2022年9月20日火曜日

橋梁模型の製作


模型作りの仕事を受注した。
いつもの模型製作会社が納期に間に合わないとのことでウチの事務所で作ることになった。

今回の件はクライアントにも模型会社にも言いたいことがあるが、そういうことは多く考えてもストレスになるだけなのでサクッと割り切って、ひさしぶりに模型作りを楽しむことにした。

今までは建築模型しか作ったことはなかったが、今回の仕事は「橋の模型」。小さな川にかかる小さな橋。新商品らしい。

小さな橋だが製作はけっこう大変で、製作にあたってはまず最初に加工機械やエアブラシなどの新規の機械を入手することから始めた。結構費用がかかったが必要なので仕方がない。

さらに材料代、つまりアクリル板、塗料、接着剤など、それに展示ケース、移動用ボックスなどの材料も購入。

今後模型を受注するかはわからないが、機械類は今回分として費用の1/5をみて、これに材料費。残りを労務費とすると・・・よせばいいのに計算してみた。

なんと時給500円となった。あはは。

橋の模型で縮尺は車に合わせて43分の1、このスケールだと鉄骨の構造材の板厚がほとんど1ミリ以下になる。アクリル板で1ミリ未満はないので、すべて1ミリで作ることになる。だが1ミリで作った構造材で50センチのスパンはたわみが多くダメかもしれない。これは組んでみて接着するまでわからない。経験値がないからだ。そのため2ミリと1ミリの両方で実験し、強度を検証する。

また、各部ディテールは加工が非常に難しい。ボルトやスタッド鉄筋など。これらは様々な材料を買って加工してみてどの方式で行くか決めることになる。

こういったトライアンドエラーが非常に多く、従って製作も時間がかかった。もしもう一度同じ物を作るなら時間は1/4以下ですむだろう。


さて、例によって実際の模型の写真はアップできないが、部分的には見せてもいいかな。
ここでは製作環境をメインに書くことにする。

まずは書斎の加工テーブル。
いつもは写真プリントアウトのカットやちょっとした手作業用のテーブル。ここが今回1ヶ月ほど模型専用の主戦場となった。カッターマットがかなり汚れてしまったので買い換えるかね。


次に工房、様々な加工・製作用の作業場。ここも1ヶ月模型専用となった。


今回購入した機械は、テーブルソー、ベルトサンダー、テーブルドリルと微調整用のテーブル、糸鋸盤、サイクロン集塵機、エアブラシ、コンプレッサー、ミニルーター、エアブラシ用ファン付き塗装ブース。
さらに自作のウレタンフォームカッターなどを使った。
時間がないので、あまり検討せずに思いつくままドカッと購入したが運良く使えない機械はなかった。程度の差はあれ、すべての機械を使った。

次に図書室兼撮影室のテーブル


このテーブルが今回は塗装台となった。エアブラシは小型の中級機を購入したがとても使いやすかった。塗装ブースはプラスチック製だがファンが2台付いている高級版、ファン2台でも十分とは言えないが、完璧なものを望むなら自作しかないだろう。もちろん今回はそんな時間はない。ハンドピースの台もおもちゃのようなプラスチック製、千円ちょっとだったのでしかたがないが、これはそのうち作り直そう。

作業スペースは以上。
あとは仮置き台としてローテーブルを2台使った。

先にも述べた通り、実模型の写真はアップできないが、これが部分。


ボルト接合のボルトは1つ直径0.8ミリ程度。これを全部で1500個くらい作り手作業で1つづつ並べた。3Dプリンターでもあれば、と何回思ったことか。

テストモデルの製作に2週間、その後打合せを経て実モデルの製作に3週間。その間平均睡眠時間は5時間、最後の1週間はもっと少なかった。

製作はどのプロセスも辛く、そして楽しかった。
先のボルトなどどうやって作るか寝ても醒めても考えていたのを思い出す。このボルトはボルトの製作も精密ピンセットを使っての貼り付けも娘が手伝ってくれた。

エアブラシは今回初めて使ったが、使用方法は簡単だった。ネットや説明書を10分も読めば原理は理解できるし、実際に吹きながら調整すれば2〜3時間でこの手の塗装くらいならできるようになる。水彩画の方が10倍くらい難しいかな。つまりそれくらいエアブラシは簡単。
もちろん極めるならもっともっと時間はかかるだろうが。

というわけで、なんとか完成。

完成したら写真撮影。
私個人の記録用ならiphoneでテキトーに撮ったので良いが、今回クライアントが写真が欲しいと言うので仕方がない、塗装台を撮影台に戻して撮影。


まあ、写真は契約にないので、サービスカットのようなもの。iphoneという訳にはいかないが本格的な撮影の必要はない。背景含めテキトー。


塗料などは図書室なので、本棚にとりあえず置く。もちろんこれだけではない、本棚のあちこちにかなりの量が置いてある。
こういう「とりあえず」が結構多い。これもしかたがない、何度も書くが時間が足りない。

展示用のアクリルケースを作り、運搬用の段ボール箱も作った。
段ボール箱と言っても強化段ボール厚さ1.5センチを使って作る。製作図を描いて製作に丸1日かかった。丸1日と言っても徹夜して24時間だ。やれやれ。
今回の製作では、作業予定を考え、それを終わらせてから寝る、という方針で進めた。だから予定より早く終われば早く寝られるし、逆なら寝られない。この箱は12時間くらいで終わるつもりだったのが24時間かかってしまった。なのでこの日は睡眠時間ゼロ。


