2021年4月10日土曜日

マイクロフォーサーズのISO高感度耐性(前編)




今回ははEM1iiのLow Light ISO画質のチェックをしてみた。カメラ情報サイトなどでは評論家や写真家(と言っても写真よりレビュー記事が本業のような写真家)がいろいろ書いているが、残念ながらそのまま「そうですか」と受けとることはできない。例えばこのEM-1だがISO6400までは「普通に使える」みたいなことを書いてある。それなら1600なら余裕だろう、と思って撮影すると後でがっかりすることがある。

だが、もちろん6400でも使えるシーンはあるにはある。だが「普通に」とは言えない。
そこで少々シビアにどの程度ノイズが乗るか実験してみることにした。

実験にあたってはカメラ生成のJPEGは使わず、RAWデータをAdobe Camera RAWにて現像した。
カメラ生成のJPEGはプリセットされたノイズ低減がかかっており、正確に評価しにくい。
RAW現像では、ホワイトバランスと色かぶり補正のみで他は変更しなかった。特にこういうテストでは露出補正をすると全く意味がなくなる(正しい評価ができない)ので要注意だ。
ただし、ノイズリダクションやシャープネスの補正は「無し」が基本だが、Camera RAW「デフォルト」もついでに比較してみた。

Adobe Camera RAWのシャープネスやノイズ低減は「ディテール」というグループにあり、調整項目は「シャープネス」、「ノイズ低減」、「カラーノイズ低減」の3つ。
調整幅とデフォルト値は、シャープネスが0-150で40、ノイズ低減が0-100で0、カラーノイズ低減が0-100で25となっている。

本来、ノイズ量はISO感度によって大きく異なる、しかしAdobe Camera RAWでのデフォルト値はISO感度に関係なく一定となっている。つまりRAW現像でこの項目は必ず調整すべき項目といえる。

では、さっそく始めよう。実験に用いた撮影画像は以下の通り。






左側がISO200で右がISO6400。当たり前だが全体をこのサイズで見ても差はわからない。もちろん他のISO感度も同様に撮影した。ここではすべてを紹介することはできないが、200、400、800、1250、1600、2500、3200,4000、6400を三脚を用いて撮影した。f4.5固定でSSを変化させた。ちなみにSSはISO200で1秒、6400で1/30秒である。
部分拡大を見ていこう。比較したのは左下の石膏像。アリアドネだったかな。ローマのどこかの美術館にある彫刻。エーゲ海の美神。

まずはシャープネスやノイズリダクション無しの画像比較。






カラーノイズ低減を切るとISO1600で盛大にノイズが乗ってくる。がんばって800までかな。できれば640まで。

次にシャープネスやノイズリダクションをデフォルトでかけた場合。






カラーのイズ低減は効いているが、デフォルトのシャープネスでザラザラ感はむしろ悪くなっている。これだとISO640が限界だ。

つまり、カラーノイズ低減は行い、シャープネスはかけないと言うことか。面倒だな。

その後も条件を変えいろいろトライしてみた。
ISO200の状態を基準として比較した。結果的にはISO1600ではノイズ低減補正が50くらい必要になり、ディテールが失われるので現実的ではない。ISO800ではノイズ低減35でほぼ釣り合った。これが限界かな。という印象だ。

だがノイズ低減35は少しかけ過ぎなので、若干のノイズは許容しノイズ低減20〜25位でISO800あたりかなという結論だった。

次に元の写真をA2サイズでプリントすることを前提にその一部を切り出しプリントして確認した。






写真のプリントを前提にするならプリントのチェックも重要だ。A2サイズで検討したのはA2プリントで大丈夫ならあらゆるサイズでプリントしても問題なしと言るからだ。
プリントはEPSONのPX5002。我が家のプリンターだ。今回はテストなのでA2を何枚もプリントするのは不経済なのでお手軽に写真用紙絹目で2Lサイズを使ってA2サイズプリントと同じ条件になるよう一部を同じ大きさでプリントして評価した。
結果は800までは多少の差はあるが問題なく、1600で若干ノイズが目立ち始め、2500は少々辛いかな、というものだった。

今回のテスト、少々シビアすぎるかもしれないが、結論としてはプリントする条件で、
ISO感度は800までが理想で、1600までなら可、と覚えておくことにした。

最後に、普通はA2プリントなんてしない、ブログやSNS、せいぜい2Lプリントさ、という意見もあるだろう。だが、それならA2プリントには向きません、とはっきり言えばいい。このカメラはその程度ですよ、と。
絶対にそんなことはない。A2プリントにも十分対応できる実力を持っている。もちろんフルサイズに比べれば不利なのは事実だ。だがあらゆるシーンで勝負にならないわけではない。そこをムードでごまかさず強みを生かす使い方をすればよい。
そう思う。