2021年9月21日火曜日

MacIntosh MA6450の修理



Thorensのレコードプレーヤーと同時に、MacintoshのプリメインアンプMA6450も修理を始めた。

前にも書いたが状態は悪く、フロントガラスが完全に割れている。イルミネーションの電球はすべて切れている。内部にものすごくホコリが積もっている。

慎重にバラシを行う。割れたガラスパネルは取り外し、テープを貼ってバラバラにならないようにし、さらにビニールの袋に入れてテープで留めた。細かな破片が出そうなので危険だから。

まずそのまま電源スイッチを押したら火がつくのではないかと思われるほど積もった内部のホコリをほぼ取り除いた。
これでようやくチェックができる。フロントのスイッチパーツを仮接続し、スピーカーをつないでテスト。
きちんと鳴った。よかった。これで続けられる。

さて、イルミネーションの電球だが、かなりたくさん付いている。ひとつ外してみた。
14V100mAとあった。念のため供給側電圧をテスターで調べると12Vだった。
さてこれはLEDに変えた方が良さそうだ。
14V100mAとあるのだから計算して、LED1灯+抵抗でそこそこの値にすれば大丈夫だ。

内部のホコリはまだ残っているのでこれもきちんと掃除したい。
また、つまみ類も結構汚れているので掃除する。
幸いなことにシャーシ、トランスまわりに錆は出ていない。

フロントのガラスパネルはもうパーツが入手できないようなのでポリカーボネートなどで作るしかなさそうだが。
できるのか?

それと、そもそもウチの音楽用のステレオは真空管アンプのマルチ駆動だから、仮にこれが直っても使い道がない。仕事をしながら音楽を聞くためならよいが、アウトプットトランスを持たないシンプルな構成とはいえ、奥行きは50センチもある。デスクトップオーディオ用には大きすぎる。
さてさて、どうするかね。

さていろいろ書いたが、どうも内部のホコリの除去が結構大変そうなので、一旦全部バラして基盤は水洗いし、仕様の変更は一切しないで元に組み上げることにした。


内部を徹底的に掃除するため一旦シャーシから全てを取り外したところ
内部はこれでピカピカにキレイになる。






丁寧に元通り組み上げていく
上の写真をみてわかるように電源トランスがかなり前の方にある。非常に重量バランスが悪い。アンプを両側から中央で持ち上げると前から落ちそうになる。おそらくアウトプットトランスのあるアンプの内部構成を転用しアウトプットトランスをやめたのでこんなことになったのだと思う。アメリカ製である。

すべて元通りに組んだらここで通電して音出しチェック。
問題無さそうだ。

次にガラスパネル、そもそもどうして割れたりしたのだろう。友人が言うには、割れたガラスはぶつけたわけでなく、自然に割れたそうだ。ネットで調べると割れることはそう珍しいことではないらしい。実は掃除分解の時、それが気になり納まりを検証しながら分解した。その結果、割れた原因はシャーシの温度変化による伸び縮みやねじれがガラスに伝わったためだと考えた。

Macintoshのフロントのガラスは厚みはわずか3.5ミリしかない。いくら何でも薄すぎる。この薄いガラスにスイッチ部分孔が空いている、さらにこれが鋼製シャーシにアソビがなくリジッドに留まっているのだ。あまり良い設計とは言えない。

物体に何らかの力が作用すると、それはかたい部分に集まる。これを応力集中と言うが、ガラスは脆く硬いので最も応力が集中する。だから建築物では窓ガラスは止水もあるが、ゴムやガスケットでサッシやカーテンウォールに直接触れないようにしてある。フレームに触れると力がモロにガラスに伝わり割れてしまう。このアンプは多分エンジニアが素人だったのだろうが、結果だけ見ればガラスを割るためにこういう設計になっているようにさえ見える。

素人っぽいのはそれだけでない。パイロットランプなどはガラス板後ろから、なんとカラーセロファンを貼って色づけしてある。それを厚さ0.2ミリくらいの塩ビシートで押さえ、その塩ビシートは両面テープなどで留めている。

