2024年12月16日月曜日

TEXAS INSTRUMENTSの関数電卓を買う


 


仕事で関数電卓を使うことがある。それほどむずかしい計算ではない、せいぜいsin、cos、tanとその逆数、さらに1/xやxのy乗とか3乗根とかとか・・その程度。

だがこれらを使う以上電卓はどうしても関数電卓が必要になる。私はずっとカシオのFX-602Pという関数電卓を使ってきた。学生時代に買い、社会人になってから買い足して2台持っている。たしか結構高かった。普通の関数電卓の5倍くらいだったように記憶している。このFX-602Pはプラグラム電卓で当時はこれで簡単なプログラムを入れて便利に使っていた。値段が高かったのもプログラミングできるからで、結構人気の機種だった。今でも使っているのは普通の計算でも扱いやすく表示も見やすくすっきりとしたデザインも気に入っていたからである。

カシオのFX-602P


このFX-602Pだが、最近液晶が薄くなって電池を替えてもあまり改善されず、特に書斎は天井照明がなく暗いのでさらに見えにくい。考えてみれば何十年使っただろう、それそろ寿命でも仕方がない。新しい電卓を買うことにした。ヨドバシとかAmazonで調べてみることにした。そこで見つけたのがこの3機種


カシオ、シャープ、キヤノンの関数電卓。どれも結構安い。一番高くても2500円くらい。安いものはその半分くらい。結構長く使うものなので1万円くらいしてもいいのだけれど、今の人は電卓にお金はかけないのだろう。
もちろんもう少し高い関数電卓もあるが、前述の通り私はそれほど長い計算式を使うわけでも計算式を記憶させる必要もないので、表示は1行でよい。1行表示でシンプルなものを探したら安いこの3機種にたどり着いたということである。

この3台、決して悪くはないのだが、なんとなく気に入らない。ちまちました感じが気に入らない。そしてこの3機種すべて同じものに見える。違う会社が作っているとは思えないほどどれもよく似ている。まるで三つ子の兄弟のようだ。まあ他に選択肢がないならこの中から選ぶかな、ただしカシオはソーラーパネルなので今回はパス、書斎は天井照明がないので暗くソーラーパネルはおそらく発電しない。

しかしここでふと思いついて「ボタンが押しやすい関数電卓」とか「シンプルですっきりした関数電卓」とかでグーグルで一般検索をかけてみた。そこにはだいたい上の3つと同じようなものばかりが並んでいたが、ふと違うものを1つ見つけた。
それがTEXAS INSTRUMENTSの電卓だった。テキサスインストゥルメンツ、まだあったのねこの会社。
デザインはあきらかに国産3社とちがう。よく使う三角関数などのボタンが大きい。これ、いいかも。さらにデザインもすっきりしていてちまちましていないのがいい。
というわけで注文したらすぐに届いた。値段もこれもそんなに高くなく5千円くらいだった。

TEXAS INSTRUMNTSの電卓




使いやすそうなキーレイアウトで良さそうなのだが、2つ問題点があった。1つはすごく軽く、しかも電卓のウラがスルスル滑るので手に持つ分にはよいが、机上に置いて使うと簡単に動いてしまって使いにくいこと。

私は電卓を手に持つことはほとんどない。Macで作業しながら必要なときに机の上に置いて右手でちょこちょこっと計算してその結果をMacに入力する、またはメモ用紙にスケッチを描きながら数値を計算したりという使い方が多い。机の上に置いたまま使う。だから滑るのは困る。対策としては単純に裏に滑り止めのゴムでも貼ればよいのだが、ふと思い立ち台を作ることにした。台を付けた理由はMacで作業しているとき水平に置いた電卓の表示をのぞき込むときのがめんどうだったからで、電卓の方が少し傾いてくれたらのぞき込まなくてもよいと考えたからである。

台を付けてみた



台は模型製作で余っていた透明アクリルの端材を使った。厚さは5ミリ、先日製作した加工機で熱曲げで成形した。ウラ面にドリルで浅い穴を掘りそこに滑り止めのゴムを貼った。ついでにデスクペン立て用の孔も空けた。仕事しながらメモを取ることが結構あるのだがそのときペンを引き出しから出すのはめんどうだし、机の上に無造作に置いておくのも好まない。だからペンスタンドが欲しいとずっと思っていた。画材屋や文房具屋に行くと時々探していたのだがどれも全く気に入らなかった。だから電卓のスタンドにペンを立てるのは我ながらグッドアイデアだった。

ペンスタンド部分



ペンスタンドは下にゴムシートを円形に切り抜き貼っておいた。

2つ目の問題点は、どうもボタンのメンブレンが今ひとつでしばらく使わないとボタンが硬くて押しにくくなること。これは結構辛い。使う前にボタンのマッサージが必要らしい、やれやれ。アメリカのおおらかさなのか製造国はフィリピンのようだが南の島のおおらかさなのか、まあいい、かかるマッサージしてから使いましょ。

さて、この新しい電卓と台、表示は古いFX-602Pよりはだいぶ見やすくなったし使いやすくなったのでよかった。もうひとつ、FX-602Pには自動OFF機能があり、電池を消耗しないようにある程度操作しないと自動で電源が切れるようになっていた。便利な機能ではあったが計算結果を見ながら作業しているので5分後にもう一度いくつだったっけと電卓をのぞき込んでもOFFになっていて計算結果は残っていない。すぐに結果をMacに入力すれば良いのだがそうはいかないことも多い。すると再計算になる。メモしておけばよいが毎回面倒ではある。だがこのテキサスインストゥルメンツの電卓は自動OFFは同じように付いているがONボタンを押すと先ほどの計算結果を覚えていてくれる。これは今の国産電卓もそうなのかもしれないが大変便利だ。自分でOFFボタンを押したときは覚えていないというのもよい。

さて、この台付き電卓だが、持ち運びには向かないが私は電卓を打合せに持って行くことはここ数年一度もない。出先ではi-phoneの電卓機能でまあ何とかなるからだ。だからこれは卓上専用で全く問題ない。ちなみにこの電卓はスリーブが付いているのでスリーブを台に貼り付けたので電卓だけを取り外して持ち運ぶことも電池交換もできる。

スリーブから本体を外すとこうなる



FX-602Pは1台は今まで通り作業台のところで使う、今回新しい電卓に変えたMacの机で使っていたものは工房で使うことにしよう。作業台や工房は明るいのでこの電卓でも何とかなるから。

ところで最近電卓も卓上時計もそうだが、デジタル表示で文字が光るものってあまり見なくなった。消費電力が大きいので大きな電池やACアダプターが必要でハンドリングが悪いのはわかるが、例えば関数電卓で文字がオレンジ色に光ってサイズも少し大きくてペーパーバックくらいあって乾電池でリチャージャブルバッテリーも使えるなんてのがあったらいいなぁ、とふと考えてしまった。時計の方は少しはあるようだが、表示が光ることをデザイン要素として上手にさりげなくデザインされた良品は少ないように感じる。時計の理想は時刻のみで曜日や温度計など余計な物はなしでシンプルでただし文字フォントは十分考えられたものであってほしい、そして文字色の色温度を電球の昼白色から電球色の間で調整できたらいいなと思う。ウチのSEIKOの電波置き時計は文字が光るタイプだが色は変えられない、フォントもいまひとつ。電卓はさすがにACアダプターではどうにもならないし単3電池4本で1週間でバッテリー切れではクレームの嵐なのだろう。でもだれかつくってくれないかなぁ。そうね50年代のスペースエイジデザインなんてのもいいな。





2024年12月14日土曜日

具なしカレーと楽しい家族の時間

 打合せで出かけた帰りに家族と待ち合わせをしてオカダヤで布地を買ったりデパ地下でクリスマスケーキの予約をしたりして、それから食事をして帰った。帰りに近所のスーパーマーケットで買い物をしていたら娘とカミさんが「たまにカレーもいいね」と珍しいことを言うので、それならば、とカレーの材料も買って帰った。そう、ウチではカレーはあまり作らない。年に数回で、1度作ると3ヶ月から半年は作らない。外でも食べない。会社勤めしていたときは付き合いで昼食にカレー屋さんに、というのも何回かあったが自分から進んでということはなかった。カレーはいつまでも口に残るのがあまり好きではないから。でも時々食べたくなる。KFCのチキンみたいなもの。KFCのチキンも時々食べたくなるが一度食べるとしばらくはいい。

それが娘とカミさんが食べたいと言う、これはめずらしい。というわけで明日の夕食は久しぶりの「具なしカレー」にしよう。


具なしカレー


具なしカレーとはその名の通り具が入っていないカレーで、我が家のカレーはいつもコレ。実際には豚バラブロックのかたまりと人参が丸々1本入っているが、これはカレーの具ではなく、つまりカレーの中で煮込むのではなく、圧力鍋で柔らかく煮込んだものを飯と同じようにカレーをかけて食べる。で、カレーの方には何も入っていない。だから「具なしカレー」と呼んでいる。材料は豚バラブロック2本、人参6本、タマネギと市販のカレーのルウとS&Bのカレー粉、その他である。

