2023年2月22日水曜日

新宿郵便局とクレオパトラ





娘の進学手続きの書類を出すのに日曜だったが当日の消印がほしくて新宿郵便局に行った。休日の郵便受付は2階、娘が手続きしている間待っていた。このあといっしょに買い物の予定。
ベンチに座って待っていると、どうもこの雰囲気、以前どこかにあったような。そう、思い出した、江東区の運転免許試験センターだ。

江東区の運転免許試験センターの免許証を受け取るカウンター前にある食堂「すごい」

共通するのは、なんとも「垢抜けない空間」の一言だ。どうしてこうなるのか待っている間ヒマだったので考えた。

ちなみに運転免許の更新にわざわざこんな辺鄙なところまで行ったのは、うっかり失効してしまったからだ。そもそも免許証には平成34年の誕生日なんて書いてある。もう勘弁してもらいたい。なぜ西暦にできないのかさっぱりわからない。

まあいい、で、郵便局の方がこれ

新宿郵便局、なんとも「郵便局」ぽいというか何というか


娘の手続きを座って待つあいだ考えた、「さて、これはどこから来るのだろうか」。

建築、調度品、サインの3要素で考えてみた。

まずは建築。メリハリがなく全体を沈ませるグレー基調の塗装をベターっと全体に、そして照明の色温度が高く青白い。さらに照度も低い。そうね倉庫の中のような空間づくり。これが一因。

次に調度品つまり家具類。中央にあるテーブル、なぜかテーブルクロスみたいなのがかかっていて非常にダサい。さらにその奥信じられないような色の長椅子。

最後にサイネージ、やたらと貼り紙が多い。しかも素人がマイクロソフトで作ったようなもの。あまりに多すぎる、左側天井からぶら下がっている「セルフコーナーこの先◯m」なんてふざけているようにしか感じられない。右側もとにかくやたら貼り紙だらけだ。極めつけは室内にノボリまで置いてある。この「やたらと貼り紙」というのは運転免許試験場でもすごく気になった。

そして、この建築、調度、サインが相まってこうなるんだなーあ、と。


ブルーグレーの内装に均質低照度な昼光色の色温度の照明だと辛気臭くなる。江戸東京博物館も同じ。

テーブルクロスなどのファブリックをはじめ住宅で使うような家具を置くと確実にダサくなる。

家具の色でインテリアのアクセントカラーにするときはシミュレーションに時間をかけて検討しないと大失敗する。

サイネージは合理的に、いかに少ない情報でわかりやすくするかを考える。貼り紙くらい私でもと素人が手を出したらうまくいかない。


まあ。そんなところ。

次はクレオパトラ。私の書斎にはいくつかポストカードが飾ってある。お気に入りの1枚がこれ。

「クレオパトラの真珠」というオペレッタのポスターのポストカード


オスカーシュトラウス作曲とある。まあ知らない、知らないでもいいだろう。たぶん良いのはオペレッタではなくこのポスターだけのような気がする。

すごくチャーミングなイラストなので気に入って本棚の一等地に置いてある。踊り子風クレオパトラだがそんなことどうでもいいのである。日本ではアメリカ映画の影響か、クレオパトラというとエリザベステーラーのあのイメージである。

コレね。

1963年だったかな、アメリカ映画クレオパトラ



この当時はアメリカは自信満々ですべてを、もう何から何までアメリカ的価値観で塗りつぶしていった。世界も宇宙も過去も未来も。その代表のひとつ。この映画を観ているとクレオパトラはマクドナルドのハンバーガーを食べていたような錯覚に陥る。

で、どうしたわけか日本でもこのイメージが完全定着した。

もう、どれだけステレオタイプなんだー!と叫びたくはならないが、どれもこれも似たり寄ったり。まあ、いいけど。

でも、あのポストカードを見つけて。もうかなり前になるが、「あーこういうのいいな」と思ったものだ。いや単純に「いいな」ではなく、なにかこう救われたような感じすらした。

そう、救われない感じの「運転免許試験センター」や「郵便局」「クレオパトラ」に世の中が「そんなものでしょ」と何も感じなくなっているときに、この「ポストカード」は「そうじゃないのよ」と語りかけてくれたのである。

もう立派に仕事のパートナーといえる。だからものすごく大切にしている。


2023年2月11日土曜日

ポートレート写真と背景

 私が使っているマイクロフォーサーズのカメラは小さく軽く安いのが信条である。ポートレート写真ではフツーはフルサイズでF1.2の明るい85ミリなんぞを使う。そしてモデルはカメラ目線でポーズをとってニッコリみたいな、ね。

ポートレートでは背景をぼかしたいと皆考える。すると前述のフルサイズで明るい中望遠となる。だが、これだと重い。

私もマイクロフォーサーズのカメラで少し明るいF1.4の25ミリでポートレートをフツーに撮ったことがある。背景がボケないのはわかっていたので遠くの景色や場合によっては曇り空を背景にしたりしてみた。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F1.4 SS1/4000 ISO100



それでRAW現像して眺めて、これはどうもそう言うことではないな、とはっきり思った。この写真がツマラナイのはオリンパスの安物が悪いのでもレンズでもなく、撮影に芸がないからだ、と。

そこで、カメラとレンズはそのまま、撮影を工夫した。
幸い軽いカメラなので無理な姿勢でもなんとか撮影できた。そこそこ明るいレンズなのでISO感度も上げずに済んだ。

そうして撮影した写真がこれ。同じモデル。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.2 SS1/100 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.5 SS1/60 ISO200




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F2.2 SS1/60 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F7.1 SS1/200 ISO400



ボケの呪縛から逃れられてすごく良かったと思っている。撮影は疲れたが楽しかった。いろいろ考えて試して、うまくいかなくてまた考えて、と。

ちなみにこのカメラ、600万画素だった。だがレンズと合わせて測定すると実質400万画素程度の品質しかなかったが、それでもA3サイズのプリントでは解像度不足を感じることはなかった。
最近AdobePhotoshop の強化フィルターを使い補完データをA2でプリントしたがこれもまあまあイケた。

最後に、だからマイクロフォーサーズでなんでも対応できるとかフルサイズがいらない、などとは全く考えていない。オリンパスが今は名前も変わったようだが、フルサイズより高画質、みたいなことを言っているのを見聞きするとなんかイヤな会社だなぁ、と正直思うことがある。そういうことではないよなぁ、と。





