2023年11月22日水曜日

仕事の環境

 私は個人事業主としてデザインの仕事をしている。

以前は会社勤めをしていたが、それはそれでよかったが、独立した今は会社勤めをしていたときとは比べものにならないくらい自由だ。まあ当たりまえである。

私にとって大切なことは仕事や休憩の時間の取り方とかではなく、これは開業当時に書いたが、

独立して好きな仕事を好きなようにするなら、仕事の空間はおもいっきりわがままな場所でいい。

私の理想は


1.「邪魔」や「鬱陶しい」が存在しない。

2.「我慢しながら使う道具」なんてない。

3.あちこちに「遊び心」がある。

4.快適な「空気と音」がある。


今のところ、思いつくのはこの4つ。

と、これは今でも大きく変わらない。

少し変えるとするとこんな感じだろうか

1.「興味のないこと」に義理で付き合わない。
2.「気に入った道具」だけを好きに使う。
3.「遊び心」があるたのしい仕事の空間をつくる。
4.「快適な空気と音」がある。

1についてはもう何も言う必要がない。仕事では「何この人?」みたいなことはゼロではないが、それでもこちらは独立した別の組織のデザイナーなのだから、無遠慮な話はまずない。独立する前とは大違いだ。

2〜4は同じことで、仕事部屋や道具にこだわること、と言える。

かなり、いや完璧に自由のはずだが、独立して2年経ってどうなのだろう。何か中途半端になってないか?

ということで反省を込めてここで現状を眺めてみる。

ぱっと立ち上がって片付けたり手を加えたりせず、今の状態をそのまま写真に撮ってみた。

まずはコンピューターの机。ここがメインの仕事場所。


まあ、ここはほぼ満足。こうして写真を撮って冷静に眺めてみてもあまり改良点は思いつかない。強いているならスピーカーの色、その上に置かれた雑物、そのくらいだろうか。

次にサイドデスク


ここはちょっとねぇ。仕事しながら飲んでいるごま麦茶のピッチャーとコップは良いとしても、いつもではないが仕事しながら時々かじっている「あたりめ」の袋はねぇ。あと領収書やカメラのバッテリー、こういう「ちょい置き」はどうなのかな、少し考えた方がいい。つまり「ちょい置き」そのものは絶対なしにはできない。何か使ったら基本元の場所には戻すが、ちょっと仮置き、というのはゼロにはできないから。だが考えてみれば散らかるとはこの「ちょい置き」の集合に他ならない。だから無くならない「ちょい置き」をどう処理するかが最も大切なのかもしれない。

次に棚


ここはまあまあかな。ただし製作中または製作が終わった模型のパーツなどが置いてあって、これは少し考えた方がよい。飾ってある小物もちょっと多いかも。

次に作業机


うーん、ここは問題だな。定期的に片付けはしているが、どうしてもすぐにこんな風になる。左側の紙やプラシートは娘が昨日ここで作業していたときに下に敷いていたもの。ヨドバシから届いた工具やそれが入ってたパッケージ、右側にはスタンプ台や文房具などいろいろごちゃごちゃしている。モニターの前にもあれこれ置いてある。ここは少し真剣に考えないとコレではだめだ。

以上が仕事の空間だが、ついでに他も撮ってみた。

これはスピーカーとローテーブル
スピーカーの上の帽子やメモ用紙。
ローテーブルは時々娘がやってきてここでノートパソコンでいろいろやっている。ティッシュはそのとき鼻をかんでいたものだ。うーん。娘にあれこれ言うのは簡単だが、そうではなく何かできるのでは。

最後にステレオまわり

ここはいいかな、このままで。ただしレコードをかけるとき、そのレコードのジャケットやスリーブを置くところがない。今は左のレコードプレーヤーを使うときは右のレコードプレーヤーの上、逆の場合も同じでそうしているが、もう少しいい方法ないかな。

と、以上が解決すべき問題点。
まとめておこう。
1.仕事上の「ちょい置き」問題を解決すること。つまり「ちょい置き」スペースを作ってそこをはみ出さない、そしてちょい置きスペースが鬱陶しく見えないようにすること。
2.スピーカーの上には物を置かないこと、帽子や雑物は他に置き場所を用意すること。
3.レコードをかけるときのジャケット置き場をうまく作れないか検討すること。

そんなところかな。

あともう一つ、図書室もあるが、こちらは仕事が忙しくなり新規で製作する予定の本棚6台が先延ばしになっている。うーん。






2023年10月6日金曜日

図書室

 ウチには小さな図書室がある。わずか6畳でそのうち1畳分はスチールラックが置いてあって倉庫になっている。またこの部屋は撮影スタジオを兼ねているので撮影台も置いてある。だから図書室と言っても本棚が8台置いてある程度である。それでも仕事や趣味などそれほど多くはないが整頓して本が置けるのでとても重宝している。

ところがこの部屋、ちょっと油断すると家中の捨てることはできないが邪魔な物が集合する部屋で、足の踏み場がなくなることもある。

でもそれではダメである。理想はカップに紅茶でも持ってきてペラペラとページを繰りながらアイデアを考えたりする場所である。

なんとかしたい。


さて、話は変わるが私の仕事、つまりデザインの仕事は年間を通してそれなりにあるので、仕事の全くないヒマな月というのはまずない。それでも忙しさの「山」「谷」はある。たとえばクライアントの会社の決算月に合わせて忙しさが変わる。通常3月決算の会社では予算の次期持ち越しは少々面倒なので3月に終わらなかったから4月ね、とはなりにくい。つまり2月3月は仕事で忙しい。だが7月に終わらなかったから8月ね、は割とあるのでこの時期はそれほど忙しくならない。無理してでも終わらせよう、とはならないから。同様に半期つまり9月末も翌月持ち越しの少ない月なので忙しい。

何を言いたいかというと、9月に納品を終えた今の時期、10月のはじめは割と「谷」になり、少しだけヒマになる。旅行に行くのもよいし、家の改装なんて手もある。


ところが今年は4月もそうだったが、10月もあまり「谷」らしい「谷」にはなりそうもない。つまりまあまあ忙しい。それでもようやく気温も下がってきて、何か工房で作業をするなら1年で最も快適な時期である。そう、6月〜9月は結構暑いので工房作業は汗をかきかきで大変なのである。


で、今年は図書室をもう少し使いやすくするのはどうだろう、と考えた。実はコレ昨年からずっとやりたいと思っていたのだが忙しくてできなかったのが、ようやくお鉢が回ってきたのである。それにこれなら中断もできるので最悪忙しくなったら途中で止めてそのうちまた再開することもできる。キッチンや寝室の改装ではそういうわけにはいかない。

さて、ではこの図書室の改良だが、やるべきことはシンプルで次の3つだけ。

1.不要な物を整理して工房の上に棚を作って移動し図書室からなくす。

2.本棚の各棚に分類タグをつけてタグにあわせて本を収納し直す。

3.収納部分に手を加え若干キャパを増やす。

以上である。

現状の本棚

これがどれくらい良くなるか、目標は2ヶ月後くらい。つまり冬休み前の完成を目指す。

2023年9月13日水曜日

技術マニュアルの制作

 技術マニュアルの作成

 技術マニュアル作りでは、本文の他に3つの要素がある。
「数式」と「表」と「図」である。
この3つはどれもたいてい本文より時間がかかる。
数式は分数やら特殊な文字が多い、たとえば小文字のbに下付で大文字のAが付いているようなときは、小文字のbのサイスを1つ上げて大文字のAを2つ下げる必要がある。またギリシャ文字や特殊記号もよく使われる。3段の分数をカッコでくくることもある。