手前が強化段ボール箱の下側。クッション材にフェルトを張ってサポートする。
その向こうが展示用アクリルケース。
その向こうが強化段ボール箱の上側。ステンシルで置く向きを指示してある。

さらに薄い段ボールの外装箱をつくり持ち運び用のバッグを作った。


持ち運び用のバッグ。模型の撮影のあと、予備日に作った。

今日、各パーツを仮留めした状態でクライアントのオフィスに持ち込み確認をしてもらった。
問題なし、ということで1日かけてすべてを本接着する。その後ケースや土台をクリーニングして納品となる。


電車で持って行くことにした。クライアントも展示会会場まで電車で運ぶらしいので、まあその実証実験も兼ねて。

帰宅後、持って帰った模型の接着を始める。
1カ所エアブラシを吹くのを忘れていたカ所があるので、そこも接着前に吹くことにした。
撮影台を再び塗装台に変更する。
だが今度は汚れ防止に段ボールを敷いた。前回の塗装汚れはラッカーで清掃済み。


また、スポイトなどの入れ物は工房にあった木材の切れ端を使って台をつくった。これで簡単にはひっくり返らないし動かない。


すべての接着が終わり、あとは強化段ボールの箱のベルトを少し工夫して終了。だがベルトの金具があまり良くないので、新規に注文した。これが到着したら加工し組み込んで完了となる。

さて、製作に関しては以上だが製作環境は、少し考えないと。
まずは今回買った機械類の収納スペースをつくる必要がある。また、塗料や材料の置き場も。
次に集塵機。カットやペーパーがけが多いのでかなりの量の切りクズやホコリが出る。そこでサイクロン式の集塵装置を買ったのだが、もう少し使いやすくしたい。
スプレーブースももう少し使いやすくしたい。
これらは製作しながらどういう風にしたら使いやすいかを考えていた。

だが次の仕事がしばらく忙しいので、実行するのは早くて年末かな。

2022年9月18日日曜日

ポテトサラダとネコのパン



ポテトサラダを作った。
ポテトサラダは大好きな料理で、良い思いでもあって私の中では特別なもの。

でもジャガイモは太る。だから年に数回しか作らない。
どうも例えば同じ炭水化物100グラムでも米の100グラムと小麦粉の100グラムでは食べても同じではないと思っている。その最たるものがジャガイモで確実に違う。
ドイツ人を見れば動かぬ証拠だ。ドイツの女性は十代はすごくほっそりしていて顔もかわいらしい。だが30代になると全滅する。すごいことになる。これは事実だから仕方がない。
そしてその理由は間違いなく主食のジャガイモだと私は信じている。
だからハンバーガーの付け合わせにフライドポテトを食べるのは好きだし、ポテトサラダも大好きだが、ほどほどに、である。

同じ100グラムと書いたが、もうひとつ、かなり確信を持って信じていることがある。おいしく楽しくたべた食事とあんまりおいしくなくてつまらなく食べた食事では薬と毒くらいの違いがあるということ。たとえば同じ野菜でも肉でも魚でも上手に料理してみんなで楽しく食べればビタミンでもミネラルでもなんでも身体になる。
だから料理をすることは人生においてものすごく大切なことで、テキトーに食を済ませることはいろいろな意味で不幸なのだ。

さて、ポテトサラダだった。
作り方は比較的簡単だが、コツがないわけではないので、今日はそれを書いてみる。

まずジャガイモは男爵を使い、皮をむいて芽をほじって、半分に切って茹でる。
竹串が通れば茹であがり。ざるに空け鍋に戻し少しだけ粉吹きにし、イモ潰しで潰したら鍋ごと扇風機の前に持って行き水分を飛ばしながら冷ます。

ポテトサラダは水っぽいのは最悪だから、しっかり水分を飛ばす。あとイモ潰しはやりすぎないこと。


潰したジャガイモに扇風機で風を当てて冷やす
間にキュウリとベーコン。キュウリはスライスしたあと軽く塩を振り揉んでからさっと冷水ですすぎ良く絞る。両手でおにぎりを作るような持ち方で満身のチカラを込めて絞る。

あまり握力がないなら、ここは握力60キロ以上の彼氏に頼んで絞ってもらう。もし彼氏が握力が弱いオタク系ならさっさと別れて握力60キロ以上の彼氏に乗り換える。
または自身で筋力をつけて自分でしっかり絞る。握力のあるゴッツイ女になんてなりたくない、と思っているなら、それは大きな勘違いだ。
東京オリンピックを見たなら、あのオリンピックで一番おもしろかったのは女子フリークライミングだった。きっぱり。で活躍した日本人女性2選手、とてもチャーミングでかっこよかった。卓球とかとは大違い。
であの2人、確実に握力は60キロ以上ある。でもドイツ人30代みたいにはなっていない。だから、ほれ、あなたも大丈夫。

