2023年12月22日金曜日

お散歩写真、横浜


 

散歩をするため横浜まででかけた。片道電車で1時間かかるが、家の近くの散歩には飽きてしまったので今日は遠出。

散歩しながら写真も撮った。カメラは先日カミさんが引き出しの底から発掘したフジのコンパクトデジカメ。画質はお世辞にも良いとは言えない。i-phone SE以下である。これはショッピングのあと喫茶店で休憩したときに撮った写真。

まずはi-phoneSE

i-phoneSE

次にFinePixZ
FinePixZ

そう、この感じ、ポラロイドっぽい。そこが気に入ったのでこれを持ってきたのだ。先日モモコDOLLを撮影したときにも同じことを感じて、ああ写真日記みたいなのはこの画質がいいな、と。

今日は調子に乗って40枚くらい撮影したのでここで何枚か貼っておこう。

これは喫茶店の入っていた商業施設で撮影したものレトロな感じの日よけがいい。


これも同じ商業施設で、ほんとうはこの絵のように正方形で撮りたいのだがカメラの設定に正方形がなかったので、ここに貼る前にトリミングした。フジはわかってないねー、などとつぶやきながら・・・


これはランドマークタワーの横のオブジェと月。霞がかかって月はぼやっとしていたが、このカメラの味のように見えるのには笑ってしまう。


歩きながら遊園地を撮った、少しナナメだがあえて修正しなかった。ポラロイド感覚だからね。これも正方形がよかったかも。





大桟橋、階段と遠くに横浜ベイブリッジ、クジラのプロジェクションマッピングなんぞをしていたが、まあまあだった。


帰りにおなかがすいたのでご飯を食べて帰った。これはレストランで。

この日は気温も低くなく風もなかったのでとても快適に散歩できた。16500歩だった。コースはみなとみらい駅で降りて近くの商業施設の中を30分くらい見て回り、そのあと赤レンガ倉庫前のプロジェクションマッピングを見てから大桟橋へ。マリンタワー前を通って中華街。そして元町中華街駅から電車に乗って帰ってきた。

こういう散歩は仕事が忙しいのでそれほど頻繁にはできないが、まあ2週間に1度くらいはいいだろう。ただし中華街で食事をしている時点ですでに十数件のメールが届いていてちょっと落ち着かなかったが。この日は仕事の連絡は少ない予定だったのだが予想は裏切られてしまった。よくあることだけどね。

帰ってからたっぷり仕事である。


あ、そうそう今日はこのフジのカメラ、バッテリーのチェックも兼ねて何枚も撮影したのだが、40枚ちょっと撮影し残量をみるとまだ半分以上残っていた。これならぜんぜん問題ない。ポラロイド感覚なのだから40枚は多すぎるくらいなので。




2023年12月18日月曜日

ポートレート写真の現像

 仕事が一段落したのでようやく週末、といってももうすでに月曜の早朝3時だから2時間くらいしか自由時間はないが、さて何をしようか。

以前撮影したポートレートの現像をすることにした。シグマDP 2mで撮影したRAWデータを3枚。DP2mのRAW現像は汎用ソフトではできない。つまり使い慣れたAdobe camera rawは使えない。シグマ Photo proというお世辞にも出来がよいとは言えないソフトを使う必要がある。なにが不満かと言えば処理に時間がかかることだ。パラメーターをほんの少しいじるだけで毎回数秒待たされる。通常RAW現像では、色温度などちょいちょい数値をわずかに変えながら狙った色に持っていく。だがシグマのソフトはそれができない。だから私には使い方は1つしかない。ほどほど合わせたらそこで16bit出力しておしまい。つづきはPhotoshopのcamera rawフィルターで処理し、処理が終わったら8bit化する。16bit編集でトーンジャンプは抑えられる。

1枚目

Sigma DP2m F2.8 1/60 ISO100


これは画角が気に入っている。露光は左の女性に合っているが右の女性が主役のようにも見える。そういうつかみどころがなさが物語性になっている。物語のないポートレートには全く価値がないと本気で考えていた頃の撮影。今でも当時ほどストイックではないが物語性のない写真、特にポートレートは写真技術や芸術性云々以前の問題のように思っている。


2枚目


Sigma DP2m F4.0 1/60 ISO100



ポートレートはほとんどカメラ目線では撮らなかった。こちらに向かって何かを発するのではなく、被写体が自分のまわりに世界を作ってほしかったので。この自分のまわりに世界をつくるというのは物語にとって必要不可欠な要素であると同時に、コミュニケーションの本質であると思っている。なぜコミュニケーションの本質なのかは以前ココに書いたので割愛するが、そこから導き出される物語もいや情報そのものもオーディエンスの数だけ多様性があり、その多様性がエンターテイメントなのである。したがって話は変わるが軽薄で画一的なエンターテイメントを装った装置のようなものには嫌悪感すら感じるのである。そうね、好きなものの例ならいくらでも書きたいが、嫌いなものはねぇ。例えば大人も子供も外国人も誰でも等しく楽しめることをコンセプトにしたテーマパークや、成長しない少女たちのアイドルユニット、歌も演技も中途半端なバラエティ番組が中心のアイドルたち、とかね。そう、バカみたいに分かりきった薄っぺらいものたち。そこには昨日も今日も明日もない。今日やっていることと全く同じことが明日別の誰かで繰り返される。

3枚目

Sigma DP2m F3.2 1/60 ISO100


さて、こういう暗い写真が好きなのでDP2mは先のRAW現像を除けばおもしろかった。これは以前書いたが、シグマはフォビオンのフルサイズを実現するために基礎研究からやり直しているような言っているが、私は開発は事実上やめてしまったのではないかと思っている。もしやめていないなら少なくともAPS-Cでよいのでマイナーバージョンアップ版の新製品でも出すことはできると思う。メリルの画質でOVAが付いてクアトロみたいなヘンテコなデザインをやめてオールドカメラライク、シャッターボタンをメタルに、露出補正その他もダイヤル式のような、動画はなし、手ぶれ補正は無理だろうからこれもなし。ただしもう少しだけシュンシュン動けばいいかな。画質と操作性とスピードさえ担保されたらそんなカメラでもまあまあ売れるだろう。でもおそらく出てこない。カメラ製造は外部委託だろうがセンサー製造設備ももう存在しないのではなかろうか。

そもそも先の見えない製品の開発を続けるような余裕は現在のカメラ業界にはない。あるとしたら、「やめました」を言うタイミングをはかることだけだと思う。それまでは続けているような言い方をする。まあ来年あたりかな。残念だが。

さて、選んだ3枚を小さくはがきサイズでプリントした。


まあまあかな。このスペースには仕事のメモや絵はがきを貼ってある。仕事のメモといっても画像変換時や3Dソフトのパラメーター値くらいなのでほとんど絵はがきのスペース。ここに私の撮った写真も貼ることがある。きちんとしたプリントは当然もっと大きなサイズだが、A3やA2サイズだとプリントも画像の微調整やら何やらでそれなりに時間がかかる。なので時間がある時しかできない。はがきサイズなら気軽にプリントできるのでここに貼ってときどき眺めるのにちょうどよい。それで今回のように今ひとつだったかな、というものは大きくプリントはせず、場合によってはRAW現像からやり直したりで、そういう意味ではここにはがき版を貼るのはいい考えだと思う。


2023年12月14日木曜日

模型の模型


 


模型の模型である。まだ正式に受注していないが結構大きな仕事である。模型製作の仕事。ただし金額はさておき規模も大きくウチでは作れないことはないが、やはりここは餅は餅屋である。受注したら模型製作会社に発注する予定である。模型会社にも条件付き予約を入れてある。