まずはタマネギをみじん切りにして弱火でよーく炒める。テフロンのフライパンを使って油は1滴も入れない。炒め始めると始めタマネギから水分が出てくるので焦げることはないが、10分くらい経つと水分がなくなってくる。やかんで湯を少しずつ回しかけながら炒め続ける。焦げたりきつね色に色づいてもタマネギは雑味が出てうまくない、弱火で湯を少しずつ回しかけながら最低でも1時間、できれば1時間半くらい炒める。

1時間半炒めたタマネギのみじん切り



今日は娘が手伝ってくれた。いろいろ話をしながら料理をする。料理は何でもそうだがこの1時間ちょっとを「面倒だ」と親が感じてそれが態度に少しでも出ると娘には「料理はめんどうなこと」という意識が確実にすり込まれる。そうなったら、まず手伝ってはくれないか、手伝ってくれたとしてもイヤイヤとなる。

さて、娘がタマネギを炒めているヨコで私は豚バラと人参を準備する。人参はピーラーで皮をむき、よく洗ってから上下をカットする。豚バラは大きめにカットして鉄のフライパンで強火で軽く炒める。鍋に入れ、別で沸かしてあった湯を入れる。

豚バラブロックと人参




火にかけ沸騰し始めたらアクを取る。そこにタマネギのみじん切りを1時間以上炒めてペースト状になったものを加え、圧力鍋に最低でも1時間以上煮る。

話は変わるが、今日たまたま情報サイトを見ていたらコロッケは1時間とか手間がかかる割に・・・お店で売ってる出来合いのものはおいしいし・・・作り甲斐のない料理だよね・・・なんて書いてあった。こういう記事はネット社会のマーケテイング指向の問題が露呈する格好の題材で、読者はみなマトモに料理なんか作らないのが集まって皆こぞって「そーだよねぇ」の大合唱になる。マーケティング指向というのは「いいね」欲しさに耳ざわりがよく何となく共感が得られるようなネット特有の思考形態で、たとえば料理なら「1日働いて疲れているから料理にそこまで手をかけずに簡単におしいものを作りたいあなたへ」みたいなのを言う。少々オツムの弱い人たちがコロッといってしまう指向で、ネット社会ではこういうのばっかりなのである。もしここで「コロッケは家で作るよ、別に特別ではないし自分で作るとおいしいから」なんて言おうものなら総スカンを食らう。一生懸命やる人よりそうでない人の言い訳の集合の方が圧倒的に強く声も大きいからである。人は良いことで結ばれるより弱みで結ばれる方が絆が強い困った生き物なのである。

だがあえて言いたい、決してそうではない。ダメな人に合わせる必要はない。そして何より合わせることでどんどん人はダメになっていくのだ。

考えてみれば、料理で1時間なんて決して特別ではない。「ロールキャベツ」だって「ちらし寿司」だって「豚の角煮」だって「ミートソーススパゲッティ」だって「ぎょうざ」だって「春巻き」だってどれも特別な料理ではないが1時間以上かかる。また、市販がおいしいと言ったってコロッケは家で作れば「うま味調味料」が入らずいい挽肉を使ったジャガイモの風味が生きている本当においしいコロッケを作ることができる。先の「そーだよねぇ」の連中に組みすると料理は面倒なもの、あと片付けはやりたくないこと、という空気が家庭に蔓延することになる。さきほど書いたようにすっかり刷り込まれた子供たちも親と同じように感じ考えるようになる。絵に描いたような不幸の始まりである。

ウチでは料理とはおいしいものを作る「楽しい時間」である。だから今日も夕食後「明日の下ごしらえちょっと手伝わない?」と聞くと娘はうれしそうに「やる、やる」と言って手伝ってくれる。

後片付けだって同じで、楽しい食事の時間の延長なので、「さーてと」と言うとみんな「私が洗う〜」とただの一度も押し付け合いなど起きたためしがない。

料理だけでない。先日の模型の納品でも、「来週模型を会場に持って行くんだけど手伝ってくれる?」と聞くとみんなで手伝ってくれる。決して「えー」なんて誰も言わない。会場でカミさんと娘と一緒にエッサホッサ模型を運んでいると、客先の担当者が「いいなぁ」なんて言ってたけど、ウチでは普通のことである。仕事のお手伝いができて楽しい、と感じてくれる。それで終わったらご苦労様で少し奮発してみんなでおしいものでも食べて帰ろうか、となる。

また、先週末土星食があった。土星が月の向こう側に隠れる現象で、日本ではかなり広い地域で見られた。


土星食直前(月の左上に見える点が土星)Olympus E-M1ll+ED300+MC20


ウチのカミさんは特に天体が好きというわけではないが、私が外に出て見ているとやってきて「どう?」というので見てごらん、と天体望遠鏡で覗いてもらう。あれが土星?などと言っていた。娘も私と一緒に眺めていた。寒かったけど。

思うに、例えば結婚前に付き合っているときは何でも相手の興味あることを一緒に楽しんでいたのに結婚して何年か経つとそうでなくなるのはなぜ?。なぜ何もかにも面倒くさくなるの?テレビでくだらいバラエティ番組やi-phoneのゲームの方が一緒に土星を見るよりよくなるの?さっぱりわからない。「あ、そう、私はいいや、面倒くさいし寒いから・・・」そばで会話を聞いている子供は「めんどうくさい」が口癖の子供になる、間違いなく。

一緒に楽しむなんてごく当たり前のフツーのことができなくなっている家庭が実に多いようだ。どこかでボタンを掛け違う前によーく考えた方がいい。教育とは子供に何かさせたり禁止したりではなく、どう感じるようになってもらうかが最も大切なのである。

さて具なしカレーだが、圧力鍋の後しばらく放置して冷ます。次に中の人参と豚バラブロックをトングでそーっと取り出し皿によけ残った汁は油が白く固まっているので取り除く、さらに濾し網で濾しタマネギの出がらしも取り除く。澄んだ濾し汁にカレーのルーを溶かし火にかけ温める。取り出した人参と豚バラブロックは軽く洗って表面のタマネギの残りを洗い流す。豚バラも人参も圧力鍋で煮たのですごく柔らかいので丁寧に扱う。最後にこれらをカレーの鍋に戻し弱火で10分ほど温めたら完成。






2024年11月26日火曜日

あさりとマッシュルームのマカロニグラタン

 


少し前フランフランに寄ったらイイ感じのグラタン皿があったので買って帰った。最近スーパーマーケットの生魚コーナーでよくアサリを売っているのを目にするので、娘に「アサリのグラタンなんてどう?」と聞いたら「うん」というのでアサリを4パック1000円分とマッシュルームを500円分くらい、マカロニと牛乳を1パック買って帰った。これでだいたい4〜5人分のグラタンができる。

まずあさりは軽く洗ってからステンレスのボウルに塩水を入れ、アサリをそーっと入れて砂抜き。だいたい1時間半くらい。ほんとうは半日くらいかけたほうがよいが・・・。

次にマカロニを茹でるため大きな鍋に湯を沸かす。沸騰する前に塩を入れる。ステンレスの鍋は沸騰してから塩を入れると突沸することがあるので、沸騰する少し前に入れた方がよい。塩の量はスパゲティと同じでスープなどの塩加減と同じくらいの塩気にして茹でる。

マカロニを茹で始めたら、次にアサリの酒蒸しを作る。ここがポイントなのだが、アサリは殻付きでグラタンには入れない。食べにくいし、アサリもたくさん入れられない。レストランなどではアサリがそれなりに入ってますよ、を演出するため殻付きだが家ではそんな必要はない。

で、まず酒蒸しにする。中華鍋を熱してサラダ油を入れてなじませ捨てる。そこに砂抜きしたアサリを全部入れて強火にする。混ぜない。ニンニクをほんの少し細かく刻んで入れると同時に白ワインまたは日本酒を注ぐ。コップ1杯より少し多め。

強火キープでフタをする。3分くらいでアサリが全部開くので、片手鍋にザルをのせ中華鍋のアサリをあける。片手鍋のアサリの汁はとっておく。この汁がアサリの身より大切なくらい。ザルのアサリを深皿にあけ、少し冷ましたらティースプーンで身と貝殻を分ける。これはカミさんと娘が手伝ってくれた。このときにんにくのかけらも取り除く。

1000円分のアサリも身だけにするとほんのちょっとである。だからあさりはスーパーマーケットで4パックくらい買う必要がある。

次に少し深いフライパンにオリーブオイルを入れ弱火にかける。バターをたっぷり入れて溶かす。そこによく洗ってざっくりと刻んだマッシュルームを入れて炒める。理想は直径2センチくらいのマッシュルームを切らずにそのまま入れたいところだが、売っているマッシュルームだいたい3センチから4センチくらいある。だから4等分くらいに切る。マッシュルームをある程度炒めたら油分はフライパンに残し網でマッシュルームをすくい、深皿によけておく。