で絞ったキュウリがこれ。パサパサ。


チカラいっぱいしぼったキュウリ

つぎにベーコン、本当はおいしいハムが良いのだがデパ地下に買いにいくヒマがなかった。スーパーマーケットの薬品臭いハムはやめたほうがいい。台無しになる。


チリチリのベーコン
最後にマヨネースで和えて完成。
今日の朝食はこのポテトサラダと先日新宿のどう考えても十代の女性向きのお店、雑貨屋かな、で買ったネコの食パン。

まあ、味は期待できないがカワイイので買ってみた。家族みんなおもしろがっていたので良しとする。


これをアルミホイルでちょっと細工してトースターで焼く。
あとソーセージ、これはスーパーマーケットで買ったシャウエッセンという安いソーセージ。
これを茹でてからオリーブオイルで軽く焼く。
これで全部。
カミさんと娘はチーズトーストがいいとチーズをたっぷりのせてオーブントースターに。


クマになってしまった。
カミさんはさらにバジルものせて。



もう何だかさっぱりわからないけど、おいしいからイイらしい。


あとはコーヒー。
コーヒーミルは2月に注文してようやく先週届いた新しいミル。


カラカラと回すとなぜか馬車のような音がする。
仕事がものすごく忙しく、まだ台座がつけられない。20センチ角のベースは堅木で作って裏にフェルトを貼る予定。

2022年8月21日日曜日

アイロンがけは「さとり」の時間

休暇を取って少しのんびりした。
写真はあまり撮らなかった。ただ、のんびりした。

Olympus EM1-II + 12-100mm f4.0 f8.0 1/640 ISO1600



Olympus EM1-II + 12-100mm f4.0 f8 1/400 ISO400



Olympus EM1-II + 12-100mm f4.0 f4 1/400 ISO400




Olympus EM1-II + 12-100mm f4.0 f4 1/320 ISO400


のんびりしている間にも仕事の連絡は毎日のように入ってくる。
忘れないように予定表に書き込む。

休暇を終え、仕事に戻る。
まずはすぐに何かする必要のあるものの確認をし、メールに返信した。
では、課題をひとつずつ片付けていこう。

でもその前に音楽を聴きながら洗濯物を畳んで、それからハンカチなどにアイロンをかける。
レコードを聴きながらのアイロンがけが「わたし流の悟り」。
映画「ディーバ」の中で、リシャール・ボーランジェがフランスパンにバターを塗りながら「Ma satori ce ca」(これが私の悟り)とか言っていた。すべては無、あるのは動きだけ、みたいなことも言っていたように覚えている。
ハンカチやスカーフなどへのアイロンがけも同じ、「無」で動きだけ。
低い温度のスチームアイロン、レコード1枚分の「悟りタイム」。


アイロンがけ完了、問題はこのみっともないアイロン
アイロン台の上でアイロンがけ。
この悟りタイム、一つだけ不満なのが松下電器のスチームアイロン。どうしてこの手の家電製品はチャラチャラした色や形なのだろう。松下だけでなくどのメーカーもみな同じ。
悟りが台無し。まあ仕方がない。そのうちいいのを探して買い替えよう。
で、音楽はもちろんレコード。
CDやストリーミングではダメなのである。

まずアイロンがけの15分前に3台の真空管アンプのスイッチを入れ、レコードプレーヤーのまわりを丁寧に拭き掃除。

手を洗い、レコードをターンテーブルにのせる。
今日のレコードはマリ・サミュエルセンの「MARI」、演奏もいいが選曲もいい。
マックスリヒターやヨハンヨハンセン、フィリップグラスなど。バッハも2曲入っている。
こういう現代音楽と組み合わせて演奏されるクラシックの曲はバッハが多い。ほとんどすべてバッハと言ってもいいだろう。
バッハはそういう音楽なのだ。


トーレンスのレコードプレーヤー、オルトフォンのカートリッジ、マリ・サミュエルセンのレコード

2022年8月2日火曜日

超広角レンズで建築撮影

前回は超望遠レンズでの撮影だったが、今回は超広角。これも最近手に入れたレンズ。パナソニック製ライカ ズミルックス9ミリ(換算18ミリ)。
広角セミマクロということで購入。
つまり寄れる広角レンズということ。
今日はこれを使って「お散歩写真」を撮ってみた。お散歩では寄れることはどうでもいいのだが、使い勝手はわかるので、今日はこれ1本。

また連日猛暑日で屋外での撮影はかなり辛い。
そこで目黒の東京都庭園美術館と雅叙園観光ホテルに行った。
室内の写真の場合、レンズは24ミリや28ミリがよく使われる。35ミリでもよいが空間によっては厳しいことも多い。建築写真などなるべく広い範囲を写したいことが多い。そうなると後ろに下がって離れて撮るのだが、下がるにも限界がある。壁があってそれ以上うしろには下がれない。
壁に張り付くようにして撮るのも無粋だ。そもそも壁に手を触れたりしてはいけない所も多い。

そこで広く撮れる広角レンズを使うのだが問題もある。広角レンズには歪みがあり、広角になればなるほど歪みが増え不自然に見えることになるからだ。だから超広角はあまり使われない。ちょうど良い画角が24ミリや28ミリということだ。
もちろん35ミリや50ミリで切り取られる画角を楽しむのも、超広角で、その歪みを味として見せるような撮り方を工夫するのも写真の楽しみではあるが。

