少しずつ入ってきたのではたして月末までに終わるだろうか。
さて、まずはメインのステレオ装置まわりの変更から。メインのステレオ装置はレコードプレーヤー2台とCDプレーヤー1台、それとMacからDAC経由を音源とし、スピーカーは3ウェイで、これをプリアンプ、チャンネルデバイダー経由マルチアンプで鳴らしている。マルチアンプというのは3ウェイスピーカーならアンプを3台使う方法で、そのためスピーカーケーブルは左右3本ずつで全部で6本となる。ケーブルは床上に這わすとホコリが溜まるし、掃除もしにくい。またロボクリなどがケーブルに引っかかってしまうこともある。6本もあればなおさらである。
そこで以前自作のケーブル受けを作り、これを壁に留めてケーブルを壁に固定することにした。今回スピーカーの位置を少し動かすのでケーブルも少し調整する必要がある。
![]() |
| スピーカーケーブル、カナレ4S8 |
![]() |
| スペーカーケーブルを壁に留める治具 |
よくオーディオ好きのおじさんで電気的な知識のない人たちはやたらと電線にこだわるが、私の考えではお金の無駄だと思っている。ヒドイものは数メートルで何十万円なんてものもある。それでオーディオ関連の評論家やライターが音の鮮度がどうのこうのと言うものだからその気になって買うようだが、何十万円は馬鹿らしくて試したことはないが、1m数千円のケーブルと1m80円くらいの普通の電線で聞き比べをしたが何度聞いても違いはわからなかった。アホらし。ただしケーブルなら何でもいいかと言えばそうでもない。やめた方がいいのはAmazonお薦めのAmazonスピーカーケーブルで、評価も高くその評価を読むと皆「私にはコレで十分」「違いがわからないからこれでいい」とか言ってる。そう、違いはそれほどないかもしれない。特にミニコンポでスピーカーケーブルが3m以下なんて場合、音的にはまず差はない。だがこのケーブル、なんとクラッド線である。クラッド線というのは基線がアルミでそれに薄く銅をめっきしてあるもので、外力にものすごく弱い。なのでアンプやスピーカーにつなぐ部分など数回曲げるとポロポロと切れてしまう。そんなケーブルは絶対使わない方がいい。Amazonには銅線のケーブルもあるようなのでそっちを買った方がいい。
さて、私はカナレの4S8だが、これは4芯で直径8ミリのケーブルという意味でもちろん銅線で、電気抵抗的には10mで0.15オームなので性能としては問題ない。カナレには4S6や4S11があり、4S6は直径6ミリ、4S11は11ミリだ。スピーカーケーブルが5m以下なら4S6でも全く問題ないだろう。4S11は線が太くて家庭用としては取り回しがしにくいのでお薦めしない。銅線には純度によりグレードがあるがいわゆるタフピッチ銅という安い銅線で問題ない。銅の純度を上げると確かに電気抵抗は減るがケーブルがよほど長くない限り音質に差は出ないだろう。
また例えばカナレを買うならAmazonは値段が高い。4S8が1mで890円もする。同じケーブル、サウンドハウスは280円だ。サウンドハウスでも3千円以上で送料無料だ。
ついでにインターコネクトケーブルについても少し、これはCDプレーヤーなどとアンプをつなぐケーブルで通常RCAピンケーブルを用いられる。このケーブルは電気抵抗はあまり気にする必要はない。だが流れる電気信号は微弱なので空中の電波などを拾うとやっかいだ。なのでシールド線になっている。このシールドがきちんと作用していれば良く、ケーブルの性能としてはあとプラグがしっかりしていればよい。性能としてはそれ以上でもそれ以下でもない。シールド性能についてはCDプレーヤーで何も音楽をかけずにアンプのボリュームを上げてみればノイズをどのくらい拾っているかわかる。シールド性能が不十分だと小さくラジオが聞こえたりする。具体的にはあまり長いケーブルは使わず、機器間の距離に少しだけ余裕がある程度の長さのケーブルで例えば1mのケーブルなら1本千円〜2千円程度のもので十分と言える。これも50センチで1万円のケーブルと1mで800円のケーブルで聞き比べをしたが違いは全くわからなかった。
オーディオ機器で音に差が出るのはケーブルなどではなく、スピーカーである。音質についてはここがだいたい8割くらいのウェイトを占める。当たり前だがこれは誰が聞いてもわかるほど製品によって違いがある。次がレコードプレーヤーのカートリッジ、これもスピーカーほどではないが結構違いが出る。CDプレーヤーやアンプはその次である。
CDプレーヤーやアンプなどはある程度、それぞれだいたい15万円以上のものなら何を選んでも大丈夫だろう。ただし操作性や見た目も結構大事かもしれない。そのあたりは好みで選べばいいと思う。例えばパナソニックの高級アンプなんて笑ってしまう外観で、誰がどう見たって上下逆さまなのである。これ、おそれくデザインの「デ」の字もわからないオジサンが固定観念にとらわれないつもりでデザインしたのかもしれないが、ボリュームつまみというのは操作部で、メーター(インジケーター)というのは表示部である。そしてボリュームつまみを手で操作するとき、表示部が下にあると手で隠れて見にくい。だから人類の機械づくりの歴史の中で操作は下で表示は上になっているのが自然に見え、これを逆にするとおかしなものに見えるのだ。
![]() |
| パナソニックのおかしなデザインのアンプ |
少し極端な例だがこんなアンプを使っていると、せっかく良い音楽を聴いていても落ち着かない可能性が高い。もちろん気にならない、という人もいるだろうが、私に言わせれば「にぶい人」である。