残った油とバターに小麦粉を加え中火にかける。油分が足りなければオリーブオイルを足す。小麦粉がペースト状になりふつふつと細かな泡が立ち始める。少し火を弱めさらに1分ほど練るように炒める。

そこに冷蔵庫から取り出したよく冷えた牛乳を一気に注ぎ、ヘラと泡立てなどでよく混ぜる。牛乳は冷たい方がダマになりにくい。つまりペースト状の小麦粉との温度差がダマにならない条件となる。だから家庭では冷たい牛乳を一気に注ぐ。

ペースト状の小麦粉が牛乳に溶けたら強火にして良く混ぜながらホワイトソースを作る。このとき何があっても混ぜる手を休めてはダメ。手を一瞬でも休めるとダマになり台無しになる。ココがこの料理の最も気を使う部分。

やがてホワイトソースがクリーミーになりプツプツと沸騰してくる。弱火にしさらに1分混ぜ続ける。火をとめさらに1分混ぜたら塩を少し加え味を調える。ホワイトソースの完成。

ホワイトソースに茹で上がってザルにあけ余熱で水分を飛ばしたマカロニとアサリの煮汁を入れて混ぜる。再び火をつけ、よけておいたマッシュルームとアサリも加え加熱する。沸騰したら火を止めグラタン皿に適量入れる。このときグラタン皿のフチにはホワイトソースが付かないよう気をつける。付いてしまったらペーパーで拭き取る。フチに付いたままだと焦げるのでできあがりがキレイにならない。

最後にピザ用のチーズをたっぷりふりかけ、バター少々と牛乳をスプーン1杯回しかけ、オーブントースターで7〜8分チーズに焼き色がつくまで焼く。

最高に美味しいアサリのマカロニグラタンの完成。アサリの砂抜きにかけた時間をのぞき、実質の調理時間は45分くらい。


ちなみに私は料理の時いちいち調味料の分量は量らない。何度か作っているウチにおおよその分量は見当がつくようになる。また、たとえば今回のホワイトソースの時の牛乳の量などは少し少なめで始めて足りなければ少し足す方法で調整ができる。全然足りないようではオハナシにならないが微調整なら可能である。塩加減も少なめにしておき、最後にもう一度調整することもできる。入れすぎた塩を引くことはできないが足りない分を少し足すのは簡単である。調整しやすい方向でサバをよみながら作ればいちいち大さじだのカップだのめんどうな計量は必要ない。また、ホワイトソースを混ぜているときなどは全く手を離せないが、たとえばアサリを酒蒸しにしている3分間は横目で時々眺めながら他のことができる。じっとそばに付ききりの必要はない。そういう時間を使って道具を洗ったり片付けたりすれば、あとが楽だ。




2024年11月13日水曜日

古いレコード、古い映画、図書室

 今日は池袋に先日製作した模型を運び設置した。カミさんと娘も手伝ってくれた。帰宅後、以前読み込んだFM Transmission BarricadeをiTunesで聴いていると懐かしいFra Lippo Lippiがかかった。ノルウェーのデュオグループ。昔、芝浦のライブハウスにカミさんと結婚する前に聴きにいったことがある。ものすごく混んでいて途中で出てしまったが。確かレコードがあったはず、とレコード棚を探すと出てきた。

Fra Lippo Lippi と Isabelle Antena と It's Immaterial


ついでにIsabelle AntenaとIt's Immaterialも。Antena(アンテナ)の方は1年くらい前にも聴いた。これもコンサートに行ったことがある。まあまあだったかな。ちなみにAntenaはフランスのグループでボーカルの女の人の名前がIsabelle Antenaでグループ名がAntena。ベルギーのクレプスキュールレーベルからレコードが出て、のちに他のレーベルからも出たようだがクレプスキュール時代がよい。It's Immaterialはイギリスのバンド。歌詞は小学生みたいだけど曲作りがうまい。

レコードは保存が良いと何年経っても劣化しない。特に皮脂に気を使う必要があるがレコードをあつかう前に石けんで手を洗えば問題ない。手を洗わずにレコードに触れるとどうしても皮脂がレコードのフチに付く。このフチの皮脂にカビが生える。カビはスリーブの中で盤全体に広がる。そうなるとクリーニングしても完全にはなくならない。相手はカビである。根を生やすのでとれない。いろいろなレコードクリーナーがあり、中には盤を水槽に漬け超音波でクリーニングするものまである。これでダストは取れるだろうがカビはどうだろうむずかしいと思う。それより毎回丁寧に石けんで手を洗えばクリーニングはベルベットのレコードクリーナーで軽く拭くだけで十分である。その方が結果として楽である。レコードに限らず汚れたものをキレイにするより、汚れないようにするほうがトータルでは楽なことが多い。たとえばバスルームにカビが生えたとする。タワシでゴシゴシやってもなかなか落ちない。レコードはタワシなんて使えないからカビを完全に落とすのは不可能だと思う。

私のレコードはもう何十年も前のレコードでもほとんどノイズはない。この3枚、今日はもう遅いので今度聴くことにしよう。

夕食の時カミさんが久しぶりに古い映画を観ていた。オードリーヘップバーンとケーリーグラントのシャレード。オードリーヘップバーンはローマの休日の10年後だが10年でずいぶん歳を取ったなぁ。映画そのものもそれほどおもしろくない。


だが、この映画ですごく気に入っているシーンがある。それはこのおじさん。すごくいい。これ、今の日本人なら少なからずなんとか金を取ろうとするだろう。だがこのおじさん、何かの間違いだと思ってました、と何も要求せずニコッと微笑み返してくれる。
傲慢な金持ちと哀れな貧乏人ばかりになった今の日本人の何パーセントくらいがこのおじさんのように生きられるだろうか。もらえるものならもらわなければ損、ダメ元で理不尽な要求をしてみる、私はカワイソーな人だから・・・、そんなのばかりになってしまった今、この映画のこのシーンは実に気持ちがいい。そして自分は何があってもこういう風に生きたいな、と思うのだ。


さて、現在仕事はだいぶ少なくなり、今現在アクティブな仕事はほんの数件となった。つまり自由な時間がようやくとれるようになった。そこで図書室のリニューアルを毎日少しづつ進めている。まずは既存の本棚を少しずらして配置し4台+両側に1台ずつ文庫本の本棚を置き、これらを緊結させた。そして分解撤去する本棚の本やファイルなども一旦積み重ねてこの本棚に入れた。

工事中の図書室



空になった古い本棚は解体して処分する予定。

空になった本棚とラック


寒くなると作業は辛くなるが、のんびり毎日少しずつ作業することにした。終わらなければ来年の春までお休みして暖かくなってから再開したのでもよいかな、と思っている。考えてみれば仕事ではないので期限を切って必死になる必要もないと考えを変えたからである。だから予定も立てない。

今日は池袋の設置のあと、カミさんと娘と軽く食事をしてそのあと喫茶店でコーヒーを飲んでのんびりした。チェーン店の喫茶店。コーヒーの味はまあまあで、こう言っては何だが家で作るコーヒーの方が美味い。食器はこれはロイヤルコペンハーゲンかな、まあまあ。でもまあ落ち着いた雰囲気だしのんびりはできるので時々利用する。

コーヒー





2024年10月31日木曜日

パソコンのデータ整理・整頓

 仕事が一段落したのでまずはMacのデータの整理・整頓をすることにした。よく「整理・整頓」と言うが「整理」と「整頓」両者の違いを明快に理解している人は意外と少ない。以前働いていた会社でも安全衛生会議という報告だけの会議があり、その中で4S活動だか5S活動だかそういうのがあった。Sとは整理、整頓、清掃、清潔、躾けらしい。「躾け」とはまたずいぶん子供扱いだがこの手のことを会社でやっている人たちは所詮その程度だから文句を言っても始まらない。それよりそもそも整理と整頓の違いすら誰ひとりわかっていないのがどうにもだった。この両者には明確な違いがある。整理とは必要・不要を判断し不要なものを処分することを指す。整頓とは残った必要なものをあるべき所に戻すことを指す。とかなりはっきりと意味の違いがある。報告ばかりの意味の無い会議ををしている連中はそいうことはどうでも良く、つまり本質なんかより、決めたことをちゃんとやってますという、いわば「手続き」、「パフォーマンス」が大切だったのだろう。