数式では美しく読みやすいフォントを使うことが大切だが、技術マニュアルでは私はTimesを使うことが多い。アルファベットなどはイタリックで数字と演算記号はノーマル。ただし数式中のいくつかの文字は2バイト文字が必要なのでそこはヒラギノ明朝を使う。全部ヒラギノ明朝という選択肢もあるが、アルファベットと数字はTimesの方が美しい。
さて、長い数式は1つ作るのにIndesignで20分くらいかかるものもある。今回のマニュアルは数式が多いので非常に時間がかかった。


数式組み版はタグを使って組んだものをラスター変換し、画像として貼り付けるのが書籍製作などでは一般的だ。しかしこの方法だと後から数式の一部を修正する際、元のデータを直して書き出して貼り付け直す必要がある。書き出した画像のサイズの関係から調整も面倒だ。簡単な置換えだとサイズが狂うことがある。もちろんゲラの時点で査読を完璧にこなし、完全原稿ができるのであればそれでも良いが、なかなかそう簡単にはいかない。全てのデータを私一人で作り、InDesignの PDF書き出しを図や表とともにクライアントがチェックするような場合、どこにどんな変更が入るかわからない。なのでIndesignで作った方がいい。そもそも従来のクライアント側の技術者がWordで、というのは印刷所の担当者に工学的センスが全くなく、数式など組ませることができないので画像を貼り付けるしかないわけで、それが一般化したに過ぎない。


次に表。これも時間がかかる。ただし表組はIllustratorに比べIndesignでは格段に作りやすい。制作にかかる時間も半分以下で済む。特に変更作業はものによっては10分の1くらいの時間で対応可能になった
そんなわけで、よく言われるカタログやリーフレット、技術資料などでページ数が多い場合はInDesign、少ない場合はマスターを用意するまでもないのでillustrator、というのはもっともだが、表がある場合はInDesignというのも十分言えるだろう。

ただし楽になったとは言え、元のデータが印刷物またはPDFしかないとそれらを見やすい表にするのはそれなりに時間がかかる。特に決められたページ幅に収める作業が最も時間がかかる。ここは編集者のセンスが問われる部分でもある。
そして技術マニュアルにはその性格上表の数が多い。一冊のマニュアルの表に2週間以上かかることも多い。
通常、元表は紙で支給されるかまたはPDFも多い。PDFでテキストが生きていればラッキーで、一旦PDFからエクセルに書き出し、それをIndesignに流し込むことができる。もちろん小さな表ならこんなことはせずにInDesignで直接数値を打ち込むのも良いが、大きな表は前述のエクセル経由が楽だ。数値の打ち間違いもない。

手間がかかるのはエクセルでの調整とIndesignでの調整。PDFがベクターなら文字は生きているので基本エクセルへの変換効率は高い。書き出しにはAcrobatの書き出し>スプレッドシートコマンドを使う。ただしセル構成は大きく崩れる。セルのサイズも元のPDFに合わせてぱっと見はよく見えるが、InDesignへの流し込みで破綻する。

そこで、書き出したエクセルの必要範囲を均等セル幅のエクセルの別シートにコピペする。
そしてその新しいシートの不要な行や幅を削除しながらIndesign への流し込み用エクセルとしてまともな表を組み上げる。
ここで注意点、新しいシートは事前に全セルの書式を「文字列」に変更しておく。エクセルが自動判別で「数値」にしてしまったセルは、「1.0」を「1」に変えてしまい、正しい表にならない。これは大きな問題となる。1.0と1では全く意味が違ってくるからである。文字列にしておけば勝手に表記が変わることはない。

また、文字はテキストが生きているので概ね問題ないが、元データの「かけ算」記号にアルファベットの「X」(エックス)を使っているような場合は修正が必要だ。この文字の間違いの修正はエクセルで行う。

他には上付き文字や下付文字は一旦すべての文字をフォント、サイズとも新しいシートへペーストしたあとですぐに自分で定めたデフォルトフォント、サイズに変更してしまうので上付きなどもリセットされてしまい修正が必要になる。だがこれらはIndesignに持って行ってから行う。

これら一連の作業が自動でうまくいったら楽なのだが、なかなかそうはならず、手作業が減らない。そうね、デフォルト変換に点数をつけるとPDFからエクセルへの書き出しは60〜70点、エクセルからIndesignは80〜90点くらいかな。元の表のPDFがラスター、つまりテキストが画像の場合はPDFでOCRをかけてエクセルに持って行くか、画像化してエクセルでOCRにかけるのだが、画像解像度をいくら上げても正しい変換は期待できない。点数は30点以下だ。もし元データにこういうラスターの表の数が多い場合にはもう少し優秀なOCRソフトを使い一手間かけたルーチンにするが、通常は表の文字は生きているので、上記の方法でうまくいく。残ったわずかなラスターの表はマイクロソフトやアドビのできの悪いOCRは使わず、1から自分で打ち直す。


さて、最後が「図」である。
「図」は4種類に大別される。「写真」「CG」「イラスト」「図面」である。
順に解説しよう。まずは「写真」
写真はクライアントからデジカメ等で撮影したデータで支給されることが多い。クライアントはプロに頼んだり自分や同僚、または支店の誰かの撮影と様々だ。時々私が撮影を依頼されることもある。その場合も撮影を外部委託するか自分で撮影するか選ぶことになる。航空写真などは外部に依頼するしかないが製品写真などは自分で撮影することが多い。一応こちらも写真はプロなので、クライアントが自分たちで撮影した写真よりはよい画像を用意できる。小さなものの撮影なら仕事場に撮影スペースもある。
これは依頼されて私が撮影した治具。長さは60センチくらい。お借りたときかなり錆が出ていたので、クライアントの許可をもらって錆を落とし塗装してから撮影した。そしてこういうことは通常写真屋さんはまずやらない、そのまま撮る。
私ならちょちょいと塗装して撮影できる。もちろん照明や背景を工夫して撮影することは言うまでもない。照明は6灯、背景紙もいろいろ用意してある。

クライアントから送られてきた写真の場合、ほとんどの写真でレタッチが必要だ。画角が傾いている写真も多いし、ホワイトバランスや露出の調整が必要なものも多い。余計なものを消したり、動かしたりといろいろだ。Photoshopで丁寧にレタッチする。
たとえば下の写真、直接製品には関係ないが写真の一部に車が写っている。左側オリジナルは車の位置が悪い。中央分離帯にぶつかっているようにも見える。こういう写真はなんとなく落ち着かない。そこで車を10mほど後退させて右のようにする。これで違和感がなくなる。ただし製品の効果などを実際以上によく見せるようなレタッチは禁物である。仮にクライアントから依頼があったとしてもきちんと説明して「できません」と断ることにしている。


また、これはカラー写真だが、技術マニュアルでは通常モノクロームなので単純にカラーをモノクロ化すると何だかよくわからない写真になることも少なくない。そんな場合はひと手間かけてモノクロ化する必要がある。その方法は別の機会に解説しようと思うが、原理的なことはここ「RAW現像、モノクローム写真」と同じである。

「図」の2つ目は「CG」
CGは写真の代わりとして使われる。まずは写真が撮影できない場所、例えば地面の下や、できあがったら見えなくなるような場所によく使われる。また撮影の許可が下りない、許可をもらうのが面倒といった理由でCGとなることも多い。さらに実物よりCGの方がわかりやすい絵になる場合もCGが選ばれる。例えば一部を半透明にしたりカットモデルのように切り欠いて仕組みや構成の説明など。

CGソフトで作ったストップウォッチ


また、製品とは別に私の得意分野でもあるのだが、架空の街並みのCGを作成しそこに当該製品群がどのように使われているかを説明するCGもある。こういう絵は技術マニュアルにはほとんど使われないが建築・土木系カタログには多い。

