2022年7月11日月曜日

イラストレーターの初期設定フォントの変更



イラストレータの初期設定フォントは「小塚ゴシック」となっている。
べつに小塚さんに恨みはないが、初期設定フォントを簡単に変更できないのは困ったものだと思っている。だが方法はある。

今日はadobeイラストレーターの初期設定フォントの変更方法について。

その前に初期設定フォントの「小塚ゴシック」について。
理工学系の文章を扱うデザイナーで小塚ゴシックを使う人はかなり少ないと思う。理工学系に限らず「小塚ゴシック」は使わない、という人も多い。それもわかる、私もそのひとりだから。
まずは簡単にその理由について。
比較するのは「小塚ゴシック」と「ヒラギノ角ゴ」。
理工学系文書で私が使わない理由から。
円の直径を表す「φ」、アルファ、ベータ、ガンマのガンマ「γ」の形が特殊。
また、算術記号の「+」「−」「×」のサイズがまちまち。


あまり気にしないで使っている例を見るが、例えば「直径10m」を

とあるべきところを

と表示して違和感を感じないのだろうか、と不思議に思う。
ちなみにギリシャ文字のファイが上記のように2種類あるのは問題なく、ファイという文字としては小塚ゴシックも間違っているわけではない。問題は円の直径を表す記号としてのファイである。
これが四角形の話なら問題なかった。□であれば、□50で何かと間違う心配は皆無だろう。
だが円の直径を示すのに○を使うと0(ゼロ)やO(オー)と間違える。
そこで棒を加えて表すこととした。よく数字の0(ぜろ)の中に点を打ってO(オー)と区別するのと同じ考え方である。
この棒を加えた○の代用にギリシャ文字のファイを代用できるため今では直径をファイと表現するのが一般的となった。ただし、あくまで○に棒の代用なので、ファイならなんでもよいと言うわけではなく、小塚ゴシックの文字形状は正しいとは言えないということである。
ときどきあまり気にせずに小塚ゴシックと同じ形のファイを数式組版で使っている例を見かけるが、これは間違いである。

また「+」「−」「×」の他にも、式の中で大きさがまちまちの算術記号を使うのは、私には考えられない。見た目のバランスが悪いし、わかりにくい。
数式はもっとエレガントであるべきだ。
ヒラギノ角ゴと異なり小塚ゴシックは大きさがあまりに異なりバランスが悪い。
似たような記号でこんなに大きさが違うものを同じ数式の中に使うのはいかがなものだろうか。

つぎに「ひらがな」のプロポーションについて。

私は「ひなさましきち」、略して「ひなさま問題」と呼んでいる。小塚ゴシックのあまりバランスの良くないひらがな7文字である。







まあ「ひらがな」に関しては好みの問題もあるので一概にどうとは言えないが。
メタボな「ひ」、てんの向きがビミョーな「な」、独特のプロポーションの「さ」、へんてこな返しのついた「ま」など、そして共通するてっぺんの「ハネ」など、どうなのだろう?
少なくとも私は好きではない、だから使わない。

最後に私は絶対使わない小塚シリーズだが、数字は見やすくキレイなのでノンブルには良い。だが仮にノンブルに小塚ゴシック使うと、間違えて、または他の人が作ったデータを読み込んだときにフォント検索で小塚ゴシックを見つけて変更、というのが面倒になる。
だからもし小塚ゴシックが初期設定フォントでさえなかったら、もう少し使えたのに残念である。

さてさて、前置きが長くなった。別に「小塚ゴシック」を貶すためにこの記事を書いているわけではない。

問題は、adobeイラストレーターの初期設定フォントが「小塚ゴシック」固定で、ドキュメントを新規に作るたびに「小塚で作りましょ〜」となる点だ。
そこを変更する。
その方法を紹介する。

Macの自分のユーザフォルダを開く。
「ライブラリ」フォルダを探す。もしない場合は非表示設定となっているので、表示に変更する。
Finderで、ユーザフォルダをアクティブな状態で、メニューバー>表示>表示オプション
を選ぶ。

”ライブラリ”フォルダを表示にチェックを入れる。


ライブラリフォルダを開く。
ライブラリ>Application Support>Adobe>Adobe IllustratorXXを開く
XXはバージョン番号。
ja_JPフォルダの中のNew Document Profilesを開くといくつかAIのファイルがある。


たとえばイラストレータで新規ドキュメントを作るときのプロファイルに「プリント」を使うなら、ここで「プリント.ai」をダブルクリックしてイラストレーターで開く。

ただし念のため、先に予備をデスクトップにコピーしておく。
「プリント.ai」をイラストレーターで開いたら、
メニューバー>ウィンドウ>書式>文字スタイルを選択する。


「標準文字スタイル」をダブルクリックする。


基本文字形式でフォントファミリーを「小塚ゴシック」から好きなフォントに変更し、OKをクリックしウィンドウを閉じる。

メニューバー>ファイル>別名で保存、を選択し、もとのファイルの上書きを行う。
(直接の上書きはできないようになっているので、別名で保存を選び上書きする)

これで完了。
adobeイラストレータで新規ドキュメントを作成し、そのときプロファイルを先ほど上書きしたものを選ぶ。
文字ツールにある初期設定フォントが「小塚ゴシック」から先ほど選んだフォントに変更になっているはずだ。
うまくいったら、デスクトップにコピーしておいたファイルは削除してかまわない。


さて、この初期設定フォントの変更だが、サイズなども変えることができるので、自分でよく使う文字サイズを選んでおくのもよいだろう。