これには目を疑った。こうなるともはやプロの仕事というより、小中学校の文化祭レベルだ。ブルーメーターのブルーも青色の塩ビトーメイシートを両面テープで貼ってある。

ガラスは時間がかかりそうなので交換はそのうち、一旦接着剤で割れが広がらないよう、そして細かな破片が落ちないよう固めた。今回はイルミネーションを直した。

このアンプのイルミネーションにはむぎ球という小さな豆電球が16個使われている。そのうち8個はフロント基板からジャックで取り出した配線で8灯並列につないである。残る8灯はフロント基板に直接半田付けされていた。ただし基板を見ると出どころは同じ、つまり電源は同じ所から取っている。
回路上は16灯の並列接続ということになる。
麦球16灯なんておそらく3年くらいで最初の1灯が球切れをし、おそらく交換は手間がかなりかかる作りなので3万円くらい工賃を取るだろう。それで交換してもまた半年で次が切れて・・・とそのうち馬鹿らしくなって交換せずに何ともみすぼらしい姿になること受け合いである。心がけのよい人なら5灯くらい切れたら交換するだろうが、それでもまた半年くらいでどこかが切れる。パワーメーター回りだとがっかりである。

さて、今回使用したLEDはφ5mmの高輝度LED電球色で順電圧3.2Vの75mAタイプ。
75mAを安全を見て60mA(0.06A)に減らし、これを2灯直列を1組とし、抵抗を計算した。基板の電源電圧は12Vだった。抵抗の値は

(12[電源電圧]-(3.2[LED電圧]x2灯))÷0.06[LEDに流す電流]=93Ω

ということで100Ωのカーボン抵抗1/2Wタイプを使った。
部品は共立エレショップという通販の会社に注文した。
基板に半田付けされているむぎ球はハンダを溶かし全て撤去し、代わりにアクリル細パイプでベースをつくり基板に接着した。


再びフロント外した状態
すべてつなぎ、ジョイント部は熱収縮チューブでカバーしフロントを元に戻す。


イルミネーション復活したMA6450

この基板上にベースを接着する方法は、私は全く気にしないがマッキントッシュマニアには受け入れられない方法だろう。その場合はアクリルベースにダミーの針金足を取付けそれを基板にハンダ付けすればいい。

さて、ガラスはまだだが、イルミネーションの復活したMacIntoshはなかなか見栄えがいい。音出しテストはDENONの小型スピーカーで行ったが、ふとヤマハのNS1classicだとどうだろう、と思い、つないで聴いてみた。ネットワークを変更してややパキパキ感のあったNS1classicだが実にマイルドな音になった。

もちろん、ネットワークを変える前の音に戻った訳ではない。高音もスーッと気持ちよく出ているが、デジタルアンプで聴いていたときのパキパキ感がなくなり、しっとりした音になった。

もうこれを聴いてしまったら元には戻れない。
場所を空け、デスクトップオーディオとして使うことにした。
というわけで、仕事しながらの音楽がほぼ理想的な音になった。
めでたし、めでたし。


仕事しながらの音楽はこれにヤマハNS1classicをつなぐ。
名にclassicとあるが、ジャズもいい
さて、以上は仕事しながらの音楽用。

次に音楽鑑賞用のステレオ。
こちらは真空管アンプによる3wayマルチアンプ。最後の1台のアンプが届き、さらにフォノイコの追加もあり、ラックのレイアウトを変更することにした。そこで一旦ラックを工房へ運び棚板の変更と併せて全体を再塗装することにした。
塗装と乾燥が終わって、元の位置に戻し、機器を戻し配線した。

結構時間がかかった。ラックのバラシと再塗装、組み立てに1週間以上。機器の設置と配線に6時間。配線は電源の工事もあり、コンセントボックスの取付けと渡りのFケーブルの加工に3時間近くかかり、アース線の加工に1時間ちょっと。機器のケーブルのタグ付けなどに2時間くらい。その他合わせて6時間ちょっと。

マルチなので、チャンデバでの厳密なレベルあわせが必須だが、今日はもう時間がない。そこで耳を頼りにざっくり合わせることにした。

使う曲はカーペンターズ。こういう音合わせは女性ヴォーカルに限る。楽器で合わせるのは不可能だ。
カレンカーペンターという人は、一般的には澄んだ声のヴォーカルという印象を持たれている歌手だが、私は低い声が魅力のヴォーカルだと思っている。
かなり低い声まできれいに出るので、男性ヴォーカルの声域から女性ヴォーカルの声域までひとつながりに出る。
なのでスピーカーの各チャンネルのつながりのチェックにはとてもよい、と思っている。
少々古いが、曲も音もいいし。
CDは今売られているものよりこの頃の方が音がいい。これは今の人は大型スピーカーなどで音楽は聴かないので、ヘッドフォンやBOSEなどに合わせた音作りがされていて、それがきちんとしたオーディオでは妙な音になるからだ。その代表がコンプレッションかな。まあ、しかたがないけどね。


こっちもなんとか完了
快適に仕事ができる環境づくりの1つとして音楽を聴く部分は一旦完了。