この街並みCGは実はなかなか難しいので作れる人は少ない。まずは街を作るので制作するアイテムがとても多い。道路、信号機、街灯、街路樹、ガードレールからビルや橋、さらに車や船、飛行機、建設機械などなど。だが費用は別にしてもこれらは時間をかければ何とかなる。
何より難しいのは掲載するそれぞれの製品の実際の使われ方を理解し、プライオリティに合わせて画面上にバランス良く配置することである。また当たり前だが大きな製品は少し遠くでもよく見えるが小さなものはそうはいかないことなどを考慮して絵をつくることが求められる。またそれらを組み合わせてできあがった街並みが不自然に見えないことも大切だ。
これがけっこう難しい。
私はまずよく知らない製品はその概要を知るところから始める。
それから手描きのスケッチを描く。ライトテーブルを使って何枚もトレースしながら「いい絵」に持っていく。なのでまずは手描きのスケッチが描けないとお話にならない。場合によってはスケッチをクライアントに見せて意見を聞くこともある。そして構図が決まったところで3Dソフトでゴリゴリ作っていく。パースペクティブウィンドウにテンプレートとしてスケッチを貼り付け制作のガイドにする。その際スケッチは見た目は良くても図学上問題のある部分をうまく補正しながらデータ化するのだが、これも意外とむずかしい。

以前こういう街並みCGの作り方を教えてほしいと相談されたことがある。そこで、まずは手描きでスケッチを描くことから、と言ったら、それは苦手なのでスケッチなしで・・・と。うーん、それでは・・・とそれなりにいろいろ教えたがあれから数年経つがもう諦めたかな。手っ取り早く教えてもらってすぐにうまくなる、なんて私には考えられないけどなぁ。

こういう「スイッチ押したら簡単にできる」みたいな考え、そしてそのスイッチの使い方を私にもわかるように私だけに教えてください、みたいな人達って。
違うと思うけどなぁ・・・、と言っても無駄だ。「私には教えられないということですかぁ?」となったりする。困ったものだ。


さてさて、3つ目は「イラスト」
これはCGと同じように仕組みや構成を説明するのによく用いられる。

イラストとCGは使い分けが難しい場合もある。どちらが良いか事前にしっかり検討することで無駄な作業を減らすことが肝要だ。
またCGも見せ方でイラストっぽくできる場合もあれば、逆にイラストもある程度質感を伴ったCGに似た表現が可能な場合もある。


illustratorで作ったガラスの球。illustratorでもこの程度の表現はできる。

「図」の最後が図面である。図面は基本的にクライアントからAuto-CADなどのCADデータ、またはそれらのPDFとして支給されることがほとんどである。通常のデザイナーはそれをそのまま線の太さと文字サイズくらい微調整し掲載する。いやそれすらもやらずにそのまま載せて、これではダメなら元データをクライアントの方で調整してくれ、などと言う。まあ仕方がない、図面を全く理解できないのだから。下手にいじるとその方が怖い。だがそれではダメである。用途や目的の応じて手を加えたり見やすくわかりやすく作り直すことで良い資料ができる。それが私の仕事のやり方だ。だから図面は内容が理解できないとダメだし、目的に応じてどのような図にするかしっかり決めてイラスト化することも大切だ。以前、ケーソンという土木資材のイラスト化を外注のデザイナーに依頼したことがあったが1週間後に無理です、できません、と言ってきた。図面が全く理解できなかったそうだ。それで可哀想にいろいろな人に相談してどうにもならなくなって断ってきたのだろう。仕方がないので自分で作った。同じような断面図が永遠と何十枚も続く図面集を見ながら、やっぱり無理かぁ、と反省。それ以来この手の仕事は自分ですることに決めている。
ちなみにクライアントにもいろいろあって、親切なクライアントなら掲載する部分をマーキングしさらにコメントを記入してくれたりする。たとえばこの絵を掲載したいけどこういう風にして、と。親切なクライアントだ。、
逆に全図面をどかっと送ってきて「コレ見て作ってね」的なクライアントもいる。それで何十枚もの図面をチェックし、必要な部分を抜き出し、イラスト化することになる。こういう丸投げのようなクライアントに限って、図ができあがると途端に注文が増える、あーだこーだが続く。で、せっせと訂正する。ようやくできたかなというところで、やっぱり別の図で・・・と言い出したりする。こういうクライアントはいつも同じで正直少々うんざりすることもあるが、かといってこちらもテキトーとはいかないのがつらいところ。

ま、いろいろと書いたが、結局のところこちらがどれだけ理解しているかで成果品もやり方も大きく異なってくる、という当たり前と言えば当たり前の話。

2023年6月12日月曜日

木工用ボンド(普通、速乾のちがい、タイトボンドとの比較)


 


木工用ボンド

日本では木工用ボンドといえばコニシという会社から出ている、黄色や白の容器のボンドが有名だ。アメリカではタイトボンドというのがスタンダードらしい。

コニシとタイトボンドでは成分が違う。両方とも使ったことがあるが、コニシは粘性が高く、垂直面にも使えるが、タイトボンドは粘性が低いので垂直面はすぐにたれてしまう。

すぐに垂れてしまうが、片手にボンドの容器、片手に筆やヘラで伸ばしながら塗布してゆけば垂直面でも問題なく使える。

強度はどちらがすぐれているとも言えない。単純に接着した部分に徐々に荷重をかけていき、どちらが強いかなら小学生でも試すことができる。おそらくコニシの勝ちだろう。(コニシの方ははみ出した部分は数週間はゴム状で粘性が残るが、数ヶ月経ち完全に硬化するとカチカチになる。タイトボンドは数ヶ月経っても割りと削りやすい。つまりコニシのほうが硬化面は強固といえる)。

だが、強度というのはそれほど単純には決められない。たとえばコニシのボンドは前述の通り接着した部分は何週間も経つとカチカチになる。接着する木よりカチカチである。

こういう場合、衝撃力が加わるとカチカチの部分に応力集中が起こり、破断する可能性が高い。なので硬化後ある程度柔軟性のある方が結果的に強い、ということも起こる。

両方使って私が感じたのは、どちらを使っても十分な強度を持っており、優劣をつける意味はないな、ということだった。むしろ木工製作ではボンドのみに頼らず、ビスケットジョイントなどを併用する必要がある、とこれはどちらを使っても言えることだ。


もうひとつ違いがある、タイトボンドには硬化後耐水性のある屋外使用可能なタイプがある。これはコニシにはないメリットと言えなくもない。だが、水がかかるような、しかも接着面に浸透するほどの水の影響があるところでは、接着面がどうのこうの言う前に木がやられてしまう。木に染み込まないよう十分塗装してあるならコニシでも問題はないだろう。

また、ウッドデッキなどに使われる水に強い木材を使うような場合は、そもそも木材に浸透し接着する木工用ボンドではなく、エポキシ樹脂系の接着剤を使ったほうがよいだろう。


というわけで、値段が何杯もするタイトボンドをわざわざ使う必要はないかな、というのが私の結論だ。


さて、ではこのコニシの木工用ボンドだが、おおきく2種類ある。

普通の木工用ボンドと即乾性木工用ボンドである。成分はほとんどかわらない。含まれている水分量が違う。だが粘性はあまり差がないので、何らかの工夫をしてはいるのだろう。

で、どちらが良いかだが、最終的な接着強度が高いほうがよければ普通の木工用ボンド、紙や薄い木材には速乾性が便利だ。この2種類、硬化後の接着部分の強度はほとんど同じ。だが速乾性は水分が少ないので木材への浸透が普通タイプに比べ少ない。それが接着力の差になる。だが、まあその程度なのであまり神経質になる必要はないだろう。