2023年2月8日水曜日

ミシン糸のケースづくり

 裁縫や革細工の道具は使用頻度が低いのでいままでテキトーに収納していた。縫い糸はキャビネットの引き出しに箱に入れてあったが糸巻きとボビンとでいつもごちゃごちゃで気になっていた。仕事は今年に入ってから結構忙しいのだが、仕事の合間に収納箱を作ることにした。

今回はなぜか材料を全て百均で調達することにした。セリアという百均があって、娘とカミさんが時々利用している。私はいつも近くのベンチに座ってのんびり待っていたのだが、ある日一緒にお店を覗いていると木材を売っているのが目に入った。塗装済みの15センチx45センチ厚さは8ミリくらいの板。あまり品質は良くないがそれがかえって味があっていいかも、と何枚か買って帰り工房用の工具入れを作った。


イイ感じでできたので、さらに材料を買い足し工具入れを10個ほど作った。なにしろ百均である、この箱一つの材料費は250円である。黒っぽい塗装済みの板が2枚と底板用の薄い板が半分で合わせて250円。

この箱、書斎の画材入れにもいいかもと考えさらにいくつか作って書斎でも使っている。


そして次に考えたのがミシン糸のケースだった。ミシン糸は今使っているダイソーという百均で買ったプラスチックの箱に入っているのをそのまま引き出しとして使い、外側をこの木材で作ることにした。

最初に簡単な図面を描いてみた。


作りは単純、まずはその木材で箱の上下と左右を作り接着する。その際裏板用のほぞをトリマーで加工しておく。裏板もセリアで売っているベニヤ板で30センチx45センチだったかな、100円。

箱の端材でレールを作りプラのケースを引き出しとして使う。ちょっと難易度が高いのがトリマーかな。


これが材料、すべて百均で調達。プラスチックの引き出しがダイソーで1つ100円を10個で1000円。その下のプラ板は引き出しの仕切りを作るための厚めのPPシート、ダイソーで100円が2枚で200円。
ケースの板は黒っぽい着色済みの板材、セリアで1枚100円、これを6枚で600円。裏板もセリアのベニヤ板1枚100円、これは1枚で足りた。
さらにセリアで小さな蝶番6個入り100円とダイソーでマグネット8個入り100円、さらに塗料と筆をダイソーで200円。材料費の合計は税込みで2500円くらい。

糸も引き出しから出して並べてみた

全部で50個ほど、この先増えることを考えて全部で80個ほど収納できるようにした。

仕事の合間の作業なのでとてものんびり。箱を作りレールを取り付けるまでに3、4日かかった。

箱を2つ作り蝶番で留めた。板が弱くネジが効きにくいのでセリアの安い蝶番を6個使った。最初にドリルで下穴をあけ、その穴に木工用ボンドを水で薄めたものを何回かそそぎ、補強し蝶番を取り付けた。

その後マグネットを埋め込んだり持ち手を付けたりして完成したケースがこれ。

引き出しは一旦9個にした。これは針山を入れると高さがたりないので。ただしこれははじめからそのつもりだったので問題ない。針山を新たに作ることを前提にしたため。なので新しい針山ができるまではこの状態で使う。

まあまあよくできた、なにしろ材料がすべて百均、「貧乏大作戦」である。

とくにこの木材、とても気に入ったので、次は革細工の道具入れを作る予定である。
革細工のケースの方はプラの引き出しは不要なのでたぶん材料費は2000円くらいだろう。
これと合わせても4500円ということになる。

4500円といえば・・・

先日買ったエーコの「世界文明講義」が4600円、ま、だいたい4500円。
「オペラの20世紀」をようやく読み終わり、次がこれ。
ウンベルト・エーコは「薔薇の名前」が有名だ。ショーンコネリー主演で映画化もされた。映画もいい。猟奇殺人的なテーマで食事をしながら観るような映画ではないけど。
著作としては「もうすぐ絶滅する紙の本について」というのがある。本としての佇まいは良いが中身は今ひとつ、対談だから仕方がないが、エーコの良さはその文体にあり、それが微塵もないのであまりおすすめできない。でもイコンとして本棚に置くのはとても良い。そういう本。ベルベットのバナナアルバムみたいな。


次がファウストのCDとベルトークの青ひげのDVDが合わせてだいたい4500円
ファウストの方はクルターグというハンガリーの作曲家の現代音楽、歌詞も何も知らずに聴くと厳格なバイオリンにあわせて頭がおかしくなった歌手が歌っているような音楽。歌詞を見ながらでないと聴いていられない、でもおもしろい。
青ひげの方は有名なオペラだが今まで敬遠してきた。理由はストーリーがシンプルで、30分くらいのテーマを1時間かけて少々冗長な感じがするので。だが読み終わった「オペラの20世紀」にこの曲に関してとてもおもしろいことが書いてあったので、それでは気を取り直して、とDVDを買ったのだが、あら残念、オペラ公演のライブではなく、ビデオ作品だった。見たかったのは照明と音楽の関係だったのでがっかり。仕方がないのでもう1枚と思って探すとハンニガンのがBlu-rayで出ていた。だがよく見ると演出が大嫌いなワリコウスキーだった。危ない危ない、もう少しでオーダーするところだった。ハッキリ言う、ワリコウスキーは全く才能がない。音楽というものを理解していない。テレビCMでもつくればいい人だと思う。テレビCMのセンスがあると言いたいのではない、私の目の届かない所に消えて欲しいという意味だ。


さらに新しくショッピングバッグ用に買った布地がこれも4500円くらいだった。
ショッピングバッグは昨年いくつか作って近所のスーパーマーケットに行くには充分なのだが、コンパクトに折りたたむことができて、しかも画材屋でA2サイズのボードを買ったときに持って帰るのが楽なバッグが欲しいのでもう一つ作ることにした。コンパクトとA2と街歩きがキーワードである。つまり大きくて軽くておしゃれなことが求められる。そこで布地を丈夫そうだが少し薄手のものを選び、色使いにこだわった。で、先日新宿に散歩に行ったときにオカダヤで購入した布地。たぶん使うのは購入した半分以下だが、布地はいつも多めに買うことにしている。だからウチには布地の入った段ボールが10箱くらいある。今回はショルダーベルトも布地で作る予定。

