前回に続き、RAW現像とPhotoshopによる編集について。
前回はAdobe PhotoshopからCamera Rawを呼んでRAW現像を行った。これはRAW画像をダブルクリックすれば自動的に開く。もし他のソフトが立ち上がるようなら、MACのFinderでどれでもいいのでRAWファイルを1つ選び、ファイル>情報を見る(⌘+i)を選ぶ。「このアプリケーションで開く」という項目があるので、「Adobe Photoshop」を選び「すべてを変更」をクリックする。これで以降は同じ拡張子のRAWファイルはすべてPhotoshop経由のAdobe Camera RAWで開くようになる。
RAW現像が終わったらCamera RAWのウィンドウの右下にある「開く」をクリックしPhotoshopに引き渡す。
ここまでは前回のおさらいと補足。
Photoshopに引き渡した画像がこれ。
ここから編集(レタッチ)を開始する。
主な修正点は下記の通り
①髪の毛の乱れの修正
②左右の瞳の明るさの調整
③ちいさなゴミ取り
④ボタンの位置の微調整
⑤ワッペンの色調整
⑥背景の調整
まず①の髪の毛の乱れ
①スポット修復ブラシツールを使う。
このツールはツールでなぞった部分のゴミや乱れなどを自動的に取り除いてくれる。画面上の赤い丸がブラシサイズだ。このツールで重要なのはちょうどよいブラシサイズを選ぶことだ。またどうしてもこのツールでは思ったようにならないこともある。そんな場合は昔からあるコピースタンプツール②を使う。こちらもまずブラシサイズを決め、次にコピー元となる部分をoptionクリックでクリックし、つぎにそれを貼り付ける部分をクリックまたはドラッグする。最初はうまくいかなくても何度か練習しているうちに使えるようになるだろう。アンドゥ(操作取り消し)で何度もトライするとよい。
また、このツールは貼り付ける際の濃度やブラシの輪郭のぼかしも調整可能だ。これは上部のオプションツールで設定できる。
左から2つめがブラシサイズで25はブラシの直径のピクセル。モードは「通常」でよい。不透明度と流量はコピースタンプツールでは原則100%+100%で良い。
調整済みの画像がこれ
あまり完璧にこだわると時間がかかり、またやりすぎて不自然になることも多いのでこの程度で十分だ。
次が②左右の瞳の明るさの調整だ。この写真は人工照明を使い、瞳の反射をきれいに見せようと調整したが左右同じように照明を調整するのは大変なので、だいたい良さそうなところでシャッターを切り、あとは後処理で微調整することにした。
なげなわツールで瞳の中のハートを選択する。ただし上部のオプションツールで「ぼかし1ピクセル」にしておく。
選択範囲が破線で表示される。ただしこの破線が編集で目障りな時は「⌘+h」で一時的に非表示にできる。デリケートな作業では便利な機能だ。
今回は下図のように明るさとコントラストを調整した。
この瞳調整はポートレートでも行うが気をつけたいのがあくまで微調整ということ。明るさとコントラストを上げると一見瞳がキラキラしてきれいに見える。だがよく見ると気持ちが悪い。そんなことにならないように。
次は③の小さなゴミ取り
これもスポット修復ブラシツールを使う。
ブラシサイズに気をつける。でかいブラシでボカン!とやらないこと。
小さなゴミ取りは等倍で表示し画面全体をチェックするが、肌の部分など目立つところを重点的にチェックする。
風景写真の場合は主に空や雲のところかな。
④ボタンの位置
上下のボタンの位置がずれているので下側のボタンを左に移動する。別にこのままでも良いのだが、作業の説明にちょうどよいのでやってみることにする。
こういう修正の場合は、スポット修復ブラシツールは使えない。またコピースタンプツールもうまくいかないことが多い。なげなわツールで下のボタン全体を選んで移動するしかない。ただし単純に移動すると、もとあった場所が背景色になってしまう。
これではだめだ。
移動ではなくオプションを押しながらコピーしてみよう
さきほどより良いがまだダメだ。
こういう場合は