うちでも2種類用途に応じて使い分けているが、その時の気分みたいなところもある。

このコニシの木工用ボンド、値段は十分安いのでよいが、大量に使うなら大きなボトルがお買い得だ。だが大きなボトルはハンドリングが悪いので、そういうときは小さなボトルがいい。うちでは小さなボトルを一番良く使っているが、半分くらい使ったら中くらいの大きさのボトルから小さなボトルに補給している。

木工用ボンドのボトルはマヨネースやケチャップと同じで、残りが少なくなってくるとボトルを逆さまにしてしばらく待たないと、出てこない。これが結構時間のロスになる。だから小さなボトルは常に8割くらい入っている方が使いやすい。

だから時々中くらいサイズのボトルから補給する。この中くらいも少なくなったら大きなボトルから補給している。

補給の際の注意点がひとつ。コニシのボンドは黄色が普通ボンド、白が速乾性ボンドなのだが、大きなボトルはなぜか色が逆になっている。どうしてこんなことになっているのかコニシの人に聞いてみたいが、まあいい。こちらが気をつければいい。

ちなみに一番小さなボトルが50グラム、中くらいが180グラム、大きいのが750グラム、だったかな。

値段は50グラムのが120円くらいで180グラムは量は3倍以上だが値段は220円くらい。

けちけちしないで50グラムをどんどん買っても大したことはないが、前述の通り、8割くらい入っていないと使いにくいので中くらいを補給用に持っているのがよい。

値段といえば、もう一つ注意点。

このボンド、コクヨがOEMで販売している、中身はコニシと書いてあるから正確にはOEMとすら呼べないが、それはかまわない。問題はコクヨは一番小さな50グラム入をコニシの180グラムの値段で売っていることだ。通販などでボトルの写真を見ただけでは50グラムと180グラムはパッと見、わからない。そこにつけ込んでこの商法。コクヨって嫌な会社だなぁ、と思うのは私だけだろうか?

この50グラム入りのコクヨのボンド、Amazonではさらにすごくなって500円くらいで販売している。プライム会員送料無料だと。呆れてものが言えない。コニシのがお店やヨドバシで120円くらい、Amazonの500円もはや末端価格と呼びたい。



2023年4月16日日曜日

新年度をむかえて

 デザイン事務所を立ち上げたのが2021年の10月だったから、1年半経ったことになる。気持ち的にはもう少し長かったように感じているが、それはいろいろあったからだろう。

このブログも訪問者はほとんどないが、自分自身のために書いているようなものだ。それもいいと思う。そもそも一般受けするようなことは書かないし、あまり書きたいとも思わない。時々写真のことを書いてみたが、これもつまらくなってしまって最近は書いていない。

だが、ここのところ更新がなかったのはブログを書きたくなかったわけではなく、時間がなかったからだ。ほんとうに忙しかった。この忙しさはまだ終わっていない、もう少し続きそうだ。

さて、久しぶりなので前回の記事が2月末だったから、この1ヶ月半のできごとを簡単におさらいしておこう。仕事ばかりしていたので仕事の話が中心になるが。

2月末にWIND EXPOという風力発電に関するイベントのための仕事が2つ入り、おかげで3月中旬まで猛烈に忙しかった。

制作したのは幅3.5mの大きなCGイメージと尺が6分ほどのCGアニメーション。

WIND EXPO

他の仕事をあとに回して、1日15時間くらい働いてなんとか完成した。この間はほんとうに大変だった。変更が多かったこともあるが、制作が佳境に入ったところで、メインで使っているMacStudioが故障するというトラブルもあった。この時慌てずほぼ完璧な対応ができたのはよかったが、問題もあった。今後の教訓に少し詳しく書いておく。


レンダリング計算していたMacStudioが朝落ちていた。おかしいな、と思いながらパワースイッチを押すも起動しない。電源ケーブルを一旦抜き、接続しているハードディスクなどをすべて外し、モニター1台のみ接続の状態でセーフモードで起動を試みるもダメ。

Macは30年も使っているので、機械の故障か、もしくはOSやソフトの不具合かはすぐに見当がつく。確実にハードウェアの故障だと思ったので、急いでAppleに修理の予約を入れた。見てもらわないと確実なことはわからないが、ハードの修理だと1週間以上かかる可能性が高い。一週間メインのMacがなければ確実に風力展の仕事は終わらない。MacStudioの他に家にあるMacはIntel Core7のMacMiniとさらに古いMini、それにM2のMacBook Airの3台。どれも非力でお話にならない。

そこで最悪の事態でもなんとかなるように、急ぎM2proのMiniを入手することにした。ネットで調べると運良くヨドバシの通販に在庫があった。10万円弱の安いMiniは取り寄せだったが20万のM2proの方は在庫ありだった。

故障したMacStudioはM1Ultraだったので、無印のM2では性能差がありすぎて主戦力としては少々辛い。買うならM2proの方かと思っていたのでよかった。すぐに注文し、MacStudioで使っていた3Dソフトのアクティベーション解除の申請をソフト会社に依頼した。

その日の夕方にMacStudioを持って予約した新宿のAppleに行った。予想通り一週間の入院となった。

ふと思い立ち、帰りにヨドバシに寄ると注文したのと同じMiniが店頭在庫ありだった。通販は明日到着予定だった。急ぎ通販をキャンセルし、店頭のMiniを買って帰った。今日セットアップできれば半日早く業務が再開できるからだ。わずか半日の差であるが、それくらい忙しかった。

帰宅後まずはゆっくり夕食を食べ、少し休憩しさっそくセットアップ。なんとかその日のうちに完了した。ロスタイムは1日ちょっとで済んだことになる。これはラッキーだった。だがM2proのMiniの計算スピードはMacStudioのちょうど半分だ。だから3Dの計算は夜中もかけっぱなしで、計算時間を予測し、無駄のないようにスケジュールを組んで仕事をした。ちなみにCore7のMiniはM2proのさらに半分のスピードなので計算には使えなかった。Airは調べていない。ファンが無いのだから速いはずがない。

さて、ここまでは順調で対応も間違いなかったが、問題もあった。新規に購入したMiniの細かな設定に時間がかかったことだ。仕事のデータのバックアップは完璧だが、OSの設定などはバックアップがなかった。これはデータはかけがえがないが、他は再インストールでなんとかなると考えていたからだ。だが今回のように忙しい時に再インストールは辛い。で、考えた。

1.OS付属のバックアップソフト、タイムマシンで起動ボリュームのバックアップも別HDDに取る方法

2.ライブラリデータをマルっとバックアップすることで完全ではないが、ある程度の設定内容を保存しておく方法。

3.もう1台の今回で言うと新しいM2proのMiniに完全な設定をし、それを移行アシスタントで修理から帰ってきたStudioに戻す方法。Studioはその後も使いながら変わっていくので、定期的に今度はMiniの方に移行アシスタントで戻す方法。

いろいろ考え3をメインに2をおまけで採用することにした。理由はStudioが戻ってきた時最も早く作業環境を元に戻せるから。

もちろんStudioの内臓ストレージが修理で交換にならなければそのまま使えるからそれはそれでよい。だが最近のMacのストレージやメモリーはオンボードで交換できない。つまり修理でボードを交換したらまずストレージは初期化されているだろう。だからそれを前提にMiniの設定を丁寧に行なった。これが全ての元になるので。

だから環境構築に時間がかかった。仕事をしながらなので必然的に作業効率が下がるが仕方がない。

1週間後、戻ってきたStudioは予想通りストレージが初期化され、OSも最新版になっていた。

戻ってきたStudioに移行アシスタントでセットアップしているところ、派手!


