2021年5月26日水曜日

レンズについて(後編)

前回はレンズの基本として主に焦点距離について説明した。

今回は続編としてもう少しレンズのことを説明しよう。

 

まずは前回のおさらい。焦点距離はレンズの倍率を表し、数字が大きいほど倍率が高い。24から35mmを広角、50mmあたりを標準、80mm以上を望遠と呼ぶ。

 

広角レンズで近くから撮った写真は望遠で遠くから撮った写真と同じくらいの大きさになるが、背景が大きく異なる。

 

絞りは絞るほど被写界深度が深くなる。逆に明るいf値のレンズで絞りを開放(一番開く)にすると被写界深度はとても浅くなる。

 

さらに、上記の特徴を踏まえ、撮影して試してみることをおすすめした。

 

残念ながら、春の花のシーズンは終わってしまったので公園に行ってもアジサイくらいしか咲いていないが、アジサイでも違いを十分実感できるはずだ。

 

また、フルサイズセンサーを基準にすると、APSCで1.5倍、フォーサーズでは2倍の焦点距離と同じくらいの倍率になることも説明した。

 

レンズは同じ焦点距離でも値段にずいぶん差がある。大きな理由の1つは明るさ、つまり解放f値が小さいレンズほど値段が高いが、それだけでなく、以下の性能によっても値段が変わってくる。

1.写真がすみずみまでシャープに写るかどうか(解像度)

2.写真がゆがんでいないか(変形)

3.写真の四隅が暗くなっていないか(周辺光量落ち)

4.逆光で不自然な光が写り込まないか

5.ボケの品質

などなど、さらに操作のしやすさ、レンズの重さ、外装の質感なども評価の対象となる。

そしてこれらの多くで高いポイントのレンズは非常に高価なものになる。

 

もちろん、性能の良い高価なレンズを使えば、それでイイ写真が撮れる、と言うわけではない。

 

たとえて言うなら、同じ材料を使って料理しても、

最高のコックが、安い道具で料理したものと

下手なコックが、最高の道具で料理したもの、とどちらがイイですか、と言うことになる。答えるまでもない。

 

なので、レビューや評価記事などを読んで、その気にならないことだ。つまり、このレンズを買ったらイイ写真が撮れるかもしれない、などと考えないことだ。 

 

さて、本題に移ろう。

今日は最短撮影距離とボケについて簡単に説明する。どちらもある程度は気にする必要があるからだ。

 

最短撮影距離というのは、どこまで近づいてピントが合うか、のことだ。

例えば最短撮影距離が50cmであれば、50cm以上近づいたらピントが合わない。つまりそれ以上近づくことによって大きく撮りたくてもできない、ということになる。

実際の撮影では、例えばひまわりは画面いっぱいに撮ることができても、小さなスミレでは画面いっぱいができない、といったことがおきる。

 

50cmと言われてもピンとこないだろう。まずは手持ちのレンズで、小さな物がどのくらい大きく撮影できるか、例えば500円玉などを使って確かめてみるとよいだろう。

 

通常、望遠レンズは最短撮影距離が長く、広角は短い。だが広角はもともと広く小さく写るレンズなので、近づけてもあまり大きくならない。なので望遠で遠くから撮影した方が良い場合も多い。

 

また望遠の撮影では前回説明したように画角が狭いため背景の写る範囲が狭い。狭いということは少しカメラの位置が変わるだけで背景が大きく変化する。つまり背景をコントロールしやすいということだ。

 

さらに望遠は広角に比べて被写界深度が浅いので背景がボケやすい。

ごちゃごちゃした背景を避け、静かな背景をボカすことで花が浮き上がって見える。簡単にそこそこ雰囲気のある写真を撮ることができる。

 

例えば花を撮る時など、普通は写す花を良い角度で、と考えがちだ。だが、花そのものより背景に気を配った方がいい写真が撮れることも少なくない。

キットレンズでは開放f値はそれほど明るくないが、望遠で少し離れた所を背景にして開放で撮ればそれなりにボケてくれるので、ぜひ試してみてほしい。

できれば広角や標準レンズで撮影したものと比べてみるとその違いがはっきりするのでおすすめだ。

 

くどいようだが、非常に簡単に、かなりいい写真が撮れるようになる。

大切なことなので、ポイントをもう1度書こう。

 

花を撮る時、

1.望遠レンズを使う。

2.その花がよく見える角度より、いい背景になる角度を選ぶ。

3.絞り開放で背景をぼかす。

 

さらに言うと、カメラを持って立って人間の目線で花を見ると、通常は見下ろしになる。すると背景はあまり期待できない。


4.カメラを持って少ししゃがんで、液晶モニターをチルトして見る。


すると花をヨコから見ることができ、背景は少し離れた木々の緑などが選べる。距離もあるのでボケやすい。ごちゃごちゃしていないイイ雰囲気の背景を選ぶことができる。

 

これだけで素人とは思えない写真が撮れる。

あじさいなどでは花が大きいので、花のどこにピントを合わせるか、被写界深度を浅くするか、すこしだけ深くして背景はボケても花は全体にピントを合わせるか、など選択肢も多い。

これも簡単だ。あれこれ悩まずに、絞りを少しづつ変えて撮ってみればよい。

それを家に帰ってパソコンのモニターでチェックすれば、実に楽しいこと請け合いだ。


上の写真は、花の写真2回目のウチの娘がオリンパス入門機のダブルズームキットで撮った写真。

望遠使って解放でヨコから撮ってごらん、背景だけ気にしてね。

アドバイスはそれだけ。

アングルとピントは今ひとつだが、安いダブルズームレンズキットのカメラでもこのくらいは超簡単という例、そして世の高級カメラ志向おじさんたちはこんな写真ですら撮れない人が多い。何人も知っている。

 

さて、次にボケについてだが、昨今日本語の「ボケ」は英語にもなり、ボケブームとなっている。そして、いろいろなところで、このレンズはボケが「美しい」だの「うるさい」だの「かたい」だのと賑やかだ。だが気にする必要は全くない。こういうオタクっぽいことにこだわると、どんどん新しいレンズが欲しくなり、写真の腕はさっぱりなのにレンズだけはいくつも持っている、なんてことになる。

 

もちろん、レンズを買ってはいけない、とは言わない。だが、はじめに買ったダブルズームキットの安いキットレンズでもちゃんと良い写真は撮れるから、まずはそれらをすり減るくらい使って撮影することだ。ボケの質は背景がごちゃごちゃしていなければ、キットレンズでも全く問題ない。

さらに、いつもボケ、ボケ、ボケではなく、被写界深度を深くしてあえてぼかさない写真も撮ることだ。そのボケていない写真の向こうにこそ、次のチャレンジが待っている、とも言えるからだ。


2021年5月22日土曜日

オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」




 「カヴァレリア・ルスティカーナ」はピエトロ・マスカーニ作曲のオペラである。

マスカーニは19世紀後半のイタリアの作曲家だが本作が唯一のヒットと言ってよいだろう。

 