通常模型製作では模型屋さんに発注するときも基本設計は当然ウチで行う。そしてそれを元に3D-CGを起こし、さらにカラー原寸の平面図や立面図を制作しクライアントと打合せをする。ここが結構大切で、クライアントは縮尺図などだけでは具体的なイメージを描くことができないことが多いので原寸図が必要だからである。ある程度できてから「思っていたより小さい」などと言われたら最悪だ。模型の場合作り始めたら変更はできない。

だから原寸図と3D-CGで確認する。このやり方は正解で、クライアントはいつも完成検査のとき「バッチリですね」と言ってくれる。

だが今回はそれでも不十分だと考えた。なにしろ大きな模型になるし、金額もかさむので失敗は許されない。

そこで模型の模型である。つまり実製作模型の一部をモックアップでつくりクライアントの確認を行う。クライアントは1社だが関係する会社は数社になるので、各社の担当にも確認してもらう。基本私に任せてくれる人もいれば、何かひとこと言わないと仕事した気にならない人もいる。それらをとりまとめいいものを作るのは簡単ではない。

前置きが長くなったが、そんな訳で作った模型。作りは細かいところにこだわる必要は全くないので、精度は決して高くない。ブレードやナセルもいい加減だ。だが雰囲気はバッチリわかるようにしないと意味がないので、塗装は行った。ブレードはモーターで低速回転する。7RPMである。

模型でもCGでもなんでも常に必要なのが「それを何に使うか」である。ここがブレるとロクなことがない。例えば製品のPRならウリはどこか、それをどう見せるか、プレゼンなら何を決めなくてなならないか。時々そういうこと無しで相談を受けることがあるが、それでは何もできない。提案もできない。つまりコレなしに私の仕事はできない。この模型も全く同じ、決定すべきこと(省略)のために作った。目的は十分果たせるだろう。

さてさて今回の模型の模型だが、材料費は1万円くらい。製作期間は1週間、と言っても他の仕事の合間なので実労2日間くらいだろうか。完全持ち出しでキャンセルになったらそれまでだが、こういう営業は非常に重要かつ不可欠だ。

私は「仕事ありませんか」のような営業はまずしない。非効率だから。だが今回のようなこういう営業は本気度100%で望む。まあ当然ではあるが、まわりを見ているとそうでない人も結構多い。

「どうせなら面白いコトを一生懸命やりましょうよ」と思うのだが。


2023年12月8日金曜日

45R.P.M.のレコード

 昨日今日と続いた4件の打合せ、すべて無事に終わり、プレゼンはどれも好評で新しい仕事の相談もいただいた。でも今日は少しのんびり。決して時間に余裕ができたわけではないが、まあ少しだけ。そうそう洗濯物も畳まなくてはならないので、音楽を聴きながらのんびりしよう。

ということで真空管アンプ3台のスイッチを入れ、温まるまでステレオまわりを固く絞ったハンドタオルで拭いて、手を石けんで洗う。真空管はだいたい15分くらいで温まる。これはメーカーのトライオードの人に聞いた。以前購入してまもなく、左側のスピーカーの歪みが右に比べ少し多く感じて、気になるのでメーカーに問い合わせをした。左右の管を入れ替えてみてと言われたのでやってみた、するとみごとに歪みのくせも移ったので管が悪いということで管だけ1本交換となった。そのときについでに聞いてみた。15分でいいらしい。

ちなみにそれ以降はとても調子がよくいい音で鳴っている。

さて、そんな訳でレコードを聴く

今日の1枚目、"The Art of Noise"の"Close Up"




プレーヤーは今日はトーレンス。カートリッジはオルトフォンMC20。私はオーディオマニアではないのでカートリッジは一度付けるとまず変えない。あれこれしない。針交換はするがそれだけ。
で、Art of Noiseだが懐かしい。思ったより音が良かった。よしよし。古いレコードだが丁寧に扱っているのでキズやノイズは皆無で気分がいい。

聴きながら洗濯物を畳む。

2枚目、"Grace Jones"の"Slave to the Rhythm"




ま、これはこんなものかな。当時レコードジャケットが気に入って買ったようなもの。


洗濯物を畳み終わったので、次にカメラの掃除をすることにした。キムワイプで拭くだけだがこれで結構きれいになる。特にラバーの部分は丁寧に時間をかけて拭く。キムワイプはティッシュと違って繊維が残りにくいのでラバーの部分もきれいに掃除できる。






3枚目、"the Pale Fountains" のえーと”Starting the War"だったかな、ちょっと定かでない。




Pale Fountainsはロックグループだが女の子がキャーキャー言う系の音楽とも言える。それでも決して嫌いではない。曲を自分たちで作ってまあまあいいし、レコードジャケットもこんなんでおもしろい。LP盤だがPacific Streetというアルバムもジャケットデザインがいい。



今日聴いた3枚のレコード、45回転。当時12'シングルと呼んでいた。今もそう呼ぶのかな。音楽的にどうこう言っても始まらない、でもどれもまあまあ音は良いし、懐かしくて楽しいひとときだった。洗濯物も畳み終わったし、カメラの方もキムワイプを10枚くらい使ってきれいになったし。

ということで全部で1時間弱の休憩おしまい、仕事に戻るかね。

2023年12月5日火曜日

モモコドールの写真撮影

 

Fuji FinePix Z1000、f/4.9 1/60s ISO250、トリミングなし


価格ドットコムを久しぶりに見ているとなんとなく懐かしくなって、昔撮った写真をアップしてみた。お人形(ブライス)の写真

人形の写真はライティングにじっくり時間をかけることができるので、リアルなポートレートとはまた違った意味でおもしろい。

それで今日は商品撮影、と言っても今作っている技術資料に載せる簡単なカットなのだが、クライアントから預かっているパーツの写真を撮ったので、そのついでに人形も数枚撮ってみた。撮影室は図書室と兼ねていて現在改装中で、照明などは不完全だが仕方がない。

久しぶりに箱から出すと人形は髪の毛や服やサンダルなどがボロボロになっているものも多く、ショック。

さらに今は仕事が結構忙しく、明日と明後日合わせて4件の打合せがあり、主役は私なのでプレゼンの資料をまとめないとならない。ここ数日睡眠時間を削って仕事をしている。そんな訳でお人形の写真を撮ると言っても、かけられる時間はせいぜい15分くらい。

人形をいくつか箱から出して傷みの少ないを選んで支えの針金を曲げて立たせたらもう10分も経っていて、撮影は5分しかない。つまりじっくり照明を・・・なんて時間はない。やれやれ。

撮影には古いフジのコンパクトデジカメを使ってみた。昨日カミさんから「こんなの出てきた」と渡されたデジカメ。10年くらい前にカミさんに買ってあげたカメラ。バッテリーを充電したらまだ使えた。画質は期待できないがなんとなくおもしろいのでこれで撮影することにした。




デザインはよいけどね。

(昔の私のレビューには食パンに海苔の佃煮なんて書いてある、辛口だね)

テストで撮影した画像をMacで開くと、うーん。まあ使えないこともないが、i-phoneのカメラの方がマシかな、これなら。

で、そのお人形の撮影だが、細部まで解像したきちんとした写真より、ゆるい感じのほうが良さそうな気がしたのでこのカメラにしたのだが、こういうのもありかな、と思う。

まず時間がかけられないからお人形の髪の毛はボサボサのまま、当然服を修理する時間もない。あげく針金を曲げてササッと作ったスタンドは見え見えになっている。照明も工事中なので暫定で設置、ディフューザーも付かない。ならばゆるいカメラで・・・と、そういうこと。


