あとは3DグラフィックのShadeを使う。これもファイルをたくさん作ることがあるのでルールは必要だ。また、Shadeではファイル名以上にパートの名称が重要なのだが同時に論じる話ではないし混乱するのでこれは最後に触れることにする。
で、先のグラフィックソフトだが、その中でファイル名が特に重要なのが、InDesignとAfterEffectsだろう。リンクファイルが大量にできるから。Illustratorもリンクファイルが結構あるがInDesignで決めておけば同じルールでよいだろう。
ではまずInDesignから。
InDesignの本体ファイルの名称は、制作するプロジェクトの名称を必要に応じて若干省略、短くし、そのファイル名の先頭に「_」(アンダーバー)を付け、ファイル名の末尾に01から順に番号を振るように決めた、末尾の数字は別名で保存のたびに02、03と増えていく。
ファイル名の先頭にアンダーバーを付けるのはフォルダーをリスト表示したときに一番上にくるので見つけやすいから。
別名で保存するたびに古いデータは予備のフォルダーに移動する。こうすれば間違えないですむ。数ヶ月に及ぶプロジェクトでは予備のフォルダーにはInDesignの古いデータが数十個並ぶことになる。どんどん上書きせず別名で保存するのは修正前のデータが必要になることも多々あるのと最新のファイルが壊れた時のダメージを最低限にとどめるため。
さて、問題はリンクファイルのルールだ。リンクファイルにはラスター画像とIllustratorのベクター画像がある。ベクターはIllustratorだけなのでよいが、ラスターは通常ファイル形式はPSDにしているが、コンテンツとしては写真とCGがある。これらはごちゃ混ぜにしたくない。
もちろんIllustratorのデータと写真、CGなどを別々のフォルダに入れリンクを貼ることもできるしそうしている人もいるが、私はやりたくない。これだと例えばリムーバブルディスクや別のハードディスクなどにプロジェクト全体を移動やコピーするとリンク切れになるから。だから必ずInDesignのデータとリンクファイルは同じフォルダに入れておく。使わなくなったリンクファイルも古いInDesignデータと同じ「予備」のフォルダに移動する。こうすればデータを見つけやすいし入稿も楽だ。
ではIllustratorのデータや写真とCGをどうネーミングするか。ファイル名は極力短くしたい。
Illustratorデータはファイル名先頭に「a_」を付けることにした。図面やイラストなどは手を加える回数が圧倒的に多いので、必要なファイルを見つけやすいようにInDesignデータの次に来るようにするためだ。
写真データはレタッチ作業はあるが一度レタッチが完了したら編集終了となることが多い。つまり何度も変更しない。だからリストの下の方でよい。photoの「p_」を先頭に付けることにした。
同じラスターでもCGのレンダリング画像は変更がとても多いのでリストの上の方がよい。Illustratorの次に来るように「c_」とした。もちろんCGのモデリングデータなどは別フォルダでよい。モデリングデータはInDesignが直接見に行くことは絶対にないので。ただし制作しInDesignにリンクした画像がどのshadeファイルを使って作ったかは何年後でもすぐに判るようにしておく必要がある。後になって必要になることがとても多い。
さて、リンクのIllustratorデータにも画像リンクを貼ることがある。こうなるとInDesignからは親子孫となる。なのでなるべくイラストはイラスト、写真は写真とし、画像はInDesignからのリンクになるように心がけてはいるが、どうしてもIllustrator上でリンク画像を扱った方が良い場合もある。
このときのIllustratorが使うリンク画像のファイル名は「p_」や「c_」は使いたくない。InDesignの直接リンクと区別がつかなくなるから。
そこでこれらは「ap_」「ac_」と先頭につけることにした。
全体の並び順はこうなる
1. InDesignのファイル「_プロジェクト略称+数字」
2. Illustratorのファイル群「a_コンテンツ名+英字+数字」
3. Illustratorのリンク画像CG「ac_コンテンツ名+(英字)+数字」