さて、何が言いたいのか自分でもサッパリわからないが、ま、近況を書いておくのもよいかと。





2023年1月30日月曜日

Auto-CADをShade3Dに読み込む方法と注意点

取り壊して再開発される新宿の小田急百貨店

先日新宿に行ったとき小田急百貨店の写真を撮っておいた。つまらない写真だがこの風景も見納めとなるだろう。地下では工事用の仮囲いがどんどん増えている。すでに全店舗は退店して一部はハルクなどに移っている。ここもすぐに足場が組まれ、解体が始まるだろう。

さて、今日はAuto-CADの2次元データをShade3Dに下絵として読み込んで活用する方法と注意点について。

 Shade3DでAuto-CADのdwgデータは直接読み込むことはできないが、イラストレーターでは読み込むことができる。そこでdwgを一旦イラストレーターで読み込み、それをベクターのepsで書き出せばShade3Dに読み込むことができる。

つまり要求元や作図者にいちいちDXFに変換してもらわなくてもShade3Dへインポートできるので便利だ。

だが注意点が2つある。今日はその注意点についてのメモ。それは読み込む際の縮尺の指定とイラストレータでの線の透明度の確認である。では順に。

1.イラストレーターで読み込む際の縮尺指定

通常CADというのは原寸で入力してある。つまりCAD上で長さを測れば1mのものは1mつまり1000mm、100mなら100000mmとなっている。だがイラストレーターのアードボードはあまり大きくできない。そこで読み込む際に「アートボードに合わせて拡大・縮小」を選択する。だがこれだと縮尺がわからなくなる。

そこでおすすめは縮尺に1%や0.1%などとその図面の縮尺を入力して読み込む方法だ。

1/100なら1%、1/1000なら0.1%である。図面の縮尺がわからなければ1%で試してみて小さすぎたり大きすぎたら変更してもう一度やり直せばいい。



そしてこれをShade3Dのファイル>インポート>EPSFを選択して読み込む。そして読み込んだらすぐに正しい縮尺に変更する。イラストレーターで1%で読み込んだのなら、Shade3Dで移動>数値入力で100倍にすればよい。


ただし100倍にするときはまだ他に形状データがないからといってブラウザのRootパートを選んで100倍してはだめだ。Rootつまり全パートの座標変換によりこのあと作業がしにくくなる。

読み込んだEPSデータのパートを選んで100倍する。さらに拡大が終わったあとでこのパートの座標変換のリセットをしておけばより安心だろう。


2イラストレーターでの線の透明度の影響

dwgデータを変換してShade3Dに渡す際、全てのレイヤー、形状をひとまとめで変換して渡すのはあまりよいやり方とは言えない。イラストレーターでひと手間かけておいた方がその後のShade3Dの作業が楽になる。

たとえば不要なデータの削除、ハッチングの削除、破線を実線にするなど。特に破線はShade3Dに読み込むと1本の線にはならず、バラバラに分解して大量の線データになるので場合によっては非常に面倒になる。またデータも重くなる。だから必ず全線データを実線に変更する。

また、1枚の図面に平面図、立面図、断面図が描かれているような場合は、それぞれ別のイラストレータデータにしてからEPSに変換する。この平面と立面を分ける作業、イラストレータでやれば簡単だが、Shade3Dにインポートしてからはかなり面倒な作業となる。

まあ、このあたりは何度か使ったことのある人ならよく知っているルールかもしれない。

このイラストレーターでひと手間かける作業のとき、塗りを削除して線を単色に変更したりもする。また、読み込んだ形状がそのままでは使えないのでイラストレーター上でトレースしたりして新たに形状を加えることもある。

問題は、その際、線の透明度を変更するとShade3Dに読み込んだときに結果が異なってくる点だ。

まずは不透明度100%のとき


ここではわかりやすいように太線の正方形1つだけとしている。もちろん実際の図面はもっと多くの情報を持っている。

この線分は不透明度100%、つまり透明度ゼロである。これをEPSで保存したものをShade3Dで読み込むとこのようになる。


次に透明度を50%(不透明度50%)の場合


これを同様にShade3Dに読み込むと


線の太さを反映した二重線となって読み込まれる。


通常は二重線になっては困るので、書き出す前に線の不透明度をすべて100%にすることを忘れないようにしたい。ただしこの二重線が便利な場合もある。白線の位置をCADで単線で標記してあるような場合、これをイラストレーターの線分のオフセットなど使わずに不透明度を少し下げ、線の太さを調整して書き出せばよい。

最悪なのは破線を実線に変更せず、少し透明にして無意識に書き出すと図面によってはすごいデータ量になる。



2023年1月27日金曜日

シグマDP2Merrillとトーレンスのアナログレコードプレーヤー



シグマのDP2Merrillというカメラで撮った写真。
トーレンスのレコードプレーヤー、オルトフォンのカートリッジ、ヘルゲリエントリオのレコード。

このカメラはISO感度が400までしか使えない。400でもかなりノイズが多く、800ではお話しにならない。
なので渋い絵が撮れるカメラなのに明るくしないと撮影できない、という撮影者にストレスを感じさせるのを目的に作ったようなカメラ。もちろんシグマはそんなこと目指してないだろうが。だが私にとっては明るい陽の当たる外ではつまらない写真しか撮れないので、日陰や暗いところに持っていく。だが前述の通りISO感度が上げられない。

でもなぜか憎めないのは時々このカメラならではのいい絵が撮れるから。

スマホのカメラが便利になって撮影者は何も考えずにパシャパシャ撮れば、スマホがうまいこと調整してくれる。しかも重いカメラを持っていく必要もない。撮れた写真もぱっと見はイイ感じ。これが「今」という時代なのだろう。

だが、考えてみればフイルムカメラの時代はISO感度は400までだった。800や1600もあったが使いもものにはならなかった。
それでも写真好きは工夫と根性で写真を撮っていた。
いや、むしろ当時の方がいい写真が多かったかもしれない。