お人形さんをお人形さんぽく撮ってみよう、そして被写体もカメラも照明もゆるゆる。ではどこにこだわるのか。つまり何ができるのか。10年前に新品で7千円のカメラである。こんなもので何もできるはずがない、というのは簡単。でもちゃんとできることがある。しかも5分で。

これ、あとで2Lでプリントして飾っておこう。さすがに大きなサイズのプリントはつらいけどね。

と言うことでさっそくプリント。明日の打合せ資料のプリントの合間にこれもプリント。うーん色が合わない。データとプリントの設定をあれこれと。5枚目でようやく合格点。うーん。

これが最終的なプリント画像


どうもおかしいのはこの画像はずいぶん暖色系に転んでいる。上の少し寒色系の方が狙いだったのだが、プリントすると辛気くさい。どうも画像ではなくプリントの設定に問題があるように思う。今度きちんと設定を1からやり直そうと思う。こういう設定、いくつか連続してやっているとスムーズなのだが、たまにするとどうもうまくいかない。今日は仕事の合間で集中できなかったなんて言い訳は御法度、まだまだ修行が足りないということか。




最後に私の照明の決め方について。

まずは天井灯を消し、撮影用の主照明1灯だけ点灯しその位置を決める、だいたいでよい。主照明はそれがもっとも明るく被写体を照らす照明なので、位置決めは悩む必要はない。画角と被写体の向きでほぼ自動的に決まる。左を向いている人形に右から当てるなんてバカなことはやらない。次にファインダーを覗きながら2灯目を決める。1灯目が右からなら2灯目は反対の左からにする。ただし2灯目は副照明なので、1灯目より暗くなるように照度を落とすか距離を離す。主照明と同じような明るさにすると被写体の左右が同じ明るさになり、立体感に乏しい薄っぺらい写真になってしまう。また被写体が人形でも静物でも光がほとんど当たらない真っ黒い部分は作らないようにする。意識してレンブラントライトで、という時もあるが、それは例外的で、その場合にも影は残ってしまってできるのではなく、意図した場所に残す、つまり影を作るという考えで設定する。


Sigma DP2m f2.8 1/60 ISO400



DP2mで撮影したこの写真は撮影時からシャドーを前提にライティングを行った。左を向いているモデルに右から照明を当てるなんてバカなことの例。こういう風にする、という明快な目的があって可能になる。

またこれはDP2m限定だが、フォビオンはあとから現像時に露出の持ち上げは一気にノイズが増えて辛いので、そのことを考慮して露出を決める必要がある。つまりアンダーで撮りたい写真でも露出補正で暗く撮らず、適正露出で撮影し、現像時に必要なだけアンダーに持って行った方がよい場合が多い。

さて、1灯目と2灯目で足りることもあれば足りないこともある。足りないことの方が多い。なるべく灯数は増やしたくないが3灯目を追加する。3灯目は1灯目または2灯目の角度が微妙で部分的に光が足りないところに補足するために置くことが多い。なので2灯目の補足であれば先行する2灯目と併せて明るさを調整する。いい感じになったらさらにあと2灯でハイライトとバックグラウンドを追加調整する。ただしハイライトやバックグラウンドは無しの場合もある。

ハイライトというのは、弱めの光で被写体の一部を明るくする、つまり意図的にテカっている部分をつくること。上の人形の写真では手間のお人形の髪の毛にハイライトを当てている。バックグラウンドは背景となる壁などが暗くなりすぎないように原則被写体には光があまり当たらないように背景だけに光を当てること。だから黒い背景の時は必要ないし、被写体用の照明でいい感じになっているのなら同じく不要となる。ただし面倒だからいいや、と手を抜くと背景のみならず被写体も台無しになこともある。つまり場合にもよるが結構大切。

全体感が決まったら微調整をする。影の落ち方や不要なテカリの除去など。また天井灯はほぼ100%使わないがディフーザーを付けた面ライトを足すこともある。どうにせよあれこれ照明を一度にやみくもにいじるのではなく、1つずつ決めていき最後に微調整するほうがよい。

このやみくもにあれこれやっていい感じになったら、というのは諸悪の根源だと思っている。たまたま上手くいっても再現性がないのでスキルはまったく上達しない。これは照明に限らず例えば写真なら、撮影や現像、後加工すべてにおいて言える。

また撮影の際、カメラは手持ちの時もあるが、照明の手持ちはまずやらない。灯数も多いし、仮に1灯であっても手持ちで何とかなるほど照明はお気楽ではない。

もう10年以上前、弟子君に言ったことがある。カメラは写真の父、照明は写真の母。立派すぎるお父さんの子供はたいていダメだが、素敵なお母さんの娘はほぼまちがいなくいい。

まあ今日の撮影は時間がなかったので何もできずに、仕事の撮影の設定のまま、微調整と手前の人形の髪にハイライトを加えておしまい。このハイライトがないと絵が死んでしまうので。



2023年11月23日木曜日

風景写真

 最近ほとんど写真を撮っていない。ときどきカメラをバッグに入れて散歩に行くこともあるが一度も取り出さずにそのまま帰ってくることも多い。3回に2回くらい、これではダメだね。

下の写真は何の用だったか忘れたが、少し歩き足りなくて娘と新宿の普段行かないエリアを歩いたときに撮影した写真。

娘にこういう場所で写真撮ってもちっとも良くないでしょ?でもコントラスト調整して白黒で現像すると大センセーみたいな写真になるんだよ、と言ったら、でも撮っていてちっとも楽しくない、と言っておった。全く同感である。

E-M1-II SUMMILUX9 F1.7、f/10 1/6s ISO100、トリミングなし


つぎは西新宿の超高層ビル。家の近所なのでよく歩く場所。

E-M1-II SUMMILUX9 F1.7、f/5.6 1/640s ISO400、トリミングなし


最近この手のモダニズムの復興調高層ビルが多い。ルードヴィッヒ・ミースのレイクショアドライブのアパートメントとかシーグラムビルみたいな。鉄とガラスの超高層。

ちなみに、外国人観光客がすごく増えて、新宿で彼らが楽しそうに写真を撮っているのは上のゴールデン街やら思い出横丁やらで、そういうものなんだなー、アジアってやはりこれが特徴なんだね、と。



2023年11月22日水曜日

仕事の環境

 私は個人事業主としてデザインの仕事をしている。

以前は会社勤めをしていたが、それはそれでよかったが、独立した今は会社勤めをしていたときとは比べものにならないくらい自由だ。まあ当たりまえである。

私にとって大切なことは仕事や休憩の時間の取り方とかではなく、これは開業当時に書いたが、

独立して好きな仕事を好きなようにするなら、仕事の空間はおもいっきりわがままな場所でいい。

私の理想は


1.「邪魔」や「鬱陶しい」が存在しない。

2.「我慢しながら使う道具」なんてない。

3.あちこちに「遊び心」がある。

4.快適な「空気と音」がある。


今のところ、思いつくのはこの4つ。

と、これは今でも大きく変わらない。

少し変えるとするとこんな感じだろうか

1.「興味のないこと」に義理で付き合わない。
2.「気に入った道具」だけを好きに使う。
3.「遊び心」があるたのしい仕事の空間をつくる。
4.「快適な空気と音」がある。

1についてはもう何も言う必要がない。仕事では「何この人?」みたいなことはゼロではないが、それでもこちらは独立した別の組織のデザイナーなのだから、無遠慮な話はまずない。独立する前とは大違いだ。

2〜4は同じことで、仕事部屋や道具にこだわること、と言える。

かなり、いや完璧に自由のはずだが、独立して2年経ってどうなのだろう。何か中途半端になってないか?

