2022年11月9日水曜日

月蝕を撮る


今日は皆既月食が見られた。東京の空は空気が澄んでいて観測には理想的な条件だった。重い300ミリ単焦点レンズを購入したのが7月末で、このレンズは月の撮影のために購入した。
なので今日のことをずっと楽しみにしていた。

今日に備えて何度か練習もした。まずはこのブログにも書いたが7月31日に葛西臨海公園で三日月を撮影した。その後も2回ほど、8月11日の満月、9月22日の明け方の下弦の月。
午前3時過ぎの月
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 1/13 ISO400、手持ち トリミングなし





そしていよいよ今日を迎えた。今回を逃すとしばらく月蝕はない。今日は天気も良さそうだ。

今日は午後3時に模型の納品があったが、特に問題もなくすぐに終わったので、急いで帰宅し、軽く食事をしてカミさんと娘と連れだって見に行った。
まずは東の空に昇り始めた満月の写真、月蝕はまだ始まっていない。

月食の始まる前の満月
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 1/400 ISO250、手持ち トリミングなし





やがて少しずつ地球の影が現れ始めた。
月食が始まった
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 1/400 ISO200、手持ち トリミングなし



 


半分くらい隠れた
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 1/100 ISO200、手持ち トリミングなし





この写真では月と地球の大きさの違いがよくわかる。
7割くらい隠れた
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 1/30 ISO200、手持ち トリミングなし





さて、ここからは露出を変える。上の7割くらい隠れた状態でも影の部分は実際はうっすら見えている。だがまだ残っている3割の部分がかなり明るいので、この明るい部分に露出を合わせると影のわずかな光は光量が足りずに写らない。そこでこの暗い部分をある程度、つまりうっすら写る程度まで露出を上げる。

するとこうなる。

露出を変更、影の部分が見えるように
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 0.4s ISO1600、手持ち トリミングなし






残った明るい部分は白く飛んでしまっているが、影の部分は月蝕らしい赤い月だ。明るい部分に合わせたものと暗い部分がうっすら写る露出の差はかなり大きく、前者がISO感度200で1/30秒で後者はISO感度1600で0.4秒露出である。露光量で言うと約100倍の差である。

完全に地球の影に隠れた
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 0.3s ISO3200、手持ち トリミングなし







完全に地球の影に隠れた月。ISO感度はマイクロフォーサーズでは御法度の3200まで上げた。ちなみに3200が御法度と決めたのは私なので、気にしない人は6400くらいまで上げている。だがノイズがすごくなり、これはやはり三脚でロングシャッターが理想だろう。だが撮影場所が公園なので、多くの人が集まる場所で三脚を立てるのは良くないので手持ちで頑張ることにした。


さて、完全に地球の影に入った月がどうしてうっすら見えるかというと、地球には大気があるので、月から見ると地球の向こう側に太陽があり、太陽光はほとんど地球でさえぎられるが、地球の外周の大気の層で屈折した光が回り込んでわずかに月まで届くことになる。屈折に強い光は波長の長い光、つまり赤い光である。だからこの影の部分は赤く見える。青やその他の波長の短い光は屈折率が大きいので地球の大気の層で大きく曲げられ拡散してしまう。

さて、前述のように今日は公園で撮影したのだが、これは月とビルを一緒に撮影したいと考えたからだ。月蝕のピーク時には月は結構高度も高く、これとビルを同時に撮影するにはビルの近くで比較的ひらけている場所がよい。そこで新宿中央公園にした。同じ事を考えている人が結構いるらしく、夜にもかかわらず賑わっていた。


で、撮った写真。
都庁に隠れる皆既月食
E-M1-II M300 F4.0 、f/8 0.6s ISO1600、手持ち トリミングなし








都庁と皆既月食
E-M1-II M300 F4.0 、f/8 0.4s ISO1600、手持ち トリミングなし



都庁に隠れる皆既月食
E-M1-II M300 F4.0、f/8 1/4s ISO1600、手持ち トリミングなし






都庁と皆既月食
E-M1-II M300 F4.0 + MC-20、f/8 0.4s ISO1600、手持ち トリミングなし






都庁は青くライトアップしていたので、皆既月食の赤ととてもよく合っていた。東京都さすがである。
ちなみに写真はすべてトリミングはしていない。またRAW現像は若干の露出補正とノイズ処理のみで、色温度や彩度は変更していない。つまり画像処理で色を濃くしたりしていないということだ。それでこんなおもしろい写真が撮れる。まるで火星に向かう宇宙船のような感じだ。


月蝕は楽しい。でも次回は3年後。ちょっと長いね。次はもう少し人の少ないところで、三脚を使ってISO感度を下げてスローシャッターで撮ってみたいな。