さて、くだらない話はこのくらいにして、本質的な話に戻ろう。私がこの「整理」と「整頓」の違いに拘るのには理由がある。片付けの際、たとえば引き出しのなかをきちんとしたいとき、この「整理」と「整頓」を同時にすることも多い。不要なものを捨てながら必要なものをあるべきところに置いていく。それはそれで良いのだが、たとえば一旦引き出しの中の物をテーブルの上にひっくりかして片付けるようなときは整理と整頓を分けて考えた方がよいことも多い。片付けの苦手な人は私が見ているといつも同じように片付けをしていて、数週間で元の木阿弥になっている。これは引き出しでも本棚でもパソコンのデータでもなんでもみんな同じで、整理を始めにしないので絶対量が減りにくく、それですぐにまたごちゃごちゃになる。整理は本来「必要なもの」と「不要なもの」の2分化だが、私は少し違うと思っている。この2つに加えて「ここにあった方が本当によいか」を考える。これは本来「整頓」の範疇であるがあえて整理と考え「整頓」の前に済ませておく。たとえばどこか別の場所の方がよいまたは別の場所でもかまわないものを一旦ダンボール箱の中にでも仮置きし、残ったものを整頓する。圧倒的に量が減るが空いたスペースはそのままにしていてもかまわない、むしろそのまま空けておく方がよい。このように片付けるとすぐに又ごちゃごちゃとはなりにくい。そしてこれがすごく大切なことなのだが、元の木阿弥にならないので、片付けがイヤにはならない。好きになる。好きなら楽しめる。

パソコンのデータも全く同じ。

私の場合次のように考えている。私の仕事では受注物件は短期のものは数日から長いものは数ヶ月以上におよぶこともある。データ量も業務期間に比例して増えることが多い。データはあとで「あれはどこかしら?」とならないことが重要で、そのためには一般的つまり原則としてのルールをしっかり決めておくのが基本となる。つまり案件の短期長期にかかわらず、またデータ量の大小にかかわらずルール通りに整理し整頓する習慣である。もちろんストレージの不意の不具合に対処するためのバックアップは常識であるが、ここでは省く。


ディスクアイコンとプロジェクトフォルダー




これは私のMac、Mac Studioのデスクトップに表示されるディスクアイコン(左)と物件ごとに生成されるフォルダの中のサブフォルダのアイコン(右)である。
デスクトップのディスクイメージは毎年年末か正月明けに写真をプリントしながら待ち時間に作り替えている。今年のはハードディスクの内部をイメージして作ってみた。0から順に番号を振って名前をつけてある。たとえば1は仕事のメインのデータストレージで、2がそのバックアップである。
そして1の中にはクライアント別のフォルダがあり、さらにその中にプロジェクトフォルダがある。実際にはもう少し複雑だがここでは説明を省く。またデスクトップには基本的にデータを置かない。置いたとしても仮置きでせいぜい数分から長くても1時間以内だ。

各プロジェクトフォルダ内部は上図の右の分類となっている。このフォルダはこの中から必要なものだけをコピーして入れているので通常こんなに多くはならない。ここもカスタムアイコンを使い、一目でわかりやすくしてある。

例えばイラストレーターを使って、またはインデザインを使って何らかの冊子を制作したとすると、イラストレーターのファイルやリンク画像のファイルは1つのフォルダにまとめて入っている。ファイル名にもルールを適用している。こうすることで何年経ってもすぐに目的のデータを簡単に見つけることができるようになる。そしてデータ製作中に例えばイラストレーターデータを上書き保存する場合はよいが、別名で保存した場合、古いイラストレーターデータは予備データとなり不要になる。つまり整理によって処分される対象となる。しかし何らかの理由でそれがまた必要になることも考えられるので、削除することはできない。リンク画像も同様であるがそのようなファイルつまり使わないが捨てられないファイルはそれら専用のフォルダを作ってそこに移動する。こうすることでメインの作業フォルダには余計なものは無い状態が担保されるので、制作中はもちろん入稿の際も手際よく作業できるし、後にデータが必要になった際にも効率よく見つけることができる。

データには他にも、たとえばクライアントから送られてきたデータやその他参考データなどもあるが、これらもきちんと管理することが大切だ。今ちょっと見てみたが、ある物件では1年半に渡り25回データを受領していた。25回というのは決して突出して多いわけではない。そしてこれらは制作中に何度も見返すことがあるので絶対ごちゃごちゃにしてはならない。例えば仕様など途中訂正されながら何度か送られてくることもある。どれが最新かファイルのタイムスタンプに頼るのは危険だ。だから受領日ごとにフォルダを作成し保存する。このようにしておくと何十年経っても必要データの在処は明快だ。

よくデスクトップにフォルダをつくってそこで作業して、ある程度目処がついたらストレージに整理整頓して収納するという人を見かけるがこの方法はダメである。こういう人たちにオンゴーイングプロジェクトの何々のデータをくださいといっても100%すぐには出てこない。仮に出てきたとしてもリンク切れがあって使えなかったりする。何々というリンク画像のデータがないのだけど、と聞くと、ちょっと待ってくださいといってファイルをさがすのではなく、わざわざイラレを開いてリンク画像の場所を調べてそれから、となる。つまりデータの所在が決まっていないのである。そして数分待たされる。やっと出てきたら次にまたリンク切れがあって、と。時間のムダもいいところだ。で2つ3つリンク切れでえーとえーととやっていると、「すみません、あとできちんと整理してサーバに入れておきます」となる。もう10分くらい経っている。そういう時間は何も生み出さないムダな時間だ。おそらく1つずつイラストレーターのデータを開きながらリンク画像がどこにあるか調べながら整頓しそしてイラストレーターでリンクを変更して・・・と何時間もかけてムダな作業をすることになるだろう。

またデスクトップに100個もアイコンが並んでいるなんてのもダメだ。ウィンドーズの人に多い。たいてい「えーとえーとどこだっけな」となる。部外者を含めた会議などでそんなPCをプロジェクターにつないでみんなにデスクトップを披露するなんて情報管理的に??だ。いいのか、それ?。だがそういう人は結構多い。デスクトップにセンスの悪い壁紙を使い、アイコンがうじゃうじゃなんて見せられているこちらだって会議が始まる前から気分が悪い。シンプルにすっきりできないのかなぁ、と思う。さらにそういう人はノートパソコンのバッテリーが少なくなって会議やプレゼンの途中でバッテリーが怪しくなったりする。

さて、ファイルだがきちんと整頓すれば、目をつぶってもその在処がわかるようになる。つまり「探す」にかかる時間をミニマイズできるのである。これはコンピュータに限らず工具や文房具などでも全く変わらない。そしてこれがとても重要なポイントなのだが、整頓に要する時間は探している時間の総和より遙かに少ないのである。

さて、では私がどうして改めて、今データ整理整頓が必要なのかといえば、理由は大きく2つある。1つは上記の基本ルールではうまく整頓できない案件の対応である。例えば冊子とポスターパネルを同時期に受注した場合など、私は冊子は冊子、ポスターパネルはポスターパネルと入口で分けている。もしこういう分け方をせず商品ごとに分類してあれば簡単なのだが理由があってそうしていない。なのでちょっと面倒だ。コンテンツは同じものを使用しているが解像度設定は当然異なる。ただし両者の紐付けは必要だ。他にも写真の元データや3D-CGのモデリングデータはどちらに属するのが良いかなどなど、これらの分類はどうしてもイレギュラーになり、これを後日「オリジナルはどこ?」とならないよう整頓するのはなかなかむずかしい。なので全て終わってからどうするかな、と考えることになる。

もう一つは、今回制作したコンテンツの中から部品としてライブラリーに登録し、今後の仕事の材料とする作業だ。これ、地味に重要なことで、このライブラリーの充実が仕事の能率化に大きく関わってくるからである。ライブラリーに登録するには次回以降使いやすいようにある程度手を入れる必要がある。だから仕事が一段落するまではできない。それを手が空いた今まとめて片付ける。

ライブラリーの一部、これは建設機械


その後、ふとこれを機にストレージを大容量のものに入れ替えることにした。ただしメインのMacではなくサブのMacの方である。サブのMacは現在、8テラが2台、4テラが4台の合計6台の外付けハードディスクがつながっている。これを12テラ2台に置き換える。12テラのハードディスクはヨドバシに注文したら翌日に届いた。現在データの移植中。その他いろいろと変更し、この作業に3日間ほどかける予定。どうして3日もかかるかというとデータ量が多いので移動に時間がかかるからで、1テラバイトの移動に2時間くらいかかる。単純に新しい大容量ディスクにまとめるだけなら一晩で終わるが、そのほかあれこれ整頓するとなると何日もかかる。まあこれは仕方がない。仕事の片手間でのんびり片付ければいい。ついでにコンピューターラックの掃除もしよう。





2024年10月24日木曜日

模型製作と交通機関のバリアフリー

完成した模型



ずっと製作中だった模型がほぼ完成し、今日は確認のため日比谷のクライアントのオフィスへ持って行った。模型はたいていベース(台)の大きさで外箱の幅と奥行が決まる。展示の際に安定させるにはベースの大きさがある程度大きい方がよい。特に今回のように少し高さがある場合はなおさらである。それはわかっていたのだが、いざ運ぼうと思うと改めて大きいと感じる。キャリーに乗せてカラカラ引っ張っていく。

朝夕の混雑時を避け空いている昼ごろの電車を使う。駅のエスカレーターは使えなくもないがエレベーターがあればその方が良い。家の近くの駅は問題ないが途中どうしても乗り換えがある。この乗り換え駅のエレベーター事情がよくない。