カヴァレリア・ルスティカーナの話の前に「世界定め」について少し話をしたい。

オペラの上演では、演出家が原曲の時代背景などをアレンジし、例えば現代に置き換えたりして上演されることも多い。

この手法は映画でもよく見られる。ギリシャ神話のストーリーを現代に当てはめたり、アジアの話をアメリカを舞台に置き換えたり、その逆もある。


ただしオペラの場合は映画のように自由に変える、ということはできない。

なぜなら歌や歌詞などを変えることは許されないからだ。

また、歌っている内容と矛盾するような舞台にしてしまうと違和感を感じる妙な物となってしまう。

 

ちなみにこういう舞台、つまり、時代、場所、人物像などを「世界定め」という。

「世界定め」とはもともと歌舞伎用語で、「義経もの」など演目の時代や題材などを決めることを指したもので、演じる側はもちろんのこと、客の方も題名から世界を知ることができた。

観客の楽しみのひとつに、今日の演者がどのようにその世界観を演じるかというのがあり、これがいわば通の楽しみ方だった。

 

このような、客側にもある程度知識を求める芸事というのはヨーロッパや日本、アジアでは珍しいものではなかった。さらに、楽しめない人=教養のない人、となり、そういう俗物とは付き合わないのが「通」や「粋」の世界だった。

 

だが最近は見る側の教養を求めないものが多くなってきた。

これはアメリカ映画の影響と言える。誰でも簡単に理解できる世界、ディズニーランドのような世界。

ディスニーランドはそのコンセプトが世界中の誰でもが等しく楽しめる世界の提供らしい。

つまりお客に一切の知識、教養は求めない。それはそれで良いのかもしれないが、中身は当然のことながら薄っぺらくなってしまう。

 

本来「世界定め」はあらゆる文学、音楽、小説、映画、絵画に少なからず影響する大変重要な要素であり、その作品を味わいのあるものにするにも、それを理解するにも不可欠な知識だった。


だから、もし何らかの世界が現前に展開したときにその世界をよく知らないと感じたら、いくつになっても「おべんきょう」するわけで、その「おべんきょう」に卒業はない。


ホイジンガーの「中世の秋」に描かれている人々の考え方、ベルエポックの魅惑と憂鬱の交じったあの空気、20世紀初頭の理想主義における未来への希望と現実への失望など。

興味は尽きない。だから「おべんきょう」する。

 

だがアメリカ式はこういった「おべんきょう」を必要とせず、多くの人々からその機会まで奪ってしまった。


 

さて、カヴァレリア・ルスティカーナだが、

このオペラはイタリア、ヴェリズモのオペラである。

ヴェリズモというのは「現実主義」と訳される文学の運動で、テーマを歴史上のできごとなどではなく、今生きている現代に求めるものだ。今といっても当時つまり19世紀後半から20世紀初頭にかけての「今」である。


イタリアは当時、不在地主らが富を独占し、農民は大変貧乏だった。

そういう社会矛盾を題材にした作品をヴェリズモ、と呼んだ。

だから「現実主義の文学」というより「社会の中の弱者・貧者の物語」と言っても差し支えないだろう。


そしてヴェリズモ文学の代表作がジョヴァンニ・ヴェルガの「カヴァレリア・ルスティカーナ」だった。

オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」はこの原作を作曲家ピエトロ・マスカーニが出版社だかインプレサーリオ(興業コーディネーター)だかの主催のオペラの作曲コンペで発表し、優勝した曲だ。

 

ヴェリズモのオペラの代表曲にはこのほかに、レオンカヴァロ作曲の「パグリアッチ(道化師)」がある。これも同様にコンペへの応募作だったが、コンペの条件を満たしていないため失格となったものだ。だが素晴らしい作品なので上演されることになり、カヴァレリア・ルスティカーナ同様、現在でも評価が高い。

 

この2曲、カヴァレリア・ルスティカーナとパグリアッチは両方とも短いので、上演もDVDなども同時にされることが多い。カヴ&パグ(Cav&Pag)と略されるほどだ。

 

カヴァレリア・ルスティカーナのあらすじは、

復活祭の日、主人公のトゥリドゥは兵役に行っている間に婚約者ローラが裕福な男アルフィオと結婚してしまったので、サンタという別の女性と婚約した。だがトゥリドゥは今でも時々ローラと逢っている。

それを知ったサンタはアルフィオに告げ口する。

トゥリドゥとアルフィオは決闘となり、トゥリドゥが殺されておしまい。という内容。

どこがヴェリズモかというと、ストーリーをこう書けばわかるだろう。

トゥリドゥは貧乏だから兵役に行く、金持ちに自分の女を盗られる。そして最後にその金持ちに無残に殺される。

おわかりいただけただろう。

 

このオペラ、有名なのは、始まってすぐのアリア「おおローラ」、合唱「オレンジの花」そして超有名な「間奏曲」そしてアリア「乾杯の歌」だ。

 

この作品が素晴らしいのには、前述のように短いオペラでありながら名曲が多いのはもちろんだが、サンタという女性の心の葛藤を音楽作品ならではのものとして表現しているからというのが大きい。

元婚約者のローラは美人でサバサバしていて陽気、サンタはたいてい美人ではなくちょっと暗く垢抜けない。演出家もそのあたりをうまく表現する。ローラが現れると場面にパッと花が咲いたように華やかになり、曲もそういう曲だ。だがサンタは違う。そして婚約者の心を憂い、告げ口を悩み苦しむ。有名な美しい間奏曲ではサンタの悩む姿を見せながら曲が進むものも多い。これは普通の人にとって感情移入しやすい、つまり観客の心をつかみやすい役どころであると同時に、歌はうまいが見た目は今ひとつのソプラノ歌手の大活躍の舞台として2重によくできているのである。まさにストーリーも何もかもがヴェリズモなのだ。

 

さて、「世界定め」についてに話を戻そう。

このオペラ、原作の舞台は南イタリア、シチリアの山間部の貧しい村だ。

だがオペラでは前述の通り演出で様々な世界定めの変更が可能だ。

カウフマン主演の2015年ザルツブルグ音楽祭での上演は、舞台が大きく変わって同じイタリアでも、1910〜20頃の北イタリアの工業地帯だ。

そしてこれがなかなかよい。4面構成のダダや未来派を彷彿とさせる舞台構成。歌手陣もよい。

 

チューリッヒオペラでの2009年の上演はオリジナルを意識したオーソドックスな時代背景をモダンでシンボリックなセットで楽しめる。歌手陣も割とよい。

 

2015年のイギリスロイヤルオペラ、コヴェントガーデンでは時代は現代、舞台はパン屋だ。ここまで変えてしまうとちょっと違和感があり、しかも観ていて無理も多い。歌手陣は今ひとつパッとしない。しかも前奏曲の部分で最後に殺されたトゥリドゥが担い出されていくという映画的手法まで使われている。オペラに映画的手法を使ってはいけない。なので賞をもらっているかもしれないが、このDVDはペケ。

 