ということで反省を込めてここで現状を眺めてみる。

ぱっと立ち上がって片付けたり手を加えたりせず、今の状態をそのまま写真に撮ってみた。

まずはコンピューターの机。ここがメインの仕事場所。


まあ、ここはほぼ満足。こうして写真を撮って冷静に眺めてみてもあまり改良点は思いつかない。強いているならスピーカーの色、その上に置かれた雑物、そのくらいだろうか。

次にサイドデスク


ここはちょっとねぇ。仕事しながら飲んでいるごま麦茶のピッチャーとコップは良いとしても、いつもではないが仕事しながら時々かじっている「あたりめ」の袋はねぇ。あと領収書やカメラのバッテリー、こういう「ちょい置き」はどうなのかな、少し考えた方がいい。つまり「ちょい置き」そのものは絶対なしにはできない。何か使ったら基本元の場所には戻すが、ちょっと仮置き、というのはゼロにはできないから。だが考えてみれば散らかるとはこの「ちょい置き」の集合に他ならない。だから無くならない「ちょい置き」をどう処理するかが最も大切なのかもしれない。

次に棚


ここはまあまあかな。ただし製作中または製作が終わった模型のパーツなどが置いてあって、これは少し考えた方がよい。飾ってある小物もちょっと多いかも。

次に作業机


うーん、ここは問題だな。定期的に片付けはしているが、どうしてもすぐにこんな風になる。左側の紙やプラシートは娘が昨日ここで作業していたときに下に敷いていたもの。ヨドバシから届いた工具やそれが入ってたパッケージ、右側にはスタンプ台や文房具などいろいろごちゃごちゃしている。モニターの前にもあれこれ置いてある。ここは少し真剣に考えないとコレではだめだ。

以上が仕事の空間だが、ついでに他も撮ってみた。

これはスピーカーとローテーブル
スピーカーの上の帽子やメモ用紙。
ローテーブルは時々娘がやってきてここでノートパソコンでいろいろやっている。ティッシュはそのとき鼻をかんでいたものだ。うーん。娘にあれこれ言うのは簡単だが、そうではなく何かできるのでは。

最後にステレオまわり

ここはいいかな、このままで。ただしレコードをかけるとき、そのレコードのジャケットやスリーブを置くところがない。今は左のレコードプレーヤーを使うときは右のレコードプレーヤーの上、逆の場合も同じでそうしているが、もう少しいい方法ないかな。

と、以上が解決すべき問題点。
まとめておこう。
1.仕事上の「ちょい置き」問題を解決すること。つまり「ちょい置き」スペースを作ってそこをはみ出さない、そしてちょい置きスペースが鬱陶しく見えないようにすること。
2.スピーカーの上には物を置かないこと、帽子や雑物は他に置き場所を用意すること。
3.レコードをかけるときのジャケット置き場をうまく作れないか検討すること。

そんなところかな。

あともう一つ、図書室もあるが、こちらは仕事が忙しくなり新規で製作する予定の本棚6台が先延ばしになっている。うーん。






2023年10月6日金曜日

図書室

 ウチには小さな図書室がある。わずか6畳でそのうち1畳分はスチールラックが置いてあって倉庫になっている。またこの部屋は撮影スタジオを兼ねているので撮影台も置いてある。だから図書室と言っても本棚が8台置いてある程度である。それでも仕事や趣味などそれほど多くはないが整頓して本が置けるのでとても重宝している。

ところがこの部屋、ちょっと油断すると家中の捨てることはできないが邪魔な物が集合する部屋で、足の踏み場がなくなることもある。

でもそれではダメである。理想はカップに紅茶でも持ってきてペラペラとページを繰りながらアイデアを考えたりする場所である。

なんとかしたい。


さて、話は変わるが私の仕事、つまりデザインの仕事は年間を通してそれなりにあるので、仕事の全くないヒマな月というのはまずない。それでも忙しさの「山」「谷」はある。たとえばクライアントの会社の決算月に合わせて忙しさが変わる。通常3月決算の会社では予算の次期持ち越しは少々面倒なので3月に終わらなかったから4月ね、とはなりにくい。つまり2月3月は仕事で忙しい。だが7月に終わらなかったから8月ね、は割とあるのでこの時期はそれほど忙しくならない。無理してでも終わらせよう、とはならないから。同様に半期つまり9月末も翌月持ち越しの少ない月なので忙しい。

何を言いたいかというと、9月に納品を終えた今の時期、10月のはじめは割と「谷」になり、少しだけヒマになる。旅行に行くのもよいし、家の改装なんて手もある。


ところが今年は4月もそうだったが、10月もあまり「谷」らしい「谷」にはなりそうもない。つまりまあまあ忙しい。それでもようやく気温も下がってきて、何か工房で作業をするなら1年で最も快適な時期である。そう、6月〜9月は結構暑いので工房作業は汗をかきかきで大変なのである。


で、今年は図書室をもう少し使いやすくするのはどうだろう、と考えた。実はコレ昨年からずっとやりたいと思っていたのだが忙しくてできなかったのが、ようやくお鉢が回ってきたのである。それにこれなら中断もできるので最悪忙しくなったら途中で止めてそのうちまた再開することもできる。キッチンや寝室の改装ではそういうわけにはいかない。

さて、ではこの図書室の改良だが、やるべきことはシンプルで次の3つだけ。

1.不要な物を整理して工房の上に棚を作って移動し図書室からなくす。

2.本棚の各棚に分類タグをつけてタグにあわせて本を収納し直す。

3.収納部分に手を加え若干キャパを増やす。

以上である。

現状の本棚

これがどれくらい良くなるか、目標は2ヶ月後くらい。つまり冬休み前の完成を目指す。

2023年9月13日水曜日

技術マニュアルの制作

 技術マニュアルの作成

 技術マニュアル作りでは、本文の他に3つの要素がある。
「数式」と「表」と「図」である。
この3つはどれもたいてい本文より時間がかかる。
数式は分数やら特殊な文字が多い、たとえば小文字のbに下付で大文字のAが付いているようなときは、小文字のbのサイスを1つ上げて大文字のAを2つ下げる必要がある。またギリシャ文字や特殊記号もよく使われる。3段の分数をカッコでくくることもある。

数式では美しく読みやすいフォントを使うことが大切だが、技術マニュアルでは私はTimesを使うことが多い。アルファベットなどはイタリックで数字と演算記号はノーマル。ただし数式中のいくつかの文字は2バイト文字が必要なのでそこはヒラギノ明朝を使う。全部ヒラギノ明朝という選択肢もあるが、アルファベットと数字はTimesの方が美しい。
さて、長い数式は1つ作るのにIndesignで20分くらいかかるものもある。今回のマニュアルは数式が多いので非常に時間がかかった。


数式組み版はタグを使って組んだものをラスター変換し、画像として貼り付けるのが書籍製作などでは一般的だ。しかしこの方法だと後から数式の一部を修正する際、元のデータを直して書き出して貼り付け直す必要がある。書き出した画像のサイズの関係から調整も面倒だ。簡単な置換えだとサイズが狂うことがある。もちろんゲラの時点で査読を完璧にこなし、完全原稿ができるのであればそれでも良いが、なかなかそう簡単にはいかない。全てのデータを私一人で作り、InDesignの PDF書き出しを図や表とともにクライアントがチェックするような場合、どこにどんな変更が入るかわからない。なのでIndesignで作った方がいい。そもそも従来のクライアント側の技術者がWordで、というのは印刷所の担当者に工学的センスが全くなく、数式など組ませることができないので画像を貼り付けるしかないわけで、それが一般化したに過ぎない。