他線に乗り換えるときエレベーターが使えない、または非常に使いにくい駅は結構多い。どの駅もたいてい乗換えの上下移動はエスカレーターが便利に使える。だがエレベーターはあるにはあるが場所が非常にわかりにくいとか、改札階にはいけるが乗換え階には行かないとか、乗換えとは逆のホームの先にあったりとか必ずしも利便性が高いとは言えない。まあ距離が遠いとか路地をくねくねと何度も曲がってたどり着くくらいは我慢して歩いても、一旦改札を出て違う入口から入り直さないと乗換えもできないなんてのはある意味欠陥ではないだろうか。例えば同じ都営地下鉄への乗り換えでも一旦改札を出て再び入ることになるわけで、運賃が余計にかかる。おそらく駅員に事情を説明すれば大丈夫なのだろうが、それでは不便極まりない。

バリアフリー法ができて1日の昇降客数が5千人以上の駅はエレベーター設置が義務付けられた。つまり少なくとも東京の地下鉄駅は全部である。短期間で対応するために、あればいいのでしょ的に取付けたエレベーターも多い。先の一度改札を出ないとなどはその最たるもので、鉄道事業者側の言い分は明快で、「施工上難しいのでこうなった、あとは駅員が必要に応じて個別にサポートする」ということだ。つまり健常者とは違うルートにはなるが乗り換えまで駅員がサポートしますのでいいでしょ、なのである。馬鹿な話である。車椅子利用者が健常者と同じように自立移動できることがバリアフリーの意味である。それができないなら適応したとは言えない。重要なのは自立利用、自立移動が可能かどうかなのであり、誰かのサポートが不要な社会がバリアフリー社会なのである。もちろんサポートなんて必要がないという意味ではない。例えばみんなよく知らないが白杖を持った人が電車に乗ってくるとたいてい扉近くに立っている。車内を移動すると白杖で他の乗客の足に触れることになり、それを気にしているからである。また同じ理由で席にも座れない。だがもちろん彼らだって座りたい。だから席が空いていれば教えてほしいそうだ。そしてひじを貸してあげて席まで誘導してあげればいい。たいしたことではない。そしてそれは機械や装置ではなかなかできないことなので、人がサポートするのが良い。

だが移動方法に関しては装置でなんとかなるのである。それをその装置を使うために誰かのサポート云々というのは、もう少し考えたらどうよ、と言いたくなるのは私だけだろうか。

以前、障害者団体と会合を持ったことがあるが、彼らはやはり誰かに手助けしてもらうより、できる限り自分の力で、と考えている。例えば一部のエスカレーターで段に少し手を加えて車椅子を昇降できるタイプがあるが、その作業と移動の間、つまり自分のために多くの他の利用者に階段を使うことを余儀なくさせていて申し訳ない、と言っていた。その気持ちはすごくわかる。

バリアフリーの理想は例えば大門での大江戸線から浅草線に乗り換える部分を例に取ると、エスカレーターの横にエスカレーターと同じ並びに斜行エレベーターがあり、エスカレーターのすぐ横をエスカレーターと同じように移動することである。エレベーターのカゴはガラス張りになっていて閉塞感がないことも大切だ。ただし斜行エレベーターの移動速度はエスカレーターの半分でよい。間違ってもエスカレーターより速くしてはいけない。理由は言うまでもない。それが理想だろう。どれだけ工夫し、そして費用をかけるかが課題となる。大門を例に出したのは、あの駅は都営大江戸線から浅草線経由京浜急行で羽田や成田に行くルート上の乗換駅で、大きな旅行カバンを持った乗客が多い。そして長いエスカレーターをコロ付きの旅行カバンを持って乗るわけである。エスカレーターが長い分かなり危険だ。本来バリアフリーは身体的にハンデキャップのある人と妊婦や小さな子供連れが対象だが、荷物を持った人も加えてよいのでは、とこれは私がずっと考えていることだ。

今回、キャリーをカラカラ引っ張りながらそんなことを考えながら打合せに行った。

さて、模型の検査も無事終わり、模型のできにも大変喜んでくれたので、積み残しの最後の仕上げをすませて来週幕張メッセの展示会に持って行く予定である。長く辛くそして楽しい仕事ももう少しで終わる。

その後幕張メッセへの輸送と設置も無事に終わった。輸送にはカミさんと娘も手伝ってくれた。通常はこれで仕事も終わりなのだが今回は少しイレギュラーで今回の展示会終了後模型を一旦引き上げ11月中旬に今度は都内の展示会への持ち込みまでとなっている。

だが製作中の忙しさからは解放される。また他の仕事も今は数が減って比較的のんびりできる。本棚を作り図書室の改造を始めようと思っている。でもその前に少しデータの整理整頓と書斎の片付けもしよう。データは基本的にMacのデスクトップに置きっぱなしはないがそのプロジェクトを始めたときのルールを少し変更する必要があるものをあとからわかりやすいようにすることは時々必要なので。

11月12日に第2の展示会会場へ設置し、この模型の仕事も完了となった。今回は池袋だったので家からタクシーで運んだ。タクシーで運びながら、模型の仕事を頻繁に請け負うなら車があったほうが良いのだろうな、などと考えていた。車だけではない、レーザー加工機や3Dプリンターなども必要なので、設備投資だけで何百万円かかるやら、とそこまで本格的に模型の仕事をしようとは思わないので、ぼーっと考えていたのを両手で払い、やめやめ。ふぅ。


会場に設置した模型2台





2024年10月11日金曜日

FM Transmission Barricade

Barricadeのロゴ、本家はヘタクソだったので3分で作ってみた
 


模型製作が佳境である。今月末の展示会に間に合わせるため急ピッチで作業している。現在の予定では20日に完成、21日に検査である。ただし引き渡しは月末に展示会会場での設置時になる予定。

つい先日模型を1点納品したばかりで模型つづきになるが、前回のは模型屋さんに製作を依頼したので私の仕事はプロデュースとデザインだったが、デザインはそれほど工夫があるわけでもなく、むしろ客先と模型製作会社の調整業務がメインだった。売上金額の大部分が模型屋さんへの支払いにまわり商売としては割の合わないものだったが、それは覚悟していたので不満はない。だが完成予想のCGを製作し、何度も打合せや確認があり、その他作業時間も含めると収支は結構厳しいものだった。

できあがった模型はまず横浜での展示会に展示された。中華街で食事がてら家族で見に行った。クライアントにも喜んでもらえてよかった。

横浜での展示会


さて、今回の模型はと言うと、これも予算的に厳しいので模型屋さんには見積りはお願いしたが、どう考えても無理そうなので私が製作することになった。

この模型はCLTという集成材を使う構造体の模型なのでまずは製材から始めることにした。ホームセンターでイイ感じの木材を探すところから始めて、その後工房で何日も材料の切り出しと仮組みである。これが結構しんどい作業で、木の粉がすごいので、ガスマスク、ゴーグル、帽子と完全武装で作業する。しかもかなり危険なので気が抜けない。何度かヒヤッとすることもあった。安全には十分気を使っていたのだが切断中の木材の破片が回転刃にかんでパーンと吹っ飛ぶのだ。これ、かなり怖い。気をつけてゆっくり作業していてもパーンとなるときはなる。今回は切り出す木材のサイズが小さいのでこうなる。たとえば長さ1mの材木を半分に切断するようなときはこの現象は起きない。だがこの模型で必要な木片のサイズはもっと小さい。数センチである。するとカットした小片がひょいと動いて刃にかんでパーンとなるのである。今回はなんとか終わったが次回同じような作業があればやり方を考える必要がある。そうでないとヒヤヒヤと健康にも良くない。パーン1回で寿命が5分縮む。両面テープなどで切り出し側を仮固定してカットするとか別の工具を使うとか・・・

木材の切り出し作業が終わると、工房を掃除して次は組立てと塗装である。組立てはプラスチック部品は書斎の作業デスクで行い、木材は工房で作業している。そしてまた次のパーツのために切り出し作業に戻る。これのくり返し。

つまり1日のうち工房で過ごす時間が結構長い。工房では音楽を聞きながら作業している。古いi-phoneをミュージックプレーヤーとして利用し、自作アンプとスピーカーで聴いている。

ミュージックプレーヤーとしてのi-phoneと自作アンプ


この自作アンプは3チャンネルアンプで、入力信号を2分割し、1つは普通にデジタルアンプで増幅、もう1系統は左右の音をオペアンプでミクシングしてさらに100Hz以下を取り出しスーパーウーファー用としてこれをアンプで増幅している。つまりこの箱の中にはデジタルアンプが2台とウーファー用のフィルターが入っている。
ということでスピーカーは基本フルレンジだがプラスでスーパーウーファーを使っている。この組合せで音楽を聞く。なにしろ加工機械の騒音の中なので静かな音楽には向かない。ポピュラー音楽を中心に聞いている。