2019年フィレンツェ音楽祭の上演はブルーレイで画質は良いが、演出はチープでエンジニアも素人、現代に良くある機材だけが最高、というやつだ。

地元の子供たち参加の子供祭りのようで、演奏も歌手陣も今ひとつ、残念ながらペケ。

 

まだいくつもあるが、最後にフランコ・ゼッフィレリ監督の映画版、つまり舞台の上演ではないカヴァレリア・ルスティカーナを紹介しよう。

時代は原作の通り、南イタリア、シチリアの山間部の貧しい村。

だが、これはあくまで映画であってオペラの公演ではない。ただし余計なセリフなどを加えたりせず、音だけ聞いていればオペラの上演と全く同じだ。

違いは舞台でもセットでもなく、村や畑や境界や広場でのロケという点だ。


トゥリドゥをドミンゴが歌う。ドミンゴはこういうのは本当にうまい、さすがだ。しかもゼッフィレリだ。映画好きでゼッフィレリを知らない人はいないだろう。一見の価値がある。古いフィルムなのでDVDで画質や音は今ひとつ、しかも前述のように映画でありオペラ舞台ではないので、この曲のこれがベストだとは言えないが、原作を十分知り尽くした演出で、この物語を理解するにはこれがおすすめだ。

 

願わくば、もう少しオーソドックスな演出で良い演奏者の舞台公演が観てみたいものだ。

すごくキレイだけど歌はそこそこのソプラノ歌手、あんまりキレイでないけどすごく歌のうまいメゾソプラノ。それにちょい悪な雰囲気のテノール。いっぱいいそうだけどね。

 

さて、ヴェリスモは登場人物に、しかも弱者に感情移入できることが第一条件とも言える。それができないリアリズムなどリアリズムとは言えないからである。

しかしヴェリズモオペラは、ストーリーも同じような物では飽きられるし、そもそもオペラ化も難しい。この2作以降は長く続かなかった。

逆に、それだけカヴァレリア・ルスティカーナとパグリアッチがよくできていた、と言えるのだが。

 

オペラとしては長続きしなかったヴェリズモだったが、当時の社会の実情には最も即したものではあった。世界恐慌と第1次大戦から次の大戦へ、貧しい人たちは題材の山だ。

 

また、ヴェリズモ以降、急激にイタリアオペラそのものが衰退していった。イタリアオペラはプッチーニのトゥーランドットで終焉を迎えたといっても過言ではない。


オペラに変わって、ヴェリズモを引き継いだのが映画だ。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「ウンベルトD」「自転車泥棒」「靴みがき」などの社会派リアリズムの映画だ。

 

シーカのこれらの映画に共通するのは、貧困と絶望、しかしそれでも何とか生きていく人間の希望だ。

だが見終わってどーんと落ち込むシーカの社会派レアリズムより、美しい曲と弱い人間、そして希望の安売りなどしないマスカーニやレオンカヴァロのオペラの方により魅力を感じるのは私だけだろうか。

 




左上、2015年ザルツブルグ音楽祭での公演DVDだが画質も音も合格点。カウフマンの主人公トゥリドゥも良い。

サンタ役のモナスティルスカは歌も容姿も迫力。



ローラ役のアンナリーザ・ストロッパもきれい。



 

右上、映画版DVD、監督はフランコ・ゼッフィレリ。トゥリドゥをプラシド・ドミンゴ。サンタをエレーナ・オブラスツォワ。舞台ではないことと、81年の制作で画質も音も今ひとつなのが残念だが名作。

 

手前左、2009年チューリッヒ歌劇場での公演。ブルーレイで画質も音も良い。歌手陣も良い。ローラがそれほど美人でなく、サンタがわりと美人というのはめずらしい。

 

手前中央、2019年フィレンツェ五月音楽祭劇場での公演。演出があまりよくない。歌手陣も今ひとつ。

 

手前右、2015年イギリスロイヤルオペラ。演出がひどすぎで、演じている内容と歌と完全に食い違っているのでお話しにならない。オレンジの花が緑の丘に香り・・・という歌のシーンでパン屋がパンを作っている。さらに間奏曲のあと、本来は街の広場で繰り広げられるシーンが狭いパン屋の前で繰り広げられる、どう見ても不自然だ。そもそも全く復活祭の日の出来事というのを無視している。

歌手陣も冴えない。おまけに映画手法のフラッシュバックを取り入れている。オペラを全く理解していない。なのでペケ。

2021年5月20日木曜日

カメラ初歩の初歩、おさらい


 

今まで6回にわたって解説してきたことをもう一度大切なところをおさらいしておこう。

どれも基本中の基本なのでしっかり覚えておくことが大切だ。

全国的に雨の日が多く、なかなか外で撮影はできない。はじめは説明書を見ながらでもよいので「基本設定のしかた」をしっかり練習しておこう。そして説明書を見ないでISO感度を変えたり、瞬時にマニュアルフォーカスにしたり戻したり、露出補正を-0.7にしたり戻したり。と確実にあつかえるようにしておこう。

 

第1回「ピント」

 

ピント合わせには、2種類のオートフォーカスとマニュアルフォーカスの合わせて3つがある。

S-AF:オートフォーカスで1枚ずつカメラがピピッとピントを合わせて撮影する。風景や静物、ポートレート向き。

C-AF:オートフォーカスでカメラが被写体が動くのに合わせてピントを合わせ続ける。動き回る子供や動物向け。

MF:マニュアルフォーカス。オートフォーカスではうまく合わないときや、あらかじめピントを合わせておきシャッターチャンスを待って撮るとき。

 

大切なことは、どういうときにどれを選ぶか覚えておくことはもちろん、説明書を見ないで切り替えができるように操作方法をしっかり覚えておくこと。

 

 

 

第2回「露出」、第3回「自動露出」

 

露出は「絞り」と「シャッタースピード」で調整する。

絞りを決めてシャッタースピードを自動で撮影するのを「Aモード」という。

シャッタースピードを決めて、絞りを自動で撮影するのを「Sモード」という。

シャッタースピードが長くなりブレてしまいそうなときはISO感度を上げる。

絞りを絞るとピントの合う範囲(被写界深度)が増える(深くなる)

 

大切なことは、ブレないシャッタースピードで撮影すること。

 

また露出補正で明るくしたり暗くしたり必要に応じて調整する。

 

被写界深度をうまくコントロールして背景をシャープにしたりぼかしたりできるようにすること。

 

 

 

第4回「ISO感度」

 

普段は200くらいで撮影して、暗いところでブレてしまいそうなときは6400を上限に上げて撮影する。しかし、なるべく低い数字(ただし200以上)の方が画質が良い。

 

 

 

第5回「シャッタースピード」

 

広角〜標準で手ぶれ補正ONならしっかりカメラをホールドすれば1/4秒くらいまでブレずに撮れる。それより長くなりそうな場合は三脚を使うかISO感度を上げる。

 

 

 

第6回「レンズの焦点距離」

 