また、望遠レンズや広角レンズというのは、先ほど述べた歪みや望遠の場合は手ぶれなど、初心者には扱いがちょっと面倒ということがあるが、克服するのはそれほど難しくない。何回か真剣に使えば誰でも十分使いこなせるようになる。
望遠であれば、ISO感度を上げてシャッタースピードをブレない速さまで上げる。広角は歪みを不自然に見えないようなアングルで撮影する。
慣れればそれほど難しくはない。

問題は別にあると私は感じている。
望遠や広角は往々にして被写体やアングルは誰が撮っても同じようなものになり、おもしろくない、と。せっかくカメラを持っていったのにネットに山ほどある写真と同じような写真を撮ってもつまらない。望遠では切り取る範囲つまり画角と構成を、広角では立ち位置を工夫するのがポイントだ。

さて、庭園美術館はまあまあ好きな美術館なので今までにも何十回と訪問している。旧朝香の宮邸とも書かれているが皇室のことは全く知らないし興味もないが、おそらく戦前の皇室の誰かの家で、その後あれこれあって今は美術館として東京都所有ということだろう。
様式はアールデコで、そのあたりのモチーフは観る価値があるが、間取りは素人だ。また空間のつながりも今ひとつで、外観も特筆すべき所はない。あれだけ広い庭園がありながらどうして寝室の眺めがこんなにチープなのか、全くもって理解できない。
まあ日本には非常に少ないアールデコ様式ということで今日のお散歩写真に選んでみた。

たまたま蜷川実花の写真展をやっていた。彼女の作品には全く興味はないが、派手な色使いが室内にどういう風に反映されるかな、とそれくらい。写真撮影可の展示室もいくつかあった。

だが、期待した光の効果はほとんどなく、前述のように作品にも興味がないので、建物だけレンズの練習で数枚撮っておしまいにした。

娘はあれこれ頑張って撮っていたが、やはり展示作品には全く何も感じなかったらしい。

Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 1/200 ISO400




Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 1/200 ISO200




カミさんがこの照明のガラスはラリックらしいよ、と。ラリックにしてはボテッとしてるね、と私。

Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 1/60 ISO200



というわけであっという間に終わってしまった。結局ありきたりな写真ばかり数枚撮ったのみ。娘も少し物足りなそうなので、それでは雅叙園観光ホテルに行こう、と言うことでタクシーは来ないので汗をかきかき駅まで歩いて戻りそこからはタクシーで向かった。

有名な百段階段を昇って、帰りにシンガポールのホテルのようなラウンジでお約束のケーキセット。

Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 1/10 ISO200




Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 0.4s ISO800




Olympus EM1-II + Sumi 9mm f1.7 f4.0 1/4 ISO800




この和風という名の中華趣味と言ったらいいか、横尾忠則になる少し手前でギリギリ頑張っていると言ったらいいか、実におもしろい。ここも今まで何度も来ているが、今回十数年ぶり。建て替えのあと始めて来たが、なかなか良くできていて楽しかった。
ちなみに建て替えてホテル名も雅叙園ホテル東京だったっけな、に変わったらしい。
娘は美術館よりこっちの方が何倍もイイ、と大喜びで、なぜか鯉の写真をずーっと撮っていた。葛西臨海公園のガラス越し熱帯魚より上から眺める鯉の方がイイらしい。

夏の暑い日にはこういうお散歩写真もよい。熱中症のリスクも少ない。





2022年8月1日月曜日

望遠レンズで風景と月の撮影

少し前に注文してあったレンズが先週届いたので、今日は天気も良いし夕陽でも見に行こうと、葛西臨海公園に行ってきた。

届いたレンズはマイクロフォーサーズの300ミリ(換算600ミリ)単焦点と2倍のテレコン(テレコンバーションレンズ)。
日曜日なので水族館は子連れが多く、にぎやかだ。まあ、仕方がない。イスに座ってのんびり水槽を眺めていた。時々奇声を発する子供がいるのには少々うんざりしながら。
全部が全部うるさい子供というわけではない、違いは何なのだろう?親の性格やしつけかな?
まあいいか。

水族館のあと、夕陽を待つ。
だが残念なことに西の空に雲が出ていて夕陽は無理そうだった。
風景写真ではこれにメゲてはいけない。5回くらい通って1回いい写真が撮れれば良いと思うことだ。

今日は日没後、月齢3くらいの月も雲がなければ見られるはずだった。月齢3くらいだと月は太陽が沈んだ直後から2時間くらい見える。その後太陽を追いかけるようにして沈む。だから撮影できるのはその2時間となる。実際にはもう少し短い。日没直後はまだ明るいし、月は水平線に沈むわけではないので見えなくなるのはもう少し早いので。

さて、葛西臨海公園を選んだ理由は2つ。1つは西の空が開けていること、そしてもう1つの理由は日没頃から海風で涼しくなるだろうと。こちらはその通りで、風がとても気持ちよかった。

さて、夕陽をあきらめ撮った写真がこれ。

東京ゲートブリッジの上を通過する飛行機
E-M1-II M300 F4.0、f/4 1/160s ISO400、手持ち トリミングなし






換算600ミリでも手持ちで十分撮影できる。ただし暗くなってくるとカメラのオートフォーカスがかなり怪しくなってくる。まあ仕方がないか。
次に2xのテレコンを使っての比較もしてみた。あたりはだいぶ暗くなってきた。

