2021年4月11日日曜日

マイクロフォーサーズのISO高感度耐性(後編)




 前回、EM-1IIのLow Light ISO性能について実験を行ったが、RAW現像にはすべての画像でAdobePhotoshopCC2021プラグインAdobe CameraRAW13.2を用いた。

しかしOlympusには独自のRAW現像ソフト「Olympus Workspace」というのがある。Adobe CameraRAWの使い勝手が良かったのであまり使う機会がなかったのだが、今回実験の延長として、Olympus Workspaceでも一部のファイルでチェックしてみることにした。

Olympus Workspaceだが実に豊富な機能を有している。だが全部の機能をチェックするのは基本項目の使い勝手をチェックしてからだ。基本項目の調整で使いにくかったら、その先はよほどの理由がないかぎり進む意味がないからだ。
基本項目とは、ホワイトバランス補正、色かぶり補正、露出補正、そしてシャープネスやノイズ低減だ。

さっそく見ていこう
まずは露出補正だが、「+」や「-」のクリックで0.1EVづつ変化する。これは良い。プレビューは少々遅いが十分合格点だ。

次にカラーバランスだが、ここも同じように「+」や「-」のクリックで変化する。だが1づつだ。これは使いにくい。4000だったのを4100にするには100回クリックする必要がある。もちろんスライダーを使えばいいのだが、プレビューが遅くコツがいる。少し動かしたつもりがドッと変わることが多々あって使いにくい。Adobe CameraRAWでは「+」や「-」がなくスライダーを少し動かすと50づつ変化し、プレビューも早いので全くストレスがない。Adobe CameraRAWでは微調整はキーボードから数値を入れる方式だが、これがベストではないが決して使いにくくはない。
ここはAdobe CameraRAWの勝ちかな。

次にシャープネスやノイズ低減だ。ここもAdobe CameraRAWは何の問題もなく使い勝手も良い。プレビューも早い。
Olympus Workspaceの方はどうかというと、これがどうやってもカラーノイズ低減がオフにできない。スイッチやスライダーはゼロ、またはオフにしているのだが、確実にカラーノイズ低減をかけてくる。そもそもISO6400の画像にカラーノイズが全くない、なんてことはあり得ない。だがOlympus Workspaceでいくら設定を変えてもカラーノイズはほとんど出ないのだ。まるで「はじめからカラーノイズなんて全くありませんでしたよー」と言わんばかりだ。
仕方がない、そういう会社ポリシーと考えて、実験を続けることにした。でもね、味の素は入れないでね、と言って「わかりました」といいながらこっそり最低限は黙って入れて知らん顔する、というのはどうだろうかね。
まあいい、深く考えないで進めよう。

Olympus Workspaceは味の素なしができないので、Adobe CameraRAWの方で味の素を入れて同じくらいに合わせてその上で両者の「味」を比較するしかなさそうだ。これでは実験の意味は半減するが、他に選択肢はないし、一応やってみよう。





左がAdobe CameraRAW、右がOlympus Workspace。
これでも何回も何回もやり直してAdobe CameraRAWをOlympus Workspaceに近づける努力をしたのだが、微妙に合わない。まあ仕方がないか。それでも結果としてはAdobe CameraRAWの方が良好だ。Olympus Workspaceは微妙に画像のディテールが失われているように見える。
くどいようだが左のAdobe CameraRAWはOlympus Workspaceに合わせるため、かなりノイズ低減やカラーノイズ低減を入れている。
このかなり入れた状態がOlympus Workspaceの補正無しと同じなのだから呆れる。

ちなみにISO6400でカラーのイズ補正を切ると普通はこうなる。






条件は完全にそろえた訳ではないので参考程度だが、左がAdobe Camera RAWで右がSILKYPIX。これが普通だ。

 

Adobe Camera RAWで、カラーノイズ低減のデフォルトは40となっている。もちろん調整可能で「0」にできる。

だが、おそらくこのくらいのカラーノイズ低減はディテールが潰れるような品質劣化はおきないので、まあかけておいても問題ないでしょうということなのだろう。そしてOlympus Workspaceは、そのあたりを「0」基準にしている、わざわざカラーのイズの多い状態を選ぶ理由はないだろう、と。

だが、「0」でこれです、と言われると、本当に「0」ですか?、オリンパスの考える「0」です。みたいになって苦しいのは確かだ。

まあどうにせよ、使い勝手を考えると、Olympus Workspaceを使うメリットはあまりないように感じる。
もう一つ、私はフォーサーズがマイクロになる前から使っていたので、古いフォーサーズの撮影データもかなり多い。どうしたわけか旧フォーサーズのRAWデータをOlympus Workspaceで開くとカスタムホワイトバランスのスポイトツールが使えないのだ。グレー点指定では取れる。だがそれでは微調整ができない。
気になってオリンパスに問い合わせたところ、E-SYSTEM(つまり旧フォーサーズ)ではカスタムWBのスポイトツールは使えません、という回答だった。

あとはAdobe CameraRAWにない驚きの機能でもあれば別だがどうだろう。

 

最後にくどいようだが、オリンパスやオリンパスのカメラがダメとも、嫌いとも思っていない。使う楽しみがあり、どちらかというと好きだし、カメラ初心者には薦めたいとさえ思っている。今はちと微妙になったが。

だが、オリンパス自身の「フルサイズより画質的に優れている」なんて発言が出ると、「ふぅ..」どうでもよくなってしまい、もったいないなぁ、と思ったものだった。