レンズには広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズがある。

写る範囲が広い広角、遠くのものを大きく撮れる望遠、中間の標準。

望遠で遠くから撮った写真と広角で近くから撮った写真では背景の大きさがちがう。両方で撮って、さらに被写界深度で背景のボケも変えてどんな写真になるか確かめよう。

 

 



 

 

2021年5月19日水曜日

レンズについて(前編)




 ミラーレス一眼など、レンズ交換のできるカメラでは、目的によってレンズを使い分けることができる。


レンズは、倍率と明るさで様々な種類がある。

このうち倍率を決めるのが「焦点距離」で、数字が大きいほど倍率が高くなり遠くの物を大きく写すことができる。

明るさはF値といい、明るいレンズは暗いレンズよりレンズの直径が大きく、一般的には値段が高い。

 

また、倍率を変えることができる「ズームレンズ」と、倍率固定の「単焦点レンズ」がある。

 

ズームレンズは単焦点レンズに比べ少し暗く、また画質も少し劣る。

だが、初心者にとっては気になるほどの差ではないので、ズームレンズの便利さを積極的に活用した方が良いだろう。

 

さて、まずは、倍率について説明しよう。

倍率は「焦点距離」で決まり、数字が小さいほど広角となり、写す範囲(角度)が広くなる。

焦点距離24mm〜35mmくらいを一般的に「広角レンズ」という。広い角度、つまり視野の広いレンズと言う意味だ。

風景写真や建築写真でよく使われる。

 

次に、焦点距離50mm前後のレンズを標準レンズという。なぜ標準というかはよくわからない。

肉眼で見るのと同じくらいの大きさで見えるから、という説と、

単に作りやすいレンズだったから標準、との説があったような。

だが、景色を背景に記念写真を撮るのにちょうどいい倍率だったので、標準と言う名で定着したと考えられる。当時は「写真=記念写真」だったから。

 

最後に焦点距離が85mm以上を望遠レンズという。

望遠レンズは遠くを拡大して写すことができるので、85ミリの他にも135ミリ、200ミリ、300ミリ、500ミリ、600ミリなど多くの種類がある。数字が大きくなるほど倍率が高くなる。

 

さて、文章で書いてもピンとこないので、再びカメコさんに登場してもらおう。今日のカメコさんはフォトモデルだ。

スカートがダサいと文句を言っておったが、もう少し辛抱だな。

実際の写真での比較はニコンなどのホームページに出ているので、ここでは少し嗜好を変えてCGで説明しよう。

 

まずは撮影場所の上から見た図だ。





赤い丸がカメラ、3m離れたところにカメコさん、その後ろさらに3m離れて青いスポーツカーと少し後ろにも赤いスポーツカー、ずーっと後ろのカメコさんから12mのところに鉢植えの木が並んでいる。床のマス目は1m。

カメラとカメコさんの近くを拡大すると



こんな感じだ。カメラからカメコさんの3mというのは人物写真では一般的な距離と言える。

 

ではまずは24mm広角レンズ



カメラからカメコさんは3mだがもっと離れているように見える。

 

次に28mm



28mmというのは広角で代表的な焦点距離だ。

 

次に35mm



35mmはスナップ写真でよく使われる。ほどほど広く写り、しかも24や28mmのように小さくなりすぎない。

 

50mm



35mmと50mmではこれだけ違う。記念写真はだいたいこんなバランスだ。

 

85mm



85mmというのは人物撮影でもっとも良く’使われる焦点距離だ。2〜3mくらいのちょうど良い離れで、いい感じの大きさに写る。

 

135mm



これもありだ。人物をメインにタテ構図でブロマイドのように撮るにはこのくらいだろう。だが背景はよくわからなくなる。

 

 

さて、次に85mmの雰囲気が良かったので、85mmと同じ大きさになるようにカメラを持ってカメコさんに近づいてみた。

 

85mm(左)と28mm(右)の比較




 

カメコさんの大きさは同じだがスポーツカーはずいぶん大きさが違う。

これを上からみると



下の赤丸が85mmで撮影した位置、上の赤丸が28mmだ。こんなに近づかないと同じ大きさにならない。

少し近づきすぎだ。こんなに近いと写される人はカメラを意識しすぎてうまくいかないことも多い。

 

では35mmではどうだろう

85mm(左)と35mm(右)の比較


  

 

では逆に望遠にして、もっと遠くから撮影したらどうだろう。

85mm(左)と135mm(右)の比較





 

このように、レンズを使い分けることで様々な効果があることがおわかりだろう。

この例のように人物と少し離れた背景(スポーツカーなど)の場合は、3m位離れて撮影するなら広角は使えないし50mmも記念写真みたいでおもしろくない。

やはり85mmか135mmだろう。

だがカメラを持って近づくなら35mmも悪くない。

これが画角のおもしろいところでもあり難しいところでもある。

ここは単純に2つにして3mで85mmと1.5mで35mmが基本かな、と覚えておくのも手だ。もちろん他の焦点距離がダメというわけではない。

大切なことは実際の撮影では人物をしっかりキレイに撮ってあげることと同時に背景にも気を配ることだ。

さらに被写界深度を考えて2種類撮っておく。

つまり人物と車の両方にピントがあっている被写界深度が深い写真と、人物に合わせて絞りを開放にして車をぼかす被写界深度の浅い写真の2種類だ。

先ほどの35mmと85mmの違いに掛け合わせて4種類。人物のサイズは同じでも4種類のかなり雰囲気が異なる写真が撮れることになる。

どうだろう、家に帰ってパソコンでチェックするのが楽しみになるはずだ。

 

最後に、ちょっと面倒な話を。

 

焦点距離の数値と見え方はフィルムカメラを前提にした数値で考えるのが普通だ。

デジタルカメラならフルサイズ、というセンサーがフィルムと同じサイズのカメラだ。

 

APSCやフォーサーズやコンパクトデジカメでは、センサーサイズはフルサイズより小さいので、同じ焦点距離のレンズでもフィルムカメラに比べて写る範囲が狭くなる。

写る範囲が狭い、というのは周りが写らない、と言うことだ。

例えばフォーサーズではセンサーサイズが半分くらいとかなり小さい。

つまり写る範囲も半分になる。



35ミリレンズのフルサイズとフォーサーズの写る範囲の比較。

ずいぶん違う。

 

実際にはまわりの黒い部分がなくなり下のようになる。



これはフルサイズの70mmとほぼ同じ画角となる。

 

つまり、フォーサーズのレンズは焦点距離を2倍したらフルサイズ(基準サイズ)の見え方となる。

なので、カタログやホームページでも、「35mm(70ミリ相当)」などという表現が使われる。

付属のズームレンズ、12-42とあれば、24〜84mm相当であり、40-150は同様に80〜300mmということになる。

つまり2本で広角-標準ズーム+標準-望遠ズームの組み合わせとなっている。

 

ちなみにAPSCサイズの場合は1.5倍程度だ。ちょっと面倒だが大切なことなので覚えておこう。

 

今日はここまで。

 