次に表。これも時間がかかる。ただし表組はIllustratorに比べIndesignでは格段に作りやすい。制作にかかる時間も半分以下で済む。特に変更作業はものによっては10分の1くらいの時間で対応可能になった
そんなわけで、よく言われるカタログやリーフレット、技術資料などでページ数が多い場合はInDesign、少ない場合はマスターを用意するまでもないのでillustrator、というのはもっともだが、表がある場合はInDesignというのも十分言えるだろう。

ただし楽になったとは言え、元のデータが印刷物またはPDFしかないとそれらを見やすい表にするのはそれなりに時間がかかる。特に決められたページ幅に収める作業が最も時間がかかる。ここは編集者のセンスが問われる部分でもある。
そして技術マニュアルにはその性格上表の数が多い。一冊のマニュアルの表に2週間以上かかることも多い。
通常、元表は紙で支給されるかまたはPDFも多い。PDFでテキストが生きていればラッキーで、一旦PDFからエクセルに書き出し、それをIndesignに流し込むことができる。もちろん小さな表ならこんなことはせずにInDesignで直接数値を打ち込むのも良いが、大きな表は前述のエクセル経由が楽だ。数値の打ち間違いもない。

手間がかかるのはエクセルでの調整とIndesignでの調整。PDFがベクターなら文字は生きているので基本エクセルへの変換効率は高い。書き出しにはAcrobatの書き出し>スプレッドシートコマンドを使う。ただしセル構成は大きく崩れる。セルのサイズも元のPDFに合わせてぱっと見はよく見えるが、InDesignへの流し込みで破綻する。

そこで、書き出したエクセルの必要範囲を均等セル幅のエクセルの別シートにコピペする。
そしてその新しいシートの不要な行や幅を削除しながらIndesign への流し込み用エクセルとしてまともな表を組み上げる。
ここで注意点、新しいシートは事前に全セルの書式を「文字列」に変更しておく。エクセルが自動判別で「数値」にしてしまったセルは、「1.0」を「1」に変えてしまい、正しい表にならない。これは大きな問題となる。1.0と1では全く意味が違ってくるからである。文字列にしておけば勝手に表記が変わることはない。

また、文字はテキストが生きているので概ね問題ないが、元データの「かけ算」記号にアルファベットの「X」(エックス)を使っているような場合は修正が必要だ。この文字の間違いの修正はエクセルで行う。

他には上付き文字や下付文字は一旦すべての文字をフォント、サイズとも新しいシートへペーストしたあとですぐに自分で定めたデフォルトフォント、サイズに変更してしまうので上付きなどもリセットされてしまい修正が必要になる。だがこれらはIndesignに持って行ってから行う。

これら一連の作業が自動でうまくいったら楽なのだが、なかなかそうはならず、手作業が減らない。そうね、デフォルト変換に点数をつけるとPDFからエクセルへの書き出しは60〜70点、エクセルからIndesignは80〜90点くらいかな。元の表のPDFがラスター、つまりテキストが画像の場合はPDFでOCRをかけてエクセルに持って行くか、画像化してエクセルでOCRにかけるのだが、画像解像度をいくら上げても正しい変換は期待できない。点数は30点以下だ。もし元データにこういうラスターの表の数が多い場合にはもう少し優秀なOCRソフトを使い一手間かけたルーチンにするが、通常は表の文字は生きているので、上記の方法でうまくいく。残ったわずかなラスターの表はマイクロソフトやアドビのできの悪いOCRは使わず、1から自分で打ち直す。


さて、最後が「図」である。
「図」は4種類に大別される。「写真」「CG」「イラスト」「図面」である。
順に解説しよう。まずは「写真」
写真はクライアントからデジカメ等で撮影したデータで支給されることが多い。クライアントはプロに頼んだり自分や同僚、または支店の誰かの撮影と様々だ。時々私が撮影を依頼されることもある。その場合も撮影を外部委託するか自分で撮影するか選ぶことになる。航空写真などは外部に依頼するしかないが製品写真などは自分で撮影することが多い。一応こちらも写真はプロなので、クライアントが自分たちで撮影した写真よりはよい画像を用意できる。小さなものの撮影なら仕事場に撮影スペースもある。
これは依頼されて私が撮影した治具。長さは60センチくらい。お借りたときかなり錆が出ていたので、クライアントの許可をもらって錆を落とし塗装してから撮影した。そしてこういうことは通常写真屋さんはまずやらない、そのまま撮る。
私ならちょちょいと塗装して撮影できる。もちろん照明や背景を工夫して撮影することは言うまでもない。照明は6灯、背景紙もいろいろ用意してある。

クライアントから送られてきた写真の場合、ほとんどの写真でレタッチが必要だ。画角が傾いている写真も多いし、ホワイトバランスや露出の調整が必要なものも多い。余計なものを消したり、動かしたりといろいろだ。Photoshopで丁寧にレタッチする。
たとえば下の写真、直接製品には関係ないが写真の一部に車が写っている。左側オリジナルは車の位置が悪い。中央分離帯にぶつかっているようにも見える。こういう写真はなんとなく落ち着かない。そこで車を10mほど後退させて右のようにする。これで違和感がなくなる。ただし製品の効果などを実際以上によく見せるようなレタッチは禁物である。仮にクライアントから依頼があったとしてもきちんと説明して「できません」と断ることにしている。


また、これはカラー写真だが、技術マニュアルでは通常モノクロームなので単純にカラーをモノクロ化すると何だかよくわからない写真になることも少なくない。そんな場合はひと手間かけてモノクロ化する必要がある。その方法は別の機会に解説しようと思うが、原理的なことはここ「RAW現像、モノクローム写真」と同じである。

「図」の2つ目は「CG」
CGは写真の代わりとして使われる。まずは写真が撮影できない場所、例えば地面の下や、できあがったら見えなくなるような場所によく使われる。また撮影の許可が下りない、許可をもらうのが面倒といった理由でCGとなることも多い。さらに実物よりCGの方がわかりやすい絵になる場合もCGが選ばれる。例えば一部を半透明にしたりカットモデルのように切り欠いて仕組みや構成の説明など。

CGソフトで作ったストップウォッチ


また、製品とは別に私の得意分野でもあるのだが、架空の街並みのCGを作成しそこに当該製品群がどのように使われているかを説明するCGもある。こういう絵は技術マニュアルにはほとんど使われないが建築・土木系カタログには多い。

この街並みCGは実はなかなか難しいので作れる人は少ない。まずは街を作るので制作するアイテムがとても多い。道路、信号機、街灯、街路樹、ガードレールからビルや橋、さらに車や船、飛行機、建設機械などなど。だが費用は別にしてもこれらは時間をかければ何とかなる。
何より難しいのは掲載するそれぞれの製品の実際の使われ方を理解し、プライオリティに合わせて画面上にバランス良く配置することである。また当たり前だが大きな製品は少し遠くでもよく見えるが小さなものはそうはいかないことなどを考慮して絵をつくることが求められる。またそれらを組み合わせてできあがった街並みが不自然に見えないことも大切だ。
これがけっこう難しい。
私はまずよく知らない製品はその概要を知るところから始める。
それから手描きのスケッチを描く。ライトテーブルを使って何枚もトレースしながら「いい絵」に持っていく。なのでまずは手描きのスケッチが描けないとお話にならない。場合によってはスケッチをクライアントに見せて意見を聞くこともある。そして構図が決まったところで3Dソフトでゴリゴリ作っていく。パースペクティブウィンドウにテンプレートとしてスケッチを貼り付け制作のガイドにする。その際スケッチは見た目は良くても図学上問題のある部分をうまく補正しながらデータ化するのだが、これも意外とむずかしい。

