2021年4月26日月曜日

プリントサイズ




 基本的に日常の簡単な記録写真などは除き、撮影した写真はその中から何枚かはプリントすることにしている。

写真はプリントすることで「作品」となる、と信じている。

そうとは思わない人も多いし、かまわない。あくまで私の考えだ。

 

写真はプリントすると明らかに違って見えてくる。つまりどんなに色再現性のよいモニターと比べてもプリントは次元の違うものになるからだ。

ウチでは、仕事柄色を扱うのでナナオのカラーエッジ27インチキャリブレーションモニタを使っていてカラーマッチングもしている。だが、EPSONのPX-5002でセミグロスペーパーにプリントしたものでは、それこそ印象が天と地ほど違う。プリントすると写真がよく見える、という意味ではない。むしろ逆の場合が多い。モニターではまあまあいいかな、という写真もプリントすると全くダメ、ということも多い。だが本当によい写真はプリントするとすごくよくなるのも事実で、つまり善し悪しがはっきりするとも言える。そしてここが大切なところだが、どこがどう良いのか、悪いのかがはっきり見えてくるので、撮影スキルも上がるのである。だからこういう経験をせず、プリントしない主義の人は少しかわいそうに思う。余計なお世話だろうが。

 

そんな訳でプリントにこだわっているが、プリントサイズについては、今まであまり頓着せず、市販のA系列のプリント用紙にフチ無し全面プリントしてきた。

私のやり方は、たとえばポートレートなら仮に100枚撮影したとする。撮影はRAW+JPEG高画質で撮影、Macの写真フォルダーのカテゴリー別のポートレートフォルダーにモデル名と日付のついたフォルダーを作り、RAWデータ、撮影時JPEGデータ、フォトショップデータなど必要なフォルダーを作る。実際にはカスタムアイコンを付けたフォルダーセットが用意してありそれをコピーして使っている。

プリセットされた写真用フォルダーセット

ここにRAW、JPEGを仕分けして保存し、まずはJPEGの画像をざっと眺めて目星をつけるのが従来のやり方だった。だが最近はMacも高速になりAdobe Bridgeのプレビューで直接RAWを眺めてもストレスを感じないスピードなので、枚数があまり多くないときはRAWを直接Bridgeで、多いときはJPEGをファインダーでかなり大きめのプレビューアイコンで眺めてダメな写真をハネる作業を行う。ピンボケなど。


その後1枚ずつ丁寧にPhotoshopでながめながらいい写真を選んでいく。撮影と同じくらい楽しい時間だ。100枚撮影するとだいたい10〜30枚くらい選ばれる。これにファイルラベルでオレンジのマーキングをして、RAW現像を行いすべてキャビネ(2L)判でプリントする。プリントした写真を十分乾燥させ、翌日にのんびり眺める。ここで5枚から15枚くらいに絞り込む。絞り込んだ写真は再び今度は丁寧にRAW現像を行いPhotoshopでレタッチもする。

それから少し大きめA4サイズでプリントするのだが、この時いつも気になることがあった。

用紙サイズに合わせるトリミングの是非だ。通常中判以上は除き、デジタルカメラの撮影画像サイズのアスペクト比は3:2もしくは4:3でA4やA3といったプリント用紙のタテヨコ比(1.414:1)とは異なっている。

今回、いくつかの写真を製本するにあたり、プリントサイズについて理論的に考え、方針を決めることにした。

 

まずは既存のサイズ分析。

プリントサイズには用紙を基本とした場合、前述のJIS-A系列と四ツ、六ツなどの昔の写真サイズ、キャビネや2L、はがきサイズなどがある。

 

紙のサイズ一覧

 

JIS-A系列

A1:841x594ミリ [タテヨコ比1:1.41]

A2:594x420ミリ

A3:420x297ミリ

A4:297x210ミリ

A5:210x148ミリ

JIS-B系列

B1:1030x728ミリ [タテヨコ比1:1.41]

B2:728x515ミリ

B3:515x364ミリ

B4:364x257ミリ

B5:257x182ミリ

旧来の写真サイズ

全紙:560x457ミリ [タテヨコ比1:1.23]