PIONEER PE-101を使った自作フルレンジスピーカー



自作スーパーウーファー


で、具体的に何を聞くかだが、先日収納庫で探し物をしていたら、懐かしのカセットテープが出てきた。その中に昔FM東京で放送していたFM Transmission Barricadeという番組を録音したテープを何本か見つけた。懐かしいので聴いてみようと思いSONYのデンスケ(TC-D5M)というテープレコーダーを引っ張り出してきて再生しようとしたが回転系が故障しており残念ながら使えなかった。プーリーのベルトが切れたようだった。そこでヨドバシのサイトをチェックするとまだ作っているのだねカセットテープレコーダー。いくつかあったがどうもどれも怪しいが、そのなかでまあまあマシそうなものを注文した。

カセットプレーヤーFiio CP13 中国製


Fiioという中国の会社のカセットプレーヤーで2万3千円くらい。作りはまあまあ、音も値段を考えるとまあまあ。決して良くはない。冷静に考えればカセットデッキ全盛期だったらゴミのようなプレーヤーだが今となっては貴重である。

思うにオーディオやカメラなど趣味の機械は最新を追い求めるだけでなく古いアイテム、たとえばレコードや真空管、そしてテープデッキ、フィルムなどを細々とでよいので供給し続けるような、そういう社会の実現は無理なのだろうか。

日本では無理なのだろう。例えばオーディオ、70年代のオーディオブームに乗って各メーカーはその規模をどんどん大きくしていった。どこの家にもステレオセットがあって歌謡曲のレコードが何枚かしまってあった。ステレオは売れに売れ、メーカーは大きな工場とたくさんの従業員の大企業になった。そういう会社はマスつまり主流を追うことで成長を続けることが宿命だった。従ってオーディオブームが去るとどうにもならない構造だった。長年培ってきたノウハウや技術も将来性がなければ何も残らない、残さないという構造である。これはカメラも同じだろう。デジカメが出てきたときはこんなんダメ。それが技術向上でフィルムを駆逐しはじめると今度は一気にデジタルの波に乗り、フィルムは捨ててしまう。

レコードやフィルムのリバイバルブームが来ても捨ててしまったあとなのでテキトーなことしかできない。まだ息の根はとまっていないがどうだろう、だが先があるのだろうか。

メーカーはカセットテープデッキやフィルムカメラなどおそらくもう作れない。今度はカメラ業界がなんとか生き抜くために以前オーディオメーカーと同じようなことをするのだろう。

そういえばSONYはアナログレコードがリバイバルブームなので国内でレコード生産を再開した、と数年前にニュースで読んだ。ほぉ、SONYもまんざらダメダメというわけでもないかな、と一瞬思ったが、記事をよく読むと、カッティングマシンは全部捨てちまったのでアメリカから中古を持ってきただの、製造の技術がわかる人がもう誰もいないのでトライ&エラーだのと、やはりダメな会社だった。おまけに国内再生産第1号のアナログ盤に選んだのがビリージョエルと大滝なんとからしい。これたしか国内初CDと同じ、どーでもよいこんなところにこだわり、そしてセンスがない。そして技術はカラッポなのである。

そんなわけで中国製のこんなガラクタがアリガタイ存在となるのである。ちなみにこのプレーヤーCP13だが、操作系はシンプルで再生、停止、早送り、巻き戻し、ヘッドホンボリュームのみである。ノイズリダクションおろかクロームテープも使えない。再生はテープエンドで自動停止する。電源は内蔵バッテリーで連続再生で半日くらい。充電はUSB-Cで充電しながら再生もできる。音声出力はステレオミニジャック、以上おしまい。何色かカラバリがあるようだが今頃カセットテープを使うのだから透明タイプ一択だろう。リールが回転しているカセットテープを眺めるのがこのプレーヤーの唯一の存在意義と言ってもも過言ではない。

さてこのプレーヤーで聴いたのが先に述べたFM Transmission Barricadeである。当時新しい音楽を知る最もメジャーというかほとんど唯一の方法がラジオだった。1990年頃だったかな。だがほとんどのラジオ番組は流行歌ばかりでちいともおもしろくなかった。もちろん聴かなかった。私が聴いていたのはNHK-FMのFMクラシックアワーと朝のバロック、FM東京のBarricade、それとクロスオーバーイレブンだった。ちなみにクロスオーバーイレブンは始め良かったが翌年からダメになって聴くのをやめてしまった。たしか初代DJは石橋蓮司で翌年は富山敬だったかな。石橋蓮司はチンピラ専門の俳優だが声はよかったのである。この番組は今でもやっているようだが何とかとか言うアイドル歌手みたいなのが喋りも最低で、もう二度と聞くことはなさそう。

その点Barricadeは良さがブレなかった。だからよく聴いた。土曜の深夜3時からだった。ここで知ってレコードを買ったものもいくつかある。なつかしい。

ちなみに私はラジオ以外の方法では、家の近所にあった新星堂というレコードショップの店員と仲良くなり、土曜など時々行ってレコードを何枚かサワリだけ聴かせてもらってその中から3枚とか4枚とかよく買って帰った。私の音楽発見方法はラジオと合わせてこの2つだけだった。よく友人知人からのオススメというのもアリと聞くが、残念ながらそれで良い音楽に巡り会ったことなどタダの一度もなかったので、そのうち自然と「ほーそうですか」と相づちだけ打ってスルーするようになった。

新しい音楽との出会いは今とはまったく違っていた、というオハナシ。

で、工房でガーガーと作業しながらこれが聞きたいな、とFM Transmission Barricadeをi-Tunesに読み込むことにした。AmazonであやしいADコンバータを買って、QuickTimeで読み込む。音質はまあこんなものだろう。


DAコン、これもおそらく中国製、デザインも中国らしさ全開


音楽データの読み込みは計算用の予備のMacを使った。ほったらかしでよいのでドンドンできる。テープは何本もあるのでだいたい40時間分くらいできたところでプレイリストを作りWIFI経由で工房のi-phoneに飛ばした。材木をカットしたりサンドペーパーをかけながら聞いている。

さて、その後Macに読み込んだ音楽を聞いているとどうも音が変。高音が出ていない。どうした?壊れた?でも待てよ、ヘッドが汚れたらこんな風になったな、とアルコールをつけた綿棒でヘッドを掃除すると元に戻った。よかった。だが無音で放ったらかしで読み込みはどうもダメのようだ。10本ほど読み込みし直しになった。今度は聞きながら読み込むことにした。こんなアホ相手でも手抜きはダメよ、ということらしい。だがまたしても音が変。どうしたどうした?どうやらこのプレーヤーは置く向きによって音が変わるようだ。走行系がいい加減なのだろう、中国製だから仕方がない。もうさすがにイヤになってしまった。

その後、やはりどうしても音質が気になりデンスケで読み込み直すことにした。デンスケは以前2台持っていて1台は回転系の異常で使えなかった。もう1台はだいぶ前に友人にあげたのだが、理由を説明して少しの間借りることにした。それで再生してびっくりした。音が全然違う!昔のFM放送の録音だしカセットテープだからと思っていたのだがこんなに良い音で録れていたのだ。SONYは今はあまり好きな会社ではないが当時はよかった。このデンスケなんて傑作である。

ちなみに当時FMを録音したのはパイオニアのTC-97というでっかいカセットデッキだった。今はもうないが使っていた頃が懐かしい。


SONYのデンスケ(手前)と中華ゴミプレーヤー(奥)




そんなわけでこのゴミプレーヤー、もう使う気にはならない。もったいないけどポイかな。





2024年9月22日日曜日

写真の解像度アップにAI補完ソフトTopazを使う

 今回は久しぶりに写真のこと。

最近のカメラはスマートフォンも含めて解像度の高い写真が撮れるようになったので、解像度の低い写真の扱いに悩まされることはほとんどなくなった。だが、古い写真やネガフィルムをスキャンした画像の一部は解像度が低く、そのままでは使えないこともある。ちなみに例えば印刷物に使用する写真の解像度は240〜350ピクセル/インチと言われている。理想が350ピクセル/インチで、最低でも240ピクセル/インチはほしいという意味である。このピクセル/インチとは1インチに何ドットあるかと同じ考えで、ドット/インチと言われることもある。ドットとは「点」のことである。ピクセルは「画素」である。それぞれ略してdpiとかppiなどとも言う。先の350ピクセル/インチは350ppiとか350dpiなどと書く。なぜインチかというとアメリカ発祥の技術だからで、テレビの画面サイズを65インチなどと呼ぶのと同じである。

さて、解像度の低い写真のピクセル数を増やすにはPhotoshopで画像解像度で補完しながらピクセル数を増やし、全体にアンシャープをかけて少しだけパキッとさせる、というのが今までの方法だった。