そう考えるとこのカメラ、放り投げずに壊れるまで使おう、と思うのだ。



そう、レコードも同じ。真空管アンプ3台のスイッチを入れ、レコードプレーヤーのまわりをきれいに拭いて、手を石けんで洗って、レコードをターンテーブルにのせる。レコードクリーナーで丁寧に盤面のホコリを取り除き、カートリッジの針先を柔らかいブラシで掃除する。モーターのスイッチを入れ、ターンテーブルを少し手で回して助けてあげて、回転が落ち着いたらレコードにそっと針を落とす。プリアンプのボリュームを徐々に上げ、ソファに腰掛けじっくりと聴く。

スマホやBOSEなどでスイッチポンですぐに聴ける音楽とは明らかに異なる時間の過ごし方がここにある。

そう考えるとこのレコード、放り投げずに壊れるまで使おう、と思うのだ。


ちなみにこの写真のISO感度設定は800。白黒写真では800まで上げられる。

その後注文してあった本が届いたので写真を撮ってみた。これもDP2Merrillで。ただしISO感度は400にした。


ウンベルト・エーコの「世界文明講義」。読むのが楽しみだ。最近仕事が忙しく読書の時間がなかなか取れない。「オペラの20世紀」もまだ読み終わっていない。
そもそも打合せの電車で移動時や病院での待合いだけでは進まないのも当然だ。
夕食後の仕事の前に読書の時間を設けることにした。
 

2023年1月16日月曜日

色見本帳


デザインの仕事では色はとても重要な要素だ。

クライアントから色の指示が出ることもある。大抵はこんな色で、と大雑把な指示が多い。私はそれをモニターでチェックしながら実際の色に置き換えていく。もちろん1から自分で決めて提案することもある、むしろその方が多い。

ここで言う実際の色とは「塗料」や「プリントの指定色」のことである。

プリントの指定色はコンピューターのソフトできちんと色管理をし、印刷屋さんに渡せば良い。もちろんそう簡単ではないが、ここでは省く。

今日の話は塗料の色の方。塗料の色は限りある塗料の標準色から指定する必要がある。そしてこの標準色は国によって異なる。国と言っても、主に日本とアメリカとヨーロッパの3地域だ。その他は知らない。

日本は日本塗料工業会、通称「日塗工」の色見本帳から選ぶ。写真の左下の3冊。3種類別のものがあるのではなく同じものが3つ。正確にはその年によって微妙に異なる。また大きめのものは色は同じだが1色1ページでミシン目が入っていてカラースキームづくりに利用できる。

アメリカはパントーンが標準だ。写真右下の2冊。こちらは2冊で1セット。

ヨーロッパはRALが標準、写真右上の2冊。これも2種類別のもの。

さて、このうち色数が最も少ないのは日塗工なので、場合によってはもっと別の色見本を参考にすることがある。たとえばDIC色見本(写真左上の2段の箱)など。だが塗装屋さんはDICは勘弁してください、というところがほとんどなので、そうなると日塗工で苦労して選ぶことになる。

特に遊園地のデザインの場合はパステルカラーの利用がとても多い。ピンクや紫色など。だがこれらの色は他ではほとんど使わない。だから色数が少ない日塗工ではとても苦労する。それに、なるべく近い色を決めてポンッおしまい、のような単純な色決めもできない。どういうことかというと、カラーデザインは単色ではなく色の組合せなので隣の色との対比がとても大切だから。例えばライトブルーとベージュの組合せがあったとする。それぞれRALで色が指定されているが、これを日塗工に置き換えなけれならないとしよう。ライトブルーもベージュもそれぞれ近似色で日塗工に置き換えるのはそれほど難しくはない。だがそうやってできあがった色の組合せがどうもしっくりこないというのはよくある。そこでライトブルーは変えずにベージュを別の色に変えてみる。あまりオリジナルから離れてしまってはダメだ。色見本帳との睨めっこが始まる。ベージュを変えずにライトブルーを変えるのはどうか、両方とも変えたらどうか、と睨めっこが続くのである。

その点でもパントーンやRALは色数が多く、日塗工よりはるかに優れているように感じる。少しうらやましい。

日本は何を作るときも決めるときも、ギリギリ、悪く言うと「ちまちま」作るのが好きだ。

道路も鉄道も、オフィスも住宅も冷蔵庫も何もかも。それで社会や生活が変わって容量や速度や幅を増やす必要が生じたとしても、そのちまちま規格の中でなんとか対応しようと、ものすごく苦労する。少しゆとりで作っておけば簡単に対応できるのに、それができないので、ここをこうやってあそこをああやってと「ちまちま」対応する。労力はすごくかかるが、予算は「ちまちま」なので、わずかなお金ですごく苦労する人が出てくる。

日塗工は最低限の色だけ決めて、その中でなんとかやりくりしようとする「日本の性格」が良く表れた例と思う。だからしょっちゅう改訂する。なんと毎年少しずつ色が変わる。よせばいいのに、と思う。色が変わるのにはもう一つ理由がある。この色見本を作っているのは社団法人で、社団法人というのは会員企業の会費と国や地方公共団体からの委託業務、それに出版物などの販売で運営している。つまりお金があまりない。だから色見本帳をちょこちょこ変えて少しでも売り上げを増やすしか生きていく方法がないのだと思う。以前、私も社団法人に会員として属していたことがあったが、財団などにくらべ、お話しにならないくらいお金がなかった。すべてが「ちまちま」になるのに十分な土壌ができている。

アメリカのパントーンやヨーロッパのRALはあまり頻繁に色が変わる印象はない。RALなんてベーシックは日塗工と同じくらいの色数だったと思うが、イイ色が多い。それだけでもうらやましい。RALにはベーシックのKの他にDがあってトータルの色数は多い。

ちなみに日本のデザイナーである私がパントーンやRALを持っているのは、製造するメーカーがアメリカやヨーロッパの場合は日塗工での指定はできないから、当然だね。

アメリカのメーカーに色指定をするときはパントーンで、ヨーロッパならRALとなる。だから色見本帳は全部必要になる。

色見本帳は結構値段も高いが必需品なのでしかたがない。

ちなみにこの中で一番高いのはRALのD2で3万5千円くらい。RALはよく使うK7は3千円。私は持っていないがミシン目の入ったK5というのもある。

パントーンは2冊で2万5千円くらい。

我らが日塗工は標準的なカラーサンプルが3千円、ミシン目入りの大きいのが1万円ちょっとかな。あとDICは1箱1万5千円が2箱、その他に私は持っていないが伝統色シリーズがいくつかある。