半切:532x356ミリ(はんせつ、と読む) [タテヨコ比1:1.21]

四ツ:305x254ミリ(正確には四ツ切、よつぎり) [タテヨコ比1:1.20]

四切ワイド:366x254ミリ[タテヨコ比1:1.44]

六ツ:254x203ミリ(同様にむつぎり) [タテヨコ比1:1.25]

その他のサイズ

L  :127x89ミリ(昔の写真屋さんの標準プリントサイズ) [タテヨコ比1:1.43]

2L :178x127ミリ [タテヨコ比1:1.40]

カビネ:2Lと同じ、120x165、130x180など(キャビネともいう)

はがき:100x148ミリ

 

さらにこれらとは別に、135フィルムサイズとブラウン管モニターのタテヨコ比というものがある。

135フィルムのサイズは36x24ミリでタテヨコ比は、3:2(1:1.5)であり

ブラウン管モニターの基本解像度640x480ピクセル(VGA)のタテヨコ比は4:3(1:1.33)である。

そして、デジタルカメラの画像タテヨコ比はこの3:2または4:3に近いものが大部分である(中判や大判は省く)。

 

上記のうち、最もヨコ長なのが135フィルムサイズの3:2 [1:1.5]

最も正方形に近いのが四ツ切で6:5つまり3:2.5 [1:1.2]

どのサイズを選ぶかは撮影者の自由ではあるが、3:2の画角で撮影した写真を四ツでプリントするのは正直無理があるようにも思う。

特に私の場合、トリミング前提で撮影するのは主義に反する、ということもある。

 

ここで改めて数値を眺める。

この際Lや2Lなどの小さいサイズは検討項目から省くと、プリント用紙として市販されているサイズは通常A系列である。つまり[1:1.41]

旧来の写真サイズである四ツや六ツはタテヨコ比がずんくりしすぎていて、用紙に合わせてプリント後カットすると歩留まりが非常に悪い。特に四ツはサイズ的にはA4より少し大きいだけだがA3でプリントしてカットする必要がある。撮影画像のタテヨコ比との乖離も大きい。

そこでこれらは特別に指定がない限り使わないことにするのが賢明だ(中判や大判は今回は割愛する)。

 

さて、ではどうするか。

撮影される画像は3:2[1:1.5]または4:3[1:1.33]

つまり、A系列に比べ3:2は少しだけ細長く、4:3は少しだけ太っちょということだ。

この部分をトリミングするか、短手に合わせてプリントし余白をあとで切り取るか、の二択となる。

今まではカットの手間を惜しむのとできあがりサイズを揃えるため画像をトリミングしていた。だが、トリミングはしない主義にもかかわらずこの部分をトリミングするのは矛盾している。やはりカメラの撮影サイズ比をプリントでもそのまま使う方が良いだろう。

ちなみに通常ミラーレス一眼のタテヨコ比は3:2であり、コンデジは4:3が多い。フォーサーズは4:3でコンデジの仲間だ。

フォーサーズより少しセンサーサイズの小さい1インチセンサーでも3:2が多いので、フォーサーズはタテヨコ比の上でも特殊だと言える。

 

現在この方法ですでにA4サイズで25枚くらいプリントして、それらをペラペラと眺めて、4:3と3:2が混在しても違和感は感じなかった。

写真をA系列のクリアポケットファイルに入れる場合はカットした分ぴったりにならないことが問題とも言えるが、クリアポケットファイルは数年で濁ってくるし、そもそもプリントの持ついい雰囲気を完全にスポイルするので使わないことにした。

台紙に糊や両面テープで貼り付けカバーはしない、昔ながらの写真アルバム方式である。

これならサイズの問題もない。

 



製本のための写真のプリント、一旦プリントするものの再度眺めて今ひとつのものは没となる。グルーピングのためクリアファイルに入れているが、製本では写真を直接台紙に貼る予定。

 

こうして基本方針が定まったので、

その決定がきちんと根拠のあることであることの記憶としてこの表を作っておくことにした。