選択範囲を右の服の部分を含めて少し広いエリアをコピーする。
コピーの後、不自然なところは、スポット修復ブラシツールなどで補修することを忘れずに。
さて次は⑤ワッペンの色変更。ちょっと目立つので少し控えめに彩度を落としてみよう。
ただし髪の毛がかかっているので今までと違ってワッペンだけを選択するのが難しい。
こういうときは色域指定で選択範囲を作ると便利だ。
でも単純に色域指定かけると、画像全体から同じような色を選ぶため瞳のハートも入ってしまう。そこで、なげなわツールであらかじめワッペンのあたりを選択し、このエリアに色域指定をかけ、絞り込み選択をする。
まず、なげなわツールでざっくりワッペン周りを選択する。
次にメニューバーの選択範囲から色域指定を選択する
ワッペンのオレンジ色の部分をスポイトで選択し、許容量スライダーで選択範囲の広さ(どの程度近い色を選択範囲とするか)を調整する。
OKをクリックして選択範囲を作る。
ただし1回の操作で必要なエリアをすべて選択範囲にできないこともある。そんな時は今作った選択範囲を一旦アルファチャンネルとして保存して、わずかに違うオレンジ色をスポイトで取り、今と同じ操作で新しい選択範囲ををつくり、先ほどの選択範囲に加える。
選択範囲のアルファチャンネルへの保存は、選択範囲を作ったらチャンネルのウィンドウで赤く囲ったアイコンをクリックすればよい。
アルファチャンネル1が追加された。
続いて先ほどと同じく色域指定のプロセスで少し違うオレンジ色を元に選択範囲を作る。
この選択範囲を解除しないように気をつけながら、先ほどのアルファチャンネル1をシフト+⌘+クリックで加える。
これでも足りなければアルファチャンネル2で保存してまた加えて、と操作を繰り返す。
このようにしてある程度選択範囲ができたら、この選択範囲を使ってレイヤマスク付きの調整レイヤを作って彩度を調整する。
せっかく作った選択範囲を解除しないよう気をつけながら、メニューからレイヤー>新規調整レイヤー>色相・彩度を選択する。
OKをクリックし色相・彩度のコントロールで彩度を-100にする。
するとワッペンがグレーに変化する。わかりやすいように-100にしたが、調整レイヤーはあとで変更が可能なので心配ない。
彩度のスライダーを-100にしてもまだボタンの縁がわずかにオレンジ色が残っている。
これは選択範囲が完全ではなかったようだ、ここは直接ブラシで選択範囲を編集する。
まずレイヤーウィンドウの調整レイヤーの右側、マスクをアクティブ(白い枠線が付く)にし、ブラシツール、ブラシはぼかしタイプ、不透明度50%程度でサイズを調整後、残ったオレンジの部分を丁寧に塗っていく。流量が50%なので必要に応じて同じ場所を何度か塗る。ただし髪の毛の部分など塗りすぎるとグレーになってしまうのでやり過ぎないように。
終わったら、彩度を-100から-30くらいに戻す。するとちょっと強すぎたワッペンのオレンジが、ほど良く落ち着いた色となる。
最後に⑤背景の調整として、今回は意図的にオールドレンズのような周辺光量を減らした雰囲気を作る。
周辺光量を落とすには2つの方法がある。1つは選択範囲を作って調整レイヤーで明度を落とす方法。
もう一つはCamera RAWにある周辺光量補正を使う方法だ。
Camera RAWの編集機能をフィルターとして使う方法は非常に簡単だが、一度かけてしまったら調整レイヤーのように後から変更できない。
今回は少し手間だが調整レイヤー+レイヤマスクの方法を使う。
まずは⌘+aで画像全体を選択範囲とする。次にメニューバー>選択範囲>選択範囲を変更>選択範囲を縮小を選ぶ。
画像の短編のピクセルサイズの1/10程度縮小する。さらにこの選択範囲を同じく選択範囲の変更から選択範囲のぼかしで先ほど縮小した数値の2倍程度ぼかす。
この選択範囲を反転し、新規調整レイヤーの明るさとコントラストで明るさを-75程度にする。
そうしてできあがったのがこのイメージ。
次回は「追加編」としてPhotoshopによるソフト処理を紹介する。



