時々クライアントからRALの00は日塗工だとどれが近い?みたいな問い合わせもある。

もう少し日塗工の色数があったらいいのに、と思うことが多い。 

色見本帳にはこれら塗料の色見本の他に、デザインで使うものには、紙の色見本、塩ビやアクリルなどプラスチックの色見本、カラーシートの色見本等がある。また特定メーカーの商品の色見本というのもある。

ペーパーレス化でカタログや仕様書などの書類は電子化されパソコンの中やネットで調べることができても、カラーサンプルはそういう訳にはいかないものが多い。

2023年1月15日日曜日

モニターの高さと人体モデル

 今年も仕事環境を少しずつ良くしていきたいな、などと考えていて最も重要なワーキングデスクの検証をすることにした。

今の制作環境について少し書くと、Macは4台。1台は仕事でメインに使うMacStudio。これに27インチモニターを3台つないである。次がMacMini、MacStudioが忙しいときなどにメールなどでつかう。上の2台の23インチモニターをつないである。

あとは50インチモニターにつないであるMiniが1台と、ノートパソコン1台の計4台。

今回検討するのはワーキングデスクのMacStudioとMacMiniの2台だ。そして昨年いろいろ検討した結果、今のモニター5台体制になったのだが、上の2台のモニターを見上げているとやはり首が疲れる。

現状のモニターレイアウト

メインの作業はあくまでMacStudioにつないである下の3台で、MacMiniにつないである上の2台は音楽をかけたりMacStudioが計算で忙しいときに少し使う程度だから現状のレイアウトでも大きな不満はない。

でも計算が長引くとメールのやりとりなどで少々辛くなる。また、最近音楽のプレイリストの編集をはじめたのだが、これが長時間のモニターの見上げで結構疲れる。

そこで、現状確認と改良案の検討のためadobeイラストレーターで図を描いてみることにした。

adobeイラストレーターで描いてみた

ところが高さが合わない。人体モデルはドイツのステッドラー社の人体定規を参考に、その他WEBの様々な画像を使って作ったモデルで、仕事でも時々使う。

だが、合わない。何度も寸法をチェックしながら調整しても合わない。

そこで人体モデルを疑った。もともとこのモデルはユニセックスで考えていたので身長は165センチ程度を想定していた。だから身長175センチの人に合わせるには6%程度拡大すればよいだろうと考え、今回もそのようにしてイスに座っている形に調整した。

だが図のように目線がモニターより高くなる。イスの高さを測り直してモニターの位置や大きさをチェックしても合わない。

そこで今さらながら人体モデルのチェックをすることにした。

自分自身の寸法を測りながら修正を加えた。その結果がこれ

左がオリジナル、右が修正イメージ。私は特にスタイルが良いわけでも足が長い訳でもないが、どうもかなり昔に作られた様々な人体モデルが今の人類の形状に合っていないのでは、と考えるようになった。

この修正モデルを使ってモニター前に座った図を作り直したのがこれ

作り直したモニター前の座像


ばっちり合った。ちょうどモニターの上部フレームが目の高さと合っている。実際にはもう少しイスに深く座ったりすると目線は下がってくるが、この図なら問題ない。

繰り返すが私は身長175センチ、特別背が高くも低くもない。また、洋品店でフリーサイズがぴったり合うような標準的な体格である。

これはどう考えても一般に社会に流通している人体モデルが今の人類に合っていないと考えるべきだろう。もちろん人により身長やプロポーションは様々なのは言うまでもない。だが平均像というのは存在する。

ネットで日本人の身長を調べると、総務省のレポートで女性160センチ、男性170センチ程度だった。こういう人体モデルはそれより少し背を高めで作るので男性175センチは正解と言えるだろう。

あとは手足の長さや頭の大きさなどの信頼できるデータがどこかにあると良いのだが、今回は時間もないので、ここまで。

モニター5台の位置関係の検討をするつもりだったが、人体モデルに時間がかかってしまったので、検討まで進めなかった。

この続きはまた後日としよう。



2022年12月21日水曜日

2022年を振り返る

 1月

3D-CGムービーの仕事を去年末に受注し1月にほぼ完成して引き渡した。今回キャラクターを用いた施工プロセスのムービーのためキャラクターのモーション付けに苦労した。

3Dソフトのモーション設定のタイムライン設定が思ったようにできない部分があり時間がかかった。なんとか納期には間に合ったがモーション付けはもう少し調べて練習しておいたほうが良さそうだと感じた。この画像もこういった少し無理な姿勢をとると安全帯が外れてします。修正には少し時間がかかりそう。





2月
昨年独立開業から仕事場である書斎の環境を少しずつ改善してきたが、今年も引き続き改良していこうと考え、まずはもう少し明るい楽しい雰囲気にしたいので飾ってある写真をすべて入れ替えることにした。
上4枚が白黒をベースとした元の写真、下4枚が入れ替えた写真。部屋の雰囲気がずいぶん変わった。



3月
久しぶりに三浦海岸から三崎港、葉山、鎌倉をドライブした。懐かしかった。
三浦海岸は東向きの海岸で房総半島から昇る日の出を見ることができる。以前あった久里浜の火力発電所の煙突がなくなっていた。
由比ガ浜や材木座海岸は夕陽がキレイな南西向きの海岸。三浦海岸とはまったくちがっておもしろい。このとき三浦海岸のマクドナルドで軽い昼食を食べ、帰りに横浜中華街の聘珍樓で夕食を食べる予定だったが、聘珍樓がなぜか閉店していてガッカリ。その後ニュースで完全閉店と知りさらにガッカリ。



4月
仕事用のMacを新しく出たばかりのMacStudioに買い換え、パソコンラックも作り直した。
新しいStudioは調子よく働いてくれている。その後の3D-CGムービーの仕事はこのStudioのおかげで快適に作業できた。ラックも使いやすく裏側の配線もメッシュ地のカバーですっきり。




5月
体調を崩しMRIで脳検査。結果は異常なし。ではあの激しい「めまい」はいったい何?
写真は検査が終わって、新宿を散歩したときに撮ったもの。少し大げさだが「世界のおわり」みたいな写真だなー、と。