おさらい

レンズの焦点距離によって広角〜望遠があり、広角の代表が28mm、標準が50mm、それ以上を望遠という。

広角で近くで写すのと、望遠で遠くから写すのでは、背景がずいぶん違うので、違いを考えて良い画角を探すと良い。

センサーサイズによって焦点距離は換算する必要がある。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

2021年5月18日火曜日

シャッタースピードについて





 第5回シャッタースピードについて


露出設定は絞りとシャッタースピード、また時によってISO感度を含めて調整するこを説明した。

ISO感度はおいといて、絞りは開放より明るくはできないが、シャッタースピードは理論的にはいくらでも長くできる。

 

ちょっと脱線するが、カメラが発明された頃はカメラの性能がすごく悪くて、今で言うISO感度のようなものが非常に小さかった。

そのため、窓からの光をいっぱいに取り入れても、人物写真1枚撮るのに数秒間じっとしていなければならず、すこしでも顔を動かすとブレて台無しなのでU字形の首押さえで頭を動かないように固定して撮影していた。

 

今のカメラは高性能になって、短時間で撮影できるようになった。

それでも暗いときはシャッタースピードが長くなりブレてしまうことがある。

だれでも経験したことがあるだろう。

 

またシャッタースピードが遅いと、撮影する子供やペットが動いてしまう「被写体ブレ」がおきてしまうこともある。

被写体ブレを防ぐにはシャッタースピードを早くして被写体の動くよりも短い時間で撮影するしかない。

子供などゆっくり動いている場合は1/30秒より短く、速く動いているときは1/125秒くらいだろう。

実際にはSモード(シャッタースピード優先)にしていろいろ試してみるとよい。

 

さて被写体ブレはシャッタースピードを早くするしかないが、カメラブレの方は他にも方法がある。

カメラさえ動かなければ良いのだから1つは三脚を使う方法だ。三脚を使えばいくらでも長いシャッタースピードがブレずに可能になる。

 

だが、いつも三脚を使えるわけではない。持って行くにも重いし、使ってはいけない場所もある。

そんな時はしっかり手で持つしかない。

ちなみに広角に比べ望遠レンズほどブレやすい。わずかなゆれでも望遠による拡大で盛大に画角が動くからだ。レンズの違いによる見え方は次回説明する。

 

さて、では持ち方なのだが。

文章だけではわかりにくいし、かといって自分でカメラを構えた写真を出すのもどうかと。

そんなわけで私の代わりにこの子に登場してもらうことにした。

名付けて「カメコさん」だ。


 

 

以前仕事のパートナーのデザイナーに作ってもらった基本モデルを少しアレンジして作ってみた。といっても顔も服も全部新調したのだが。

 

それではさっそくカメラを構えてもらおう。

それでは、あとはよろしく。

 

はい、みなさん、初めまして。

オーナーは疲れて寝てしまったのであとは私がご説明します。

「でもカメコなんて、センスないわよね。それにこのスカート、もう少し何とかならないのかしら?」

「作る時間がなかったんですって、今度新しいのを作ってもらうわ、今どきウニコロだってもっとセンスいいわ」

 

えーとカメラの構え方ね。カメラを構えるときはブレないことが大切なの。だからしっかり手で持つ(ホールドする)のはもちろん、ちょっと構え方にコツがあるのよ。

 

そうね、正面から見たらこんな感じかしら



左手でレンズを下からホールドして、右手はカメラのグリップをしっかりつかむの。グリップがないカメラの場合はボディを押さえて、でもその場合はそんなにぎゅっとは握れないけど仕方ないわね。でも左手でしっかりホールドしているから大丈夫。

ちなみに両目を開けておく必要はないからね。

 

そして大切なのは左手は脇をしめて、ひじを引いて胸にぐっと押し当てるようにすること。

別の角度から見てみましょう。

 




カメラをしっかりホールドして軽く「鼻かおでこ」に触るようにして、そして「肩」と「胸に押し当てたひじ」これで三角形を作るとブレにとても強くなるのよ。

もちろんカメラの手ぶれ補正を使うのはいいけど、それでもきちんとホールドするとブレを最小限にできるし、それにこうやってしっかり構えると、写すときの緊張感があっていいのよ。

それに少しプロっぽくてかっこいいでしょ。

このようにホールドすれば広角〜標準なら1/20秒くらいまでのシャッタースピードでも大丈夫よ。手ぶれ補正が付いているカメラなら1/8秒〜1/4秒くらいかしら。

 

少し練習すればすぐにできるようになるので試してみてね。でも背面液晶を見ながらの撮影ではこういう風にはできないけど。

まあそれはしかたがないわね。

 

それでは今日はここまで、次回は何か聞いていないけど、

お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

2021年5月17日月曜日

ISO感度について

 




第2回、3回と露出について説明したが、今日もそのつづき。

ちょっと面倒なISO感度について説明する。

 

さて、理論編も4回目となり理屈っぽい説明ばかりで、ほんとうにこんなんで写真がうまくなるの?と心配になっている人もいるだろう。

実を言えばこういう理屈はいくら勉強しても写真はうまくならない。きっぱり。

だが、うまく撮るための説明をする際に、それを理解するのにどうしても必要なことなのだ。だからもう少しだけ辛抱して続けて欲しい。

 

ではISO感度について。

ISO感度というのは、わかりやすく言えば「カメラの胃袋」のことだ。カメラは光を食べる。胃袋が小さいと少しの光でおなかいっぱい。逆に大きい胃袋だとおなかいっぱいになるにはたっぷり光を食べないと満足しない。

さて、面倒になってきた。

絞りとシャッター速度でちょうど良い光の量を調整するはずが、胃袋のことまで考えて決めないといけないからだ。しかも胃袋の大きさはあなたが決めることができるのだ。

 

だから大きな胃袋を選んで、それから絞りとシャッター速度を決めて、とか小さな胃袋を選んで・・・と胃袋の大きさは何種類もあるので組み合わせはものすごく多い。

 

組み合わせの解決の前に、そもそも小さな胃袋を選んでおけば光の量が少なくて済むのだから、それでいいのでは?

と思うかもしれない。わざわざ大きな胃袋を選んでたくさん食べるなんて無駄では?、と。

実は胃袋のサイズを小さくすると、画質が低下してしまうのだ。

だったら小さい胃袋なんていらないのでは?