最近、AIを使ったピクセル補完をするユーティリティソフトを手に入れたので、今回は従来のPhotoshopによる方法と比べてみることにした。

使うソフトはTopaz.Labs の Photo AI というソフト。このソフトとは別にビデオの補完を行うVideo AI というソフトもある。価格はPhotoが3万円くらい、Videoが4.5万円くらいだったかな。このソフトは仕事用で購入したものでクライアントから提供される写真やビデオが古かったり、なんらかの理由で解像度が足りない場合、それらを少しでもなんとかできないかと考えたためである。さてPhoto AIだが結論から言うと業務で使える確率は半分くらいというのが私の感想である。もう少し詳しく言うと写真によって使えたり使えなかったりということで、「これはイケる」というのが1/3、「まあまあ」が1/3、「使えない」が1/3といったところ。そしてまあまあの場合、最終イメージサイズが小さければ使えるが、大きいと辛い。

ただし業務での写真はAIによる判断がむずかしい題材が多い。打率5割は決して悪くないと言える。人や風景、ペットなどと違い、なんだかわからないような物が多いからである。こういうものをAIがどう判断するかはやってみないとわからない。やってみなければわからないような事例を紹介してもあまり参考にならない。今回は人の写真でどのくらい使えるかを紹介する。

使う写真は古いフィルムカメラで撮影したネガフィルムをフラットベッドスキャナーで読み込んだもの。ネガフィルムということで解像度は今のデジタルカメラの300万画素〜600万画素相当しかない。それをフラットベッドスキャナーで読んだ時点でさらに解像度は低下する。画像ファイル上は3000×2000ピクセルほどあるが、実解像度は1/2以下である。つまり輪郭がぼやっとしていてさらに輝度ノイズも多い。

これがPhoto AI でどう変わるか、さっそくやってみよう。

娘の幼稚園のときの運動会の写真、親と一緒に出る競技。一眼レフを使いASA感度100のネガフィルムで撮影した。レンズは135ミリだったと記憶している。ちなみにこの当時撮影したフィルムは結構たくさんあるが、この写真はカミさんと娘以外ほとんどみんな向こうを向いている、また遠くでこっちを向いている人はピントが不鮮明である。つまりサンプルとして好条件の写真である。やはり他人の顔が鮮明に写っているものを無断でネットに上げるのは法律がどうのと言う前にあまりよいことではない。だからこういった作例では写真選択には気を使う。これは数少ない使える写真である。

まずはネガをフラットベッドスキャナーで読み込んだ画像。

フィルムスキャナで読み込んだ状態






同部分拡大



少々アンダーで色合いも辛気くさい。これはスキャン時に補正せずにphotoshopで補正するつもりだったので仕方がない。先に色補正をかけてから補完するというのもあまりお勧めできない。だからまあ仕方がない。写真編集には順序があって、傾きやあおり調整、そして補完による解像度アップなどは最初に行う。露光量や色温度調整がその次、そしてゴミ取りなどしてから、部分部分のレタッチを行う。
さて、
次にPhotoshopでの補完2倍の同拡大、ただし2倍に補完後サイズを半分に戻しているので見た目はオリジナルと変わらない。まあ、そうだよね。

Photoshopで2倍の後元のピクセル数に戻したもの



つぎにTopaz Labs Photo AI で2倍に補完後サイズを元に戻す
Photo AI 2倍補完



このソフトは特に人の顔への適用に優れているようで、あきらかになめらかで輪郭もパキッとし、さらにノイズも減っている。オリジナルに比べプリントサイズを確実にワンサイズ上げることができる結果となっている。たいしたものである。

さらにこのソフト、FaceRecoveryというオプションがある。これはさらに人の顔をAIできれいに仕上げましょ、というモードである。

Photo AI 2倍補完+Face Recovery


たいしたものである。
カミさんのどアップはちょっとなので娘の顔のオリジナルとの比較
左:オリジナル、右:PhotoAI 2倍補完+Face Recovery


少しキレイにしすぎ、そこでパラメータを変更しほどよい補正に変更する。

右端、パラメータを調整したもの



塗り絵っぽかった補完画像がだいぶ自然な感じになった。
補完が終わったらいつものようにPhotoshopで色調整やゴミ取りなどをしてレタッチ完了となる。

完成写真


ちなみにこのFace Recoveryだが、横顔でもきちんと認識して補正してくれる。

横顔でも大丈夫



また、例えばAIが部分的に勘違いしておかしな補正をかけている部分があれば、レイヤを使って元画像やphotoshopによる補正画像と合成しレイヤマスクで調整するという使い方もある。上の写真でカミさんの髪の毛の生え際は不自然にコントラストが強調されているし、カチューシャの少し左側で髪の毛に明らかな不連続が見える。
こういう場合にはこの方法で調整すればレタッチせずに自然な感じに仕上げることができる。つまり1枚の写真の中で、AIが勘違いした部分は、その部分だけAIの画像は使わずに、Photoshopの補完・補正画像を使うということだ。これも常にこの方法でうまくいくという訳ではないが写真によっては有効な選択肢と言える。下の写真、AI補完とPhotoshop補完をレイヤマスクで調整して1枚に仕上げてみた。上の写真の不自然さがなくなった。

元画像とAI補完をレイヤマスクを使って合成


時間の関係でゴミ取りはしていないが、これなら十分プリントにも耐える品質と言えるだろう。

最後に、ではこのソフトは買いかどうかというと、最近写真を始めた人には不要だろう。最近のカメラやスマホは十分な解像度で撮れるから。また古い写真もあるがそれらを今からどうこうしようと考えていないなら同様に不要なソフトだろう。トリミングして一部を拡大したいが解像度が足りない、といった場合は使えるが、それなら撮影の際工夫して引きと拡大を撮る習慣をつけた方が何倍も良い結果が得られるだろう。ただし古いデジタルカメラの写真やフィルムの画像をプロラボでのスキャンなどせずに自分で透過原稿の読み取れるコンシューマー向けのフラットベッドスキャナーで読み込んだりし、しかもそれをある程度大きくプリントしたい場合などには使い方によっては使える、ということである。つまり過信は禁物で、それを理解して購入するならよい選択肢だと言えるだろう。





2024年9月14日土曜日

模型製作と新しい工具

 前回も書いたが、模型製作のために新しい工具をいくつか導入した。テーブルソーとスライド丸ノコなど。テーブルソーは使う時には台が必要だが、定置式の台では場所をとるので狭い狭い工房には向かない。作業台の下に入れられて、引っ張り出して使える専用台を製作することにした。またスライド丸ノコは脚付きの台は不要だが作業台にのせるための天板にのせるための板を作製することにした。これはスライド丸ノコに比べ今の作業テーブルの奥行きが17センチほど足りないためである。

板にのせたスライド丸ノコに2’×4’材をセットしたところ


スライド丸ノコは安定して使えるようになり、これを使ってテーブルソーの台を製作。

テーブルソーの台のパーツ


台の製作にあたってはカットはもちろん、ジョイント部の仕口の加工もスライド丸ノコで行った。このスライド丸ノコ、5万円弱だったがとても使いやすく満足している。マキタのM244という製品。ヨドバシの通販で購入した。ヨドバシはお取り寄せとなっており、Amazonは翌日か次の日配達で値段はあまり変わらなかったが、なるべくヨドバシを使うことにしている。理由はヨドバシが好きなのではなく、Amazonが嫌いだから。Amazonは他に選択肢がないとき以外なるべく使わない。

さて、上の台のパーツは仕口の加工に少し時間がかかったが塗装も含めて丸1日くらい。その後脚を製作して取り付け塗装にさらに1日で計2日で完成した。

テーブルソーの台


取外し式の渡し材をセットしてその上にテーブルソーを設置する。テーブルソーは材料を押しながらカットするので、この渡し材の上でテーブルソーが振動と横力で徐々にズレるとまずいので、必要なら、ずれ止めを取り付ける予定。

さて、今日は制作中のカタログの打合せで大手町のクライアントのオフィスに行った。今日も暑い。もちろんワイシャツ、ネクタイ、ジャケットで出かける。どんなに暑くてもベトナム人スタイルは苦手なのでこれは守る。

打合せは1時間弱で終わり、帰りに新宿でカミさんと娘と待ち合わせをして買い物。まずはカミさんはオカダヤで布地、厚手の布地を10m位買い、結構重い。みんなで交代して持ちながら歩く。わたしもスエードを2mほど買った。そのあとお腹が空いたのでねぎしで牛タンを食べることにした。ここはいつだったか値上げをして定食が2500円くらいになってからお店はガラガラでほぼ確実に並ばずに座れる店になった。でも私は焼き肉とか牛タンはあまり食べないので半分カミさんと娘にあげる。これはいつもそう。次に東急ハンズ。模型材料のアクリルの値段を調べるとAmazonより倍くらい高い、仕方がないのでAmazonに注文することにした。何も買わないのもなんだからテーブルソーの滑り止めの木材を買った。娘が別の階も見たいというので行くと昔、東急ハンズが東急だった頃にくらべ置いてある商品もその陳列の方法もものすごくダサくなっていて、私も娘もがっかり。これはきっと買収したホームセンターが埼玉とか栃木とかの田舎の企業でそこの本部のおじさんが企画しているにちがいない、ということになった。本当かどうかは知らないけど。調べる気もサラサラない。だが知性の香りがするおもしろい商品はもう期待できそうもない。