以前こういう街並みCGの作り方を教えてほしいと相談されたことがある。そこで、まずは手描きでスケッチを描くことから、と言ったら、それは苦手なのでスケッチなしで・・・と。うーん、それでは・・・とそれなりにいろいろ教えたがあれから数年経つがもう諦めたかな。手っ取り早く教えてもらってすぐにうまくなる、なんて私には考えられないけどなぁ。

こういう「スイッチ押したら簡単にできる」みたいな考え、そしてそのスイッチの使い方を私にもわかるように私だけに教えてください、みたいな人達って。
違うと思うけどなぁ・・・、と言っても無駄だ。「私には教えられないということですかぁ?」となったりする。困ったものだ。


さてさて、3つ目は「イラスト」
これはCGと同じように仕組みや構成を説明するのによく用いられる。

イラストとCGは使い分けが難しい場合もある。どちらが良いか事前にしっかり検討することで無駄な作業を減らすことが肝要だ。
またCGも見せ方でイラストっぽくできる場合もあれば、逆にイラストもある程度質感を伴ったCGに似た表現が可能な場合もある。


illustratorで作ったガラスの球。illustratorでもこの程度の表現はできる。

「図」の最後が図面である。図面は基本的にクライアントからAuto-CADなどのCADデータ、またはそれらのPDFとして支給されることがほとんどである。通常のデザイナーはそれをそのまま線の太さと文字サイズくらい微調整し掲載する。いやそれすらもやらずにそのまま載せて、これではダメなら元データをクライアントの方で調整してくれ、などと言う。まあ仕方がない、図面を全く理解できないのだから。下手にいじるとその方が怖い。だがそれではダメである。用途や目的の応じて手を加えたり見やすくわかりやすく作り直すことで良い資料ができる。それが私の仕事のやり方だ。だから図面は内容が理解できないとダメだし、目的に応じてどのような図にするかしっかり決めてイラスト化することも大切だ。以前、ケーソンという土木資材のイラスト化を外注のデザイナーに依頼したことがあったが1週間後に無理です、できません、と言ってきた。図面が全く理解できなかったそうだ。それで可哀想にいろいろな人に相談してどうにもならなくなって断ってきたのだろう。仕方がないので自分で作った。同じような断面図が永遠と何十枚も続く図面集を見ながら、やっぱり無理かぁ、と反省。それ以来この手の仕事は自分ですることに決めている。
ちなみにクライアントにもいろいろあって、親切なクライアントなら掲載する部分をマーキングしさらにコメントを記入してくれたりする。たとえばこの絵を掲載したいけどこういう風にして、と。親切なクライアントだ。、
逆に全図面をどかっと送ってきて「コレ見て作ってね」的なクライアントもいる。それで何十枚もの図面をチェックし、必要な部分を抜き出し、イラスト化することになる。こういう丸投げのようなクライアントに限って、図ができあがると途端に注文が増える、あーだこーだが続く。で、せっせと訂正する。ようやくできたかなというところで、やっぱり別の図で・・・と言い出したりする。こういうクライアントはいつも同じで正直少々うんざりすることもあるが、かといってこちらもテキトーとはいかないのがつらいところ。

ま、いろいろと書いたが、結局のところこちらがどれだけ理解しているかで成果品もやり方も大きく異なってくる、という当たり前と言えば当たり前の話。

2023年6月12日月曜日

木工用ボンド(普通、速乾のちがい、タイトボンドとの比較)


 


木工用ボンド

日本では木工用ボンドといえばコニシという会社から出ている、黄色や白の容器のボンドが有名だ。アメリカではタイトボンドというのがスタンダードらしい。

コニシとタイトボンドでは成分が違う。両方とも使ったことがあるが、コニシは粘性が高く、垂直面にも使えるが、タイトボンドは粘性が低いので垂直面はすぐにたれてしまう。

すぐに垂れてしまうが、片手にボンドの容器、片手に筆やヘラで伸ばしながら塗布してゆけば垂直面でも問題なく使える。

強度はどちらがすぐれているとも言えない。単純に接着した部分に徐々に荷重をかけていき、どちらが強いかなら小学生でも試すことができる。おそらくコニシの勝ちだろう。(コニシの方ははみ出した部分は数週間はゴム状で粘性が残るが、数ヶ月経ち完全に硬化するとカチカチになる。タイトボンドは数ヶ月経っても割りと削りやすい。つまりコニシのほうが硬化面は強固といえる)。

だが、強度というのはそれほど単純には決められない。たとえばコニシのボンドは前述の通り接着した部分は何週間も経つとカチカチになる。接着する木よりカチカチである。

こういう場合、衝撃力が加わるとカチカチの部分に応力集中が起こり、破断する可能性が高い。なので硬化後ある程度柔軟性のある方が結果的に強い、ということも起こる。

両方使って私が感じたのは、どちらを使っても十分な強度を持っており、優劣をつける意味はないな、ということだった。むしろ木工製作ではボンドのみに頼らず、ビスケットジョイントなどを併用する必要がある、とこれはどちらを使っても言えることだ。


もうひとつ違いがある、タイトボンドには硬化後耐水性のある屋外使用可能なタイプがある。これはコニシにはないメリットと言えなくもない。だが、水がかかるような、しかも接着面に浸透するほどの水の影響があるところでは、接着面がどうのこうの言う前に木がやられてしまう。木に染み込まないよう十分塗装してあるならコニシでも問題はないだろう。

また、ウッドデッキなどに使われる水に強い木材を使うような場合は、そもそも木材に浸透し接着する木工用ボンドではなく、エポキシ樹脂系の接着剤を使ったほうがよいだろう。


というわけで、値段が何杯もするタイトボンドをわざわざ使う必要はないかな、というのが私の結論だ。


さて、ではこのコニシの木工用ボンドだが、おおきく2種類ある。

普通の木工用ボンドと即乾性木工用ボンドである。成分はほとんどかわらない。含まれている水分量が違う。だが粘性はあまり差がないので、何らかの工夫をしてはいるのだろう。

で、どちらが良いかだが、最終的な接着強度が高いほうがよければ普通の木工用ボンド、紙や薄い木材には速乾性が便利だ。この2種類、硬化後の接着部分の強度はほとんど同じ。だが速乾性は水分が少ないので木材への浸透が普通タイプに比べ少ない。それが接着力の差になる。だが、まあその程度なのであまり神経質になる必要はないだろう。


うちでも2種類用途に応じて使い分けているが、その時の気分みたいなところもある。

このコニシの木工用ボンド、値段は十分安いのでよいが、大量に使うなら大きなボトルがお買い得だ。だが大きなボトルはハンドリングが悪いので、そういうときは小さなボトルがいい。うちでは小さなボトルを一番良く使っているが、半分くらい使ったら中くらいの大きさのボトルから小さなボトルに補給している。

木工用ボンドのボトルはマヨネースやケチャップと同じで、残りが少なくなってくるとボトルを逆さまにしてしばらく待たないと、出てこない。これが結構時間のロスになる。だから小さなボトルは常に8割くらい入っている方が使いやすい。

だから時々中くらいサイズのボトルから補給する。この中くらいも少なくなったら大きなボトルから補給している。

補給の際の注意点がひとつ。コニシのボンドは黄色が普通ボンド、白が速乾性ボンドなのだが、大きなボトルはなぜか色が逆になっている。どうしてこんなことになっているのかコニシの人に聞いてみたいが、まあいい。こちらが気をつければいい。

ちなみに一番小さなボトルが50グラム、中くらいが180グラム、大きいのが750グラム、だったかな。

値段は50グラムのが120円くらいで180グラムは量は3倍以上だが値段は220円くらい。

けちけちしないで50グラムをどんどん買っても大したことはないが、前述の通り、8割くらい入っていないと使いにくいので中くらいを補給用に持っているのがよい。

値段といえば、もう一つ注意点。

このボンド、コクヨがOEMで販売している、中身はコニシと書いてあるから正確にはOEMとすら呼べないが、それはかまわない。問題はコクヨは一番小さな50グラム入をコニシの180グラムの値段で売っていることだ。通販などでボトルの写真を見ただけでは50グラムと180グラムはパッと見、わからない。そこにつけ込んでこの商法。コクヨって嫌な会社だなぁ、と思うのは私だけだろうか?