4. Illustratorのリンク画像写真「ap_コンテンツ名+(英字)+数字」
5. CGリンク画像群「c_コンテンツ名+英字+数字」
6. 写真リンク画像群「p_コンテンツ名+英字+数字」
さらに7番目として当たり用の仮画像を「仮_」でこれらは最後の方に並ぶ。入稿前には無くなるファイル群だ。
7. 暫定使用のリンク画像「仮_コンテンツ名」
これで決まりなのだが、例えばページ数が多く写真やCG画像などのリンクファイルが多いとき、例えば「c_」ではじまるファイルが100個なんてこともある。そうなるとFinder上で探すのが少々面倒だ。以前は「c_1」などと掲載ページを入れたこともあったがページの入れ替えなどのたびにリンクファイル名を変更するのは面倒だし、古いページ番号のままにしておくのもわかりにくい。ページ番号をやめて制作順に1、2と振るのもナンセンスだ。作った順番などすぐに忘れる。そこでファイル名の「c_」はそのままで、そのあとの名前に見つけやすいネーミングルールを使うことにした。たとえば製品の使い方のCG画像であれば、「c_適用例崖1」「c_適用例川A1」「c_適用例川B1」といった具合に。つまりファイル名でグルーピングする方法だ。末尾の1はレタッチなどのたびに2、3と増えていく。
こうすれば適用例のファイルがあつまるので探すのはかなり楽になる。
間違っても「崖事例」「川事例」とはしない。finderで事例写真がバラバラになり探しにくい。
こうして決めたルールだがInDesignはこれでとてもうまくいっている。
次にAfterEffectsだ。こちらは元々ソフトの利用率もInDesignの1/10以下と低く、あまり真剣に考えてこなかった。今回これを機に長く使えるルールを作ろうと思う。
もちろん今までもテキトーにファイル名を決めていたわけではない。InDesignと同様のファイル名ルールを一旦は決めて使っていた。以下の通り。
1. AfterEffectsのファイル「_プロジェクト略称+数字」
2. リンクCG静止画像「c_コンテンツ名+英字+数字」
3. リンクCGムービー「m_コンテンツ名+英字+数字」
4. リンク写真静止画「p_コンテンツ名+英字+数字」
5. リンク実写動画「v_コンテンツ名+英字+数字」
である。
ここまでは問題ない。だが、AfterEffectsはInDesignとはちがってタイムラインウィンドウでの編集とフッテージウィンドウでのコンテンツの選択があるのでリンクファイルが100を超すと探すのに時間がかかる。
そこでタイムラインの登場順に番号を付けることにした。つまりタイムラインの並び順をフッテージウィンドウでも継承するような形だ。フッテージウィンドウはfinderとほぼ同じ順で並ぶ。
1. AfterEffectsのファイル「_プロジェクト略称+数字」
2. リンクCG静止画像「c_数字+コンテンツ名+英字+数字」
3. リンクCGムービー「m_数字+コンテンツ名+英字+数字」
4. リンク写真静止画「p_数字+コンテンツ名+英字+数字」
5. リンク実写動画「v_数字+コンテンツ名+英字+数字」
といった具合に。
これでファイル種別ごと登場順にフッテージウィンドウに並ぶので比較的見つけやすい。
多少タイムライン上で順序が変わることもあるので完璧とは言えないが、ランダムに並ぶよりはだいぶ良い。だから当面はこの方法で、と考えていた。
だがこの方法には問題も多かった。たとえばCGムービーの動きが止まったあとの尺が足りなくて静止画を足す必要がある場合の静止画のファイル名をどうするか。本当は必要な尺のムービーを3Dソフトで再レンダリングするのが理想だが1秒30コマで3秒なら90コマ必要で1コマのレンダリング計算に1分かかると90分、つまり1時間半余計に計算にかかることになる。またテロップの都合で尺が延びただけでCGムービーの再計算なんてあまりに無駄だし、たいていそんな時間はない。ムービーによってはMac studioの20コア版で再計算に5時間もなんてザラで10時間なんてのもある。だから静止画を挿入する。この静止画、「c_」だとこの静止画がCGムービーと並ばないので何のためのCG静止画かわかりづらい。かといって並ぶようにするには「m_」を先頭に付けることになり、ムービーではないファイルにムービーの名称が付きルールとちがってくるので少し気になる。もちろん拡張子付きなので区別はできるが。
