その昔、まだ私が学生だった頃、プログレッシブロックというのが流行った。流行ったといっても高校の同じクラスに一人二人好きなのがいた程度だから、まあその程度だ。
最近仕事をしながら試しに聴いてみたら懐かしくてよかったのでプレイリストを作って、それ以来時々聴きながら仕事をしている。
プログレッシブロックで有名なバンドは、ピンクフロイド、イエス、エマーソン・レイク&パルマー、キングクリムゾンの4つで、その他にキャメルやルネッサンスというバンドもあった。
一般的にはジェネシスも加えるところだが好きではなかったのでここでは省く。
今回、仕事をしながらのプレイリストということで改めていろいろ聴きながら思ったのは、初期ピンクフロイドはおもしろいけどちょっと仕事しながらはねー、アーノルドレーンとか雲の影とかモア。でも月の影(ダークサイドオブザムーン)もタイムとかマネーはちょっとうるさい。ちなみに邦題はなぜか「狂気」。
プレイリストは「おせっかい」と「原子心母」。
キングクリムゾンは「宮殿」だけかな、仕事しながらは。
意外と良かったのがキャメル。当時は歌謡曲っぽいメロディに軟弱プログレと言われていたが、今聴くとなかなか良い曲が多い。不思議。
キャメル:スノーグース
イエスは「危機」と「こわれもの」の2枚。
この2枚はリミックスCDが出ていて音がいいと評判だったので買ってみたが、がっかり。今流行のコンプレッションとBOSEのスピーカーで聴くような味付け低音がブーン、ブーンと入っている。やれやれ。
コンプレッションとは文字通り圧縮のことを言う。音楽CDには一番小さな音から一番大きな音までだいたい100dB(デシベル)くらいのダイナミックレンジで記録されている。レコード盤は60dBだから数字的にはCDの方が圧倒的に優れていることになる。だが何回聴いても40dBの差は感じない。
100dBというのは最も小さい音が仮に30dBだとしたら最も大きい音が130dBということで、130dBというのは130ホーンと言うことだ。ちなみに人間が聴いていられる最大音量は100〜120dBで、うるさいなーと感じる音が60dBである。ちなみに下の30dBより小さい値は基本的には住環境の中には存在しない。だから30dBより小さな音を再生してもほとんど聞こえない。
つまり、ダイナミックレンジ100dBというのは数字のマジックであり、ほとんど意味がないと言える。レコードの60dBで十分であり集合住宅だったりしたらそれこそ60dBだって再現不可能だ。
脱線してしまった。コンプレッションだった。コンプレッションというのは、でかい音はいい音に聞こえる、という聴覚上の錯覚を利用したテクニックで、つまりCDの最も大きな音はそのままにそれ以下の音をぐーっと圧縮して音の大きさの平均値を高める方法だ。こうなるとダイナミックレンジもへったくれもないのだが、安いオーディオ機器やイヤホンオーディオでは良く聞こえるということで、今やポピュラー音楽のほぼ100%がコンプレッションによって、音がデカくなっている。
だがきちんとした環境で音楽を聴く人には??となるのだが、なにしろ今やオーディオは死語となり、年に1枚もCDを買わないような人が人口の半数以上だ。コンプレッションでも何でも気にしない人たちばかりがうようよいる中で、本来の「まとも」を求めても意味がないのかもしれない。
イエスのリミックスを聴きながらそんなことを考えていた。
ちなみにイエスの先に紹介した2枚は、イエスの最高のメンバーで制作されたレコードだった。
YESは商業的にヒットしたのはロンリーハートだが、音楽としてベストなのはリック ウェイクマンを迎えて最高のメンバーで作った「危機」と「こわれもの」の2枚。このあとすぐにブラッフォードが抜けてしまった。ブラッフォードの代わりのドラマーって誰だったか思い出せない。ま、いいか。そのあとウェイクマンが抜けてパトリックモラーツがやってきて「あーあ」となった。
イエス
そのリミックスと元のCDを聞き比べながら歌詞カードを読んでいたら大笑いしてしまった。
「危機は迫り来る、川沿いを回れ」だと。
イエスの曲はボーカルのジョンアンダーソンの言葉遊び以外の何者でもない。つまり、翻訳不可能なのだ。
そこを無理矢理、日本のレコード会社がそこにもっともらしい対訳をつけると多分に恣意的になる。恣意的なだけでなく爆笑になっている。
「I get up, I get down」と聞いたところで、何じゃコレ?翻訳不可能だわな、となるのが正常な神経だ。「盛衰」でも「目覚めては眠る」でもないわな。
マザーグースの国の人ですよー。
クックロビンを殺したのは誰?
私ですとスズメが言う、私の弓矢でやりました。
なんて対訳に意味が全くないのと同じ。クックロビンは可愛いらしい鳥で胸元が赤い、それを矢で射られた、とするダジャレだ。スズメの方はもっとひどい。スパーロがアーロで殺した、だ。
つまりA4でえ〜よん、なのだ。A4 is alright.
と訳しても意味がない。
その昔、ビートルズのペニーレインをペニーの雨と訳しておったのがあったが、それと同じくらい吹き出しそうになった。
ちなみにコーヒーを飲みながら仕事をしている時に吹き出すとキーボードがダメになる可能性がある。正に「危機」だ。
最後にルネッサンス、これはプレイリストには加えなかった。女性ヴォーカルなので他と合わないから。でもこのアニーハズラムと言う人はすごい、声がきれいな人はいっぱいいるが、何がすごいって、スタジオ録音とライブで全く歌のクオリティが変わらない。あーこういうのを天声とでもいうのかな。
と最後はだじゃれで、すまん。
ルネッサンス:カーネギーホールライブ