6月

「めまい」の原因かどうかはわからないが、運動不足は良くないな、ということで積極的に散歩することにした。初めは家を起点に東西南北散歩して、それに飽きると電車ででかけて出かけた先で散歩した。近所は東は新宿駅周辺、南は初台オペラシティや笹塚など、西は方南町や立正佼成会の聖堂など、北は中野駅周辺。そして電車では小さい頃住んでいた場所や羽田空港に飛行機が着陸するのを見に行き太田市場から京浜島まで飛行機を見ながら歩いたり、他にも品川、葛西臨海公園、目黒など。真夏でも結構歩いた。最近あまり散歩していない、反省である。写真は昔住んでいた所を散歩しながら撮ったもの。山を切り崩し宅地造成、すごい階段。小田急線百合ヶ丘の近く。



7月

注文してあった望遠レンズが届いた。昔から月が好きで月の写真を撮れるレンズが欲しかった。ある程度大きく写すためには望遠、しかも1000ミリくらいの超望遠が必要だった。だが1000ミリなんてあまりなく、あってもものすごく高価で手が出そうもなかった。そこで普通は天体望遠鏡を買って一眼レフアダプターを使い撮影するのが一般的だった。今回買ったレンズはマイクロフォーサーズの300ミリ、換算600ミリだが、テレコンバージョンレンズを付けると2倍の1200ミリが可能だ。しかも軽くて持ち運びもできるから月を撮りに出かけるのが苦にならない。レンズとテレコン、それに保護フィルター、NDフィルター、PLなど全部で50万円くらいだったが、頑張って仕事している私にご褒美、ということで。



8月

久しぶりに泊まりがけで家族旅行。金沢の山奥の旅館に2泊した。ゆっくりくつろいだ。天候にも恵まれ、ドライブも楽しんだし少し暑かったが兼六園にも行った。



9月

模型づくりの仕事を受注。模型づくりの経験はあったが独立してからは初めてなので機材を揃えるだけで20万円以上かかり、材料費も合わせるとそれだけで赤字だったが、楽しかった。娘が手伝ってくれた。特に細かい作業、鉄骨のボルトやスタッドなどは大いに助かった。展示会などですでに何度か展示したらしい。



10月

工房を改修し、使い勝手を良くした。また新規に購入した模型用の機械を収納できるようにした。さらにサイクロン集塵機も作った。これで快適に作業できるようになった。快適になったついでに壁に写真を1枚飾った。



11月

月食の写真を撮った。7月に買った望遠レンズを使って都庁にかかる月食を撮影しに行った。カミさんと娘と一緒に行き、途中で三井55広場でフライドポテトを食べたりお茶を飲んだりしてなんとなく楽しい撮影だった。フライドポテトの手でカメラを触るのは良くないがコロナ対策で持ち歩いている消毒用ウエットティッシュが役に立った。



12月

今月は良かったのか悪かったのかよくわからない微妙なできごとが多かった。月の初めに内視鏡検査で鎮静剤が効きすぎて気を失いそうになったが美人の看護師さんが心配そうに顔色を見てくれて、その時は意識が遠のいて行くのでわからなかったがあとで考えるとあれはあれでおもしろい経験だったのかな、と。翌週近くで工事しているという大工らしき若造がお宅の屋根壊れいますよ、という。棟おさえが片方外れてバタバタしているらしい。仕方がないので若造は帰し、いつもの大工さんを呼んでチェックしてもらうと「外れてませんね」とのこと。もう少しで若造に騙されるところだったが騙されずに済んだのはいいけどいつもの大工さんもタダではないからこれは良かったのやら悪かったのやら。さらにその後、冷蔵庫が壊れて修理を呼ぶと修理代10万円くらいかかりますよ。とのこと。仕方がないので買い換えることに。だが今の冷蔵庫を運び出すことができない、という。ウチは台所が2階なのだ。持って来て置いたのだからその逆も可能では、と聞くと今はもうできない、みたいな答え。しかたなく自分でグラインダーで真っ二つの切って階段を下ろし、図書室に仮置きした。で、新しい冷蔵庫は中型を2台買って部屋のこっちと向こうに置くことにした。これが割と便利で楽しい。良かったのやら悪かったのやら。写真は今年最後の満月を撮りに家の近所で。赤い都庁にかかる不思議な満月だが電線が邪魔でなんかねぇ。


ということで今年を振り返ったが、12月の微妙さを来年まで引っ張らないようにしないとね。そうね今月はまだ10日ほどあるからその間にツキを変えればいい。

ということで今年の漢字は「月」。


2022年12月14日水曜日

遊園地の仕事

 今日は早起きして遊園地へ行く。と言っても仕事である。遊園地のアトラクションのデザインをしていると現地確認のために足を運ぶことがある。なので年に何度か行く。


昭和時代は団塊の世代の時代で、よく1億総◯◯と言われた。みんなで同じ服を着て、同じ物を食べて、同じような家に住んだ。そして同じような夢を見、流行っているテレビ番組を見て、流行っている音楽を聴いた。だからベストテンみたいなのが国民の関心事だった。

そんな時代のレジャーの代表が遊園地だった。だから遊園地はすごく混んでいた。つまり繁盛していた。間違いなく遊園地にとって昭和時代後期は黄金期だった。

だから今でもその頃をノスタルジックにデザインメソッドやテーマに取り入れているところがある。また昭和ノスタルジーデザインはあまりお金がかからないというのもある。だが、団塊の世代はとっくに終わり、もう1億総◯◯なんてほとんど残っていない。遊園地にもみんな行かなくなった。少なくとも以前ほどは。だから壮大なコンセプトで膨大な予算をかけて、みたいなことはできない。

だがそんな状況だから私にも仕事が来る。大繁盛で巨額投資なら電博の天下で、デザインの仕事をするとしたら電博の下請けだ。あまり楽しそうな仕事は期待できない。

だから今の状況は私にとっては良いのかもしれない。アトラクションのデザインは楽しいし。少なくとも鋼製部材のジョイント金具のカタログよりは楽しそうに見える。

もちろんジョイント金具の仕事がつまらない訳ではない。実はこういうB to Bの仕事は専門性が高く面白い。また印刷屋のデザイナーには企画から参画なんて絶対できない。クライアントが全部考えた結果をもらって小ぎれいに仕上げるのが関の山だ。文章も何が書いてあるのか理解できない。以前分厚い製品紹介を作ったときに外部のデザイン事務所に協力してもらったが、用語の読み方すらわからないものが結構あると言っていた。「支承」「堰堤」「深礎」等々・・・。