テレコンというのはレンズの前や後ろに付けて倍率を高めるレンズで、レンズ交換式の場合は後ろつまりボディとレンズの間に装着する。この望遠レンズ、は300ミリの単焦点なので、ズームのように倍率は変えられない。なのでこのコンバージョンレンズで倍率を変える。
ズームレンズは便利だが欠点が2つ。暗いのと画質が単焦点に比べると劣ること。

東京ゲートブリッジ
E-M1-II M300 F4.0、f/4 1/15s ISO1600、手持ち トリミングなし





東京ゲートブリッジ
E-M1-II M300+MC-20 F4.0、f/8 1/6s ISO1600、手持ち トリミングなし




ちなみに撮影場所の葛西臨海公園からゲートブリッジまでは約3.5キロの距離。
最初の1枚目と色合いが大きく異なるのは日没前後で空の色が夕焼けから夕闇に変わったから。RAW現像ではホワイトバランスなどの色調整はしていない。
ピントは少々迷いがちだが、驚くべきは換算1200ミリを手持ちSS1/6で撮影できることだ。このカメラとレンズの双方の手ぶれ補正によってこれが可能ということで、これにはほんとうに感心する。

この300ミリ(換算600ミリ)レンズはフォーサーズとしては重いレンズの部類で、重さが1.2キロある。トートバッグにこれとカメラボディを入れると、私にとっては限界に近い重量だ。
麻のジャケットの肩の部分が裂けてくる。やれやれ。
だがこの時間帯に超望遠手持ち撮影ができる誘惑は唯一無二と思うと、やはりジャケットの肩が裂けようが左腕が疲れてパンパンになろうが許せてしまう。
そしてその上テレコンありだとこんなのが撮れる。日没後に換算1200ミリ手持ちなんてどう考えてもあり得なかったことだと思う。

さて、ゲートブリッジを撮影し、夕陽や月は次の機会、と言いながら駅に向かい、ふと見上げると雲の切れ間に月が見えた。ラッキーだった。
少々疲れてはいたが、頑張ってこれもテレコンありなしで撮影。

月齢3の月
E-M1-II M300、f/8 1/100s ISO2500、手持ち トリミングなし




月齢3の月
E-M1-II M300+MC-20 F4.0、f/8 1/100s ISO2500、手持ち トリミングなし






同上トリミング



テレコンを買った理由が月の撮影のためだったので、この結果には大いに満足している。
月齢3でこの程度撮れるなら、半月だろうと満月だろうと月食だろうと全く問題なく手持ちで撮影できる、ということだから。
ちなみに月齢3とは新月から3日目なので、これが三日月のことかと言えば実は少し違う。
三日月の語源は中国語で、中国にゼロはないので新月(月齢0)が1日目となり、三日月は月齢2となる。まあ、どうでもいいが。

と、そんなわけで夕陽こそ撮れなかったが、まあまあの結果で満足の遠足だった。
夕陽はそのうち、次は満月を撮影してみようと思う。

満月は日没後すぐに東の空の地平線から昇ってくるので、今度は東の空が開けている方がよい。ただし三日月は日没後すぐに沈むのに対し満月は月の出から一晩中空にある。
だから単体での月の写真なら、真夜中に真上に昇った満月を撮ればいい。
次回は試しなのでそれでもよいが、できれ月の出を撮りたいと思っている。そうなると東の空がひらけている方がいい。
私は鳥はほとんど撮らないので美しい月の写真こそがこのレンズの使命だ。

月の出の時刻や方角を調べるにはi-phoneアプリのMoon Seekerが大活躍する。

ところで、月はいろいろ調べて知れば知るほど魅力がある。
地球からの距離は約38万キロ、光の速度が秒速30万キロだから、光は1秒ちょっとで届く。マッハ33の月ロケットで4日くらい。
月は地球のまわりをだいたい1か月かかって1周する。1か月という単位を「月」と呼ぶのは月が地球を1周する期間だから。
1周することで新月から半月、満月、半月、そして再び新月と形が変わっていく。このそれぞれ、例えば新月から半月とか半月から満月が1か月の4分の1つまり1週間である。だから週の初めの曜日は月にちなんで「月曜日」という。英語でもフランス語でも同じ、「月の日」と呼ぶ。Moon day → Monday 。
1か月で1周なので月の出は毎日約50分づつ遅くなる。今日月の出が夜7時だったら明日は7時50分頃となる。また満月は常に太陽の反対側なので、夏は太陽が高く昇るが満月は低く昇り、逆に冬は満月が高く昇る。

その後、12日くらい経ち、満月の写真も撮影してみた。風が強い日で空気中に塵も多いあまり良いコンディションとは言えない晩だったが試してみた。

結果はまあまあ。

満月
E-M1-II M300+MC-20 F4.0、f/8 1/160s ISO200、手持ち トリミングなし





月の上部に色収差が出ている。これはちょっと気になる。
これはAdobe Camera RAW のフリンジ除去を使った方が良いかもしれない。
また、次回撮影時は絞りを少し変えて試してみようと思う。と言ってもテレコン付きでf8.0のレンズなので変えると言ってもわずかだろうが。