それがそうでもないのだ。例えば少し暗い室内で写真を撮る。光の量が少ないので、絞りは全開、シャッタースピードも長くする必要がある。でもシャッタースピードが長いとブレてしまう。三脚を使えればブレないけどカメラを手で持って撮影するとブレてしまう。こういうときISO感度を少し上げて(胃袋小さくして)必要な光の量を少なくすれば、シャッタースピードが少し短くなるのでうまくいく。

もちろん画質は少し悪くなるが、ブレてしまってはそれどころではない。

 

なので、ISO感度というのは暗くて困ったときの非常手段、と覚えておいたらよいだろう。

もう一つ、被写界深度を深くするには絞る必要があった。絞れば光の量が少なくなる。するとシャッタースピードが長くなる。するとやはりブレてしまう。こんな時もISO感度を少し上げてシャッタースピードがブレない程度に調整するとキレイに撮れる。

 

実際にはISO感度というのは数字で100、200、400・・・・・・6400・・・・のようになっている。数字が大きいほど感度が高い、つまり胃袋が小さくなっていく(数字が大きいと胃袋が小さいというのはちょっとわかりにくいね、ゴメン)。

で、基本は200にしておく。

室内で少し暗い場合は1600くらいまでなら画質にほとんど影響しないのでOKだ。

ただし場合によっては6400くらいまでは使うこともある。それ以上はおすすめできない。

マイクロフォーサーズに関しては以前実験を行い、詳しくはこのブログで紹介したことがある。


 

まあ、あまり専門的な内容をここで理解する必要は無い。

必要なのは、ISOの設定も操作方法をマニュアルで調べて、しっかり覚えておくことだ。

そしてブレてしまいそうなシャッタースピードの時はISO感度を上げてブレないようにし、終わったら戻すように心がけることだ。

 

ではいつものようにおさらい

ISO感度というのはカメラが必要とする光の量の調整。

いつもは200だが、ブレそうなときは最大6400まであげる。

 

次回はシャッタースピードについて

 

 

 

 

 

2021年5月16日日曜日

プログレッシブロック

 その昔、まだ私が学生だった頃、プログレッシブロックというのが流行った。流行ったといっても高校の同じクラスに一人二人好きなのがいた程度だから、まあその程度だ。

最近仕事をしながら試しに聴いてみたら懐かしくてよかったのでプレイリストを作って、それ以来時々聴きながら仕事をしている。

 

プログレッシブロックで有名なバンドは、ピンクフロイド、イエス、エマーソン・レイク&パルマー、キングクリムゾンの4つで、その他にキャメルやルネッサンスというバンドもあった。

一般的にはジェネシスも加えるところだが好きではなかったのでここでは省く。

 

今回、仕事をしながらのプレイリストということで改めていろいろ聴きながら思ったのは、初期ピンクフロイドはおもしろいけどちょっと仕事しながらはねー、アーノルドレーンとか雲の影とかモア。でも月の影(ダークサイドオブザムーン)もタイムとかマネーはちょっとうるさい。ちなみに邦題はなぜか「狂気」。

プレイリストは「おせっかい」と「原子心母」。

 

キングクリムゾンは「宮殿」だけかな、仕事しながらは。

 

意外と良かったのがキャメル。当時は歌謡曲っぽいメロディに軟弱プログレと言われていたが、今聴くとなかなか良い曲が多い。不思議。




キャメル:スノーグース

 

 

イエスは「危機」と「こわれもの」の2枚。

この2枚はリミックスCDが出ていて音がいいと評判だったので買ってみたが、がっかり。今流行のコンプレッションとBOSEのスピーカーで聴くような味付け低音がブーン、ブーンと入っている。やれやれ。

 

コンプレッションとは文字通り圧縮のことを言う。音楽CDには一番小さな音から一番大きな音までだいたい100dB(デシベル)くらいのダイナミックレンジで記録されている。レコード盤は60dBだから数字的にはCDの方が圧倒的に優れていることになる。だが何回聴いても40dBの差は感じない。

100dBというのは最も小さい音が仮に30dBだとしたら最も大きい音が130dBということで、130dBというのは130ホーンと言うことだ。ちなみに人間が聴いていられる最大音量は100〜120dBで、うるさいなーと感じる音が60dBである。ちなみに下の30dBより小さい値は基本的には住環境の中には存在しない。だから30dBより小さな音を再生してもほとんど聞こえない。

 

つまり、ダイナミックレンジ100dBというのは数字のマジックであり、ほとんど意味がないと言える。レコードの60dBで十分であり集合住宅だったりしたらそれこそ60dBだって再現不可能だ。

 

脱線してしまった。コンプレッションだった。コンプレッションというのは、でかい音はいい音に聞こえる、という聴覚上の錯覚を利用したテクニックで、つまりCDの最も大きな音はそのままにそれ以下の音をぐーっと圧縮して音の大きさの平均値を高める方法だ。こうなるとダイナミックレンジもへったくれもないのだが、安いオーディオ機器やイヤホンオーディオでは良く聞こえるということで、今やポピュラー音楽のほぼ100%がコンプレッションによって、音がデカくなっている。

 

だがきちんとした環境で音楽を聴く人には??となるのだが、なにしろ今やオーディオは死語となり、年に1枚もCDを買わないような人が人口の半数以上だ。コンプレッションでも何でも気にしない人たちばかりがうようよいる中で、本来の「まとも」を求めても意味がないのかもしれない。

 

イエスのリミックスを聴きながらそんなことを考えていた。

 

ちなみにイエスの先に紹介した2枚は、イエスの最高のメンバーで制作されたレコードだった。

YESは商業的にヒットしたのはロンリーハートだが、音楽としてベストなのはリック ウェイクマンを迎えて最高のメンバーで作った「危機」と「こわれもの」の2枚。このあとすぐにブラッフォードが抜けてしまった。ブラッフォードの代わりのドラマーって誰だったか思い出せない。ま、いいか。そのあとウェイクマンが抜けてパトリックモラーツがやってきて「あーあ」となった。


 

イエス

 

そのリミックスと元のCDを聞き比べながら歌詞カードを読んでいたら大笑いしてしまった。

「危機は迫り来る、川沿いを回れ」だと。

イエスの曲はボーカルのジョンアンダーソンの言葉遊び以外の何者でもない。つまり、翻訳不可能なのだ。

そこを無理矢理、日本のレコード会社がそこにもっともらしい対訳をつけると多分に恣意的になる。恣意的なだけでなく爆笑になっている。

「I get up, I get down」と聞いたところで、何じゃコレ?翻訳不可能だわな、となるのが正常な神経だ。「盛衰」でも「目覚めては眠る」でもないわな。

マザーグースの国の人ですよー。

 

クックロビンを殺したのは誰?

私ですとスズメが言う、私の弓矢でやりました。

 

なんて対訳に意味が全くないのと同じ。クックロビンは可愛いらしい鳥で胸元が赤い、それを矢で射られた、とするダジャレだ。スズメの方はもっとひどい。スパーロがアーロで殺した、だ。

つまりA4でえ〜よん、なのだ。A4 is alright.