こういう機器などの「たたずまい」というのは生活空間の中ではとても重要で、これは機器だけでなく例えば「本棚」や「食器棚」などでもそうと言える。本棚を例に取ると、そこに並んだ本が私たちに何かを語りかけてくるのであり、知や教養が気取ったものではなく、楽しみとして生活に溶け込んでくるための装置なのである。
だから同じ本棚でも何とか全集みたいなのをズラーッと並べるようなのは単なる成金趣味ぽく見えてすごく浅く薄っぺらく見えてしまうし、そういう本棚の人と話をしても教養は感じられず、たえず誰かにどう見られるか、どう見られたいかばかりを感じてしまうのである。
家電製品でも本棚でも食器棚でも何でもそうだが、ステータスなんて微塵も考えずに、どれだけ本を読みたくなるたたずまいなのか、おいしい料理を作ってみたくなるたたずまいなのか、深く音楽を楽しめるたたずまいなのか、といったことを考え選ぶことだ。
さて、スピーカーの位置調整とケーブルの配線がおわり、スピーカー回りがようやく片付いた。
![]() |
| スピーカー回りの片付けが終わった |
このモニターは映画鑑賞用ではなく仕事のデータを確認するためのものでほとんど使うことがない。デジタルサイネージはタテ使いだがそれはあまり原寸で確認する必要ないのでこれは使わないが、展示会などで流している動画は音声と共に原寸に近いモニターで確認した方がよいと考えチェック用に購入した。だが最近はこの手の仕事にも慣れ、大型モニターでのチェックまでは必要なくなったのでほとんど使わなくなった。そもそも私はホームシアター的なものがあまり好きではない。まずもってテレビ放送はもう20年以上全く見ていないし、映画はよく見るが大画面で観たいとはあまり思わない。だからリビングにでっかい液晶テレビなんてウチには不要なのである。私は映画はひとりで観ることが多い。だから書斎で仕事の合間や少し時間ができたときに観る。27インチモニターで観る。
さて、次はスピーカーを除くステレオ装置まわりの掃除である。けっこういろいろ装置があるので、時間がかかる。レコードプレーヤーが2台、昇圧トランス1台、フォノイコ2台、CDプレーヤー1台、プリアンプ1台、真空管パワーアンプが3台である。これらを丁寧に掃除する。アルコールを含むウェットティッシュで拭く。
拭き終わったので久しぶりにメインのステレオで音楽をかける。ずっと仕事が忙しかったのでほんとうに久しぶり。レコードが聴きたいがそれは今度にして今日はCDで我慢。マックスリヒターのスリープを聴く。CD8枚組だが今日聞いたのは1枚目。マックスリヒターはオーケストラにシンセサイザーの低音を加えた曲が特徴で、このスリープもそうである。各ユニットがきちんと再生するかをチェックするのにちょうど良い。普通のクラシック音楽では低音は一番低くてコントラバスの50Hzくらい。ただしコントラバスの50Hzなんて実際の曲の中では音が小さすぎてわかりにくい。だからこのCDを選んだのだ。ちなみに高音はピッコロやバイオリンが4000Hzくらいかな。ただし例えばバイオリンの高音などは倍音を伴うので3000Hzくらいの音でも4倍音で12000Hzくらいまではよく聞こえる。だがそれ以上は聴覚がついて行けない。私が自分の聴覚をサイン波を流して確認したところ15000Hzが限界だった。アウトドア用品の店舗などで蚊を近づけないためだろうか高音を流しているあれが15000Hzくらいかな。
一時期ハイレゾなどといって40000Hzまで再生可能なスピーカーなどが出ていて、それに合わせハイレゾ音源なるものが流行ったことがあるが、あれは全く意味がないと思っている。ソースの多くは既存のCD音源を使って擬似的に超高音を加え、さらにイコライジングにより音の傾向を変えただけのものだった。ヒドイ話である。それでもオーディオおじさんなどは聞こえなくても感じるとか訳のわからない理屈を言う人がいるらしい。まあ勝手にすればいいが、そういう人達は音を聞いて音楽を聴いていない人が多いように思う。つまり好きな音楽の好きな演奏より、最優秀録音盤みたいなのを好んで買うひと達で、もうまったくハナシが通じないのである。ついでに言うとこれは音楽だけでなく、車やカメラなどでも同じで、高性能を求めそれを「持つ喜び」、「使う喜び」なんてすごく薄っぺらいことで、そんなことにこだわってモノ選びをするなんて実にもったいないのである。
車なら多少ポンコツくらいが楽しく、それにステキな彼女でも家族でもワイワイ楽しみながら買い物に出かけたり山や海に行くのがいいし、カメラもフルサイズのものよりマイクロフォーサーズの軽いもので楽しく最高の写真をたくさん撮ってそれをプリントして楽しむ方がはるかにイイ。料理でも数百万円の高級キッチンで絶えず汚さないことを気にしながら料理するより、クリナップのフツーのキッチンでおしいものたくさん作って恋人や家族とケラケラ笑いながらおいしく食べる方がはるかにイイ。つまり何を持つかではなく、どう使うかがあってこそそこに自分自身が投影できるわけで、そこに始めて有意義な時間が生まれるのである。趣味なんて本人が満足ならそれでいいという訳ではないのである。
その後スピーカーのサランネットの張り替えも終わり、その他の片付けも一段落した。まだ細かな作業は残っているがそれらは急ぐ必要もない、期限を決めずにのんびり進めればいいだろう。
![]() |
| ステレオ装置 |