雲に隠れる満月
E-M1-II M300+MC-20 F4.0、f/8 1/5s ISO1600、手持ち トリミングなし





これは雲に入った満月、ISOを1600まで上げてもシャッタースピードは1/5秒。やはり楽しいレンズだと思う。

来月の満月ではもう少し工夫して撮りたいと思っている。まあ天気次第ではあるが。

また、今回は地上物と合わせた月の撮影も試したかったのだが雲があって月の出を撮影することはできなかった。
ただし、わかったこともある。月の明るさと地上物の明るさが極端に違うとうまくいかない。日没直後で地上にある程度光が残っている状態で月が昇ってくる日が狙い目となる。

iphoneアプリのMoon Seeker でチェックすると満月2日前が日没と月の出の時刻の差が光のバランスが良さそうなので、次回は9月8日に試してみようと思う。

帰宅後は持って出かけたカメラとレンズを軽く掃除。このレンズは1.2キロと重いので、カメラに付けた状態でストラップで肩から下げて持ち運ぶことはできない。
そこでトートバッグに入れて持ち運んでいる。撮影の時だけバッグから取り出し、レンズ側をホールドしながら持つ。撮影が終わったらまたバッグに入れる。
ただし家に着いたらすぐにバッグから取り出す。入れっぱなしは禁物、カビが生える。

掃除はキムワイプで軽く拭き、カメラのグリップとレンズのピントリングなどは固く絞った手拭いやウェットティッシュなどで拭いて、水気は残さず、さらに風通しの良いところで乾燥させる。

私は皮脂でペタペタするのが大嫌いなのでこうすれば、次に使う時もサラサラで気持ちがよい。

2022年7月31日日曜日

パラドックス

クレタ人はいつも嘘をつくとクレタ人が言った。
有名な嘘つきのパラドックスである。

これは説明は不要なくらい有名だが真偽の判定が不可能な例題として扱われている。

同じく「誤った2分法」というのがある。これは白でないなら黒だという誤った選択法のことだ。
わかりやすい例を挙げると「賛成でないなら反対ということだな」と言うもの。
賛成でも反対でもない場合が往々にしてあるが、誤った2分法では上記のようにそのような選択肢を与えない。

さらに数学的になるとゲーデルの不完全性定理というものがある。自己言及のパラドックスの数学版だ。

こうした理論を少しでも知ると、バカ言ってんじゃないよ、と思えることが世の中に数多く存在することがわかる。

例えば「A案かB案か、または他に何かありますか?」と言った問いかけは実に多い。
小学校の学級会から会社の会議でも、これのオンパレードだ。
これが非常に危険なのは、その場で皆が膝を打つような「他の何か」が出てこないならA案かB案のどちらかを選ぶことを強制しながら、表向きは合意して決定したことになるからだ。

そもそもすぐに別の良い案など出るわけがない。「えーと1週間ほど時間もらえますか?」などとは誰も言えない。言いにくい。なぜなら1週間後に皆が納得するような画期的な良い案を私が考えてくる、と宣言するように聞こえるからだ。

だからA案かB案に決まる。
他の選択肢の存在を証明できないならA案又はB案を選択すると言い換えても良い。

だが「証明できない」ということは、本来あるかもしれないしないかもしれないということで、決して「ない」と同義ではない。

さらにA案かB案のどちらが「やりがいがあるか」とか「おもしろいか」などとバリエーション展開することもある。

こうなるとさらにタチが悪い。なぜなら暗黙のうちににA案かB案のどちらかに見かけ上、賛同以上の好意を表明したような形で帰結されるからだ。

先のクレタ人の話にしても、実はこれはパラドックスなどにはなっていないのは周知の通り。

そもそも「全て嘘」というのは実は「全て真実」と意味的には同等で、間違いが許されないこういったシステムは実現不可能なのだ。

無理に作るとHAL9000のような運命が待っている。

だから達成不可能な前提条件を絶対条件にした理論など語るも無駄ということなのだ。
回答は往々にして「あやふや」でファジーでフラジャイルなものなのだ。だから意味があるとも言える。

そして、この「あやふや」や「証明できない別の選択肢」の中に本来選択すべき、が存在することが実に多いのである。

ところでHAL9000だが、難解と言われるあの映画だがアーサーCクラークは本作の前に「歩哨」という短編でそのアウトラインをすでに発表してあった。

もうすっかり内容は忘れてしまったが、その時感じたのは、2001は小説の最後の方の比喩的な表現とかキューブリックの映像で、何か哲学的な何かを表現した、みたいな話に勝手に盛り上がってしまったけど、まあそれで儲かるならそれでもいいや、だったのだろうが、そんなのではなさそうだ、ということだった。

この小説は小難しくなく、単なるファンタジーで、キューブリックもそのファンタジーの映像化そのものであり、哲学的な含みなど全く無いな、と。

人は死んだら星になる、というファンタジーをそれっぽく冒険SFの収束しないストーリーの結末にポンと付け加えた、と言うか置き換えただけだ。それがスターチャイルドで、その視点からは全てがファンタジーで地球での核戦争の閃光も花火のようでキレイなのだ。つまりそんなことどうでもいいのだ。星になり星の世界に価値観がシフトしておしまい。だから完全無欠のコンピュータもその暴走も、もうどうでもいいや、と放り投げた、というより考えるのやめた。というお話し。