そして気の毒だか形だけ整えるデザインは価格勝負になる。場合によっては相見積もりを取って安いところが受注したりする。結構辛い。

だがデザイナーが技術を理解し、セールスポイントのビジュアルを提案できたとしたら状況は変わってくる。だから勉強する。得意分野を増やし提案する。クライアントからもいろいろ教えてももらえる。これが実に楽しい。

でも遊園地は小さな子供にも喜んでもらえるデザインで、それはそれで楽しい。そして知識とは別にシンプルにデザイン力が試される。だからこれもおもしろい。

さて、電車が遊園地の最寄り駅に近づくにつれ、天気は良いが霧が出てきた。車窓からの眺めも街が霞んで幻想的だった。


車窓から、今日のメインは写真撮影だが大丈夫かな。




下り電車はガラガラだろうと思っていたがそうでもない。皆どこへ行くのだろう。最寄り駅で下車、早めに着いたのでドトールでコーヒーを飲みながら駅広を眺めて待つ。埼玉も千葉もここのような通勤圏ギリギリか少し先の風景は似ている。都内では見なくなったデイリーストアというコンビニ、不動産屋が駅前にあって聞いたことがない会社の路線バス。そして軽自動車がたくさん走っている。ドトールの店員もみんなおばちゃんでBGMもなんか田舎っぽくて面白い。

コーヒーをのんびり飲んでいるとクライアントから連絡があり、車に同乗し現地へ。打合せをしながら設置予定地での写真撮影をする。オリンパスといつものオールマイティズーム。

1時間ちょっとで終わり駅から電車に乗って帰宅。

片道2時間の小旅行は無事終了。




さて、今日から1週間でラフをつくる。3D-CGとPhotoshopとIllustratorをフルに使ってつくる。まずは今日撮影した写真のチェック。チェックしながら考えた。今使っているオリンパスのカメラはSDが2枚入れられるので2枚同時保存にしている。万一SDが壊れてももう1枚から取り出せる。今までそんなことは一度もないが保険のようなものだ。でももしカメラが壊れたらどうしよう。プロは2台持ちが基本だ。1台壊れてももう1台で撮影できる。私の場合、うまくいかなかったらまた別の日でもOKというのがほとんどだったので、2台はいらないな、と思っていた。

だが時々、例えば現地が遠くて1日がかりの時とか、現地で撮影できる機会が少ない時など。そんな時は予備にDP2を持っていくこともあった。だがDP2のレンズは45ミリなのでちょっと辛い。物撮りならいいが、完成予想になると大抵広角で撮影することが多いからだ。

コンデジでもいいのでもう1台広角のカメラがあった方がいいかもしれない。1インチセンサーの24又は28ミリから80ミリくらいをカバーできるカメラが理想だ。予算は安いほうがいい。何しろ予備なので全く使わない可能性もあるので。

街撮り用で趣味で使う選択肢もあるが、それだと今度はDP2の出番がなくなる。それは困る。だから新規購入は予備機と割り切ることが良さそうだ。





2022年12月11日日曜日

私のパソコン履歴



始めて購入したパソコンはEPSONの98互換機だった。98というのはNECのPC9800シリーズのことで当時国内のパソコンのスタンダードだった。

本家の98より少し安かったのでEPSONの互換機にしたが、何に使うかと言ってもほとんど何にも使えず、まあパソコンなんてそんなものかと思っていた。当時使っていたソフトはワープロソフトや簡単な表計算ソフト、お絵かきソフトなど。あとは超低速なモデムを使ってパソコン通信なんてのもやってみた。ワープロはただ文字を打つしかできないし、表計算も条件設定できず、お絵かきソフトは幼稚園レベルだった。

その後アップルのQuadra650を買った。先のEPSONとは比べものにならないくらい費用がかかったが、このQuadraでグラフィックソフトを使い始めた。今とは比べられないが、充分実用的なソフトがいくつかあった。
だから98の10倍くらい費用がかかったが100倍くらい使ったので良かったのだと思う。

Macintosh Quadra650

このQuadra650はモトローラのCPUの最後の世代のMacで、コプロ付きの68040、クロックは33MHzだった。メモリーは8MBが標準でこれに16MBを2枚足して40MBで使っていた。40GBではなく40MBであるつまり0.04GB。それでもMacを使っている友人からは40MBも?いいなぁ〜、と言われた。そういう時代。


その後MacintoshはCPUがモトローラからIBMのPowePCに変更になり、名前もQuadraからPower Macintoshとなった。何だか安っぽい名前になったな、というのが正直な感想だった。
私のMacも、PowerMac8100、8600、9600と更新していった。



Power Macintosh 9600/350


性能は良くなったがデザイン的にはひどかった。Quadraの頃まではFROGデザインという会社が筐体のデザインをしていたが、PowerMacはAppleの事務屋がデザインしていたようだ。今では考えられないがAppleの経営が行き詰まっていたころのMacだ。絶対に使わないZIPドライブなんかが標準仕様で付いていた。ドライブを外してカバーするカバーが売られていたくらい役に立たないものだった。


その後PowerMac G3、G4グラファイト、G4クイックシルバー、G4ミラードドアへと更新した。時期的には、おにぎりiMacの時代。ちなみにPowerMacG4はプラスチッキーだがデザイン的には好きだった。今思うにハイエンドデスクトップはこのくらいのサイズがいいように思う。


PowerMac G4シリーズ

このG4シリーズはすべて持っていた。当時高性能なMacがどうしても必要で、新機種が出るたびに購入していたから。
その後水冷のG5、そしてCPUがインテルのジーオンに変わったMacProが出た。ジーオンはサーバー用のCPUだったので高かった。デスクトップはパワーPC、ノートパソコンはインテルというのが本当は良さそうだったが同一OSでは対応できない。まあ、仕方がなかったのだろう。IBMはパワーPCのノート用省電力を作る気はさらさらなかったのだから。