この50グラム入りのコクヨのボンド、Amazonではさらにすごくなって500円くらいで販売している。プライム会員送料無料だと。呆れてものが言えない。コニシのがお店やヨドバシで120円くらい、Amazonの500円もはや末端価格と呼びたい。



2023年4月16日日曜日

新年度をむかえて

 デザイン事務所を立ち上げたのが2021年の10月だったから、1年半経ったことになる。気持ち的にはもう少し長かったように感じているが、それはいろいろあったからだろう。

このブログも訪問者はほとんどないが、自分自身のために書いているようなものだ。それもいいと思う。そもそも一般受けするようなことは書かないし、あまり書きたいとも思わない。時々写真のことを書いてみたが、これもつまらくなってしまって最近は書いていない。

だが、ここのところ更新がなかったのはブログを書きたくなかったわけではなく、時間がなかったからだ。ほんとうに忙しかった。この忙しさはまだ終わっていない、もう少し続きそうだ。

さて、久しぶりなので前回の記事が2月末だったから、この1ヶ月半のできごとを簡単におさらいしておこう。仕事ばかりしていたので仕事の話が中心になるが。

2月末にWIND EXPOという風力発電に関するイベントのための仕事が2つ入り、おかげで3月中旬まで猛烈に忙しかった。

制作したのは幅3.5mの大きなCGイメージと尺が6分ほどのCGアニメーション。

WIND EXPO

他の仕事をあとに回して、1日15時間くらい働いてなんとか完成した。この間はほんとうに大変だった。変更が多かったこともあるが、制作が佳境に入ったところで、メインで使っているMacStudioが故障するというトラブルもあった。この時慌てずほぼ完璧な対応ができたのはよかったが、問題もあった。今後の教訓に少し詳しく書いておく。


レンダリング計算していたMacStudioが朝落ちていた。おかしいな、と思いながらパワースイッチを押すも起動しない。電源ケーブルを一旦抜き、接続しているハードディスクなどをすべて外し、モニター1台のみ接続の状態でセーフモードで起動を試みるもダメ。

Macは30年も使っているので、機械の故障か、もしくはOSやソフトの不具合かはすぐに見当がつく。確実にハードウェアの故障だと思ったので、急いでAppleに修理の予約を入れた。見てもらわないと確実なことはわからないが、ハードの修理だと1週間以上かかる可能性が高い。一週間メインのMacがなければ確実に風力展の仕事は終わらない。MacStudioの他に家にあるMacはIntel Core7のMacMiniとさらに古いMini、それにM2のMacBook Airの3台。どれも非力でお話にならない。

そこで最悪の事態でもなんとかなるように、急ぎM2proのMiniを入手することにした。ネットで調べると運良くヨドバシの通販に在庫があった。10万円弱の安いMiniは取り寄せだったが20万のM2proの方は在庫ありだった。

故障したMacStudioはM1Ultraだったので、無印のM2では性能差がありすぎて主戦力としては少々辛い。買うならM2proの方かと思っていたのでよかった。すぐに注文し、MacStudioで使っていた3Dソフトのアクティベーション解除の申請をソフト会社に依頼した。

その日の夕方にMacStudioを持って予約した新宿のAppleに行った。予想通り一週間の入院となった。

ふと思い立ち、帰りにヨドバシに寄ると注文したのと同じMiniが店頭在庫ありだった。通販は明日到着予定だった。急ぎ通販をキャンセルし、店頭のMiniを買って帰った。今日セットアップできれば半日早く業務が再開できるからだ。わずか半日の差であるが、それくらい忙しかった。

帰宅後まずはゆっくり夕食を食べ、少し休憩しさっそくセットアップ。なんとかその日のうちに完了した。ロスタイムは1日ちょっとで済んだことになる。これはラッキーだった。だがM2proのMiniの計算スピードはMacStudioのちょうど半分だ。だから3Dの計算は夜中もかけっぱなしで、計算時間を予測し、無駄のないようにスケジュールを組んで仕事をした。ちなみにCore7のMiniはM2proのさらに半分のスピードなので計算には使えなかった。Airは調べていない。ファンが無いのだから速いはずがない。

さて、ここまでは順調で対応も間違いなかったが、問題もあった。新規に購入したMiniの細かな設定に時間がかかったことだ。仕事のデータのバックアップは完璧だが、OSの設定などはバックアップがなかった。これはデータはかけがえがないが、他は再インストールでなんとかなると考えていたからだ。だが今回のように忙しい時に再インストールは辛い。で、考えた。

1.OS付属のバックアップソフト、タイムマシンで起動ボリュームのバックアップも別HDDに取る方法

2.ライブラリデータをマルっとバックアップすることで完全ではないが、ある程度の設定内容を保存しておく方法。

3.もう1台の今回で言うと新しいM2proのMiniに完全な設定をし、それを移行アシスタントで修理から帰ってきたStudioに戻す方法。Studioはその後も使いながら変わっていくので、定期的に今度はMiniの方に移行アシスタントで戻す方法。

いろいろ考え3をメインに2をおまけで採用することにした。理由はStudioが戻ってきた時最も早く作業環境を元に戻せるから。

もちろんStudioの内臓ストレージが修理で交換にならなければそのまま使えるからそれはそれでよい。だが最近のMacのストレージやメモリーはオンボードで交換できない。つまり修理でボードを交換したらまずストレージは初期化されているだろう。だからそれを前提にMiniの設定を丁寧に行なった。これが全ての元になるので。

だから環境構築に時間がかかった。仕事をしながらなので必然的に作業効率が下がるが仕方がない。

1週間後、戻ってきたStudioは予想通りストレージが初期化され、OSも最新版になっていた。

戻ってきたStudioに移行アシスタントでセットアップしているところ、派手!


そんなドタバタがありながらなんとか風力展の仕事は予定通り終わった。だがそれ以降も今まで止まっていた他の仕事をキャッチアップすべく、これまた忙しい日がしばらく続いた。

例年、3月末から4月の中旬は仕事が減る時期なので、このキャッチアップさえしっかりすれば、そのあとは少し楽になるだろうと考えていた。年度末とはじめはクライアントの方が移動やら組織編成やらあいさつまわりやらで忙しいらしく新規の仕事はとても少なくなるので。

だが、どうしたことか今年はちがった。3月中旬以降も仕事の依頼が減らない。うれしいことではあるが、そんなわけでブログどころではなかった。

それでも時間を少しは作って家族と散歩やショッピングには極力出かけるようにはした。週に2度くらい3時間から5時間くらい。それが精一杯だった。

そんな時間を使ってよみうりランドにも行った。

シーチキンGo、夜になると目が光る

3時すこし前に入場し、持っていったお弁当を食べ、私がデザインを担当したシーチキンGoにみんなで乗った。その後園内を散歩して夕方シーチキンの目が光るのを見てから帰宅した。シーチキンGoに乗れたのは良かったが、お弁当食べるなら新宿御苑の方がいいね、と。来月になり少し時間が取れたら行こうね、と言ったが前述の通り忙しくて実現できていない。