ところが映画化であれだけ評判になると、あーだこーだが始まり、ああなってしまった。
私も高校生の時最初に映画館で観た時は、うーん?となったのを覚えている。

誰も「違いますよー、意味なんて考えるだけ時間の無駄ですよー」とは教えてくれなかった。数多い書評や映画評論も。

皆こぞって難解な映画にそれらしい妙な散文的なものばかりで、そしてそれらは皆、作品を無条件に礼賛するものばかりだった。
まあ面白い小説だし映画だったからね。

だがその後続編2010が出た時は笑うしかなかった。原作は読む気にもならなかったが映画は観た。2001から9年経ったはずなのに時代は80年代に戻っていて、しかもどうでもよかったHAL9000の故障の原因が映画のテーマになっていた。その原因も何かこう後付けで幼稚、高校生のSF研究会が放課後みんなで話し合って決めたようなものだった。

あー、「2001」に真面目に付き合わなくてよかった〜と思った。

2022年7月28日木曜日

お散歩写真、新宿

新宿に用があって出たついでに写真を撮った。

今日もDP2merrill。このカメラは基本的に風景専用のカメラといっても差し支えないだろうが、さらにどちらかというと明るい日なたより日陰が得意だ。

もちろんポートレイトに使えない、モノ撮りに使えない、という訳ではないのだが結構ストレスがあるのは否定できない。
さて、最近雨の日が多かったが、久しぶりの晴天、真夏の太陽がギラギラしている。気温も非常に高い。
そんな所はちょっと苦手なDP2merrillだが、まあ試してみるのはよいだろう、と持って出た。

撮影はすべてRAW+JPEGで、基本JPEGは確認用として、今回はRAWをSPPで現像しphotoshopで仕上げた。

うっかりISO感度を400のままで撮影してしまった。その他の設定もあまり考えずに撮ってしまった。
反省である、まあ暑さのせいということにしておこう。

ISOは100で絞りは5.6か6.3くらいが適正だったね。
おかげでSPPでだいぶ手を加えることになった。それでも白飛びしないところがたいしたもの。

DP2merrill f3.5 1/1250 ISO400




DP2merrill f3.5 1/1250 ISO400




DP2merrill f3.5 1/1250 ISO400 SPPでモノクロームに変換



DP2merrill f3.5 1/1250 ISO400









2022年7月12日火曜日

お散歩写真、品川

今日のお散歩写真は先日出かけた品川シーサイド。

娘と一緒に写真の練習。私はSigmaのDP2merrill。
このカメラは換算45ミリレンズの単焦点なのでアングルに工夫が必要になる。
ズームレンズなら大きさの調整もできるので自由度も高い、カメラを覗きながら写す範囲を決めることができる。それはそれで楽しいのだが、単焦点では全くやり方が違ってくる。単焦点での風景写真は画角が決まっているので、カメラを向ける前に常に「これくらいの範囲が写る」と頭に置いといて、その画角に合わせて被写体を選ぶようにして歩く。もちろん近づいたり離れたりして写す範囲を調整することはできるが、景色の場合は移動による調整は限定的なことが多い。

例えば富士山、もっと大きくと思ったら単焦点では車で何キロも移動する必要があり、現実的ではない。そうこうしているあいだに陽が沈んでしまう。

だから単焦点では例えば富士山なら、大きさは変えられないので、他に何を一緒に写すかを考えた方が現実的だ。これならそれほど移動しなくても済む。

街並みならもっと自由だ。いろいろあるものを組み合わせてどう撮るか、そこが単焦点の風景写真のおもしろさだろう。

常に画角を頭に入れて、散歩し、立ち止まって撮影し、また歩く。お散歩写真の楽しみ。

また下の例の1枚目や2枚目のように、飛行機や人の動きを見て、ここに来たらシャッターを押そう、というのも有効だ。

画角とともに、シャッターチャンスを考えながら歩く。初めはうまくいかない、気がつかないで通り過ぎる。だが続ければかならずうまくいくようになる。

さて一緒に来た娘はいつものオリンパス。最近はこの手の写真はもう十分上達したので、私からアドバイスは必要ない。時々見せてもらって「いいね」と、それだけ。

カメラを買ってあげたのが去年の5月頃だったかな、出かけるときにいつも持って出て、撮り続ければ1年で普通に良い写真が撮れるようになる。要は続けることだ。
でもまだ「瞬間の切り取り」は難しいらしい、もう少し練習かな。

で、今日の写真は、RAW現像なしで、カメラ生成のJPEG。

DP2merrill f/4 SS1/800 ISO100




DP2merrill f/4 SS1/1250 ISO100



DP2merrill f/4 SS1/1000 ISO100




DP2merrill f/4 SS1/25 ISO100



帰りにジャスコだったかサティだったかで買い物。でも何だろう、あまり好きではないな、この雰囲気。どうしてだろう?

