2021年4月15日木曜日

マルチアンプとπ型アッテネータ


 

私はいわゆるオーディオマニアではないので、ステレオにあまりお金はかけないが、それでもいい音で音楽は聞きたいと思っている。

CDよりレコードが好きで、レコードを聴きながら本を読んだり雑誌をペラペラ眺めるのが好きな時間の過ごし方だ。

 

スピーカーは3ウェイで低音は30センチコーン形の140リットルの大箱入り、中音はドライバー+木製ホーン、高音もホーンスピーカーで、これをマルチアンプで鳴らしている。スピーカーのクロスオーバーネットワークを使わないのは設定が難しそうだからだ。また、スピーカー内蔵のクロスオーバーネットワークより、アンプ手前のクロスオーバーネットワークの方が音がよい。さらにこれはどうしてなのかよくわからないがアンプは帯域を絞って、つまり各スピーカーごとに専属させて方が音がよい。

 

マルチアンプなので3ウェイだからステレオパワーアンプが3台とチャンネルデバイダーが必要になる。また少々扱いがデリケートになるのでこの方式は一般的ではない。だが音は確実に良くなるので私としてはとても満足している。

ちなみに私は安いdbxのチャンネルデバイダーを使っている。アマゾンで3万円ちょっとだった。






安いのは良いがどうしてもノイズが大きい。だからプリアンプで絞ってパワーアンプで大きくする使い方だと辛い。

プリアンプでボリューム1時くらいでちょうどいいくらいにし、パワーアンプが非力で出力15Wくらいだとノイズが少なくて良い。

 

本当はチャンデバのいいのを使うのが理想だが今はどこも作っていない、高級オーディオメーカーの中古も高い。なのでdbxにした。

 

アンプは真空管アンプで出力10Wだ。だが2台は揃えたのだが、あと1台足りない。そこでトランジスタアンプ(プリメイン)をボリューム最大固定にしてパワーアンプもどきにして使うことにした。トランジスタアンプなので出力は65Wx2だ。真空管の約6倍だ。

そこで最初、dbxでトランジスタアンプをつないでいる高音用のゲインを下げてみたが、前述の通り、ノイズが多い、トランジスタアンプのボリュームで音を絞るのもダメだ。

困った。

 

解決策はdbxからトランジスタアンプにつなぐ途中にアッテネータ(抵抗器)を入れる方法だ。

 

だが、そもそもステレオの各機械の間のインピーダンスは600Ωくらいになっているので、でかい抵抗を直列にどーんと入れるわけにはいかない。そこでインピーダンスを変えずに音を小さくする装置が必要になる。

それが今日紹介するπ型アッテネータだ。

 

必要な物は、ピンケーブル1ペア、金属皮膜抵抗いくつか(減衰率によって抵抗値は異なる)、ハンダ、ハンダコテ、熱収縮チューブ、エポキシ粘土、あとはニッパーやドライヤーなど。

 

まずはじめに理論。といっても超簡単で、電気屋さんに笑われてしまいそうだが、こんな感じ。






まあ簡単に言うと、流れを悪くする分、抵抗の入ったバイパスで帰してあげて、送り出し側のストレスを感じさせないようにしましょう、ということ。30kΩの抵抗を入れて流れにくくなる分、600Ω(1.2KΩx2で600Ω)の抵抗経由で逃がしている。

まあ、この辺は簡単なのだが、この抵抗5つをケーブルの一部に組み込むのだが、これが難しい。

なんとか完成し、思っていたよりよくできたので、ここで自慢することにした。同じようなアッテネーターを必要としている人の参考にもなるかもしれない。ならないかもしれない。

 

以下がその作り方。

まずRCAピンケーブルを真ん中で切り、カバーを3センチくらいむく。同軸ケーブルなので

GND側は網状になっているこれをほどいてよじる。




 


そこに1.2KΩの抵抗2本とバイパス用の銅線を1本、合わせて3本をつないで半田付けする。熱収縮チューブを挿入する。




熱収縮チューブを加熱し3本を絶縁すると同時に小さくまとめる

ピンケーブルの中心線(HOT)と先ほどつなげた2本の1.2kΩの足を合わせよじり、30kΩの抵抗をつなぎ半田付けする。




熱収縮チューブを挿入ししばらく奥の方に押し込んでおく。




反対側も同じように加工し、図の一番上の銅線に熱収縮チューブを入れておく。また全体をカバーするための熱収縮チューブも入れておく。




バイパスの銅線同士を半田付けし、熱収縮チューブをずらしてカバーをする。加熱収縮はまだしない。

下側の30kΩの抵抗の足に左側と同様に1.2kΩの抵抗の足2本と同軸の中心線(HOT)をつなげ半田付けする。




奥に詰めてあった熱収縮チューブを引っ張り出して真ん中の30kΩの抵抗と銅線などを絶縁する。

ドライヤーで熱収縮チューブを収縮させる。




全体カバー用の熱収縮チューブをずらして持ってきて収縮させる。

最後にエポキシ樹脂でカバーを整形し、固まったら塗装して終了。




下の写真は、エポキシ樹脂の前、熱収縮チューブが終わったところ

ステレオなのでもう1セット同じ物をつくる。写真は2本とも終わったところ。




製作の注意点は、全部組み上がったら変更できないので、半田付けごとにテスターでチェックしながらつくること。




 

最後に、2本ともテスターでチェックして完成。

上の図では最後まで2本バラバラだが、実際には左右2本を最後にくっつけてエポキシで固めた。

左チャンネルが1154Ω、右チャンネルが1155Ωだった。数パーセントの誤差は気にしなくてよい。聞いてもわからない。




エポキシ樹脂が固まったのでステレオにつなぐ前に最終チェック。数値は変わらない。OKだ。

いまはこれのおかげでノイズが少なく快適に音楽を楽しんでいる。

当面高音用はトランジスタアンプでなんとかなりそうだ。