アルバムタイトルの「「束の間の音楽」はパーセル作曲の歌曲。6分程度の短い歌で、詩も短い。
お気に入りのレコードとCD。パーセルの楽曲を現代風にアレンジしている。普通こう言うのは大失敗することがほとんどだが、これは例外的に素晴らしい。
束の間の音楽、パーセルの楽曲に基づく即興演奏、
演奏はラルペッジャータとクリスティーナプルハーとある。
レコードを買って聴いて良かったのでCDも買った。こういうことは時々ある。
逆にCDを買って気に入ったからレコードを買うというのは少ない。
レコードが再ブームらしいが、それでもやはり種類が少なく、探しても見つからないことの方がほとんど。
さて、イギリスの作曲家パーセルは詩も良いが曲だけ聴いていてもすごく良いので、今まではあまり詩の意味は考えていなかったが、ふと「束の間」ってなんだろう、と思い調べてみた。
その前に歌詞
Music for a while
Shall all your cares beguile.
Wond'ring how your pains were eas'd
And disdaining to be pleas'd
Till Alecto free the dead
From their eternal bands,
Till the snakes drop from her head,
And the whip from out her hands.
Music for a while
Shall all your cares beguile.
(CD、レコードのライナーノーツより)
輸入盤なので対訳はない。
少々難しいが挑戦してみよう。
束の間の音楽
それはあなたのすべての悩み癒やす。
束の間の音楽は不思議に思う。どうしてあなたの痛みが消えたのか。
そしてあなたが喜ぶことをいぶかしく思う。
アレクトーが死者を永遠の束縛から解き放ち、
彼女の頭の上の蛇や手に持った鞭が滑り落ちるまでそう思いつづける。
束の間の音楽
それはあなたのすべての悩み癒やす。
ジョン・ドライデン作
パーセルの歌劇「オイディプス王」から
3行目と4行目は、音楽を主語にし、音楽に感情があるかのように歌われている。
歌劇「オイディプス王」のオイディプス王の物語は、ギリシャ3大悲劇のひとつ。
そうとは知らず実の父を殺し、母と交わって子をなした王子が事実を知り破滅する話。
詩に出てくるアレクトーは罰を与える女神で、罪人の心に取り憑き破滅させる。
歌詩だけサッと目を通すとたいした歌ではないが、オイディプスとアレクトーのことを知ると、ものすごくシュールな歌となる。
だが曲はひっそりとした孤独感はあるものの、それだけであまり悲劇的ではない。
淡々とした寂しさがパーセルの魅力だと思う。
さて、トーレンスのレコードプレーヤーをどうするか、つまりカートリッジをどうするか考えていたが、馬鹿馬鹿しくなったのでもう考えないことにした。何とかもう少し安い低インピーダンスのMCはないかなどといろいろなショップを調べているうちに、やっていることがまるでオーディオマニアみたいだ、と気づき、やめてしまった。
そんなことに時間を費やすより、このレコードみたいな音楽にたくさん出会うほうがよっぽどいい。
なのでカートリッジのことはもう考えない。
それよりレコード棚がだんだんいっぱいになってきた。