さらにもうひとつ。当初CG静止画が途中でCGムービーに変更になった場合は「c_」を「m_」に変更する必要があるが、続き番号の途中に入れて残りを振り直しなんて面倒なので番号は最後の番号+1になり、そうなると順番に並ばない。1つ2つならよいがいくつもあると気になる。後から追加したコンテンツについても同様だ。
今まではギリギリまで我慢して使って、もう嫌だという時点で全ファイル名の振り直しをしていた。だがこれにはとても時間がかかるし間違える可能性もある。なんとかリネームせずにわかりやすさをキープしたまま最後まで乗り切れてその後数年経ってもすぐに関係を理解できる方法はないだろうか。
本なら章ごとというのがあるがムービーも同じように章ごとの記号をつけるべきななのだろうか。例えばCGムービーなら次のようになる
3.リンクCGムービー「m_章を表す記号+数字+コンテンツ名+英字+数字」
章と言っても実際に章があるわけではないので、なんらかの制作上の区切りを設けることになる。この区切りは制作者が恣意的に決められるしそれで問題はないので、ある程度短くすれば章を構成するコンテンツの数が限られるので全体の通し番号は不要になる。ひょっとしたら「m_」や「c_」も不要かもしれない。そのためには「章」を構成するコンテンツ数が多くても20ファイルくらいに抑えたい。かと言ってあまり章が多くなり構成するコンテンツファイル数が2、3個では意味がない。今度は章が見つけにくくなる。
それに章も追加の可能性もある。「1」「2」「3」と付けたのでは「2」と「3」の間に章が2つ追加になった場合などどうするか。「2」「2a」「2b」とするのか。つまり解決策はあるがどうしたら一番わかりやすいかは少し考えた方が良さそうだ。
幸いCGムービーのプロジェクトを現在制作中である。このプロジェクトはファイル数が100を超えている。尺も5分強と検討にはちょうどいい。何度かルール変更のトライアンドエラーで余計な時間はかかるだろうが仕方がない。ここできちんと決めておくことが大切だ。
ところでadobeのソフトは最近は例えばInDesignでもAfterEffectsでもソフトを使っていてそのファイルをfinder上で表示する機能がついている。だからファイル名なんかにここまでこだわらなくても困らない、という意見もあるだろう。だが使っている画像ファイルを1つ見つけるのにわざわざソフトを立ち上げないと見つけられないなんて私は嫌いだ。ソフトが変わるたびにファイル管理まで振り回されるのなんてまっぴらだからだ。
話は脱線するが、だから絶対AdobeのLightroom とAppleのPhotoは使わない。finderとは無関係にファイルをソフト専用に収納しソフトを開かないと写真がどこにあるかもわからなくなるからだ。一度使い始めたら死ぬまで使い続けないとだめなソフトだ。
さて、最後にShadeのブラウザでのパートやオブジェクトの名前。まず私は使い始めた頃からオブジェクトのリネームとオブジェクトへの材質設定は基本的にしないようにしている。
理由はリネームの方は形状が何なのか分からなくなるから。自由曲面なのかポリゴンなのか掃引体なのかブラウザを見てもわからないのが嫌だから。パートに入れてパートに名前を付ける。材質は他のオブジェクトに同じ材質をコピーして使う時やりにくいから。
パートは基本的に大きく2つ、レンダリング対象と非計算対象(参照形状や予備のオブジェクト)。非計算対象の方は読み込んだ図面などは使いやすいようにグルーピングしているが、予備のつまりいらないけど万一復活したら使うかもという形状などはテキトーにパートを作って放り込んでいる。
レンダリング対象のパートは様々なルールを決めて運用しているが、大切なことは10年後にファイルを開いたときにもすぐに構成がバッチリ理解できるようにすることだ。
だからルール作りにかける時間は惜しまないようにしている。
そうね、ルールというと堅苦しいからメソッドとでも言っておこうかな。
上の写真は受注した仕事向けに撮影した写真。散歩のついでに撮った。
「はじめに」とかで使う。