2021年5月13日木曜日

ピントについて


 

今日からいよいよ実践として、まずは理論編。

第1回「ピント」について

 

2種類のオートフォーカス(自動ピント合わせ)とマニュアルフォーカス(撮影者がピントを調整する)について解説する。

 

最近のカメラは自動でカメラがピントを合わせてくれる(オートフォーカス)。カメラにまかせておけばほとんど失敗しない。

確かにそうなのだが、例えば風景や静物などを撮るときは1枚づつ丁寧に撮影する。だからピント合わせは1枚づつで問題ない。

だが子供・ペット・鳥などはチョコチョコ動き回るので同じオートフォーカスでもちょっと工夫が必要だ。

 

カメラはシャッターボタン半押しでピピッと鳴ってピント合いましたよ、と教えてくれる。

ここで例として子供の撮影。

カメラを覗きながらシャッターチャンスを狙う。だがウチの子は下を向いている。やがてこちらに向かってヨチヨチ歩きはじめる。ふいに顔を上げて手に持った物をにっこり笑って見せようとする、今だ、シャッターチャンス!、で、急いで半押し、ピント合わせ。

だが残念、ピピッとなる前にまた下を向いてしまった。やれやれ。

子供だとよくこんなことになる。犬猫でも同じ、鳥はもっとひどい、飛んでいってしまう。

そこでカメラには、じっくり「1枚ごとピント合わせ」モードと、半押ししてもピピッと鳴らずに相手が動くたびにピントを合わせ続ける「ひたすらピント合わせ」モードの2種類のピント合わせモードがついている。

「1枚ごとピント合わせ」のことをS-AFとかAF-S[シングル-オートフォーカス]といい、

「ひたすらピント合わせ」のことをC-AFとかAF-C[連続(コンティニュアス)-オートフォーカス]という。

 

もうおわかりだろう、景色はS-AFで撮影するし、子供やペットなどはC-AFを使う。

でもね、子供やペットがS-AFがダメなのはわかるけど、景色はC-AFでも使えないわけではないよね、と思うだろう。

理由は簡単だ。景色では「ここ」にピントを合わせておき、シャッター半押しのまま構図を変えて撮ることが多いので、一度決めたピントが変わらない方がよいからだ。

 

ここでまた少しだけ構図の話をしよう。

小学生のお子さんが遠足に行く。お弁当といっしょに「写るんです」(今でもあるのかな)を渡す。例えばだからね。

持って帰ってきた「写るんです」を写真屋に現像に出してできあがった写真を見ると、ほぼ100%「がっかり」だ。子供は気が利かないから、肝心の本人はほとんど写ってない。友達の写真ばかりだ。

さてそんな中に何枚か花とか銅像とか山などの写真が混ざっている。ほぼ100%ど真ん中にすえて写している。

こういうのを「日の丸構図」という。

日の丸は赤い丸がど真ん中にある、そんな風な写真のことだ。

日の丸構図は、ある意味もっともナチュラルな撮り方とも言える。だがおもしろみがない。そこで画角を変える。主役を少し右や左にずらす。

するとちょっとちがった雰囲気になりおもしろい。

 

 

 



画像を幅と高さそれぞれ3等分する線を基準に物を置くと座りが良くなる、と言われている。

この写真で言うとちょうど人の頭が左右も上下も3等分線の上にあり、かつ地平線も3等分線上にある。



この写真でもグラスの中心がが3等分線上にある。

 

そしてこのような構図の場合、画面の中心にピントを合わせると失敗することがある。

グラスはギリギリOKだが、上の後ろ姿の方は遠景の景色にピントが合うか人に合うか、定かではない。

こんな時は、一旦、人を中心に持ってきてシャッター半押しでピントを合わせ、そのまま半押しにしたまま画角を変えてシャッターを押す。難しそうに思えるかもしれないが、すごく簡単だ。

そしてそういう時はS-AFでないとダメだ。C-AFでは画角を変えたら半押しのままでもピントが変わってしまうからだ。

だから風景写真では決してC-AFは使わない。

 

最後にMF(マニュアルフォーカス)について。

マニュアルフォーカスというのはレンズに付いているダイアルを自分で回してピントを合わせる方法だ。

オートフォーカスがうまくいかないときに使うことが多い。

たとえば桜の花の写真を撮る時、たくさんの枝があって、どうしても手前の枝にピントが合ってしまう。もう一つ向こうのその枝にピントを合わせたいのに、なんて時はマニュアルフォーカスで自分でピントを合わせる方がうまくいくことが多い。

また、例えば鳥が飛び立つ瞬間を狙う、なんて時にもマニュアルフォーカスは有効だ。飛び立つ鳥はほんの一瞬が勝負だ。

そんな時は、あらかじめピントを鳥に合わせておきマニュアルフォーカスに切り替えておく。

そうするとカメラのピピッを待たずにすぐにシャッターを押すことができるので飛び立つ瞬間にシャッターを切ることができる。

 

S-AF、C-AF、MFの使い分けをしっかりマスターしよう。

はじめの一歩は、自分のカメラですぐに切り替えができるように操作を練習しておくこと。

S-AFで景色を撮っていたらウグイスが飛んできて近くの枝にとまった。なんてチャンスに「えーとえーと、あーあ」とならないように。

 

ピントについてはもう一つ大事なことがあるが、それは露出の説明と合わせて次回説明しよう。

被写界深度というものだ。

 

では今日のおさらい

カメラのオートフォーカスにはS-AFとC-AFがある。

S-AFは風景など動かないものを撮影するとき

C-AFは子供など動くものを撮影するとき

 

次回は「露出」の話

ではまた。