2021年4月27日火曜日

これから写真を始めるなら




 価格.COMというサイトに「クチコミ」というコーナーがあり、ときどき初心者がどれを買ったらいいか相談しているのをみかけた。

みかけた、と過去形なのは私自身今はもう全く見なくなったからだが、カメラ不況になり今でも以前のように多く質問が寄せられているとは思わないが、なくなりはしないだろう。

 

今日たまたまデザインの弟子君達が、カメラ買いたいのですが、と相談があったので、そんなことを思い出した。


私は「一番安いダブルズームレンズキット」で「マニュアル調整がしやすいもの」を買いなさい、と答えている。これはもう大分前から同じ。


具体的には例えばどれですか?、と聞かれたので、先日娘用に買ったオリンパスのE-M10IIIダブルズームキットかな、と言うと、さっそくそれを二人とも注文するようなことを言っていた。

別にオリンパスのファンということもなく、オリンパスが特別優れているとも思っていない。だが撮影素子がちっちゃいので安いのだ。価格.COMで調べたら、6万5千円くらいだった。つまりコストパフォーマンスはとても高い。

 

カメラを買ったら、最初に練習することが2つあるので、まずそれをやってみてね、と言っておいた。これも以前から変わらない。

その2つとは、立ったままカメラのレンズを一人で交換する練習と各種補正の設定をマニュアルを見ないで素早くできるようになること、その2つ。

 

レンズ交換は誰かの手を借りたりしないで一人でもスムーズにできる。だが手は2本しかないのでうまくやらないと、最悪レンズを落とすかもしれない。3分も練習すれば手際よく交換できるようになる。そのためにはカメラは首から下げるストラップが必要だ。

首からカメラを下げている限りカメラを落とす心配はない。両手を使えばレンズ交換は簡単だ。

問題はストラップだ。

カメラに附属するストラップはどのメーカーのもすごくダサいので、まずはヨドバシでも行っておしゃれなのを探して付けて持っておいで、と言っておいた。

 

つぎに各種マニュアル設定変更だが、こちらは少し覚えるのに時間がかかる。歳とともに物忘れも悪くなる。だが繰り返し何度も練習すれば身体が覚えてくれる。露出補正、SFとCFの切り替え、ISO感度の変更、マニュアルフォーカスへの切り替えなどだ。

 

そしたら次は実践だ。好きなように撮る。そのあと例えば花なら、ここから撮ると背景がいい感じで花が引き立つよなどとアドバイスし、次に望遠ズームに切り替え同じ花を少し離れたところから撮影する。背景がボケていい感じ。

だが、それでおしまい。

 

そんな写真ばかりを何回も撮ることはしない方がいい。

背景をぼかした花の写真などを私は「カツ丼写真」と呼んでいる。簡単お手軽でおなかいっぱい。だが普通は飽きる。ところがおっさんカメラマンは飽きずにしょっちゅう食べる。だから「カツ丼」、「ビール」でも「カレー」でもいいが。

もうひとつ私が「牛丼写真」と呼んでるものがある。こちらはもっとタチが悪い。吉野屋はどうの松屋はどうのと特定のメーカーのファンになって、あーだこーだと。ひいきのメーカーの悪口に過敏に反応する。

こういう世界には入らないことだ。

 

ではどうするのか。

ヒントは

その1

とにかくひたすら美しい物を探し求め、または自分で作り出しそれを撮影すること。

ポイントは自分で作る努力もすること。

 

その2

だれもできない、行かないような所に行って光を待って粘って撮ること(白川義員みたいな、ね)

でも危険なことと「撮り鉄」はなし。

 

その3

誰も考えつかないようなアイデアで撮ること。

 

本当はもう一つ4番目というのがあって、千載一遇のチャンスに完璧なシャッターを切れる運と実力を身につけること

そう、ブレッソンみたいに。

だが4番目を目指してもまずうまくいかないので、1と2と3がいいかな。どれも簡単ではないけど。

 

それとね、もうひとつ

自分の部屋の天井の真ん中に照明器具ついてるでしょ、それをやめてしまう、取り払ってしまう。

すると部屋が暗くなるので、代わりに机の上にはランプやデスクスタンド、部屋の隅にもスタンド、必要なら壁にブラケット照明。そうするとね、物が今までと全然違って見えてくる。光と影が見えてくる。

日本は昔、戦争に負けてすごい貧乏だった。そのとき住宅環境も劣悪で、なんとかしないと、と政府主導で文化住宅とか公団住宅とかを作って、その時に、部屋の真ん中にどーんと蛍光灯を付けた。明るいことが豊かなことだった。

それが日本中に広まった。まあそれは仕方がないことだった。

 

だが、そういう住空間の均質な光は確かに明るく清潔だが、代わりにすべての物をフラットに見せてつまらなくなってしまった。

そしてそういう眺めに慣れてしまった目には光と影を上手に捉えられなくなった。

君も僕も。

そういう生活に慣れてしまった、そんな眼で物を見てももう全然ダメで、そしてその目で写真を撮ってももちろんダメダメなのである。味覚音痴では料理が上手くできないように、光と影音痴では写真など撮れっこないのである。

 

 だが味覚音痴に比べ光と影音痴は簡単に治すことができる。

天井照明をやめればが良い。

そんなにお金がかかるわけでもない。

 

 



あまり良い例ではないが、

私の書斎にはカラー確認用に天井に白色蛍光灯が付いている。普段はOFFだがプリントの確認の時はONにしている。

ONにすると左側のようにバレリーナの置物は安っぽい、金属のヌメッとした材質感、白い石の台もそうだがフラットな照明ではつまらない。本も同様だ。単に電灯のON/OFFだけでこれだけ違う。

確かに色温度も違うがそれだけではないのがおわかりだろう。

 

 

まだまだあるけど、今日はまずはこのあたりまで。