そんなドタバタがありながらなんとか風力展の仕事は予定通り終わった。だがそれ以降も今まで止まっていた他の仕事をキャッチアップすべく、これまた忙しい日がしばらく続いた。

例年、3月末から4月の中旬は仕事が減る時期なので、このキャッチアップさえしっかりすれば、そのあとは少し楽になるだろうと考えていた。年度末とはじめはクライアントの方が移動やら組織編成やらあいさつまわりやらで忙しいらしく新規の仕事はとても少なくなるので。

だが、どうしたことか今年はちがった。3月中旬以降も仕事の依頼が減らない。うれしいことではあるが、そんなわけでブログどころではなかった。

それでも時間を少しは作って家族と散歩やショッピングには極力出かけるようにはした。週に2度くらい3時間から5時間くらい。それが精一杯だった。

そんな時間を使ってよみうりランドにも行った。

シーチキンGo、夜になると目が光る

3時すこし前に入場し、持っていったお弁当を食べ、私がデザインを担当したシーチキンGoにみんなで乗った。その後園内を散歩して夕方シーチキンの目が光るのを見てから帰宅した。シーチキンGoに乗れたのは良かったが、お弁当食べるなら新宿御苑の方がいいね、と。来月になり少し時間が取れたら行こうね、と言ったが前述の通り忙しくて実現できていない。

他にも計算中に仕事環境の改善をすこしづつ行った。スキャナー台を改造し使いやすくしたり、ワークスペースのレイアウトを少し変更したりした。

上部扉の改良で使いやすくなったスキャナー台

さて、新年度を迎えと言っても個人経営のデザイン事務所で基本12月決算なので、4月に大きな意味はない。だが1月はどうも新しいことを始めるのに向いている時期ではないので、4月新年度に個人的に意味を持たせている。

デザインの仕事のレパートリーを増やしていくことが必要というのが、今年のテーマだ。まあ当たり前のことだが、日々の仕事が忙しいとついついいつもの仕事に忙殺されて「そのうち」となってしまう。それではダメである。絶対ダメである。私は「絶対」という言葉があまり好きではないので、まず使わない。だがここは「絶対」である、絶対ダメだ。

去年水彩を始めたがこれも中途半端なままである。模型の仕事ももう少しなんとかしたい。その他いろいろある。

これらを今年はなんとかしたい。ひとつづつ、ゆっくりでよいが着実に。

だから忙しいけどこれを書いた。


2023年2月22日水曜日

新宿郵便局とクレオパトラ





娘の進学手続きの書類を出すのに日曜だったが当日の消印がほしくて新宿郵便局に行った。休日の郵便受付は2階、娘が手続きしている間待っていた。このあといっしょに買い物の予定。
ベンチに座って待っていると、どうもこの雰囲気、以前どこかにあったような。そう、思い出した、江東区の運転免許試験センターだ。

江東区の運転免許試験センターの免許証を受け取るカウンター前にある食堂「すごい」

共通するのは、なんとも「垢抜けない空間」の一言だ。どうしてこうなるのか待っている間ヒマだったので考えた。

ちなみに運転免許の更新にわざわざこんな辺鄙なところまで行ったのは、うっかり失効してしまったからだ。そもそも免許証には平成34年の誕生日なんて書いてある。もう勘弁してもらいたい。なぜ西暦にできないのかさっぱりわからない。

まあいい、で、郵便局の方がこれ

新宿郵便局、なんとも「郵便局」ぽいというか何というか


娘の手続きを座って待つあいだ考えた、「さて、これはどこから来るのだろうか」。

建築、調度品、サインの3要素で考えてみた。

まずは建築。メリハリがなく全体を沈ませるグレー基調の塗装をベターっと全体に、そして照明の色温度が高く青白い。さらに照度も低い。そうね倉庫の中のような空間づくり。これが一因。

次に調度品つまり家具類。中央にあるテーブル、なぜかテーブルクロスみたいなのがかかっていて非常にダサい。さらにその奥信じられないような色の長椅子。

最後にサイネージ、やたらと貼り紙が多い。しかも素人がマイクロソフトで作ったようなもの。あまりに多すぎる、左側天井からぶら下がっている「セルフコーナーこの先◯m」なんてふざけているようにしか感じられない。右側もとにかくやたら貼り紙だらけだ。極めつけは室内にノボリまで置いてある。この「やたらと貼り紙」というのは運転免許試験場でもすごく気になった。

そして、この建築、調度、サインが相まってこうなるんだなーあ、と。


ブルーグレーの内装に均質低照度な昼光色の色温度の照明だと辛気臭くなる。江戸東京博物館も同じ。

テーブルクロスなどのファブリックをはじめ住宅で使うような家具を置くと確実にダサくなる。

家具の色でインテリアのアクセントカラーにするときはシミュレーションに時間をかけて検討しないと大失敗する。

サイネージは合理的に、いかに少ない情報でわかりやすくするかを考える。貼り紙くらい私でもと素人が手を出したらうまくいかない。


まあ。そんなところ。

次はクレオパトラ。私の書斎にはいくつかポストカードが飾ってある。お気に入りの1枚がこれ。

「クレオパトラの真珠」というオペレッタのポスターのポストカード


オスカーシュトラウス作曲とある。まあ知らない、知らないでもいいだろう。たぶん良いのはオペレッタではなくこのポスターだけのような気がする。

すごくチャーミングなイラストなので気に入って本棚の一等地に置いてある。踊り子風クレオパトラだがそんなことどうでもいいのである。日本ではアメリカ映画の影響か、クレオパトラというとエリザベステーラーのあのイメージである。

コレね。

1963年だったかな、アメリカ映画クレオパトラ



この当時はアメリカは自信満々ですべてを、もう何から何までアメリカ的価値観で塗りつぶしていった。世界も宇宙も過去も未来も。その代表のひとつ。この映画を観ているとクレオパトラはマクドナルドのハンバーガーを食べていたような錯覚に陥る。

で、どうしたわけか日本でもこのイメージが完全定着した。

もう、どれだけステレオタイプなんだー!と叫びたくはならないが、どれもこれも似たり寄ったり。まあ、いいけど。

でも、あのポストカードを見つけて。もうかなり前になるが、「あーこういうのいいな」と思ったものだ。いや単純に「いいな」ではなく、なにかこう救われたような感じすらした。

そう、救われない感じの「運転免許試験センター」や「郵便局」「クレオパトラ」に世の中が「そんなものでしょ」と何も感じなくなっているときに、この「ポストカード」は「そうじゃないのよ」と語りかけてくれたのである。

もう立派に仕事のパートナーといえる。だからものすごく大切にしている。


2023年2月11日土曜日

ポートレート写真と背景

 私が使っているマイクロフォーサーズのカメラは小さく軽く安いのが信条である。ポートレート写真ではフツーはフルサイズでF1.2の明るい85ミリなんぞを使う。そしてモデルはカメラ目線でポーズをとってニッコリみたいな、ね。

ポートレートでは背景をぼかしたいと皆考える。すると前述のフルサイズで明るい中望遠となる。だが、これだと重い。

私もマイクロフォーサーズのカメラで少し明るいF1.4の25ミリでポートレートをフツーに撮ったことがある。背景がボケないのはわかっていたので遠くの景色や場合によっては曇り空を背景にしたりしてみた。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F1.4 SS1/4000 ISO100



それでRAW現像して眺めて、これはどうもそう言うことではないな、とはっきり思った。この写真がツマラナイのはオリンパスの安物が悪いのでもレンズでもなく、撮影に芸がないからだ、と。

そこで、カメラとレンズはそのまま、撮影を工夫した。
幸い軽いカメラなので無理な姿勢でもなんとか撮影できた。そこそこ明るいレンズなのでISO感度も上げずに済んだ。

そうして撮影した写真がこれ。同じモデル。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.2 SS1/100 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.5 SS1/60 ISO200




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F2.2 SS1/60 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F7.1 SS1/200 ISO400