そしてMacProゴミバケツが発売され、でもエントリークラスのジーオンは、そのあとに出たMacMiniと性能的にほとんど差がなく、その後出たMiniにはあっさり追い抜かれ、それならもうMiniでいいかな、と数年間Miniをメインに使うことにした。別にゴミバケツデザインがキライでもないし数年でエントリーモデルに追い越されるのも仕方がないと思っている。だがどうも中途半端であまり好きになれなかった。


MacMini




さて、そのMiniだが、性能的には悪くないのだが、冷却システムに問題があって負荷の高い仕事をさせるとCPUの温度が100度を超えた。自作のファンを別途取り付けたり、ファンスピードをユーティリティソフトで変更したりして何とか使っていた。なんかこう軽自動車に4人乗って山越えのバイパスを走っているような、使っていて疲れる。いくら軽が良くなったとは言え・・・・という感じ。でもCPUの性能が上がり、入門機でもどんなソフトも使えるようになったので良い時代だとは感じた。ちなみにMiniより少し高性能なMacはi-Macかまたはうんと高い最新のMacProしかなく、i-Macはモニター付きなのでパス(モニターは自分で選びたいし、デュアルモニターにするとi-Macは浮いてみょーな感じになる。そしてMacProはMiniに比べ高すぎた。
ゴミバケツMacProが2年くらいでMiniに抜かれたのを目の当たりにすると新型の100万円超えのProを買う気にならなかった。
ちなみにProのスタンダードモデルなら60万円ちょっとだったが、CPUはもう少しパワーが欲しいしストレージも512GBでは辛い。メモリーもノーマルは少々心許ない。なので若干パワーアップして100万円だなぁ、と試算したのを覚えている。Windowsという選択肢もあるにはあるが使い勝手、特にマウスの動きやファイルシステムがお粗末すぎてオハナシにならなかった。Windowsはその誕生から最新まで見てきたが、はじめにWindows3.1が出た時にこれでMacに追いついたと言っていた。だがMS-DOS上でGUIというアプリケーションを動かしているのが見え見えでしかも頻繁にクラッシュした。photoshopのWindows3.1版は30秒ごとに落ちた。これには笑うしかなかった。改良版のWindows95が出た時「今度こそMacに追いついた」と言っていた。その後も同じことを何回も何回も繰り返しておった。使う気には全くならなかった。
そんな訳で当面はMiniを使い倒して、計算が遅ければもう1台買ってネットワークレンダリングでもすればいい、と考えていた。


ところが今年出たMacStudioはMacProに比べてずいぶん安い。半額くらいで性能は良さそうだ。MiniのCPUの100度超えにハラハラうんざりさせられていたこともあり、考えを変え購入することにした。Studioに買い換えたもうひとつの理由が3Dアニメーションの仕事が増えてきたのでMiniではどうにもならなくなったからだ。ネットワークレンダリングはムービーには向かない。単体で高性能なMacでストレスなしで仕事をしたい。


MacStudio


MacStudioは性能的には申し分なく、さらに負荷の高い計算でもCPU温度は60度台とそれだけでも精神衛生上好ましい。拡張性はほぼ無しだが、まあいいだろう。


以上が私の使ってきたMacだ。
今回はノートパソコンには触れなかった。ノートパソコンは出張対応と出先でのプレゼンがメインだったのであまり使用頻度は高くなかった。それにあまり覚えていないというのもある。デスクトップ機はすべて私がプライベートで購入したが、ノートパソコンは当時働いていた会社で購入してもらった。だから覚えていない。個人で購入したのは4台くらい。印象に残っているのはクラムシェルのG3かな。かわいかったし。今使っているM2のAirもまあまあ気に入っているが。


ちなみにWindowsパソコンはほとんど持ったこともないし使ってもいない。どうしても必要でHPのサーバーを使ったこともあるし、会社勤めをしていた頃は何だか知らないがDELLの泣きたくなるようなPCがオフィスに置いてあった。製造委託先にタダでデザインさせたようなお粗末な外観で、電源スイッチを入れてからOSが立ち上がって使えるようになるまで5分以上待たされた。Macは30秒くらい。また、やれネットワークがどうのだセキュリティがどうのとほぼ毎月何らかの問題が発生していた。みんなエライな辛抱づよくて、と思ったものだった。


私はあまり高性能を追い求めるのは好きではない。どうしても処理速度が必要で高性能なものが必要なときは別だが、普段はあまり性能を追い求めるよりは気楽に使う方が好きだ。つまりイイのを買っておけば間違いない、という考えがキライだった。今でもキライだ。
これはパソコンに限った話ではなく、カメラやオーディオなども同じだ。私のカメラはマイクロフォーサーズだ。これで今のところ充分と感じている。どうしても必要になればその時フルサイズでも中判でも買えばいい。オーディオも超高級なんて1つもない。オーディオの場合スピーカーを除き、アンプなどはある程度以上は音はほとんど変わらない。少なくとも私には差が感じられない。だから今ので充分だ。カメラもオーディオも高級なものはすごく高い。
そもそもお金にゆとりもないし、限られた予算ならカメラより撮影にお金をかけたいし、高級オーディオよりレコードにお金をかけたい。
ちなみに今使っているオーディオはスピーカーは少しこだわって自作3ウェイ、低音30センチコーン、中音は自作木製ホーン、高音もホーン。これをdbxのチャンデバ経由でマルチアンプ。トライオードの88を3台。レコードプレーヤーは中学生の時に買ったパイオニアと頂き物のトーレンス520。カートリッジはオルトフォンMC-20とDENONの定番の2つ。プリは中古のカウンターポイント。CDプレーヤーはパイオニアの10万円くらいのCDプレーヤー。これで充分楽しく聴いている。


そうね、生活信条みたいなものかもね。
高級カメラをショーケースみたいな防湿庫に大事に飾って、とか。
何百万のオーディオでレコードは2、30枚、とか。
高性能パソコン買ってほとんどWEBしか使わない、とか。
何百万円の高級キッチンだけど揚げ物は汚れるから作らない、とか。
高級車買って上履きに履き替えて運転したり、とか。
そういうのは私には考えられない。


楽しみながらどんどん使って、これでは足りないとなったとき、必要なスペックのものに買い換えたらよい。そのときは本当に必要なものがはっきりしているはずだから。
そう信じている。