他にも計算中に仕事環境の改善をすこしづつ行った。スキャナー台を改造し使いやすくしたり、ワークスペースのレイアウトを少し変更したりした。

上部扉の改良で使いやすくなったスキャナー台

さて、新年度を迎えと言っても個人経営のデザイン事務所で基本12月決算なので、4月に大きな意味はない。だが1月はどうも新しいことを始めるのに向いている時期ではないので、4月新年度に個人的に意味を持たせている。

デザインの仕事のレパートリーを増やしていくことが必要というのが、今年のテーマだ。まあ当たり前のことだが、日々の仕事が忙しいとついついいつもの仕事に忙殺されて「そのうち」となってしまう。それではダメである。絶対ダメである。私は「絶対」という言葉があまり好きではないので、まず使わない。だがここは「絶対」である、絶対ダメだ。

去年水彩を始めたがこれも中途半端なままである。模型の仕事ももう少しなんとかしたい。その他いろいろある。

これらを今年はなんとかしたい。ひとつづつ、ゆっくりでよいが着実に。

だから忙しいけどこれを書いた。


2023年2月22日水曜日

新宿郵便局とクレオパトラ





娘の進学手続きの書類を出すのに日曜だったが当日の消印がほしくて新宿郵便局に行った。休日の郵便受付は2階、娘が手続きしている間待っていた。このあといっしょに買い物の予定。
ベンチに座って待っていると、どうもこの雰囲気、以前どこかにあったような。そう、思い出した、江東区の運転免許試験センターだ。

江東区の運転免許試験センターの免許証を受け取るカウンター前にある食堂「すごい」

共通するのは、なんとも「垢抜けない空間」の一言だ。どうしてこうなるのか待っている間ヒマだったので考えた。

ちなみに運転免許の更新にわざわざこんな辺鄙なところまで行ったのは、うっかり失効してしまったからだ。そもそも免許証には平成34年の誕生日なんて書いてある。もう勘弁してもらいたい。なぜ西暦にできないのかさっぱりわからない。

まあいい、で、郵便局の方がこれ

新宿郵便局、なんとも「郵便局」ぽいというか何というか


娘の手続きを座って待つあいだ考えた、「さて、これはどこから来るのだろうか」。

建築、調度品、サインの3要素で考えてみた。

まずは建築。メリハリがなく全体を沈ませるグレー基調の塗装をベターっと全体に、そして照明の色温度が高く青白い。さらに照度も低い。そうね倉庫の中のような空間づくり。これが一因。

次に調度品つまり家具類。中央にあるテーブル、なぜかテーブルクロスみたいなのがかかっていて非常にダサい。さらにその奥信じられないような色の長椅子。

最後にサイネージ、やたらと貼り紙が多い。しかも素人がマイクロソフトで作ったようなもの。あまりに多すぎる、左側天井からぶら下がっている「セルフコーナーこの先◯m」なんてふざけているようにしか感じられない。右側もとにかくやたら貼り紙だらけだ。極めつけは室内にノボリまで置いてある。この「やたらと貼り紙」というのは運転免許試験場でもすごく気になった。

そして、この建築、調度、サインが相まってこうなるんだなーあ、と。


ブルーグレーの内装に均質低照度な昼光色の色温度の照明だと辛気臭くなる。江戸東京博物館も同じ。

テーブルクロスなどのファブリックをはじめ住宅で使うような家具を置くと確実にダサくなる。

家具の色でインテリアのアクセントカラーにするときはシミュレーションに時間をかけて検討しないと大失敗する。

サイネージは合理的に、いかに少ない情報でわかりやすくするかを考える。貼り紙くらい私でもと素人が手を出したらうまくいかない。


まあ。そんなところ。

次はクレオパトラ。私の書斎にはいくつかポストカードが飾ってある。お気に入りの1枚がこれ。

「クレオパトラの真珠」というオペレッタのポスターのポストカード


オスカーシュトラウス作曲とある。まあ知らない、知らないでもいいだろう。たぶん良いのはオペレッタではなくこのポスターだけのような気がする。

すごくチャーミングなイラストなので気に入って本棚の一等地に置いてある。踊り子風クレオパトラだがそんなことどうでもいいのである。日本ではアメリカ映画の影響か、クレオパトラというとエリザベステーラーのあのイメージである。

コレね。

1963年だったかな、アメリカ映画クレオパトラ



この当時はアメリカは自信満々ですべてを、もう何から何までアメリカ的価値観で塗りつぶしていった。世界も宇宙も過去も未来も。その代表のひとつ。この映画を観ているとクレオパトラはマクドナルドのハンバーガーを食べていたような錯覚に陥る。

で、どうしたわけか日本でもこのイメージが完全定着した。

もう、どれだけステレオタイプなんだー!と叫びたくはならないが、どれもこれも似たり寄ったり。まあ、いいけど。

でも、あのポストカードを見つけて。もうかなり前になるが、「あーこういうのいいな」と思ったものだ。いや単純に「いいな」ではなく、なにかこう救われたような感じすらした。

そう、救われない感じの「運転免許試験センター」や「郵便局」「クレオパトラ」に世の中が「そんなものでしょ」と何も感じなくなっているときに、この「ポストカード」は「そうじゃないのよ」と語りかけてくれたのである。

もう立派に仕事のパートナーといえる。だからものすごく大切にしている。


2023年2月11日土曜日

ポートレート写真と背景

 私が使っているマイクロフォーサーズのカメラは小さく軽く安いのが信条である。ポートレート写真ではフツーはフルサイズでF1.2の明るい85ミリなんぞを使う。そしてモデルはカメラ目線でポーズをとってニッコリみたいな、ね。

ポートレートでは背景をぼかしたいと皆考える。すると前述のフルサイズで明るい中望遠となる。だが、これだと重い。

私もマイクロフォーサーズのカメラで少し明るいF1.4の25ミリでポートレートをフツーに撮ったことがある。背景がボケないのはわかっていたので遠くの景色や場合によっては曇り空を背景にしたりしてみた。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F1.4 SS1/4000 ISO100



それでRAW現像して眺めて、これはどうもそう言うことではないな、とはっきり思った。この写真がツマラナイのはオリンパスの安物が悪いのでもレンズでもなく、撮影に芸がないからだ、と。

そこで、カメラとレンズはそのまま、撮影を工夫した。
幸い軽いカメラなので無理な姿勢でもなんとか撮影できた。そこそこ明るいレンズなのでISO感度も上げずに済んだ。

そうして撮影した写真がこれ。同じモデル。

Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.2 SS1/100 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F3.5 SS1/60 ISO200




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F2.2 SS1/60 ISO400




Olympus E-420 D SUMMILUX 25mm F1.4、F7.1 SS1/200 ISO400



ボケの呪縛から逃れられてすごく良かったと思っている。撮影は疲れたが楽しかった。いろいろ考えて試して、うまくいかなくてまた考えて、と。

ちなみにこのカメラ、600万画素だった。だがレンズと合わせて測定すると実質400万画素程度の品質しかなかったが、それでもA3サイズのプリントでは解像度不足を感じることはなかった。
最近AdobePhotoshop の強化フィルターを使い補完データをA2でプリントしたがこれもまあまあイケた。

最後に、だからマイクロフォーサーズでなんでも対応できるとかフルサイズがいらない、などとは全く考えていない。オリンパスが今は名前も変わったようだが、フルサイズより高画質、みたいなことを言っているのを見聞きするとなんかイヤな会社だなぁ、と正直思うことがある。そういうことではないよなぁ、と。