ボケの呪縛から逃れられてすごく良かったと思っている。撮影は疲れたが楽しかった。いろいろ考えて試して、うまくいかなくてまた考えて、と。

ちなみにこのカメラ、600万画素だった。だがレンズと合わせて測定すると実質400万画素程度の品質しかなかったが、それでもA3サイズのプリントでは解像度不足を感じることはなかった。
最近AdobePhotoshop の強化フィルターを使い補完データをA2でプリントしたがこれもまあまあイケた。

最後に、だからマイクロフォーサーズでなんでも対応できるとかフルサイズがいらない、などとは全く考えていない。オリンパスが今は名前も変わったようだが、フルサイズより高画質、みたいなことを言っているのを見聞きするとなんかイヤな会社だなぁ、と正直思うことがある。そういうことではないよなぁ、と。





2023年2月8日水曜日

ミシン糸のケースづくり

 裁縫や革細工の道具は使用頻度が低いのでいままでテキトーに収納していた。縫い糸はキャビネットの引き出しに箱に入れてあったが糸巻きとボビンとでいつもごちゃごちゃで気になっていた。仕事は今年に入ってから結構忙しいのだが、仕事の合間に収納箱を作ることにした。

今回はなぜか材料を全て百均で調達することにした。セリアという百均があって、娘とカミさんが時々利用している。私はいつも近くのベンチに座ってのんびり待っていたのだが、ある日一緒にお店を覗いていると木材を売っているのが目に入った。塗装済みの15センチx45センチ厚さは8ミリくらいの板。あまり品質は良くないがそれがかえって味があっていいかも、と何枚か買って帰り工房用の工具入れを作った。


イイ感じでできたので、さらに材料を買い足し工具入れを10個ほど作った。なにしろ百均である、この箱一つの材料費は250円である。黒っぽい塗装済みの板が2枚と底板用の薄い板が半分で合わせて250円。

この箱、書斎の画材入れにもいいかもと考えさらにいくつか作って書斎でも使っている。


そして次に考えたのがミシン糸のケースだった。ミシン糸は今使っているダイソーという百均で買ったプラスチックの箱に入っているのをそのまま引き出しとして使い、外側をこの木材で作ることにした。

最初に簡単な図面を描いてみた。


作りは単純、まずはその木材で箱の上下と左右を作り接着する。その際裏板用のほぞをトリマーで加工しておく。裏板もセリアで売っているベニヤ板で30センチx45センチだったかな、100円。

箱の端材でレールを作りプラのケースを引き出しとして使う。ちょっと難易度が高いのがトリマーかな。


これが材料、すべて百均で調達。プラスチックの引き出しがダイソーで1つ100円を10個で1000円。その下のプラ板は引き出しの仕切りを作るための厚めのPPシート、ダイソーで100円が2枚で200円。
ケースの板は黒っぽい着色済みの板材、セリアで1枚100円、これを6枚で600円。裏板もセリアのベニヤ板1枚100円、これは1枚で足りた。
さらにセリアで小さな蝶番6個入り100円とダイソーでマグネット8個入り100円、さらに塗料と筆をダイソーで200円。材料費の合計は税込みで2500円くらい。

糸も引き出しから出して並べてみた

全部で50個ほど、この先増えることを考えて全部で80個ほど収納できるようにした。

仕事の合間の作業なのでとてものんびり。箱を作りレールを取り付けるまでに3、4日かかった。

箱を2つ作り蝶番で留めた。板が弱くネジが効きにくいのでセリアの安い蝶番を6個使った。最初にドリルで下穴をあけ、その穴に木工用ボンドを水で薄めたものを何回かそそぎ、補強し蝶番を取り付けた。

その後マグネットを埋め込んだり持ち手を付けたりして完成したケースがこれ。

引き出しは一旦9個にした。これは針山を入れると高さがたりないので。ただしこれははじめからそのつもりだったので問題ない。針山を新たに作ることを前提にしたため。なので新しい針山ができるまではこの状態で使う。

まあまあよくできた、なにしろ材料がすべて百均、「貧乏大作戦」である。

とくにこの木材、とても気に入ったので、次は革細工の道具入れを作る予定である。
革細工のケースの方はプラの引き出しは不要なのでたぶん材料費は2000円くらいだろう。
これと合わせても4500円ということになる。

4500円といえば・・・

先日買ったエーコの「世界文明講義」が4600円、ま、だいたい4500円。
「オペラの20世紀」をようやく読み終わり、次がこれ。
ウンベルト・エーコは「薔薇の名前」が有名だ。ショーンコネリー主演で映画化もされた。映画もいい。猟奇殺人的なテーマで食事をしながら観るような映画ではないけど。
著作としては「もうすぐ絶滅する紙の本について」というのがある。本としての佇まいは良いが中身は今ひとつ、対談だから仕方がないが、エーコの良さはその文体にあり、それが微塵もないのであまりおすすめできない。でもイコンとして本棚に置くのはとても良い。そういう本。ベルベットのバナナアルバムみたいな。


次がファウストのCDとベルトークの青ひげのDVDが合わせてだいたい4500円
ファウストの方はクルターグというハンガリーの作曲家の現代音楽、歌詞も何も知らずに聴くと厳格なバイオリンにあわせて頭がおかしくなった歌手が歌っているような音楽。歌詞を見ながらでないと聴いていられない、でもおもしろい。
青ひげの方は有名なオペラだが今まで敬遠してきた。理由はストーリーがシンプルで、30分くらいのテーマを1時間かけて少々冗長な感じがするので。だが読み終わった「オペラの20世紀」にこの曲に関してとてもおもしろいことが書いてあったので、それでは気を取り直して、とDVDを買ったのだが、あら残念、オペラ公演のライブではなく、ビデオ作品だった。見たかったのは照明と音楽の関係だったのでがっかり。仕方がないのでもう1枚と思って探すとハンニガンのがBlu-rayで出ていた。だがよく見ると演出が大嫌いなワリコウスキーだった。危ない危ない、もう少しでオーダーするところだった。ハッキリ言う、ワリコウスキーは全く才能がない。音楽というものを理解していない。テレビCMでもつくればいい人だと思う。テレビCMのセンスがあると言いたいのではない、私の目の届かない所に消えて欲しいという意味だ。


さらに新しくショッピングバッグ用に買った布地がこれも4500円くらいだった。
ショッピングバッグは昨年いくつか作って近所のスーパーマーケットに行くには充分なのだが、コンパクトに折りたたむことができて、しかも画材屋でA2サイズのボードを買ったときに持って帰るのが楽なバッグが欲しいのでもう一つ作ることにした。コンパクトとA2と街歩きがキーワードである。つまり大きくて軽くておしゃれなことが求められる。そこで布地を丈夫そうだが少し薄手のものを選び、色使いにこだわった。で、先日新宿に散歩に行ったときにオカダヤで購入した布地。たぶん使うのは購入した半分以下だが、布地はいつも多めに買うことにしている。だからウチには布地の入った段ボールが10箱くらいある。今回はショルダーベルトも布地で作る予定。

さて、何が言いたいのか自分でもサッパリわからないが、ま、近況を書いておくのもよいかと。





2023年1月30日月曜日

Auto-CADをShade3Dに読み込む方法と注意点

取り壊して再開発される新宿の小田急百貨店

先日新宿に行ったとき小田急百貨店の写真を撮っておいた。つまらない写真だがこの風景も見納めとなるだろう。地下では工事用の仮囲いがどんどん増えている。すでに全店舗は退店して一部はハルクなどに移っている。ここもすぐに足場が組まれ、解体が始まるだろう。

さて、今日はAuto-CADの2次元データをShade3Dに下絵として読み込んで活用する方法と注意点について。

 Shade3DでAuto-CADのdwgデータは直接読み込むことはできないが、イラストレーターでは読み込むことができる。そこでdwgを一旦イラストレーターで読み込み、それをベクターのepsで書き出せばShade3Dに読み込むことができる。