ガッカリした後はデパ地下で夕食を買って帰ることにした。

明日はテーブルソーを台にセットして工房の作業台下にセットする予定。そろそろ模型に本腰いれないと終わらない。

翌日、工房の作業台の下を片付けてテーブルソーとスライド丸ノコを収納した。

テーブルソーとスライド丸ノコの収納時


奥行きがあるのでどうしても作業台より飛び出すが仕方がない。これはそのうちこの部分だけ作業台を大きくした方が良いかもしれない。だが今は時間がない、模型製作が待ったなしだからである。

両機械を収納したことで久しぶりに作業台の上が片付いた。模型製作を始める。事前検討は済んでいるので悩むことなくどんどん作業できる・・・はず。まあ検討通りに進むことはなく、このあとも検討が続くのだが・・・。だが検討とはそういうもので、変更になるからちゃんとやらなくてもいい、ということはなく、かと言って検討結果つまり計画に固執してもうまくいかない。歩きながら考えるというイギリス式も一度決めたらあとは突っ走るフランス式もダメということ。

久しぶりに片付いた作業台


奥にあるのはプラスチック加工用のミニテーブルソー。あまり使い勝手はよくないが大活躍している。

また、今回の模型ではアクリル板の曲げが必要なので、アクリル加工台も製作することにした。当初はこんな感じであり合わせの材料で簡単な折り曲げ台を作って使い始めたのだが途中で気が変わって長く使えるきちんとした台を製作することにした。

当初作ったアクリル板の加工台


上の写真、OSBという板にラワン材でヒーターを留め、天ぷら温度計と汎用のパワーコントローラーを使った。問題点はリアルタイムで温度が測りながら作業がしにくいこと、OSBの表面がでこぼこで、そこにホコリがたまりこれが静電気でアクリルに付くこと、そして何よりヒーター+ラワン材が飛び出ているので使いにくいこと。

新しく作る加工台は板材(無塗装)で作ることにした。何しろヒーターは150度くらいになるので塗装はできない。同様に合板や集成材は糊の加熱が心配である。だから板材を選んだ。ホームセンターで板材を見ていたらファルカタというバルサに近い柔らかい板材をみつけた。そういえば昔黒板ふきをこれで作ったのを思いだした。これで作ってみよう。表面は柔らかくちょっと心配だったがそれほど力をかけるわけでもないし、何より軽いのが魅力だった。あとヒーターで加熱して反ったりねじれたりしてもフレームが変形を抑え込むことができると考えた。強度のある材木だと反りをフレームで抑え込むなんて無理である。

また、加工台は普段は棚に置き、必要なときに作業台にのせて使う。軽い方がよい。ファルカタは羽根のように軽い。

アクリル加工台のベース、ヒノキのフレームとファルカタの天板



中央のスリットにヒーターが入る。また、今回は温度計とパワーコントローラーを内蔵させることにした。これが思っていたより大変で、いろいろやってうまくいかずに別の温度計やらパワーコントローラーを買い直して・・・と苦労したがなんとか完成した。

完成したアクリル加工台



手前のパンチングメタルはパワーコントローラーの放熱用、奥が温度計。パワーコントローラーは台の下に入れてしまうこともできたが、これはじつは当初別のパワコンを買ってうまくいかず、買い直したら台の中に収まらずこんなことになった。もっともヒーターは両端10センチずつは温度が上がらないので加工には使えない。だからこの位置にこれらがあっても作業上は問題ない。フレームを作り直すには時間もかかるし、厚くなるのも重くなるのもいやなのでこれで妥協した。温度計の方は表面にアクリル透明カバーを付けて表面をフラットにした。収納しやすさを考え極力出っ張りはなくした。コントローラーのつまみも彫り込んである。電源ケーブルもジャックタイプにした。

さっそく試しに使ってみた。
今はメインスイッチがないのでコンセントに差し込むとスイッチオン、温度計をチェックしながら待つこと10分弱。透明アクリル2ミリの板を曲げてみた。

試験曲げ加工



キレイに曲げることができた。めでたしめでたし。
ちなみにアクリル曲げ加工では、「アクリル板の厚み」「ヒーターの温度」「アクリルの加熱時間」の3要素で決まる。ヒーターが十分加熱していないとアクリルが狙った位置できれに曲がらないし、加熱時間も長くなり歪む。かといって温度が高すぎると表面が柔らかくなりすぎ溶けて仕上がりが悪くなる。だから温度を最適に保ちながら手際よく作業することが大切なのである。この加工台なら問題ないだろう。あとは曲げる際、曲げ角度に応じた治具が必要なので、これは後日作ることにしようと思う。





2024年9月9日月曜日

今度こそ図書室

 ずっと仕事が忙しかったが少しずつ終わりが見えてきた。現在仕事は10件ほどになった。そのうち2件は大物なのでまだ1ヶ月くらい忙しい日は続く予定だが、その先は少しのんびりできるはずだ。季節的にも涼しくなり図書室の改修に好機である。逆にここを逃すと今度は寒くなって工房作業には辛くなる。今年こそはぜひとも終わらせたいと思っている。なにしろ本が入りきらない。そして何より本に囲まれて考え事をしたい。そういう場所が早くほしい。

今の図書室


これは以前撮影した図書室の本棚。現在もほぼ同じで、ごちゃごちゃである。場所が無くて本を積み重ねている。ときどき本を探しに行くが結構なストレスである。こう言っては何だが、図書室というのは家の中にあってはリゾートのようなもので、そこにいるだけで楽しい場所でなければならない。気取った言い方をすれば「知のリゾート」である。ストレスを感じるようでは全くオハナシにならないのである。そしてこんな状態がもう何年も続いている。だから今年こそは、なのである。

改修のための計画図や設計図はすでにあるので材料の購入である。本棚を新規に6本作るので結構な量である。木材の価格も大幅に上がっているので予算の見直しも必要だ。

何しろ今はまだ忙しいのでスタートできるタイミングを図ることしかできない。

いろいろ考えている。各本棚の棚にはタイトルを付けて「日本史」「世界史」「思想・哲学」「美術・画集」「建築」「デザイン」「音楽」「写真」などと本を分類する。このタグ用金物は新しく作る予定の本棚の分も含めてすでに用意してある。そして古い本棚には取り付け済である。

家にはあと3つ本棚があるのだがそこにある本もここに移す。料理や服飾の本、コミックが収納してある。また映画のDVDなども当面ここに移す予定である。いまはダンボール箱に入っていて探すのが大変なので。

さて、今日は受注した模型の最終検査で模型屋さんへ行く。ここ2、3日少し涼しかったのが今日はまた暑い。最終確認を終え写真を撮り帰宅後簡単にレポートにまとめてクライアントに送る。あとは来週の引き渡しだけである。

その後ヨドバシに注文してあった最後の機械が届いた。スライド丸ノコという電動のこぎり。取説にざっと目を通して基本操作を頭に入れて、試しに厚さ25ミリ幅250ミリの集成材をカットしてみた。5秒くらいでキレイにカットすることができた。これは結構使える。ただしこれも音は結構デカい。夜間は使えそうもないがまあいいだろう。

スライド丸ノコ


これもやはり台を作る必要がありそうだ。やれやれ。

で、数日後作った。ただしスライド丸ノコは可動部分の寸法をチェックすると今の作業台の天板が手前にあと17センチあればよいことがわかった。そこで今の天板の上に17センチ長い、つまり17センチハネ出すようOSBの板をのせ、そこにスライド丸ノコをのせて使うことにした。もうひとつ、このスライド丸ノコは回転刃をスライドさせ一番奥へ持って行ったとき、少々バランスが悪い。手前の足が浮きそうになる。この手の工作機械は動いてはダメだ。危険なので。浮き防止のストッパーを取り付けることにした。また手前のハネ出し部分に力を加えた時向こう側が浮くのもダメなので奥に差し込みを作りさらにここにはクランプ(写真奥の赤)を付けた。

ストッパーを木工用ボンドで接着し、仮クランプ(手前)で固定しているところ


これら諸々の加工に少し時間がかかり、トータルで2時間半もかかってしまった。だがテーブルソーの台の製作では確実にこのスライド丸ノコが大活躍する予定なので仕方がない。明日、木工用ボンドが固まったら裏側からストッパーをビス留めし完成の予定である。あとは使いながら手を加えればよいだろう。

さて、明日はいよいよ模型会社で模型の引き渡しである。朝9時半に車で引き取りに来てくれることになったので、私は少し早め9時過ぎくらいに模型会社に着いてスタンバイしている必要がある。模型会社は少し遠いので明日は7時前に起きるので今日の作業はここまで。今3時なのでこれから風呂に入って洗濯して乾燥機にかけて寝ると4時過ぎくらいかな。3時間弱しか寝られない。うーん。