ではなぜ買い物したかというと、ここのカミソリが良いから。家の近くの同じ系列のスーパーにも以前はあったのだが、先日ストックがなくなったので買いに行くと置いていなかった。
なのでついでに買って帰った。




2022年7月11日月曜日

イラストレーターの初期設定フォントの変更



イラストレータの初期設定フォントは「小塚ゴシック」となっている。
べつに小塚さんに恨みはないが、初期設定フォントを簡単に変更できないのは困ったものだと思っている。だが方法はある。

今日はadobeイラストレーターの初期設定フォントの変更方法について。

その前に初期設定フォントの「小塚ゴシック」について。
理工学系の文章を扱うデザイナーで小塚ゴシックを使う人はかなり少ないと思う。理工学系に限らず「小塚ゴシック」は使わない、という人も多い。それもわかる、私もそのひとりだから。
まずは簡単にその理由について。
比較するのは「小塚ゴシック」と「ヒラギノ角ゴ」。
理工学系文書で私が使わない理由から。
円の直径を表す「φ」、アルファ、ベータ、ガンマのガンマ「γ」の形が特殊。
また、算術記号の「+」「−」「×」のサイズがまちまち。


あまり気にしないで使っている例を見るが、例えば「直径10m」を

とあるべきところを

と表示して違和感を感じないのだろうか、と不思議に思う。
ちなみにギリシャ文字のファイが上記のように2種類あるのは問題なく、ファイという文字としては小塚ゴシックも間違っているわけではない。問題は円の直径を表す記号としてのファイである。
これが四角形の話なら問題なかった。□であれば、□50で何かと間違う心配は皆無だろう。
だが円の直径を示すのに○を使うと0(ゼロ)やO(オー)と間違える。
そこで棒を加えて表すこととした。よく数字の0(ぜろ)の中に点を打ってO(オー)と区別するのと同じ考え方である。
この棒を加えた○の代用にギリシャ文字のファイを代用できるため今では直径をファイと表現するのが一般的となった。ただし、あくまで○に棒の代用なので、ファイならなんでもよいと言うわけではなく、小塚ゴシックの文字形状は正しいとは言えないということである。
ときどきあまり気にせずに小塚ゴシックと同じ形のファイを数式組版で使っている例を見かけるが、これは間違いである。

また「+」「−」「×」の他にも、式の中で大きさがまちまちの算術記号を使うのは、私には考えられない。見た目のバランスが悪いし、わかりにくい。
数式はもっとエレガントであるべきだ。
ヒラギノ角ゴと異なり小塚ゴシックは大きさがあまりに異なりバランスが悪い。
似たような記号でこんなに大きさが違うものを同じ数式の中に使うのはいかがなものだろうか。

つぎに「ひらがな」のプロポーションについて。

私は「ひなさましきち」、略して「ひなさま問題」と呼んでいる。小塚ゴシックのあまりバランスの良くないひらがな7文字である。







まあ「ひらがな」に関しては好みの問題もあるので一概にどうとは言えないが。
メタボな「ひ」、てんの向きがビミョーな「な」、独特のプロポーションの「さ」、へんてこな返しのついた「ま」など、そして共通するてっぺんの「ハネ」など、どうなのだろう?
少なくとも私は好きではない、だから使わない。

最後に私は絶対使わない小塚シリーズだが、数字は見やすくキレイなのでノンブルには良い。だが仮にノンブルに小塚ゴシック使うと、間違えて、または他の人が作ったデータを読み込んだときにフォント検索で小塚ゴシックを見つけて変更、というのが面倒になる。
だからもし小塚ゴシックが初期設定フォントでさえなかったら、もう少し使えたのに残念である。

さてさて、前置きが長くなった。別に「小塚ゴシック」を貶すためにこの記事を書いているわけではない。

問題は、adobeイラストレーターの初期設定フォントが「小塚ゴシック」固定で、ドキュメントを新規に作るたびに「小塚で作りましょ〜」となる点だ。
そこを変更する。
その方法を紹介する。

Macの自分のユーザフォルダを開く。
「ライブラリ」フォルダを探す。もしない場合は非表示設定となっているので、表示に変更する。
Finderで、ユーザフォルダをアクティブな状態で、メニューバー>表示>表示オプション
を選ぶ。

”ライブラリ”フォルダを表示にチェックを入れる。


ライブラリフォルダを開く。
ライブラリ>Application Support>Adobe>Adobe IllustratorXXを開く
XXはバージョン番号。
ja_JPフォルダの中のNew Document Profilesを開くといくつかAIのファイルがある。


たとえばイラストレータで新規ドキュメントを作るときのプロファイルに「プリント」を使うなら、ここで「プリント.ai」をダブルクリックしてイラストレーターで開く。

ただし念のため、先に予備をデスクトップにコピーしておく。
「プリント.ai」をイラストレーターで開いたら、
メニューバー>ウィンドウ>書式>文字スタイルを選択する。


「標準文字スタイル」をダブルクリックする。


基本文字形式でフォントファミリーを「小塚ゴシック」から好きなフォントに変更し、OKをクリックしウィンドウを閉じる。

メニューバー>ファイル>別名で保存、を選択し、もとのファイルの上書きを行う。
(直接の上書きはできないようになっているので、別名で保存を選び上書きする)

これで完了。
adobeイラストレータで新規ドキュメントを作成し、そのときプロファイルを先ほど上書きしたものを選ぶ。
文字ツールにある初期設定フォントが「小塚ゴシック」から先ほど選んだフォントに変更になっているはずだ。
うまくいったら、デスクトップにコピーしておいたファイルは削除してかまわない。


さて、この初期設定フォントの変更だが、サイズなども変えることができるので、自分でよく使う文字サイズを選んでおくのもよいだろう。