つまり要求元や作図者にいちいちDXFに変換してもらわなくてもShade3Dへインポートできるので便利だ。

だが注意点が2つある。今日はその注意点についてのメモ。それは読み込む際の縮尺の指定とイラストレータでの線の透明度の確認である。では順に。

1.イラストレーターで読み込む際の縮尺指定

通常CADというのは原寸で入力してある。つまりCAD上で長さを測れば1mのものは1mつまり1000mm、100mなら100000mmとなっている。だがイラストレーターのアードボードはあまり大きくできない。そこで読み込む際に「アートボードに合わせて拡大・縮小」を選択する。だがこれだと縮尺がわからなくなる。

そこでおすすめは縮尺に1%や0.1%などとその図面の縮尺を入力して読み込む方法だ。

1/100なら1%、1/1000なら0.1%である。図面の縮尺がわからなければ1%で試してみて小さすぎたり大きすぎたら変更してもう一度やり直せばいい。



そしてこれをShade3Dのファイル>インポート>EPSFを選択して読み込む。そして読み込んだらすぐに正しい縮尺に変更する。イラストレーターで1%で読み込んだのなら、Shade3Dで移動>数値入力で100倍にすればよい。


ただし100倍にするときはまだ他に形状データがないからといってブラウザのRootパートを選んで100倍してはだめだ。Rootつまり全パートの座標変換によりこのあと作業がしにくくなる。

読み込んだEPSデータのパートを選んで100倍する。さらに拡大が終わったあとでこのパートの座標変換のリセットをしておけばより安心だろう。


2イラストレーターでの線の透明度の影響

dwgデータを変換してShade3Dに渡す際、全てのレイヤー、形状をひとまとめで変換して渡すのはあまりよいやり方とは言えない。イラストレーターでひと手間かけておいた方がその後のShade3Dの作業が楽になる。

たとえば不要なデータの削除、ハッチングの削除、破線を実線にするなど。特に破線はShade3Dに読み込むと1本の線にはならず、バラバラに分解して大量の線データになるので場合によっては非常に面倒になる。またデータも重くなる。だから必ず全線データを実線に変更する。

また、1枚の図面に平面図、立面図、断面図が描かれているような場合は、それぞれ別のイラストレータデータにしてからEPSに変換する。この平面と立面を分ける作業、イラストレータでやれば簡単だが、Shade3Dにインポートしてからはかなり面倒な作業となる。

まあ、このあたりは何度か使ったことのある人ならよく知っているルールかもしれない。

このイラストレーターでひと手間かける作業のとき、塗りを削除して線を単色に変更したりもする。また、読み込んだ形状がそのままでは使えないのでイラストレーター上でトレースしたりして新たに形状を加えることもある。

問題は、その際、線の透明度を変更するとShade3Dに読み込んだときに結果が異なってくる点だ。

まずは不透明度100%のとき


ここではわかりやすいように太線の正方形1つだけとしている。もちろん実際の図面はもっと多くの情報を持っている。

この線分は不透明度100%、つまり透明度ゼロである。これをEPSで保存したものをShade3Dで読み込むとこのようになる。


次に透明度を50%(不透明度50%)の場合


これを同様にShade3Dに読み込むと


線の太さを反映した二重線となって読み込まれる。


通常は二重線になっては困るので、書き出す前に線の不透明度をすべて100%にすることを忘れないようにしたい。ただしこの二重線が便利な場合もある。白線の位置をCADで単線で標記してあるような場合、これをイラストレーターの線分のオフセットなど使わずに不透明度を少し下げ、線の太さを調整して書き出せばよい。

最悪なのは破線を実線に変更せず、少し透明にして無意識に書き出すと図面によってはすごいデータ量になる。



2023年1月27日金曜日

シグマDP2Merrillとトーレンスのアナログレコードプレーヤー



シグマのDP2Merrillというカメラで撮った写真。
トーレンスのレコードプレーヤー、オルトフォンのカートリッジ、ヘルゲリエントリオのレコード。

このカメラはISO感度が400までしか使えない。400でもかなりノイズが多く、800ではお話しにならない。
なので渋い絵が撮れるカメラなのに明るくしないと撮影できない、という撮影者にストレスを感じさせるのを目的に作ったようなカメラ。もちろんシグマはそんなこと目指してないだろうが。だが私にとっては明るい陽の当たる外ではつまらない写真しか撮れないので、日陰や暗いところに持っていく。だが前述の通りISO感度が上げられない。

でもなぜか憎めないのは時々このカメラならではのいい絵が撮れるから。

スマホのカメラが便利になって撮影者は何も考えずにパシャパシャ撮れば、スマホがうまいこと調整してくれる。しかも重いカメラを持っていく必要もない。撮れた写真もぱっと見はイイ感じ。これが「今」という時代なのだろう。

だが、考えてみればフイルムカメラの時代はISO感度は400までだった。800や1600もあったが使いもものにはならなかった。
それでも写真好きは工夫と根性で写真を撮っていた。
いや、むしろ当時の方がいい写真が多かったかもしれない。

そう考えるとこのカメラ、放り投げずに壊れるまで使おう、と思うのだ。



そう、レコードも同じ。真空管アンプ3台のスイッチを入れ、レコードプレーヤーのまわりをきれいに拭いて、手を石けんで洗って、レコードをターンテーブルにのせる。レコードクリーナーで丁寧に盤面のホコリを取り除き、カートリッジの針先を柔らかいブラシで掃除する。モーターのスイッチを入れ、ターンテーブルを少し手で回して助けてあげて、回転が落ち着いたらレコードにそっと針を落とす。プリアンプのボリュームを徐々に上げ、ソファに腰掛けじっくりと聴く。

スマホやBOSEなどでスイッチポンですぐに聴ける音楽とは明らかに異なる時間の過ごし方がここにある。

そう考えるとこのレコード、放り投げずに壊れるまで使おう、と思うのだ。


ちなみにこの写真のISO感度設定は800。白黒写真では800まで上げられる。

その後注文してあった本が届いたので写真を撮ってみた。これもDP2Merrillで。ただしISO感度は400にした。


ウンベルト・エーコの「世界文明講義」。読むのが楽しみだ。最近仕事が忙しく読書の時間がなかなか取れない。「オペラの20世紀」もまだ読み終わっていない。
そもそも打合せの電車で移動時や病院での待合いだけでは進まないのも当然だ。
夕食後の仕事の前に読書の時間を設けることにした。
 

2023年1月16日月曜日

色見本帳


デザインの仕事では色はとても重要な要素だ。

クライアントから色の指示が出ることもある。大抵はこんな色で、と大雑把な指示が多い。私はそれをモニターでチェックしながら実際の色に置き換えていく。もちろん1から自分で決めて提案することもある、むしろその方が多い。

ここで言う実際の色とは「塗料」や「プリントの指定色」のことである。

プリントの指定色はコンピューターのソフトできちんと色管理をし、印刷屋さんに渡せば良い。もちろんそう簡単ではないが、ここでは省く。

今日の話は塗料の色の方。塗料の色は限りある塗料の標準色から指定する必要がある。そしてこの標準色は国によって異なる。国と言っても、主に日本とアメリカとヨーロッパの3地域だ。その他は知らない。

日本は日本塗料工業会、通称「日塗工」の色見本帳から選ぶ。写真の左下の3冊。3種類別のものがあるのではなく同じものが3つ。正確にはその年によって微妙に異なる。また大きめのものは色は同じだが1色1ページでミシン目が入っていてカラースキームづくりに利用できる。

