2021年5月14日金曜日

露出について




 理論編2日目

「露出」

 

「露出とは」、「露出調整方法」、さらに「ピントへの影響」について解説する。

 

露出というのは撮影の時、カメラに入れる光の量のことを言う。ちょうど良い量を入れる必要がある。

強い光(明るい時)ならすぐに必要な量になるが、弱い光(暗い時)だと時間がかかる。この時間がシャッタースピードだ。たいていはとても短い時間で1/100秒くらいだ。だがまぶしい屋外などではもっと短くなるし、暗い所では長くなる。

夜空の星を写す時は何分もかかることがある。

 

だが露出をシャッタースピードだけで調整するのは大変だ。すごく眩しい時は1/2000秒なんてことにもなる。だが1/2000秒の機械を作るのは大変だ。そこでカメラに入る光を少なくして1/100秒くらいで撮れるようにした。それが「絞り」だ。人の瞳にもついている、明るさに応じて瞳孔が広がったり小さくなったりして光の量を調整している。

明るいときは光の通る穴(孔)を狭くして通す光の量を少なくするし、暗い時は広くする。

 

そしてシャッタースピードと絞りの両方を調整し、ちょうど良い光の量をカメラに入れる、これを露出調整という。

光の量が多すぎると写真が白っぽくなる。これを「露出オーバー」という。

逆に少ないと暗くなる、これを「露出アンダー」という。

 

ここでちょっと質問。

例えば絞りを半分にして時間を2倍にしたら、光の量は同じ?

答えは「同じ」だ。

それなら絞りを1/10にして時間を10倍にしても同じ?

答えは「同じ」だ。

 

ではこれらの写真はみんな同じになるの?

答えは「同じにはならない」。

 

光の量は同じになるが、写真は同じにはならない。どういうことだろう。

実際に見てみよう。



絞り開放(全開)で短い時間で撮影、ピントは一番手前の花に合っている

 



絞りをかなり絞って長い時間かけて撮影、今度は奥までピントが合っている

 

前回、ピントの話のところでもう一つ大切なことがあると書いたのがこれだ。

手前の花はほとんど同じだが後ろの花や葉がずいぶん違う。ピントの合う範囲が違う。

このピントの合う範囲を「被写界深度」という。

被写界深度は「深度」つまり深さなので、「深い」とか「浅い」と表現する。

上のカーネーションの写真では、上の写真は被写界深度が浅く、下の写真は深い。

 

この被写界深度はシャッタースピードには無関係で、絞りに関係する。

絞りを絞るほどピントの合う範囲が広くなり(被写界深度が深くなり)、針の穴くらい小さくなると、すぐ近くから遠くまで全てにピントが合うようになる。

例えば修学旅行の集合写真、最前列から最後列まで少し距離がある場合、被写界深度を考えて全員にピントを合わせる必要がある。さらに、うしろに金閣寺があってそれにもピントを合わせたいなら、もっと被写界深度を深くする必要がある。つまり、最前列の生徒から金閣寺まで広い範囲(深度)でピントが合うような絞りをまず決めて、その絞りでちょうど良い光の量になるよう、シャッタースピードを設定することになる。

 

だが被写界深度はいつも深い方が良い、とは限らない。修学旅行の金閣寺ピンボケは困るが、例えば先ほどの花の写真、好き嫌いは別にして、手前の花だけにピントが合っていて背景がボケている写真も雰囲気があってよい。

また背景がくっきりしていると写真全体が賑やか、悪く言うとうるさい感じになる。だからイイ雰囲気づくりには背景が適度にボケている方が良いこともある。



あまり美しい眺めとは言えない神田川もこのように被写界深度を浅くして「ぼかす」と良い背景になる。

 

では一旦ここまでをおさらい。

「露出調整」とは「絞り」と「シャッター速度」の組み合わせで、ちょうどよい光の量にすること。

「被写界深度」とは絞りによって変化するとピントの合う範囲のこと。絞るほどにピントが合う範囲が増える。

 

今日はここまで

次回は第3回「自動露出」について。

 

ではまた。