と訳しても意味がない。

 

その昔、ビートルズのペニーレインをペニーの雨と訳しておったのがあったが、それと同じくらい吹き出しそうになった。

ちなみにコーヒーを飲みながら仕事をしている時に吹き出すとキーボードがダメになる可能性がある。正に「危機」だ。

 

最後にルネッサンス、これはプレイリストには加えなかった。女性ヴォーカルなので他と合わないから。でもこのアニーハズラムと言う人はすごい、声がきれいな人はいっぱいいるが、何がすごいって、スタジオ録音とライブで全く歌のクオリティが変わらない。あーこういうのを天声とでもいうのかな。

と最後はだじゃれで、すまん。



ルネッサンス:カーネギーホールライブ

 

 

 

2021年5月15日土曜日

自動露出について



 理論編3日目は「自動露出」について

 

露出というのは、カメラに必要な光の量を、「絞り」と「シャッタースピード」で調整すること、というのは前回説明した。

絞りが開いていると光がたくさん入るので時間(シャッタースピード)が短くて済むし、絞りを閉じていくと入ってくる光の量が減るのでシャッタースピードは長くなる。

 

自動露出というのは、例えばあなたが絞りを決めたときに、その時入ってくる光の量をカメラが調べて自動的にシャッタースピードを決めてくれる仕組みのことだ。

もちろん逆もありだ。あなたがシャッタースピードを決めて、それにあわせてカメラが絞りを決めてくれる。

どちらが良いかは場合による。

被写界深度を考慮した写真の場合は、前者だし、動きのあるものを撮影するなら後者が便利だ。

 

先に「絞り」を決めることを、「絞り優先オート」または「Aモード」といい、

先に「シャッタースピード」を決めることを「シャッター速度優先オート」または「Sモード」と呼ぶ。

カメラのモードダイアルにAとかSとあるのはこれのことだ。

Aに合わせると、あなたは「絞り」を決め、カメラがそれに合わせてシャッタースピードを選んでくれる。

Sに合わせると、あなたは「シャッタースピード」を決めことになる。

 

モードダイヤルや液晶画面での設定には他にもいろいろある。だが最初に覚えるのはこのAとSだ。

ちなみにオートとかPというのは絞りもシャッター速度もカメラががうまいことやっておきますからね、というモードだ。

便利そうだが使ってはダメだ。ここは初心者が最速で上達するためのブログだ。なのでカメラの便利機能の説明はしない。

腕を上げるための説明と練習に特化する。レンジでチンみたいなのは期待しないで欲しい。

 

そうね、またしても脱線するが、例えば料理。餃子をつくる。時々「自分で作るより、できあいのを買ってきた方がおいしいんだよね」などと馬鹿なことを言うやつがいる。料理の話をしているのに、だ。カメラでもそうだ、「あれこれ覚えるよりカメラまかせにした方がいい写真が撮れるんだよねー」。

申し訳ないがそういう人はあっちに行って2度と戻ってこないで欲しい。

できあいの餃子を何万回食べたって料理のスキルは上達しない。

また、料理は自分で作るからこその楽しみもある。うまくいったり、失敗したりしながら。もしうまくできなかったらまた挑戦すれば良い。何が悪かったのかなー、と考えたりネットで調べたり、それを次回に活かす。めげずに何度か挑戦すればぜったいにうまくいく。そんなに難しいことではないのだから。

料理もカメラも全く同じだ。

 

さて、話を戻そう、AとSだ。実はもう一つM(マニュアルモード)というのがあり、これは自動露出は使わず、自分で「絞り」と「シャッタースピード」を決める。だがあまり使わないので省略する。ま、そのうち。

 

さて、自動露光で便利に撮影できるが、実際に撮影して液晶で確認すると、写真をもう少し明るくしたい、または暗くしたいときがある。それを調整するのが「露出補正」だ。前にも書いたが日本人の悪いところでわざと難しい用語になっている。「露出補正」とは「明るさ調整」のことだ。これも撮影の基本中の基本なので、説明書を見てどうやったら最も早く調整できるかを調べて、しっかり覚えておく。いちいちメニューから撮影設定>露出補正なんて選ばずとも、簡単に呼び出せるようになっているはずだ。

実際に露出補正をしようとすると-0.3EVとか-0.7EVとか、またしても小難しい単位が出てくるが無視無視。EVというのは光の量くらいに考えておこう。+1EVで2倍くらい明るくなる。マイナスなら暗くなる。

 

例えば暗いバーでウィスキーのグラスがキレイだったので撮ってみよう。まあこういうときはデカいカメラは無粋なので小さなカメラで撮るのが基本だが。



ピントの説明の回で使った写真。マイナスの露出補正で暗さを表現した。

このように、意図的に写真を少し暗くしたり、明るくしたりの調整をするのが「露出補正」だ。

 

では今日のおさらい。

自動露出には2つあって「A」は絞りをあなたが決め、「S」はシャッタースピードを決める。

自動露出より意図的に明るく、または暗くするのが「露出補正」。

 

「A」と「S」の切り替え、「露出補正」の操作を覚えておこう。

 

今日はここまで。

次回はISO感度について。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月14日金曜日

露出について




 理論編2日目

「露出」

 

「露出とは」、「露出調整方法」、さらに「ピントへの影響」について解説する。

 

露出というのは撮影の時、カメラに入れる光の量のことを言う。ちょうど良い量を入れる必要がある。

強い光(明るい時)ならすぐに必要な量になるが、弱い光(暗い時)だと時間がかかる。この時間がシャッタースピードだ。たいていはとても短い時間で1/100秒くらいだ。だがまぶしい屋外などではもっと短くなるし、暗い所では長くなる。

夜空の星を写す時は何分もかかることがある。

 

だが露出をシャッタースピードだけで調整するのは大変だ。すごく眩しい時は1/2000秒なんてことにもなる。だが1/2000秒の機械を作るのは大変だ。そこでカメラに入る光を少なくして1/100秒くらいで撮れるようにした。それが「絞り」だ。人の瞳にもついている、明るさに応じて瞳孔が広がったり小さくなったりして光の量を調整している。

明るいときは光の通る穴(孔)を狭くして通す光の量を少なくするし、暗い時は広くする。

 

そしてシャッタースピードと絞りの両方を調整し、ちょうど良い光の量をカメラに入れる、これを露出調整という。

光の量が多すぎると写真が白っぽくなる。これを「露出オーバー」という。

逆に少ないと暗くなる、これを「露出アンダー」という。

 

ここでちょっと質問。

例えば絞りを半分にして時間を2倍にしたら、光の量は同じ?

答えは「同じ」だ。

それなら絞りを1/10にして時間を10倍にしても同じ?

答えは「同じ」だ。

 

ではこれらの写真はみんな同じになるの?