アメリカはパントーンが標準だ。写真右下の2冊。こちらは2冊で1セット。

ヨーロッパはRALが標準、写真右上の2冊。これも2種類別のもの。

さて、このうち色数が最も少ないのは日塗工なので、場合によってはもっと別の色見本を参考にすることがある。たとえばDIC色見本(写真左上の2段の箱)など。だが塗装屋さんはDICは勘弁してください、というところがほとんどなので、そうなると日塗工で苦労して選ぶことになる。

特に遊園地のデザインの場合はパステルカラーの利用がとても多い。ピンクや紫色など。だがこれらの色は他ではほとんど使わない。だから色数が少ない日塗工ではとても苦労する。それに、なるべく近い色を決めてポンッおしまい、のような単純な色決めもできない。どういうことかというと、カラーデザインは単色ではなく色の組合せなので隣の色との対比がとても大切だから。例えばライトブルーとベージュの組合せがあったとする。それぞれRALで色が指定されているが、これを日塗工に置き換えなけれならないとしよう。ライトブルーもベージュもそれぞれ近似色で日塗工に置き換えるのはそれほど難しくはない。だがそうやってできあがった色の組合せがどうもしっくりこないというのはよくある。そこでライトブルーは変えずにベージュを別の色に変えてみる。あまりオリジナルから離れてしまってはダメだ。色見本帳との睨めっこが始まる。ベージュを変えずにライトブルーを変えるのはどうか、両方とも変えたらどうか、と睨めっこが続くのである。

その点でもパントーンやRALは色数が多く、日塗工よりはるかに優れているように感じる。少しうらやましい。

日本は何を作るときも決めるときも、ギリギリ、悪く言うと「ちまちま」作るのが好きだ。

道路も鉄道も、オフィスも住宅も冷蔵庫も何もかも。それで社会や生活が変わって容量や速度や幅を増やす必要が生じたとしても、そのちまちま規格の中でなんとか対応しようと、ものすごく苦労する。少しゆとりで作っておけば簡単に対応できるのに、それができないので、ここをこうやってあそこをああやってと「ちまちま」対応する。労力はすごくかかるが、予算は「ちまちま」なので、わずかなお金ですごく苦労する人が出てくる。

日塗工は最低限の色だけ決めて、その中でなんとかやりくりしようとする「日本の性格」が良く表れた例と思う。だからしょっちゅう改訂する。なんと毎年少しずつ色が変わる。よせばいいのに、と思う。色が変わるのにはもう一つ理由がある。この色見本を作っているのは社団法人で、社団法人というのは会員企業の会費と国や地方公共団体からの委託業務、それに出版物などの販売で運営している。つまりお金があまりない。だから色見本帳をちょこちょこ変えて少しでも売り上げを増やすしか生きていく方法がないのだと思う。以前、私も社団法人に会員として属していたことがあったが、財団などにくらべ、お話しにならないくらいお金がなかった。すべてが「ちまちま」になるのに十分な土壌ができている。

アメリカのパントーンやヨーロッパのRALはあまり頻繁に色が変わる印象はない。RALなんてベーシックは日塗工と同じくらいの色数だったと思うが、イイ色が多い。それだけでもうらやましい。RALにはベーシックのKの他にDがあってトータルの色数は多い。

ちなみに日本のデザイナーである私がパントーンやRALを持っているのは、製造するメーカーがアメリカやヨーロッパの場合は日塗工での指定はできないから、当然だね。

アメリカのメーカーに色指定をするときはパントーンで、ヨーロッパならRALとなる。だから色見本帳は全部必要になる。

色見本帳は結構値段も高いが必需品なのでしかたがない。

ちなみにこの中で一番高いのはRALのD2で3万5千円くらい。RALはよく使うK7は3千円。私は持っていないがミシン目の入ったK5というのもある。

パントーンは2冊で2万5千円くらい。

我らが日塗工は標準的なカラーサンプルが3千円、ミシン目入りの大きいのが1万円ちょっとかな。あとDICは1箱1万5千円が2箱、その他に私は持っていないが伝統色シリーズがいくつかある。

時々クライアントからRALの00は日塗工だとどれが近い?みたいな問い合わせもある。

もう少し日塗工の色数があったらいいのに、と思うことが多い。 

色見本帳にはこれら塗料の色見本の他に、デザインで使うものには、紙の色見本、塩ビやアクリルなどプラスチックの色見本、カラーシートの色見本等がある。また特定メーカーの商品の色見本というのもある。

ペーパーレス化でカタログや仕様書などの書類は電子化されパソコンの中やネットで調べることができても、カラーサンプルはそういう訳にはいかないものが多い。

2023年1月15日日曜日

モニターの高さと人体モデル

 今年も仕事環境を少しずつ良くしていきたいな、などと考えていて最も重要なワーキングデスクの検証をすることにした。

今の制作環境について少し書くと、Macは4台。1台は仕事でメインに使うMacStudio。これに27インチモニターを3台つないである。次がMacMini、MacStudioが忙しいときなどにメールなどでつかう。上の2台の23インチモニターをつないである。

あとは50インチモニターにつないであるMiniが1台と、ノートパソコン1台の計4台。

今回検討するのはワーキングデスクのMacStudioとMacMiniの2台だ。そして昨年いろいろ検討した結果、今のモニター5台体制になったのだが、上の2台のモニターを見上げているとやはり首が疲れる。

現状のモニターレイアウト

メインの作業はあくまでMacStudioにつないである下の3台で、MacMiniにつないである上の2台は音楽をかけたりMacStudioが計算で忙しいときに少し使う程度だから現状のレイアウトでも大きな不満はない。

でも計算が長引くとメールのやりとりなどで少々辛くなる。また、最近音楽のプレイリストの編集をはじめたのだが、これが長時間のモニターの見上げで結構疲れる。

そこで、現状確認と改良案の検討のためadobeイラストレーターで図を描いてみることにした。

adobeイラストレーターで描いてみた

ところが高さが合わない。人体モデルはドイツのステッドラー社の人体定規を参考に、その他WEBの様々な画像を使って作ったモデルで、仕事でも時々使う。

だが、合わない。何度も寸法をチェックしながら調整しても合わない。

そこで人体モデルを疑った。もともとこのモデルはユニセックスで考えていたので身長は165センチ程度を想定していた。だから身長175センチの人に合わせるには6%程度拡大すればよいだろうと考え、今回もそのようにしてイスに座っている形に調整した。

だが図のように目線がモニターより高くなる。イスの高さを測り直してモニターの位置や大きさをチェックしても合わない。

そこで今さらながら人体モデルのチェックをすることにした。

自分自身の寸法を測りながら修正を加えた。その結果がこれ

左がオリジナル、右が修正イメージ。私は特にスタイルが良いわけでも足が長い訳でもないが、どうもかなり昔に作られた様々な人体モデルが今の人類の形状に合っていないのでは、と考えるようになった。

この修正モデルを使ってモニター前に座った図を作り直したのがこれ

作り直したモニター前の座像


ばっちり合った。ちょうどモニターの上部フレームが目の高さと合っている。実際にはもう少しイスに深く座ったりすると目線は下がってくるが、この図なら問題ない。

繰り返すが私は身長175センチ、特別背が高くも低くもない。また、洋品店でフリーサイズがぴったり合うような標準的な体格である。

これはどう考えても一般に社会に流通している人体モデルが今の人類に合っていないと考えるべきだろう。もちろん人により身長やプロポーションは様々なのは言うまでもない。だが平均像というのは存在する。

ネットで日本人の身長を調べると、総務省のレポートで女性160センチ、男性170センチ程度だった。こういう人体モデルはそれより少し背を高めで作るので男性175センチは正解と言えるだろう。

あとは手足の長さや頭の大きさなどの信頼できるデータがどこかにあると良いのだが、今回は時間もないので、ここまで。

モニター5台の位置関係の検討をするつもりだったが、人体モデルに時間がかかってしまったので、検討まで進めなかった。

この続きはまた後日としよう。