2021年5月19日水曜日

レンズについて(前編)




 ミラーレス一眼など、レンズ交換のできるカメラでは、目的によってレンズを使い分けることができる。


レンズは、倍率と明るさで様々な種類がある。

このうち倍率を決めるのが「焦点距離」で、数字が大きいほど倍率が高くなり遠くの物を大きく写すことができる。

明るさはF値といい、明るいレンズは暗いレンズよりレンズの直径が大きく、一般的には値段が高い。

 

また、倍率を変えることができる「ズームレンズ」と、倍率固定の「単焦点レンズ」がある。

 

ズームレンズは単焦点レンズに比べ少し暗く、また画質も少し劣る。

だが、初心者にとっては気になるほどの差ではないので、ズームレンズの便利さを積極的に活用した方が良いだろう。

 

さて、まずは、倍率について説明しよう。

倍率は「焦点距離」で決まり、数字が小さいほど広角となり、写す範囲(角度)が広くなる。

焦点距離24mm〜35mmくらいを一般的に「広角レンズ」という。広い角度、つまり視野の広いレンズと言う意味だ。

風景写真や建築写真でよく使われる。

 

次に、焦点距離50mm前後のレンズを標準レンズという。なぜ標準というかはよくわからない。

肉眼で見るのと同じくらいの大きさで見えるから、という説と、

単に作りやすいレンズだったから標準、との説があったような。

だが、景色を背景に記念写真を撮るのにちょうどいい倍率だったので、標準と言う名で定着したと考えられる。当時は「写真=記念写真」だったから。

 

最後に焦点距離が85mm以上を望遠レンズという。

望遠レンズは遠くを拡大して写すことができるので、85ミリの他にも135ミリ、200ミリ、300ミリ、500ミリ、600ミリなど多くの種類がある。数字が大きくなるほど倍率が高くなる。

 

さて、文章で書いてもピンとこないので、再びカメコさんに登場してもらおう。今日のカメコさんはフォトモデルだ。

スカートがダサいと文句を言っておったが、もう少し辛抱だな。

実際の写真での比較はニコンなどのホームページに出ているので、ここでは少し嗜好を変えてCGで説明しよう。

 

まずは撮影場所の上から見た図だ。





赤い丸がカメラ、3m離れたところにカメコさん、その後ろさらに3m離れて青いスポーツカーと少し後ろにも赤いスポーツカー、ずーっと後ろのカメコさんから12mのところに鉢植えの木が並んでいる。床のマス目は1m。

カメラとカメコさんの近くを拡大すると



こんな感じだ。カメラからカメコさんの3mというのは人物写真では一般的な距離と言える。

 

ではまずは24mm広角レンズ



カメラからカメコさんは3mだがもっと離れているように見える。

 

次に28mm



28mmというのは広角で代表的な焦点距離だ。

 

次に35mm



35mmはスナップ写真でよく使われる。ほどほど広く写り、しかも24や28mmのように小さくなりすぎない。

 

50mm



35mmと50mmではこれだけ違う。記念写真はだいたいこんなバランスだ。

 

85mm



85mmというのは人物撮影でもっとも良く’使われる焦点距離だ。2〜3mくらいのちょうど良い離れで、いい感じの大きさに写る。

 

135mm



これもありだ。人物をメインにタテ構図でブロマイドのように撮るにはこのくらいだろう。だが背景はよくわからなくなる。

 

 

さて、次に85mmの雰囲気が良かったので、85mmと同じ大きさになるようにカメラを持ってカメコさんに近づいてみた。

 

85mm(左)と28mm(右)の比較




 

カメコさんの大きさは同じだがスポーツカーはずいぶん大きさが違う。

これを上からみると



下の赤丸が85mmで撮影した位置、上の赤丸が28mmだ。こんなに近づかないと同じ大きさにならない。

少し近づきすぎだ。こんなに近いと写される人はカメラを意識しすぎてうまくいかないことも多い。

 

では35mmではどうだろう

85mm(左)と35mm(右)の比較


  

 

では逆に望遠にして、もっと遠くから撮影したらどうだろう。

85mm(左)と135mm(右)の比較





 

このように、レンズを使い分けることで様々な効果があることがおわかりだろう。

この例のように人物と少し離れた背景(スポーツカーなど)の場合は、3m位離れて撮影するなら広角は使えないし50mmも記念写真みたいでおもしろくない。

やはり85mmか135mmだろう。

だがカメラを持って近づくなら35mmも悪くない。

これが画角のおもしろいところでもあり難しいところでもある。

ここは単純に2つにして3mで85mmと1.5mで35mmが基本かな、と覚えておくのも手だ。もちろん他の焦点距離がダメというわけではない。

大切なことは実際の撮影では人物をしっかりキレイに撮ってあげることと同時に背景にも気を配ることだ。

さらに被写界深度を考えて2種類撮っておく。

つまり人物と車の両方にピントがあっている被写界深度が深い写真と、人物に合わせて絞りを開放にして車をぼかす被写界深度の浅い写真の2種類だ。

先ほどの35mmと85mmの違いに掛け合わせて4種類。人物のサイズは同じでも4種類のかなり雰囲気が異なる写真が撮れることになる。

どうだろう、家に帰ってパソコンでチェックするのが楽しみになるはずだ。

 

最後に、ちょっと面倒な話を。

 

焦点距離の数値と見え方はフィルムカメラを前提にした数値で考えるのが普通だ。

デジタルカメラならフルサイズ、というセンサーがフィルムと同じサイズのカメラだ。

 

APSCやフォーサーズやコンパクトデジカメでは、センサーサイズはフルサイズより小さいので、同じ焦点距離のレンズでもフィルムカメラに比べて写る範囲が狭くなる。

写る範囲が狭い、というのは周りが写らない、と言うことだ。

例えばフォーサーズではセンサーサイズが半分くらいとかなり小さい。

つまり写る範囲も半分になる。



35ミリレンズのフルサイズとフォーサーズの写る範囲の比較。

ずいぶん違う。

 

実際にはまわりの黒い部分がなくなり下のようになる。



これはフルサイズの70mmとほぼ同じ画角となる。

 

つまり、フォーサーズのレンズは焦点距離を2倍したらフルサイズ(基準サイズ)の見え方となる。

なので、カタログやホームページでも、「35mm(70ミリ相当)」などという表現が使われる。

付属のズームレンズ、12-42とあれば、24〜84mm相当であり、40-150は同様に80〜300mmということになる。

つまり2本で広角-標準ズーム+標準-望遠ズームの組み合わせとなっている。

 

ちなみにAPSCサイズの場合は1.5倍程度だ。ちょっと面倒だが大切なことなので覚えておこう。

 

今日はここまで。

 

おさらい

レンズの焦点距離によって広角〜望遠があり、広角の代表が28mm、標準が50mm、それ以上を望遠という。

広角で近くで写すのと、望遠で遠くから写すのでは、背景がずいぶん違うので、違いを考えて良い画角を探すと良い。

センサーサイズによって焦点距離は換算する必要がある。

 

ではまた。