答えは「同じにはならない」。

 

光の量は同じになるが、写真は同じにはならない。どういうことだろう。

実際に見てみよう。



絞り開放(全開)で短い時間で撮影、ピントは一番手前の花に合っている

 



絞りをかなり絞って長い時間かけて撮影、今度は奥までピントが合っている

 

前回、ピントの話のところでもう一つ大切なことがあると書いたのがこれだ。

手前の花はほとんど同じだが後ろの花や葉がずいぶん違う。ピントの合う範囲が違う。

このピントの合う範囲を「被写界深度」という。

被写界深度は「深度」つまり深さなので、「深い」とか「浅い」と表現する。

上のカーネーションの写真では、上の写真は被写界深度が浅く、下の写真は深い。

 

この被写界深度はシャッタースピードには無関係で、絞りに関係する。

絞りを絞るほどピントの合う範囲が広くなり(被写界深度が深くなり)、針の穴くらい小さくなると、すぐ近くから遠くまで全てにピントが合うようになる。

例えば修学旅行の集合写真、最前列から最後列まで少し距離がある場合、被写界深度を考えて全員にピントを合わせる必要がある。さらに、うしろに金閣寺があってそれにもピントを合わせたいなら、もっと被写界深度を深くする必要がある。つまり、最前列の生徒から金閣寺まで広い範囲(深度)でピントが合うような絞りをまず決めて、その絞りでちょうど良い光の量になるよう、シャッタースピードを設定することになる。

 

だが被写界深度はいつも深い方が良い、とは限らない。修学旅行の金閣寺ピンボケは困るが、例えば先ほどの花の写真、好き嫌いは別にして、手前の花だけにピントが合っていて背景がボケている写真も雰囲気があってよい。

また背景がくっきりしていると写真全体が賑やか、悪く言うとうるさい感じになる。だからイイ雰囲気づくりには背景が適度にボケている方が良いこともある。



あまり美しい眺めとは言えない神田川もこのように被写界深度を浅くして「ぼかす」と良い背景になる。

 

では一旦ここまでをおさらい。

「露出調整」とは「絞り」と「シャッター速度」の組み合わせで、ちょうどよい光の量にすること。

「被写界深度」とは絞りによって変化するとピントの合う範囲のこと。絞るほどにピントが合う範囲が増える。

 

今日はここまで

次回は第3回「自動露出」について。

 

ではまた。

2021年5月13日木曜日

ピントについて


 

今日からいよいよ実践として、まずは理論編。

第1回「ピント」について

 

2種類のオートフォーカス(自動ピント合わせ)とマニュアルフォーカス(撮影者がピントを調整する)について解説する。

 

最近のカメラは自動でカメラがピントを合わせてくれる(オートフォーカス)。カメラにまかせておけばほとんど失敗しない。

確かにそうなのだが、例えば風景や静物などを撮るときは1枚づつ丁寧に撮影する。だからピント合わせは1枚づつで問題ない。

だが子供・ペット・鳥などはチョコチョコ動き回るので同じオートフォーカスでもちょっと工夫が必要だ。

 

カメラはシャッターボタン半押しでピピッと鳴ってピント合いましたよ、と教えてくれる。

ここで例として子供の撮影。

カメラを覗きながらシャッターチャンスを狙う。だがウチの子は下を向いている。やがてこちらに向かってヨチヨチ歩きはじめる。ふいに顔を上げて手に持った物をにっこり笑って見せようとする、今だ、シャッターチャンス!、で、急いで半押し、ピント合わせ。

だが残念、ピピッとなる前にまた下を向いてしまった。やれやれ。

子供だとよくこんなことになる。犬猫でも同じ、鳥はもっとひどい、飛んでいってしまう。

そこでカメラには、じっくり「1枚ごとピント合わせ」モードと、半押ししてもピピッと鳴らずに相手が動くたびにピントを合わせ続ける「ひたすらピント合わせ」モードの2種類のピント合わせモードがついている。

「1枚ごとピント合わせ」のことをS-AFとかAF-S[シングル-オートフォーカス]といい、

「ひたすらピント合わせ」のことをC-AFとかAF-C[連続(コンティニュアス)-オートフォーカス]という。

 

もうおわかりだろう、景色はS-AFで撮影するし、子供やペットなどはC-AFを使う。

でもね、子供やペットがS-AFがダメなのはわかるけど、景色はC-AFでも使えないわけではないよね、と思うだろう。

理由は簡単だ。景色では「ここ」にピントを合わせておき、シャッター半押しのまま構図を変えて撮ることが多いので、一度決めたピントが変わらない方がよいからだ。

 

ここでまた少しだけ構図の話をしよう。

小学生のお子さんが遠足に行く。お弁当といっしょに「写るんです」(今でもあるのかな)を渡す。例えばだからね。

持って帰ってきた「写るんです」を写真屋に現像に出してできあがった写真を見ると、ほぼ100%「がっかり」だ。子供は気が利かないから、肝心の本人はほとんど写ってない。友達の写真ばかりだ。

さてそんな中に何枚か花とか銅像とか山などの写真が混ざっている。ほぼ100%ど真ん中にすえて写している。

こういうのを「日の丸構図」という。

日の丸は赤い丸がど真ん中にある、そんな風な写真のことだ。

日の丸構図は、ある意味もっともナチュラルな撮り方とも言える。だがおもしろみがない。そこで画角を変える。主役を少し右や左にずらす。

するとちょっとちがった雰囲気になりおもしろい。

 

 

 



画像を幅と高さそれぞれ3等分する線を基準に物を置くと座りが良くなる、と言われている。

この写真で言うとちょうど人の頭が左右も上下も3等分線の上にあり、かつ地平線も3等分線上にある。



この写真でもグラスの中心がが3等分線上にある。

 

そしてこのような構図の場合、画面の中心にピントを合わせると失敗することがある。

グラスはギリギリOKだが、上の後ろ姿の方は遠景の景色にピントが合うか人に合うか、定かではない。

こんな時は、一旦、人を中心に持ってきてシャッター半押しでピントを合わせ、そのまま半押しにしたまま画角を変えてシャッターを押す。難しそうに思えるかもしれないが、すごく簡単だ。

そしてそういう時はS-AFでないとダメだ。C-AFでは画角を変えたら半押しのままでもピントが変わってしまうからだ。

だから風景写真では決してC-AFは使わない。

 

最後にMF(マニュアルフォーカス)について。

マニュアルフォーカスというのはレンズに付いているダイアルを自分で回してピントを合わせる方法だ。

オートフォーカスがうまくいかないときに使うことが多い。

たとえば桜の花の写真を撮る時、たくさんの枝があって、どうしても手前の枝にピントが合ってしまう。もう一つ向こうのその枝にピントを合わせたいのに、なんて時はマニュアルフォーカスで自分でピントを合わせる方がうまくいくことが多い。

また、例えば鳥が飛び立つ瞬間を狙う、なんて時にもマニュアルフォーカスは有効だ。飛び立つ鳥はほんの一瞬が勝負だ。

そんな時は、あらかじめピントを鳥に合わせておきマニュアルフォーカスに切り替えておく。

そうするとカメラのピピッを待たずにすぐにシャッターを押すことができるので飛び立つ瞬間にシャッターを切ることができる。

 

S-AF、C-AF、MFの使い分けをしっかりマスターしよう。

はじめの一歩は、自分のカメラですぐに切り替えができるように操作を練習しておくこと。

S-AFで景色を撮っていたらウグイスが飛んできて近くの枝にとまった。なんてチャンスに「えーとえーと、あーあ」とならないように。

 

ピントについてはもう一つ大事なことがあるが、それは露出の説明と合わせて次回説明しよう。

被写界深度というものだ。

 

では今日のおさらい

カメラのオートフォーカスにはS-AFとC-AFがある。

S-AFは風景など動かないものを撮影するとき

C-AFは子供など動くものを撮影するとき

 

次回は「露出」の話

ではまた。